山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

山梨県に生育しているヒメワラビの仲間たち  令和2年2月27日

2020年02月27日 | シダの仲間
 「ヒメワラビ」という名前がついているシダの仲間は山梨県では8種類あるらしい。同じ名前が付いているだけあって形は確かに似ているものが多いのだが、それぞれに科が違っていたりするので同じヒメワラビといってもなかなか判別が難しく、図鑑やネットで調べてもすぐに忘れてしまって、次に見た時にこれは何ヒメワラビか名前が出て来ないことがほとんどである。今回は8種類のヒメワラビのうち、今まで見てきた5種類を自分自身の整理のために掲載したい。間違っているところもあると思うのでそのつもりで記事を見ていただきたい。

 山梨県に生育しているヒメワラビの名の付くシダは以下の8種類である。

1.ヒメワラビ(ヒメシダ科ヒメワラビ属)
2.ミドリヒメワラビ(ヒメシダ科ヒメワラビ属)
3.タチヒメワラビ(ヒメシダ科タチヒメワラビ属)
4.イワヒメワラビ(コバノイシカグマ科イワヒメワラビ属)
5.キヨスミヒメワラビ(オシダ科キヨスミヒメワラビ属)
6.ヤマヒメワラビ(ナヨシダ科)
7.オオヒメワラビ(メシダ科シケシダ属)
8.オオヒメワラビモドキ(メシダ科シケシダ属)

 このうち、判別が間違っていなければ今までに見てきたのは1,2,4,5,6の5種類である。また3、6は山梨県絶滅危惧種に入っている。

1.ヒメワラビ(ヒメシダ科ヒメワラビ属)

    ヒメワラビ(武田神社近傍、令和1年12月)。枯れかけていてやや黄色っぽく紅葉していた。


    羽片の軸には翼がある。また、小羽片の付け根のところには茎が無い。鱗片やソーラスは撮影していないので夏以降に再訪の必要がある。

2.ミドリヒメワラビ(ヒメシダ科ヒメワラビ属)

    ミドリヒメワラビ(甲府市中道町、令和2年1月)。夏緑生のシダなのでほとんど枯れかけていた。本来は緑色のシダだが黄色味がかっていた。


    ヒメワラビに似ていて羽片の軸に翼がある。違うのは小羽片の付け根のところに茎があること。


    葉軸にほとんど毛がないところも違いなのかも知れない。


    枯れかけていたこともあるが、鱗片はほとんど無かった。

4.イワヒメワラビ(コバノイシカグマ科イワヒメワラビ属)

    イワヒメワラビ(富士川町林道、令和2年1月) 夏緑生のシダで枯れかかっていた。


    県南部では群生が見られるが甲府市界隈でも普通に見かける。


    ソーラスは裂片の間あたりに付着する。葉軸や中軸に毛が多いのが特徴。


    同じくイワヒメワラビ(甲府市中道町、令和2年1月)。同じ1月でもまだ元気な個体に出会えた。


    羽片の軸に翼は無い。


    小羽片の根元には短い茎がある。軸に毛が多い。


    鱗片は薄く、毛が生えているように見える。

5.キヨスミヒメワラビ(オシダ科キヨスミヒメワラビ属)

    キヨスミヒメワラビ(南部町、令和2年2月) 常緑性のシダだが痛んでいるものが多かった。


    翼が無く小羽片に短い茎があるところ、毛が多いところはイワヒメワラビに似ている。ソーラスは真ん中寄りに付着している。


    決定的に違うのはこの根元近い茎に付着した白くて幅広い鱗片である。


    一見して何かゴワゴワしていてヒメワラビにしては強そうな感じがする。

6.ヤマヒメワラビ(ナヨシダ科)

    ヤマヒメワラビ(西沢渓谷、令和1年9月) 上記のヒメワラビとはちょっと違う感じを受ける。


    やや大き目のソーラスが辺縁にまばらに付着する。まだ知識が無いうちに歩いたのでこれがヤマヒメワラビとは知らず観察不十分である。

 ひとまずは「見てきた」という程度のシダ観察と写真である。夏緑生のものが多くて判別にはちょっと無理なものもあるのだが、次にこれらのシダを見かけた時にはしっかりと観察してきたいと思う。とりあえずは整理のための中間報告である。


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前日に続いて南部町の沢沿いを散策(続編)  令和2年2月23日

