山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

満開の越野の君 平成27年3月30日

2015年03月30日 | 番外編
 武田神社の桜はほころび始めたかと思えばあっという間に満開になった。ほぼ桜の花と同時に開花する越野の君も咲いている頃だろう。青空が広がって気温も20℃を越えたこの日ならばきっと全開しているだろう。


    まだ時期が早いのかネコノメソウは数が少ない。


    ヤマエンゴサクはほとんどが蕾で、開花しているものは少ない。そういえばヒナスミレもまだ咲いていない。


    シロバナエンレイソウもまだ蕾。これは完全にフライングかと思ったのだが・・・。


    沢にかかっていた橋は撤去されていた。沢の水も崩落のためか流れていない。

 道端の花の様子を見ながら、時に三脚を取り出しながらせっせと登るが、例年ならば咲いている花がまだほとんど蕾で、これはまだ早かったのではないかと思いながら登る。そしていつも咲いているあたりの手前から目を凝らして歩いていると、間違って踏まれてしまいそうな登山道のすぐ脇に1輪目を発見した。あたりを見回すと他にも2株ほど発見した。しかしこの花はいずれもしぼんでいる。これは開花前なのか、それとも既に開花し終えてしぼんでしまっているのか?


    登山道にはみ出して咲いていた1株目。


    近くに小さな株、さらにもう1株。いずれも開花していない。


    さらに足元に気をつけながら進むと、全開の株に出会えた。


    周辺にもぽつぽつと咲く。


    保護色で地味な花だが、なんとも味のある可愛い越野の君。


    滅多に顔を見せてくれない花を下から接写。しかし、余計な枝が入っているのに全く気付かず。


    別株を再写。


    なんとも深い味わいのある花。


    2株並んでいるところを200mmズームレンズで圧縮効果を狙って撮ったが、結果はいまいち。


    開花した越野の君とまだ花を付けない若葉。


    これがまだ花を付けない1年目か2年目の葉。踏まないように要注意。


    もう少し戯れていたいところだが、時間はもう5時を過ぎた。そろそろ下山。


 おそらく今年も古道を歩くツアーがこれから実施されるのだろう。コース下見のためか、それともこの花が目当てか、新しい踏み跡も少しだけ見受けられるが、幸いにして踏み荒らされた様子は無い。太平洋側では限られた場所にしか咲かない貴重な花、大切にして欲しい。
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秘密の花園と呼ばれた奥秩父フクジュソウ自生地へ  平成27年3月21日

2015年03月23日 | 番外編
 かつては秘密の花園と呼ばれていた奥秩父の山中にあるフクジュソウ自生地であるが、雑誌に載ったことがきっかけでその存在が知れ渡ることとなり、今では多くの登山者が訪れるようになり秘密の花園では無くなってしまった感がある。ネットで検索するとGPS軌道まで掲載されている記事があり、容易に場所が特定できるようになってしまっている。そのおかげで私のような奥秩父などほとんど歩いたことの無いような者でも行くことができるわけだが、反面多くの訪問者やさらにツアー客までが入山するようになり、花園がだいぶ踏み荒らされているという話も聞く。決して踏み荒らさないように、撮影には細心の注意を払って、200mm望遠を含めて3本のレンズを持って入山する。

 人が来る前に一番乗りで花園到着、かつ朝の斜光線で花を撮るというのが今回の最大の目的である。まだ暗いうちにスタートしたいので、前日は秩父市のホテルに宿泊する。その前にルートの入り口だけ確認しておきたいので、午後3時にルートの下見に行き、沢に入るルート、さらに尾根の鉄塔のあたりを散策しておいた。都合良く山梨の知人の方たちのグループが下山してきたところだったので、ルート状況や開花状況など情報を得ることができた。沢に入ってからのルートが意外と長いと伺った。

 当日は4時半起床、ルート入り口近くの駐車場には5時に到着した。予定通りまだ暗い5時20分にヘッドライト点灯して出発する。6時過ぎにはもう明るくなってくるのでヘッドライトは不要となる。当初の予定では尾根を登って目的地に向かって下降し、沢を下りてくる計画だったが、空模様が悪く、天気予報よりも早く天候が崩れてきそうな気配である。雨の中を沢ルートを下るのは避けたいので、予定を変更し、沢を登って尾根を下る逆回りのコースに当日の朝変更した。沢に下りるまでのルートは想定していたよりも良い道だった。


    まだ暗い5時20分出発。橋を渡る。


    沢に下るまでは予想以上に良い道だった。


    埼玉県トラック協会の協力でルート整備が行われたそうだ。

    下に沢が、突き当たりに目指す山域が見えて来た。両脇の木が折られているのはルート整備のためなのだろうか?


