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山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

初秋の櫛形山を周回 令和2年9月13日

2020年09月14日 | 山に咲く花
 当初の予定では山梨県県南部に生育しているスルガジョウロウホトトギスの調査に行くはずだったのだが大型の低気圧が接近しており雨が降ると渓谷内は危険なこととヤマヒルの餌食になってしまうことから延期となった。そこで出かけたのが櫛形山である。午後から雨の予報なので目的地までいちばん早く行けそうなルートを選択して雨が降ったら引き返す作戦だったのだが・・・?櫛形山林道を車で進むと林道が工事中で見荒らし台のところまでしか行けない。ここから北尾根を登っても行けないことも無いが時間がかかる。他のどのルートを登っても時間は同じくらいだろう。ならば、今頃サラシナショウマが咲いているであろう池の茶屋の保護柵の中を通って行くことにしよう。移動に30分以上かかって、それなりに早起きしたつもりだったのだが、スタートは9時近くになってしまった。


    池の茶屋保護柵内のサラシナショウマ


    先端部分はもう花が散っていて少し遅かったが、それでも見ごたえは十分である。


    この山域では圧倒的に多いシラネワラビの群生


    ヤマトリカブト


    花茎の部分を見ると花の近くは毛が生えていない。その下側は開出毛(直毛)のようである。


    尾根道では無く管理歩道を歩く。が、以前から気になっていたその下にある細い道(?)まで下りて歩いてみる。


    途中までは踏み跡らしきものがあったが・・・


    お決まりの途中で消失。獣道を頼りに進み、途中の尾根を登り上げて管理歩道に戻る。


    管理歩道の道しるべ。このまま尾根を登り詰めれば櫛形山山頂あたりに抜け出るが道は無い。


    途中にあった大岩を覗き込んでみた。付いているのはイワデンダ。右上はヘビノネゴザ。


    岩壁に咲いていたシロヨメナ


    その横に生えていたノキシノブの仲間、根元の茎が明瞭でミヤマノキシノブと思われる。

 管理歩道が出来る前にあった旧道ではないかと思っていたのだが、どうやらカラマツ林を管理するための作業道のようである。何か珍しいシダがあるのではないかと期待したのだが目ぼしいものは見つからず、その後は管理歩道を進む。


    霧が出て小雨も降った。草地にたくさん生えているこのアザミはもう終わりであるが、ほとんどが食害を受けていた。


    細めの総苞、茎に毛はほとんど無い。ホソエノアザミと思われる。


    初夏にクサタチバナが一面に咲く草地、クサタチバナ平と勝手に命名している。


    葉が散って茎だけ残っているクサタチバナ


    裸山の保護柵に到着。タムラソウはほとんど終わっていた。


    期待していたのはこのマツムシソウの青いお花畑だったがもう遅かった。


    それにしても圧巻の花数の多さである。時期と天候が良ければ、紫色のお花畑の先に富士山が見えるということになる。


    タムラソウとハンゴンソウ


    咲き残っていたツリガネニンジン


    裸山山頂から見下ろす雲海

 予想では午後2時ごろから天候が崩れて雨になるだろうと思っていたのだが、裸山で3時になったが雨は降っていない。ここで引き返すつもりだったのだが雨が降らなければアヤメ平も回れそうである。そちらまで下りて、しばらく歩いていないモミジ谷を回る周回コースを歩いて戻ることにする。


    遊歩道まであふれ出しているアヤメ平のタムラソウ


    アキノキリンソウ


    咲き終えたシモツケソウのお花畑


    コウモリソウ群生


    あふれ出ているヤマハハコ


    ハンゴンソウのお花畑


    タムラソウとハンゴンソウ


    ますます植生の差が出てきた柵の外と中


    周回ルートのいちばん低い場所、モミジ谷の休憩ベンチ。このルートはここからの登り返しがきつい。


    白いトリカブト


    咲き残りのタカネフタバラン

 当初は裸山もアヤメ平も立ち寄らないつもりだったのだが、想定外に天候が持ってくれたおかげで予定よりもだいぶ長距離を歩くこととなった。GPSの距離を見てみると18㎞ほど歩いたことになっていて、下山したのはちょうど日没の午後5時50分だった。結構疲れたが、おかげであまり注目していなかったタムラソウやマツムシソウの大群生が見られることが分かった。何年も前にマツムシソウの青いお花畑を1度だけ目撃しているが、その時にも増してマツムシソウは増えているように思う。なかなか富士山が姿を現さない季節ではあるが、来年はこのマツムシソウ大群落の青いお花畑を見てみたくなった。

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ミヤマクロユリ(ユリ科)

2020年09月14日 | ユリ科
 高山帯の日当たりの良い草地に生育する多年草である。黒い花は鼻を近付けると強烈な悪臭がする。山梨県では北岳周辺と八ケ岳に生育している。生育地の個体数は少なく、年々減少しているように見受けられる。


    シナノキンバイのお花畑に咲くミヤマクロユリ 平成20年7月 北岳で撮影


    岩場の中の草地に咲くミヤマクロユリ 平成22年7月 北岳で撮影


    同上


    高山帯の草地に咲くミヤマクロユリ 平成23年7月 八ヶ岳で撮影


    同上 この数年後からこのような群生は見られなくなってしまった。


    平成28年6月 上記とほぼ同じ場所で撮影


    平成29年7月 同上

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タカネシダ(オシダ科)

2020年09月14日 | シダ類
 高山の砂礫地や岩の隙間に生育する夏緑性のシダである。山梨県では北岳周辺と八ケ岳に生育しているが、個体数は少なく環境省カテゴリーでは絶滅危惧ⅠA類に属している貴重なシダである。


    タカネシダ 令和1年8月 北岳で撮影。一眼レフカメラが電池切れのためスマホで撮影した画像。


    同上。ソーラスは裂片の中肋近くに付く。


    平成30年9月 北岳で撮影。


    同上


    ソーラスは茶色く熟している。葉の上半分に偏って付着する。


    令和1年10月 北岳で撮影。夏緑性のシダなので秋になると枯れてくる。


    同上。枯れ始めた葉とソーラス

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