2020年02月25日 | シダの仲間
 この日最初に入った沢も、そして次に訪れた沢も予定していた沢では無かったのだが、なにせ富士川は西にも東にもたくさんの支脈を出しており、さらにその上流ではいくつも沢が分かれているためにいくら探索しても巡り歩けないほどの多くの沢がある。そして本日2本目の林道も車のGPSでは出て来ない林道である。


    2本目の林道は途中まで沢のすぐ脇を走っている。なかなか雰囲気の良い沢であるが開発され過ぎている感がある。


    県南部の沢らしくリョウメンシダが生えている。さらに林道脇はイノデだらけだった。


    イノデ


    しばしば沢沿いで見かけるありふれたシダ、この正体をまだ知らない。下にあるのはリョウメンシダの若い葉。


    薄めのソーラスが小羽片の葉脈に沿って配列している。


    おそらくこのシダはミゾシダであろう。


    さらに上流に行くと廃屋が数件と神社が立っていた。秘境といった雰囲気である。


    神社。綺麗に整備されている。


    かつてはこの沢沿いに道があったのであろうが、今は歩けるような雰囲気ではない。林道はここで沢から離れて舗装されていないデコボコの道に変わる。


    林道を先に進むとウラジロを小さくしたようなシダの群落があった。これはコシダだろう。初見である。


    裏側は白っぽい。ソーラスは付いていなかった。


    下がコシダ、上がウラジロ。コシダは二回りくらい小さい。

 さらに林道を進んだがさらに道は悪くなり最後は倒木があって奥に進めなくなっていた。車を回して撤退である。そして次に訪れたのが本日の一番の目的の沢であるが、既に時刻は3時半になってしまった。上流まで行くのは不可能な時間になってしまったので、1時間ほど散策して撤退してくることにする。


    知る人ぞ知るこの駐車スペース。後ろには貫ヶ岳が聳え立つ。


    土手に生えていたシダ。シノブかと思ったが・・・。


    葉の先端部にコップ型のソーラスが付着。これはホラシノブだろう。初見のシダ。


    林道脇には南部町らしくカタヒバがたくさん生えていた。


    アマクサシダ。これも点々と生えている。


    アマクサシダの若株。


    こんなのも林道脇に生えていた。


    サジラン。


    昨日初めて見たキジノオシダにも出会えた。


    先ほどの林道で見たコシダがここにも生育。おそらく県南部では普通に見られるのだと思う。


    ハシゴシダを小さくしたようなシダ。たぶんコハシゴシダだと思うが?


    中軸寄りの上向き小羽片が大きく飛び出しているが、全裂していない。ソーラスも付着しておらず確定は出来ず。


    沢沿いの道に入る。滝が現れた。


    ハカタシダ。判別の難しいカナワラビ属が多かったので、普通のハカタシダを見るとちょっと安心する。


    清涼な沢の流れ。


    リョウメンシダ。向こうの壁にはイノデらしきシダがたくさん生えている。


    この先はもっと面白いシダが居そうだが・・・4時半を過ぎてタイムアップ。ここまでで引き返す。


    驚きの出合いだったのがこのシダ。明らかにカナワラビ属だが頂羽片の長さが今まで見てきたものとは全く違う。


    このスラリと細長く伸びた頂羽片、これはホソバカナワラビだろう。


    小羽片の辺縁の切れ込み方はオオカナワラビに似ている。ソーラスは辺縁からやや内側に付着しておりハカタシダに近いか?

 ホソバカナワラビは図鑑によると群生していることが多いらしいのだが今回見つけたのはこの1株だけだった。周辺を探してみれば群生が見つかるのかも知れない。いずれにせよ、山梨県ではあまりお目にかかれないシダであることは間違い無い。


    チラ見えの夕暮れ富士。きっと夕暮れのダイヤモンド富士も良かっただろう。

 山梨県で約250種類あるシダのうち、これで140種類くらい見たことになる。山梨県絶滅危惧ⅠA類、ⅠB類のシダも半数を超えた。折り返し点は過ぎたが、まだ難敵のイノデ類がほとんど手つかず、イヌワラビの仲間も難しく、かつ夏緑生のものが多いのでほとんど片付いていない。さらにはヤブソテツの仲間も後回しになっている。これからの課題である。冬緑性、ないしは常緑性のシダは今期の冬の課題であったものはほぼ見終わったように思う。春が来たら、課題を片付けつつ、今度は夏緑生のシダを探すことになるのであろう。