    道の脇に咲いていたエイザンスミレ


    タチツボスミレ


    湿った岩の環境から、あるのではないかと思っていたが、やはりあった。ハナネコノメ。


    折角の花なのに、小雨でレンズが曇ってしまった。


    こちらはユリワサビ。高尾山まで行かなくても・・・というのはまだ行ったことの無い私の負け惜しみ。

 7時沢筋に下り立つ。小雨がやや強くなってきたので、ここでザックカバーと上半身だけカッパを着る。途中では少し青空が見えた時もあったが、もはや空はどんより曇り空、朝の斜光線で花を撮影することは無理そうだ。沢から先はほぼバリアンスルート、明瞭な踏み跡も無くなる。二股に分かれた沢を登り間違えると尾根を隔てた反対側の場所に行ってしまうので、GPSで確認して沢筋に入る。あとはこの沢をひたすら登れば目的地に到着するはずだ。


    二股になっている沢の分岐。


    右の沢には小さな滝がある。青いテープがやや紛らわしい。


    入るのは左の沢。ここからは沢登りになり、踏み跡は無いか、あっても薄い。


    沢沿いの岩にはハナネコノメがちらほらと咲いている。こちらはムカゴネコノメソウ(だと思う)。


    苔の生えた美しい沢。テープも何も無く、あまり人が入っているようには見えないのだが・・・。


    かつてはワサビ田があったらしい。


    沢の源頭。こんな綺麗な水で作られたワサビならばさぞかし美味だっただろう。


    沢の流れが無くなり、もうすぐ目的地。踏み跡が見えて来た。


    到着、秘密の花園。噂通りの斜面が黄色く見えるほどのフクジュソウ群落。

 ほぼ予定通りの9時、秘密の花園フクジュソウ自生地に一番乗りで到着した。花園の中に踏み込まないように、お花畑の周辺を回るようにして写真を撮る。満開と聞いていたのだが、この花は天候が悪いと開花してくれないようで、ほとんどが蕾のようにしぼんでいる。曇り空で光が差し込まないため、鮮やかな色が出ないのが残念である。


    斜面一面がフクジュソウでいっぱい。


    フクジュソウの咲く斜面


    同上


    これほどの花が自生しているとは驚きである。200mm望遠レンズ画像。


    同上


    凄い!


    同上


    花園を回り込んだつもりだったが、その後ろ側の斜面にも咲いていた。


    上部から見下ろすフクジュソウ群落。花園の中心を横切るように踏み跡が出来てしまっている。通路が出来ているからといって踏み込まないで欲しい。

 1時間ほど撮影に熱中していると、10時を過ぎた頃に沢沿いから鈴の音が聞こえてきて、登山者がやって来た。毎年この花園を訪れているそうで、私のブログのことも知っていて驚いた。この花園が世間に知られるようになり、訪問者が増えて踏み荒らされることが多くなったため、地元の愛好家の方たちが目印となるテープ等は全て取り払ったと聞いた。しかし、場所を隠すのは既に時遅しといった感が無きにしもあらずだ。都合良く、この花は毒があるために鹿の食害からは逃れたためにこのような花園が残っており、最大の敵は人間ということになるのだろう。マナーの良い訪問者が来るのならば良いのだが、今後はロープを張る等の保護活動をする必要が生じて来るかもしれない。

 訪問者が数人到着したところで軽食をとって撤退する。時間は10時半。尾根に登る道はスズタケの籔登りを想定していたのだが、以外にも踏み跡のあるまともな道だった。急登、かつ雨で滑り易く、途中から一時みぞれも混じるようになって来た。尾根に登り着いてあとは尾根通しにひたすら下るだけだ。間違えそうな尾根分岐が2ヶ所あるが、事前に地図で十分に検討してきたので全く間違うことは無かった。


    尾根に登る途中から見下ろすフクジュソウ群生地。


    スズタケの籔を想定していたが、意外とまともな道だった。


    大ドッケはこんもりしたピークで、ここで尾根が分かれている。下山時は注意が必要。


    下部ルート脇には面白い湾曲した地層が見られる。


    ルート入り口は鷹が見張っている。

 午後1時駐車場に到着。例の如く、下山して来ると青空が見えているが、山の上は雲がかかっている良くあるパターンだった。駐車場は7台ほど止まれるが満車状態だった。下山途中の尾根で出会ったのは単独登山者2人だけ、そのうちの一人はテント装備を持って大平山を越えてその先の七跳山界隈の尾根を散策するという上級者だった。地味ではあるがかなり面白い山域であるという情報をいただいた。

 今回のフクジュソウは天候が悪かったためか開いておらず、写真の彩度が悪いのがきわめて残念だ。おそらく来週は天候の如何にかかわらず満開となっていることだろう。花は八分咲きくらいがいちばん見頃だとは思っているが、今回の撮影はいまいち、と言わざるを得ない。今季もう一度行くか、来年も訪れるかどうか、等、まだ全く未定である。願うことは、この花園が踏み荒らされること無くこれからもずっと在り続けて欲しいということである。



