自然の慣性に身をまかせて

自然から得られた重力と遠心力をスキーでいかに推進力に変換できるか楽しんでいる山猿510の記録です。

2015-2016マテリアルインプ ホジさんがつくった板

2016-05-29 16:09:12 | 実使用インプレッション
道具の評価は人によって違うことはよくあること。

特にバックカントリー用スキーは、デモ用スキーと違い、滑る斜面、雪質、経験値、スキー技術のバックボーンなどで
評価が異なる。ということでいろいろな人の評価は、私が気づかない評価もあるので、人の評価をみるのは結構好きです。

でも実は自分自身のマテリアルの評価においても、日々考察が異なる。

単純に勘違いだったことから
山スキーならでわの滑ってきた場所の変化から、自身の技術、能力の変化であったり、が主な理由と考えられるが

そのスキー板の評価の変化自体が、私の中で面白く、どのように変化するかを経時で把握したいと思い
今シーズンの道具の評価を記載したいと思ったのが、今回の記事を書く目的です。

ということで、間違いだらけ、勘違いな内容もあることを承知のうえで備忘録として正直な気持ちをつづろうかと



ワラリガラス君

より加速を体感したいと思い購入した板です。
結論からいうと、やはり気持ちよく加速することのできる板でした。

そのワタリガラス君を開発したホジさん(Eric Hjorleifson-san)

実は私はEHPという板もあり、EHPとワタリガラス君はいずれもホジさん開発の板です。

ホジのシグネチャーモデルは総じてビンディングの推奨位置がセンター寄りですので、テールが長めです。
これがホジの板の核心だと私は理解しております。

通常であればセットバックした方がトップが浮き、パウダーが滑りやすくなります。
しかしパウダー用なのにセットフロント(センター寄りの位置)??
しかし滑降してみると なるほど と気づかされます。この気づきはEHPでもワタリガラス君でも同じでした。

まずセンター寄りにすることにより、板のスイングがしやすくなります。

しかしセンター寄りにするとまずトップがすぐには浮きません。いいんです。すぐに浮かなくても!!だって浮かせたければ速度を上げればいいんですから!!
EHPに至っては、浮くよりも潜って滑るというイメージです。そして速度を上げることにより、浮力で浮き上がる
ある意味オールドスタイル(昔のセンター70以下の細い板でパウダーを滑る)手法でつくられているような感じです。


またセンター寄りにすることにより、テールがひっかかりすぎる弊害もでるのですが、
抵抗の少ないシェイプにすることにより、コントロール性も手にいれています。


例としてEHPでは
 ・サイドカーブが大きい(R=40)なのでトップが細い
 ・テーパードシェープだけど、緩やかなテールの細身(129-116-123)でまるで棒みたい
 ・0キャンバーかと思うぐらいの微キャンバー

事実EHPを試乗した時は踏み荒らされたタイトなツリーランでもアメーバのようにニュルニュル自由自在に滑れて
ロッカースキー全盛期で、ロッカーを購入しようと思ったのに、あまりにも性能がいいのでクラシックキャンバーのEHPを購入してしまいました。
(私の購入した世代のEHPはまだクラシックキャンバーですが、次世代のEHPにはロッカーと記載されていました)

これがワタリガラス君になるとロッカーが採用され浮力UPされます。
またこのロッカーもEHPのキャンバー同様、現在の主流になりつつある微ロッカーなので抵抗が少なくEHP同様コントロール性に優れており
起伏のあるツリーランでもクイックなターンを可能にしている。


ということでセットフロントによるデメリットは解消され、メリットが生きてくる。
このメリットはスイングのしやすさだけではなく、ホジの板でよく言わている走る板(もしくは暴走列車)に貢献することとなる。


いやむしろ最初の板の設計において、板を走らせるためにテールをいかに活かせるかを考えたためのセットフロントなのでは?個人的には思う。

テールを長くすることによりテールのフレックスを自由にコントロールすることが可能となり
板の踏む応力を変えることにより、パンパンと跳ねるようなショートターンから、粘る踏み込みからのロケット的な加速となっている。

また感覚的なものだが、板の応答がいいので、待ちが少なく、ロングターンは長く強めに踏み続けることができる(踏み抜けがしない?)
ロングターンでずーと板の芯の上を乗れる感覚がある。

これは板のトータルバランスが極めていい証拠だと思う。
いろんな板を乗ったことないのですが、ホジの板はそういう意味でも唯一無二だと思う。

そんなホジさんの板ですが、特徴的なプロポーションであることから、気持ちよく滑れる乗り方が一般的なパウダーの板と異なりました。


パウダーだからといって過度に後ろには乗りません。ほんの少し後ろ気味ぐらいが気持ちいいです。
(このポジションが結果として、より板を振り回しやすくなるんです)
テールを意識してたわますと、ストレスなくターンの切り替えができ、加速に結び付けてくれる

また板を振り回さず、縦に踏んであげるのがこの板を生かした滑りになる。これはいろんな人が記載している内容と同じだった。

そしてうまく踏んであげると、結果として板がスムーズに横に向いているような感じ。

実際に滑ってみるとの自分としては結構縦に落としたラインだと思っても、映像をみると意外に深いターンで板が横になっていることが多い

これは綺麗に板がタワミながら、絶妙にズレる性能が寄与していると思う。
このことがいろんな人が言っている「ホジの板はサイドカーブ以上に回る」ということだと思う。

テールの使い方は、正直EHPとワタリガラス君に教えてもらったというのが正直な感覚。
ワタリガラス君はテールに乗れるポジションが長い感じだが、スイートスポット的なところもあるので
板に滑り方を教えてもらうような感じ。

この感覚でゴータマを滑ると、ゴータマの良さが再認識できたぐらいなので、、

そしてザラメがサイコーに気持ちいい。この板は正直深いパウ以外ならフルシーズン楽しめると思った。

デメリットは加速するターン(縦落ち)が気持ちよく滑れるので、減速要素を強いられるバーンでも加速させてしまうところ
(意識して低速で滑れば滑れますので、、)

また圧雪バーンは滑れますが、正直楽しくないです。これはEHPも同じ(ホジはゲレンデもかっとんでましたが)
ということで、ゲレンデも使いたい人にはお勧めできません。

私の求める山での滑り方は、基本板のサイドカーブで曲がるのではなく、板に力をかけ続けることにより滑りを安定させ
板のたわまみを利用して曲がるスタイルであり、この滑りができる雪の緩み具合のゲレンデでは楽しく滑れます。

実は基礎スキーを大学の時代していたのですが、大学時代はまだカービングの板ではなかったため、

荷重、回旋、角付け

の内、荷重(抜重)を徹底的に学びました。かなり地味な練習でした。

大学卒業してカービングスキーが出て、カービングにはまりました。
その時はスキッド(ずらし)の滑りを軽視していました。

しかし同時にはまったパウダーでは、荷重、抜重がなにより重要な運動要素であることがわかり、大学時代に地味に練習してよかったなと

ホジさんの板は

カービングの滑りではない、オーソドックスな滑りでとっても楽しい滑りができる

が私の印象です。



気づいたら長くなったので、この辺で、、、







コメント
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