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前日に続いて南部町の沢沿いを散策  令和2年2月23日

2020年02月25日 | シダの仲間
 前日から空が晴れ渡り、朝霧高原のティアラを狙うには良さそうな富士山が姿を現していた。実は前日の朝、南部町に行く前に朝霧高原に立ち寄ったのだが強風で富士山山頂には大きく雪煙が舞いあがっており、ティアラ撮影予定地まで行ったのだが混雑しているうえに条件が悪かったためにカメラを構えることなく撤退した。そしてこの日の朝は前日よりもさらに好条件の富士山が姿を現していた。予定通りに6時に起床したのだが、前夜は睡眠薬を飲んだにもかかわらず寝付けずとてもティアラを撮影に出かける元気は出ない。悔しいがあきらめて2度寝入りすると次に目が覚めたのは9時半だった。ライブカメラで見ると相変わらずの綺麗な富士山が見えており風も無い。山中湖の夕暮れダイヤモンド富士が良さそうだし、足を延ばせば千葉県の稲毛海岸あたりのダイヤも狙えるだろう。しかし3連休ということもあっていずれも激混みだろう。いろいろと迷ったが、前日の南部町シダ散策で良い思いをしたので本日も南部町の別の沢を散策してみることにする。3月の下旬を過ぎるとヤマヒルが現れてくるであろうから、気にせずに歩けるのはあと1ヶ月くらいである。

 11時半ごろに南部町に入り、まずは沢沿いの林道を走ってみる。良さそうな沢の脇に車を止めて谷の中を双眼鏡を使って覗き込む。最初に入った沢の岩壁に大型のシダがたくさんぶら下がっている。双眼鏡で見ると、今までにも何度かお目にかかっているが単発的、かつ距離が遠くて十分に観察できていなかったコモチシダのようだ。沢に下りてみる。


    梅の咲く林道脇から沢を覗き込む。岩壁に大型のシダがたくさんぶら下がっている。


    谷に下りてみる。素晴らしい景色、これはコモチシダの群生。


    大型で目立つコモチシダ。谷に垂れ下がる姿が美しい。


    コモチシダ。南方系のシダで沢沿いの岩壁を好んで生育している。名の由来である無性芽は残念ながら出ていない。


    ソーラス。小羽片の中央にやや湾曲した線状ソーラスが配列している。


    根元の鱗片はオレンジ色で、炎が燃え上がっているような美しさ。

 コモチシダは何度かお目にかかっているが、これほどの群生は初めてで、これだけ接近して観察するのも初めてである。幸先良いスタートとなった。さらに沢を遡上してみる。


    イワデンダ


    これはオオイタチシダか、それともヤマイタチシダか?


    ソーラスは大部分脱落しており、既に包膜は脱落してしまっている。


    幅の狭い黒い鱗片。おそらくはオオイタチシダと思うが確信は持てず。そろそろ判別が難しくて後回しになっているイタチシダとイノデの類に手を付ける時期が来たと思う。


    梅が咲く谷


    カンアオイか?


    堰堤と淵


    この岩壁には良いものが付着していた。


    岩壁の上部、これでもかというくらいにイワデンダが付着。


    真ん中あたりに生えていた光沢のある美しいシダ、羽片の先端と頂部が細長く伸びるこの姿はヒメカナワラビである。


    いちばん上がイワガネゼンマイ、その下にヤブソテツ、その裏にヒメカナワラビが隠れており、さらにその奥にイワデンダが隠れている。ゴージャスな顔ぶれ。


    輝く沢の流れ

 遡上した距離は短かったがコモチシダとヒメカナワラビの2種類の絶滅危惧種のシダに出会えた素晴らしい渓谷だった。特に、コモチシダの群生する姿は素晴らしかった。林道に戻って車の場所まで歩き、次の沢に移動する。
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ミスミソウほころぶ山  令和2年2月22日

2020年02月25日 | 山に咲く花
 まだ2月なのに気の早いミスミソウが咲き出したらしい。南部町でシダを散策後、別の場所にフクジュソウを観察に出かけていた花仲間と合流して宮原のミスミソウを見に行ってみた。


    まだ咲き始めたばかり。葉が展開していないものが多い。


    ミスミソウ


    セツブンソウよりも少し遅れて咲き始める。


    いちばんの大株だったが、風でブレてしまった。


    どうしても気になってしまうシダの仲間。これはオオイタチシダだと思う。


    黒い細めの鱗片。これを見てもオオイタチシダかどうかは自信を持って判別できない。


    イノデ・・・だと思う。


    ゴワゴワな幅広い鱗片。やっぱりイノデ・・・だろう。


    ここにもリョウメンシダが生育していた。南方系のシダだが山梨県の北限はどのあたりになるのだろうか?