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春の積翠寺裏山バリアンスルート散策 棚山と要害山  平成27年3月15日

2015年03月17日 | 山梨無名山
 春の恒例になっている自宅周辺の低山散策だが、昨日の天狗岳の疲れを考えて軽く棚山まで往復(標高差にして600mほど)してくるはずだった。しかし、要害山の脇を通る武田の杜遊歩道を歩いていると、道標の脇にトラロープが張られているのが目に付いた。その先の道はえぐれた沢の中に消えているが、反対側の杉の植林帯が登れそうに見える。GPSを持ってしまうと、ルートの無い山も登れそうな気になってしまうのが少し怖いのだが、その斜面を登ったピークは要害山の裏側に聳え立つ三角錐を描いた格好良い山で、いつか登ってみたいと以前から思っていた山だった。思ったほど足の疲れは無く、むしろいつもより軽く感じる。では、GPS頼りに登ってみることにしよう。ピークを越えた向こう側に太良峠から棚山に至る正規ルートがあるはずだ。


    洞集落に至る県道脇のスペースに車を止め、武田の杜遊歩道を要害山に向かって歩き始める。この時は正規の道を歩くはずだったが・・・


    以前に比べると格段にルート整備が進んだ武田の杜遊歩道。


    道標で右に曲がれば正規のルートだが、その裏にトラロープがあるのを発見。その先の枯れた沢で道は消えているが、対岸を登れそう。


    杉の樹林帯。これならば行ける、と、ここで予定変更。GPS頼りにバリアンスルートを登ることに。


    杉樹林帯上部の谷。登り易そうな左手の尾根に取り付く。


    ところどころテープがあるが、これはルートを示すものでは無くて林業作業用の目印。


    岩に突き当たる。左を巻き、その上の岩は右に巻いて越えた。


    林業作業の痕跡、ワイヤーが付いている。


    大きなテーブル状の岩のある尾根に到着。眺望が開けて反対側の谷と山並が見えるようになる。

 足が吊りそうになる急斜面を1時間少々登り、尾根に出た。そこは眺望の良い岩があり、深く切れ込んだ谷の向こうに山並が見えるのだが、見慣れない角度からの眺望なのでどこの山が見えているのかさっぱりわからない。GPSと地図をにらめっこして、ようやくどこの山が見えているのかわかってきた。正面に大きく見えているのは山名の記憶が正しければ鹿窓、その右に見えているのは東山で間違いなさそうだ。左手に見えているのが、おそらくは要害山の裏側にある三角錐ピーク(山名は知らない)、それを越えて向こう側に正規ルートがある。


    向こうに見える山は何??地元なのに角度が変わると全くわからない。GPSと地図を良く見合わせて、左側が岩堂峠南西側のピーク(確か鹿窓)、右は東山。


    その先に見えるのがいつも見上げている要害山の裏側にある三角錐ピークだろう。


    岩場の下には足がすくむような深い谷が広がる。


    三角錐ピークに向かってまた登る。何となく道?っぽい。


    ピークと思われる場所に着いたが、三角点も看板も何も無かった。裏側の尾根は意外と平らなことがわかる。


    向こうに見える小さな三角錐が本日目指す棚山。


    尾根を進んで行くと太良峠からの正規ルートに出た。ここは岩堂峠方面への分岐点。


    棚山方向に進むと、「神峰(かんぽう)」という小ピークを通過する。ここからは兜山に至る尾根が派生している。


    見えて来た棚山。すぐそこに見えるが、ここから一旦下って登り返しになる。


    棚山の登り。トラロープが張られたやや急な斜面。


    やっと棚山山頂に到着。

 9時45分に武田の杜遊歩道に入り、棚山に到着したのは午後1時、軽い散策のつもりだったが、山頂まで3時間少々かかった。この棚山はあまり有名な山では無いが、眼下に山梨市、笛吹市の町を見下ろし、その向こうに大菩薩・小金沢連峰を望む好展望地である。富士山の眺望もなかなか良い。昨年初めて登ったが、隠れお気に入りの山のひとつになっている。


    西側の山頂看板。


    東側は山梨・塩山の町並の向こうに大菩薩・小金沢連峰が聳える好展望。


    富士山の眺望もなかなか良い。


    ここから見ると、鹿窓と東山は容易に同定できる。要害山は尾根の陰に隠れて見えない。

 眺望を楽しみつつゆっくり昼食をとって下山する。帰りは正規のまともな道を下りるはずだったのだが、途中で分岐する細い道が気になり、またしても・・・バリアンスルートに入り込むことに。


