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山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

ウサギシダ(ナヨシダ科)

2020年09月17日 | シダ類
 山地から亜高山帯の林下に生育する夏緑生のシダである。葉は3回羽状複葉で、全体的に5角形に近い形を呈する。葉質は薄くて柔らかく傷み易く、胞子嚢群は裂片の辺縁寄りに付く。葉柄は細くて長く、無毛であるが基部に薄く鱗片をつける。富士山の青木ヶ原樹海の中に生育するものは下から2番目の羽片に葉柄を持ちアオキガハラウサギシダとされていたが、本種に含まれることになった。山梨県では奥秩父、南アルプス、富士山で生育が確認されているが個体数はあまり多く無い。

 2018年山梨県絶滅危惧ⅠB類(EN)  2017年環境省なし


    ウサギシダ(アオキガハラウサギシダ) 令和2年5月 富士山麓で撮影


    同上 風穴の入り口に生育していた個体。


    同上 葉質は柔らかく傷み易い。


    令和2年7月 同じ場所で撮影


    同上 青々とした葉が茂っている季節であるが既に痛んでいるものが多い。ソーラスはまだ出現していなかった。


    令和1年10月 同じ場所で撮影。10月になると枯れ始める。


    同上


    同上 ソーラスは裂片のやや辺縁寄りに付着する。


    令和2年9月 瑞牆山で撮影 富士山麓以外の場所で初めて見たウサギシダ


    同上 柔らかくて傷みやすい葉は既に千切れていた。


 ➡山梨県の絶滅危惧のシダ類一覧に戻る


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キタダケソウ(キンポウゲ科)

2020年09月17日 | キンポウゲ科
 北岳の砂礫地の草地に生育する北岳に特産する多年草である。6月中旬から7月初旬の雪解けの頃に最初に咲き出すのがこの花で、舞茸のように葉は細かく切れ込むのが特徴である。個体数は比較的多い。


    キタダケソウと残雪の間ノ岳 平成19年6月 北岳で撮影


    同上


    キタダケソウ 平成19年6月 北岳で撮影。雪が解けたばかりの早い時期に咲き始める。


    同上 花はチョウノスケソウに似ているが、葉が舞茸のように細かく切れ込むのが特徴である。


    キタダケソウが群生する斜面 平成19年6月 北岳で撮影。大部分が石灰岩を含む砂礫地である。


    平成22年7月 北岳で撮影


    同上 個体数はあまり変わっていないように見えるが、ハクサンイチゲやイワベンケイなどが混じっている。

 地球温暖化の影響で開花時期が早くなっていることと、ハクサンイチゲやイワベンケイなどが早い時期から同じ場所で咲くようになってきており、植生の変化が見られるようになってきている。今後の変化を注視する必要がある。

 ➡山梨県の絶滅危惧のキンポウゲ科植物一覧に戻る

 ⇒山梨県の希少野生動植物種と指定種・特定種について

 ⇒山梨県の絶滅危惧の植物 ~科別分類~

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テバコワラビ(メシダ科)

2020年09月17日 | シダ類
 標高の高い山地の林内でやや湿り気の多い場所に生育する夏緑性のシダである。葉は長さ80 ~ 150㎝になり無毛、葉柄は淡褐色で光沢があり、基部に薄く鱗片をつける。葉身は柔らかい草質、広卵形、3 ~ 4 回羽状複葉。胞子嚢群は小さく、ほぼ円形で裂片のやや中肋近くにつく。柔らかな葉は鹿の食害を受けており個体数は減少している。山梨県では限局的に数か所の生育があるのみである。

 2018年山梨県絶滅危惧ⅠA類(CR) 2017年環境省絶滅危惧Ⅱ類(VU)


    テバコワラビ 令和2年7月 南アルプスで撮影


    同上 葉質は柔らかい。


    同上 鱗片は薄い。


    令和2年9月 同じ場所で撮影。


    同上 ソーラスは葉の下側、中軸寄りから付ける。


    ソーラスは裂片のやや中肋寄りに付ける。


    令和2年9月 別の場所で撮影


    同上 沢沿いに生育していたテバコワラビ

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