    先ほどの分岐点を深草観音・兜山に向かって下る。


    こちらは沢筋を下るきわめてまともなルート。


    やがて林道のような広い道に出た。そのままこの道を進めば、岩洞峠に到着するはずだったが・・・


    赤テープと細い道を発見。GPSで位置を見ると、ここには古い道があったらしい。

 岩堂峠に至る広い道の途中で右側に分かれる細い道と赤テープが目に留まった。GPSで位置を確認すると、そこにはかつて道があったようだが、歩かれている様子は全く無い。そちらに進んでみると、すぐに道は崩落していてどちらに行けば良いかわからない。崩落個所を1段上に昇って見ると明瞭な道があったのでそれを進む。しかし、その道もやがて細くなって、さらに進むと完全に道は消失してしまう。GPSで再度位置を確認すると、途中でルートを間違えたようだ。戻って道を探すと、なんとなくそれらしきものがある。いや、それしか無いと言ったほうが良いかもしれない。沢筋に向かって下って行くと、ところどころテープがあるが、道は荒れていてほとんど歩かれた様子も無い。歩き易そうな場所を選んで沢筋に沿って下ると、ようやくまともな道に出た。


    ここはまともな道があったようだ。


    しかし、道なりに進んだつもりだったが、途中で道は消失。崩落したのでは無さそうだ。戻ってGPS頼りにルートを探す。


    これが道か?しかし、GPSのルートはここを指している。


    テープ発見。なんとなく道っぽいがかなり荒れている。


    プチ氷爆、ではなくてただのつらら。


    鬼の角のような大きな岩が見える。


    やがて沢の源流に出た。そして間もなく・・・


    橋のかかる正規ルート、これは深草観音から要害山に至る武田の杜遊歩道の一部。看板には要害山と書かれている。

 出たところは武田の杜遊歩道の一部、深草観音から要害山に至るルートの途中だった。ここは以前から棚山に行けるのではないかと目を着けていた場所だった。GPSがあったから下りて来られたが、地図とコンパスだけでは難しかっただろう。便利な道具が出来てバリアンスルート歩きは楽になったが、反面地図読みをしなくなって頭を使わなくなってしまった。

 要害山の方向に向かえば元の場所に戻れるので、そちらに向かってまた登りになる。要害山は立ち寄る必要も無かったのだが、分岐から10分か15分で行けるので折角だから立ち寄ってみることにした。この山からも見えると聞いてはいたが、確かに富士山が見える。


    要害山の分岐。もうすぐ時間は午後4時。ちょっと立ち寄ることにする。


    武田氏の城があった要害山。


    武田信玄公生誕の地の石碑が立つ。


    初めて見る要害山からの富士山。遠い昔に武田信玄もこの景色を見ていたのかと思うと感慨深い。


    本日登った要害山裏に聳える三角錐ピーク。


    朝登り始めたバリアンスルート分岐。これで1周。


 軽く足馴らしのつもりで出発したのだが、予定外のバリバリルート歩きとなったこの日の裏山散策、7時間かかって1周した。前日の天狗岳以上にハードな山行になってしまった。裏山の低山だからといって侮れない山の面白さが、バリアンスルート歩きにはある。しかし、GPSが無ければどうなっていたことか、登ることは出来ただろうが、下りで間違った場所に迷い込み、下山できないということになっていたかも知れない。深草観音周辺の谷は崖が多いので、見下ろす谷と山肌を見ながらナメては取りかかれない山域だと感じた。




    本日歩いた(と思われる)ルート。 GPS不調で途中からログ(軌道)記録が出来なくなってしまい、ルートは正確ではありません。

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雪山トレーニング、樹氷の北八ヶ岳へ 天狗岳  平成27年3月14日

2015年03月16日 | 八ヶ岳・秩父山系
 数年前から行きたいと思っていた天狗岳だが、日程が合わなかったり、天候がダメだったりと実現できずにいたこの山。今年は今後の雪山登山を考えたうえで、最低限クリアしておきたかったのがこの天狗岳だ。雪山シーズン到来の当初は、まずは蓼科山、そして天狗岳、さらにもうひとつ瑞牆山をクリアしておきたかったのだが、蓼科山は一度は駐車場に入れず、もう一度は天候不良で登れず、蓼科山を飛ばして天狗岳ということになった。何度も登っている金峰山や鳳凰山に比べれば難易度は低いと思うのだが果たしていかに?

 朝4時半に自宅を出発して7時前に渋の湯温泉に到着した。心配していた駐車場は、ハイシーズンの2月を過ぎたためかほとんど混雑していなかった。3月に入ったのでもう樹氷の景色も終わってしまっているかと思ったのだが、都合良くこの日は冬型の気圧配置となり、3月にしては冷え込んでいた。渋の湯の気温は氷点下5度くらいだったと思う。12本歯アイゼンを装着し、7時10分に渋の湯を出発。


    渋の湯から入山。空はどんより曇り空だが、午後からは回復してくる予報だ。


    樹林の中を進む。まだ雪はたっぷり。


    凍りつく木の枝


    唐沢鉱泉分岐。唐沢側へのトレースもあったが、この時期に唐沢側から来る人はかなりの熟達者のはず。


    思ったよりも立派な樹氷が残っていた。


    樹林帯を抜け、視野が開ける。空には雲を通して太陽が見える。


    中山側のモレーン帯。黒百合ヒュッテまでもう少し。


    黒百合ヒュッテ到着。これから天狗岳に登ろうという人たちが大勢いた。

 いつものスローピッチで後続者にはことごとく追い抜かれ、ちょうど2時間半かかって9時40分に黒百合ヒュッテに到着。これから天狗岳を目指す登山者が大勢準備をしていた。ほとんどの人たちが中山峠側に向かって行くが、左回りのコースで登る予定だったので、黒百合ヒュッテ前の雪の斜面を登り、岩のところまで行ってみると、左回りコースを行く人の姿は無く、風と雪でトレースも消えている。強烈な1人ラッセルとなりそうなので、そちらのコースはあきらめて、人の姿が見える右回りコース、東天狗への直登尾根を行くことにする。数人が歩いたトレースがあったので、ヒュッテに下りずそのまま外輪を回って中山峠側の登山道に合流する。この合流点でお会いしたのが横浜から来られたご夫婦さんで、その後は渋の湯に下山するまでずっとこのご夫婦の後ろをついて歩くことになる。


    黒百合ヒュッテからの登り斜面。美しいシュカブラの波模様。下を歩く人たちは中山峠に向かう人たち。


    斜面を登って右に進むと左回りルート。しかし歩いている人は見当たらず、トレースも消えている。


    岩に着いたエビの尻尾


    天狗岳は雲に隠れて見えない。きっと上は吹雪なのだろう。


    外輪を回り込んで中山峠側のルートに入る。途中から見る稲子岳の絶壁が格好良い。


    まだたっぷりと残っていた樹氷。


    ダケカンバの樹氷。晴れていれば隙間から天狗岳が見えたはず。


    樹氷と稲子岳


    樹氷と天狗岳


    たっぷりのダケカンバ樹氷


    樹氷を前景に東天狗、西天狗が見渡せるこの位置がベストポジションか。晴れていないのが残念。


    岩氷と中山


    ダケカンバの樹氷


    急斜面を0登る。上には大きな雪屁が出来ている。


    振り返って見る中山方面。


    左回りルート分岐。誰も歩いていなかった。


    天狗の顔の急斜面。あれが山頂かと思ったらその先だった。


    雪で霞む東天狗山頂。


    東天狗山頂。

 黒百合ヒュッテから約2時間かかり、12時に東天狗山頂に到着した。山頂は吹雪いていて、とてもではないがここで昼食をとる気にはなれない。小休止して下山、途中の緩斜面で中山の樹氷を見ながら昼食にでもしようと思ったのだが、天候は次第に悪化して風も強くなってきた。黒百合ヒュッテまで一気に下山してそこで昼食となる。


    吹雪の中を下山。右手の二人が横浜のご夫婦さん。


    ホワイトアウトまでは行かないが、登りでは吹雪いていなかった中腹の斜面も吹雪になった。


    黒百合ヒュッテ到着。下りは約50分。朝は無かったテントがたくさん張られていた。その中には、甲府第一高校のテントがあった。

 時間はまだ午後1時を少し過ぎたばかりだ。黒百合ヒュッテで昼食をとって、あとはのんびりと下山するだけだ。横浜のご夫婦さんに先導してもらって、山談義しながら楽しく下山した。今年の冬の課題の瑞牆山も2月に行って来られたばかりだそうで、それほど難しく無いと話しておられたが、私とのレベルの違いもあるだろう。もう雪山シーズンは終わってしまうが、機会があれば挑戦してみたい。

 



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雲ときめく富士山 毛無山  平成27年3月8日

2015年03月09日 | 山梨百名山
 3月7日、8日と夜明けのパール富士を追いかけて星見隊集結の予定だったのだが、7日の丹沢大野山、8日の矢筈山展望地とも天候不良のため中止となった。2日間天気図と雲画像、富士山ライブカメラを見続けて来たが、こればかりは自然相手だからどうにもならない。ただ、8日の早朝4時に起きて空を眺めると、うっすらと月が雲を通して見えていた。もしも雲が天気予報よりも数時間早く抜けてくれたらひょっとして・・・という思いで、山中湖の篭坂峠まで行ってみた。残念ながら空は曇り空、月は全く見えず、当然富士山も見えない。パール富士予定時間の6時を過ぎたのであきらめて山中湖平野に立ち寄って帰ることにする。しかし、時間はまだ7時、このまま家に帰って寝なおすのも面白くない。次回4月、皆既月食前日の朝霧高原パール富士の場所を下見して、三珠のセツブンソウとミスミソウでも見て帰ろうと思った。ところが・・・朝霧高原道の駅あたりまで行ったところで空が晴れ始め、富士山が姿を現した。もう少し早く回復してくれれば・・・こればかりは仕方無い。

 こうなると山に登らずに帰るのも少しばかり罪悪感を感じてくる。一番近いのが毛無山だが、あの急登の山を今の体力で登れるのかどうか。しかし、あの程度の山に登れなければ他の少し難しい山にも登れないということになる。下見の場所はおおよそ目星をつけて、毛無山登山口に向かう。


    駐車場を9時に出発。山頂には雲がかかっている。


    1合目付近にあったカンアオイ。キッコウハグマの葉もちらほら。


    ここにもあるという話は聞いていたが・・・ミヤマウズラの葉。


    早春の不動の滝

 何度登っても大変なこの山、標高差約900mの急登が延々と続く。5合目あたりからだいぶ足に堪えてきて、全くピッチが上がらない。6合目あたりから雪が増えてきて軽アイゼンを装着する。その頃に、きっといるだろうと思っていたあの方、ミスター毛無山K田さんが下りて来た。もう少し早い時間に摺れ違うのではないかと思っていたのだが、時間はもう11時半近い。それもそのはず、前日の雨は山上は雪だったようで、先頭を歩いたK田さんは新雪を踏んで登ったのだろう。いつもよりも時間がかかって当然である。またいろいろと情報をいただいた。


    簡単には登らせてくれない毛無山の急登。


    6合目あたりから雪が多くなり、軽アイゼン装着する。


    長者ヶ岳への縦走路は西側に雲が湧いている。


    富士山展望台到着。真っ白、何も見えない。


    尾根の縦走路。かなり雪が深い。地蔵峠側にはトレースが無い。


    樹氷のトンネルをくぐる。


    山頂到着。霧で真っ白。


    山頂の標柱。今日は富士山を拝めそうに無い、とこの時は思った。


    残った樹氷を眺めて、下山。

 山頂到着は1時25分、今の体力からして4時間と見ていたが、それ以上に時間がかかった。時間をかければ登れるが、かなり膝に堪えて軽い痛みが出た。かつて4度テントを担いで山上泊している毛無山、一度は新雪の中を夜中に登ったこともあるのだが、良く登ったものだと自分ながらに感心する。軽く昼食をとって下山する。

 もう本日の登山者は全員下山した後で、山上に居るのは私だけになった。日没には十分に間に合う時間なので、それほど急ぐことも無く下山して行くと、9合目の看板を過ぎたあたりで突然青空が開け、眼下に朝霧高原が見えて来た。そして雲を纏っていた富士山が遂に姿を現し始めた。富士山展望台まで行って三脚とカメラを構える。朝霧高原と富士山を巻く雲が足早に通り過ぎて行く。白い帽子を被っていた富士山山頂は、脱帽するかのように雲が消えて行く。天候が回復する瞬間、山が微笑む瞬間はドラマチックな景色が待っている。


    突然雲が晴れ、富士山が見え始めた。頭の上に真っ白な雲帽子をかぶった富士山。


    足早に雲が流れ、また新たな雲が湧いて来る。


    白帽子雲はまたたく間に消えて行った。


    雲ときめく富士山


    こちらはFujigoko.TV 「投稿画像コーナー」に投稿した写真。


    雲が流れ、次第に富士山もしっかりと姿を見せるようになってきた。


    すっかり落ち着いた雲の流れ。

 時間が過ぎるのも忘れて、50分ほどこの雲のショーを楽しませていただいた。時間は午後3時、そろそろ下りなければ。


    4合目上のレスキューポイントから見る富士山。光度を下げると雲を見上げる形、山頂あたりしか見えない。山上ならではの景色が楽しめた。


    沢まで下りると・・・大きなカモシカ君がお出迎え。

 足にも堪えたが、それ以上に寝不足が堪えた。展望台で写真を撮っていた頃までは良かったが、その先は眠さと体のだるさとの戦い。3時間少々の睡眠時間では夕方まで体が持たないようだ。気を抜いて転倒すると大けがになりかねない急斜面なので、慎重に下りるが、軽アイゼンを岩にひっかけて一度転倒した。岩の上ではなかったので大事には至らなかった。午後5時10分、駐車場に到着。

 体重はさほど増えたわけではないが、自身の感覚としてはかなり体が重くなったように感じる今日この頃、体力が落ちていることは明らかだ。時間をかければなんとか登れそうなので、少し難易度の高い山にも登ってみたいと思ってはいるが・・・それだけの根性が出るかどうか。
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夕暮れのパール富士 朝霧高原  平成27年3月4日

2015年03月05日 | 星空
 今年に入って1月、2月と朝霧高原のパール富士を狙って来たが、どうも満足の行く画像は撮れていない。今回は新たにステラナビゲーターなるソフトを購入し、綿密に位置と時間を計算し、さらに撮影場所の下見までして準備万端だったはずなのだが・・・

 今回狙っていたのは富士山剣ヶ峰の上に昇って来る月を、200mm望遠レンズにテレコンバーター装着し、400mmで撮ってみること、それも夕暮れの残照が残っている頃に撮影する計画だった。ステラナビゲーターは実際の時間よりも5分ほど遅れて月が昇って来るようなので、そこも計算に入れて日没ジャストに月が富士山頂に現れる位置を割り出して出かけた。到着した頃にはもう道端にずらりと車が並んでいる。団体さんなのか、中央から昇る場所には30人くらい人が固まっている。狙うのは剣ヶ峰の角なので、いちばん端の位置でカメラを構える。


    残照で赤く富士山が染まった。しかし月が出てこない・・・ 計算した時間通りのはずだが。時計を見て首をかしげる。


    200mm+エクステンダー×2で400mmにして撮影した夕焼けの富士山。エクステンダー装着すると解像度が落ちてしまい画像が鮮明では無い。外すことにする。


    200mmレンズの画像。こちらのほうがシャープな画像が得られる。


    半分昇った月


    同上。 EosM2に75mmレンズを装着。

 残照が終わった3分後あたりから月が姿を現した。日没時間が17時47分、山頂に月が昇るのが17時49分と計算し、ちょうど残照の頃だろうと予測したのだが、それよりも数分月の出は遅かった。この3分は短いようでかなり長く、富士山と一緒に月を撮ろうとするともはや月の紋様は消えてしまう。残念ながらまたしても満足な画像は撮れず。


    剣ヶ峰に昇った月


    同上


    上の画像をトリーミング


    こちらはエクステンダー装着した400mm望遠画像。解像度は200mmそのままの画像とあまり変わらない。


    露出をアンダーにしても月の紋様はもはや写らない。


    林越しの月。林の上には木星が輝いている。


 ほんの数分の違いで残照と月の撮影には至らなかった。そして、エクステンダーは思ったよりも(予想はしていたが)性能が悪いということがわかった。これからも試行錯誤が続くが、3月以降は霞と雲が増えて撮影条件が悪くなってくる。良い条件が揃ってくれることを願う。
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座禅草三昧 玉宮ザゼンソウ公園と小倉山  平成27年3月2日

2015年03月03日 | 山梨無名山
 何年も前からこの花が咲く公園があることは知っていたが、実際に訪れるのは今回が初めて、そしてこの花に出会うのも初めてである。2月中旬に花が咲き始めている画像を見たので、そろそろ咲いている頃だろう。


    玉宮ザゼンソウ公園駐車場。小倉山はずっと奥に少しだけ見えているところ。


    ザゼンソウ公園案内板。(ですが小さくて見えませんね。こちらをご覧ください。「ぐるり甲州市 ザゼン草の里コース」)


    この看板の先が保護地区。鹿避け電気柵が張り巡らされており、これをまたいでコース内に入る。


    遊歩道が整備されている。


    すぐに一株目を発見。と思ったら・・・


    こんなにたくさん咲くものなのか。

 コース内の遊歩道に入って歩いて行くと、すぐに一株目を発見した。その周りにもぼつぽつと咲いているが、こちら側を向いて咲いている良い株がなかなか見つからない。先に進んで行くと、こんなに咲くものなのかと思うほどにたくさん咲いている。毎年来ているという常連さんの話だと、これでも今年はまだ少ないほうで、昨年はもっとたくさんあったと言っていた。まだ少し時期が早く、来週あたりからピークを迎えそうだ。


    お見合いですか?


    三姉妹。ようやくこちらを向いてくれた株を発見。 200mm望遠レンズで撮影。


    沢の周辺にその先にも続々と咲いている。


    開花した中は花粉がいっぱい。


    お一人さん


    見たかった白花の貴婦人を発見。


    たくさんではないが、ぽつりぽつりと白花が混じる。


    広角レンズで撮影できる良い株を発見。


    さながら地底から出て来た怪獣の爪。


    シドニーのオペラハウスもどき。


    沢沿いに咲くザゼン草。

 普通に歩けば20分ほどで抜けてしまうコースなのに、撮影に熱中して時間はあっという間に2時間を越え、5時半になってしまった。小倉山を周回して駐車場に戻る予定だったが、もうすぐ日没だ。折角なので、20分ほどで到着できる小倉山山頂の展望台だけ見てくることにする。


    小倉山に向かって登る。


    20分ほどで展望台のある山頂に到着。


    残念ながら富士山はあの大きな雲の中。富士山がほぼ南に位置するこの山からは、低空に輝くあの星が富士山を貫くように見えるはずなのだが・・・。


    甲府盆地に町灯りが灯る。


    南アルプスの夕空に金星が輝く。真ん中少し右寄りの三角錐が甲斐駒ケ岳。

 風が止んで静かな夕暮れになった。富士山が見えてくれれば言うこと無しだったのだが残念。金星が輝き出したところで時間は午後6時を過ぎた。さて、帰りましょう。


    途中の斜面から見上げる月と木星(左下側)。 右上の星はおおいぬ座のシリウス。

 すっかり楽しませてもらった玉宮公園のザゼン草。見頃は今週末から来週あたりになりそうだ。おすすめです。
コメント (4)
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リベンジ 黒岳西ダイレクト尾根  平成27年2月28日

2015年03月02日 | 山梨百名山
 先週は谷筋を横切るルートを選択したが、雪が深くて引き返してきた黒岳。今回は沢筋に入らずに真直ぐに登る尾根を選択した。正規ルートでは無いので誰も歩いていないはず。雪山のプチトレーニングにはちょうど良さそうだ。


    先週自分で平らにした駐車場にまた止める。今回は先週より1時間早い2時40分出発。


    今日も新道峠に向かうトレースはたくさん。


    すずらん峠ルートにも入った人がいるようだが・・・


    右が谷をトラバースする先週敗退したルート。今回はそちらでは無くて左の尾根にそのまま進む。

 すずらん峠ルートに入った足跡があるのだが、この足跡は登りのものと下りのものが同じ足跡、おそらく単独登山者だろうが、考えられるのは私と同じく沢筋で引き返したか、あるいは同じ道を下山したか。興味はあったが、今回はトレースの無いダイレクト尾根を登る。


    ここをひたすら真直ぐ登る。


    振り返って見る釈迦ヶ岳と、苦節の足跡。


    時間はもうすぐ午後4時。山頂までは標高差であと100m少々。


    あるのは小さな獣の足跡だけ。


    腹のデカい私は足跡もデカい。


    正規ルートに合流。こちらはトレースがしっかりある。


    山頂到着、午後4時40分。ちょうど2時間かかった。

 展望台に立ち寄り、しばし休憩する。さすがにこの時間になると誰もいない。明日は雨の予報で、夕方から曇ると思っていたのだが、富士山は霞んではいるものの姿を見せてくれた。日没まで待って夜景を見てから下山ということも考えたが、西の空に沈んで行く夕陽を見る限りでは雲の中に入ってしまっていて、あまり劇的な夕暮れにはならなそうだ。午後5時10分、新道峠側に下山を開始する。


    黒岳展望台から見る夕暮れ間近な富士山。


    西に沈む夕陽。雲におおわれて赤い夕陽は期待できなそうだ。


    新道峠側に下山する。こちらのルートは雪が深く、苦労した跡が伺える。


    すずらん峠から見る夕富士。やはりあまり染まらずに日没となりそうだ。

 すずらん峠に到着すると、谷筋ルートに入った新しい足跡と古い足跡がついていた。かなり深い足跡で苦労した様子が伺える。今日入った人がいるということなので、おそらくは谷を通過できるのだろうと行ってみると・・・谷筋に下りたところまでは足跡があったのだが、その先には足跡が無く、どうやら引き返したらしい。先週私が歩いたトレースは谷に下りた場所から上に30m~40mほど登ったところにあるはずだ。おそらくは下の登山道から今日歩いた人のトレースもそこまではあるはず。谷の吹き溜まりなので、もちろん雪が深いのを覚悟で、谷筋をラッセルして登る。太腿から腰まで埋もれる雪を膝で押しつぶしながら進み、先週の自分がつけたトレースまでなんとかたどり着いた。時間は既に日没を過ぎた5時45分。


    谷筋ルートに向かうトレース。右に新しい足跡、左は古い足跡。


    谷のトラバース道は急傾斜で、途中から谷に下りたらしい。その足跡を辿ると、谷の中で足跡は消えていた。どうやら引き返したらしい。


    谷筋をラッセルして先週歩いたトレースまで登る。左が本日のラッセル跡、右が先週のトレース。ここまで来れば安心。


    森に月が昇り始めた。

 下の林道から入るすずらん峠側ルートのトレースも谷筋で途切れており、どうやら引き返したようだ。すっかり暗くなった道を、ヘッドライト点灯せずに月明かりを楽しみながら下山する。6時10分、無事に駐車場に到着した。

 勝手知ったる黒岳だからこそ、このような日没迫る中をラッセルするような登山が出来るが、慣れない山ならば遭難になり兼ねない危険な登山だったかも知れない。少しばかりスリルのある登山を久しぶりに味わうことができた。(最悪の場合を想定して、一応ビバーク用のツエルトやビバークシート等は持ち歩いています。)
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