 少しばかりシダを眺めながらの楽しいミスミソウ観察会となった。
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南部町の沢沿いを散策  令和2年2月22日

2020年02月24日 | シダの仲間
 先週に引き続いて山梨県県南部の渓谷沿いに生育しているシダの探索である。先週別の渓谷を散策した際にちょっと立ち寄りして今回の渓谷に沿って走っている林道を車で走ってみて、上から渓谷の中がどうなっているのかを下見しておいた。リョウメンシダがたくさん生育しており、他にもたくさんのシダが生育している素晴らしい渓谷であることが分かっており、今回の探索はかなり期待できそうである。林道が細くなる手前に車を止めて林道を少し歩いてから沢に下りることにする。


    林道脇に車を止めて出発。


    林道脇にいきなりこんなものが・・・。


    線状ソーラスがやや斜めに配列。葉の全体にソーラスが付着しておりサジランとはちょっと違う。おそらくこれはヘラシダだろう。


    そしてこんなものも・・・オオカナワラビ。


    下から3番目の羽片まで下向き最下羽片が大きく伸びているゴージャスな個体である。


    これはいったい・・・? ヒメワラビの類いということはわかるが?


    この幅が広くて白い鱗片は初めて見る。


    小羽片の形やソーラスの配列、中軸の毛の生え方から見るとこれはイワヒメワラビ(コバノイシカグマ科)になりそうだが、鱗片が大きすぎるように思う。


    特徴的なこの白くて大きな鱗片から、これはキヨスミヒメワラビ(オシダ科キヨスミヒメワラビ属)と思われる。もちろん初見のシダである。


    さらに初見のシダ、光沢があって美しいシダ。


    キジノオシダ。胞子穂を別に出すが既に枯れていた。


    沢に入るとさっそくまた現れたサジランに似たシダ。


    サジランに比べると長い。


    ソーラスを見ると線状ソーラスがやや斜めに配列し、しかも不揃いである。これはヘラシダである。山梨県絶滅危惧ⅠB類のシダ。


    水量はあまり多く無く濡れずに歩けるが、時に小滝があり回り込む。


    リョウメンシダ


    イノデ・・・だと思う。


    ハカタシダのように見えるが小羽片の辺縁が鋸状のうえに下向き最下小羽片が発達していない。これはオオカナワラビと思われる。


    ほころび始めたネコノメソウ属。イワボタンか?


    白い筋が入った変わり者のマツザカシダ発見・・・と思ったのだが。


    ネットで調べてみるとこれはオオバノハチジョウシダの幼体であることが判明した。


    大きくなると綺麗な白い筋が消えるらしい。


    さらに大きくなるとこういうふうに変わって来るのではないかと思う。残念ながら成熟した個体には出会えず。夏か秋に確認の必要あり。

 少し傾斜がきつくなり、越えにくい小滝が現れた。そこまでで無理せずに撤退し、脇を走っている林道に登り上げて車のところまで戻る。


    林道脇にもシダがたくさん生育している。オオカナワラビ。


    これもオオカナワラビ。


    キジノオシダ


    こんなところにクリハランが・・・。山梨県絶滅危惧種ⅠA類とは思えない場所に生育していた。


    コクランの葉とガラ。


    そして今回いちばん会いたかったのがこの緑色鮮やかな光沢があるシダ。


    ミドリカナワラビ。会えたのはこの個体だけだった。ハカタシダに似ているが頂羽片(先端の部分)が長く伸びない。


    ソーラスは辺縁からやや内側に配列している。

 今回はこのミドリカナワラビの他にヘラシダ、オオバノハチジョウシダ(幼体ではあるが)、キジノオシダなど、初見のシダに出会うことが出来た、期待していた以上に良い散策が出来た。大満足である。4月になるとこのあたりはヤマヒルの巣窟になるであろうから、歩くのなら今のうちが良いのであろうが、時期を変えないと見られないものがある。ヒルにひるまず、歩かなければならない日が来るのであろう。
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雲海広がる朝の甲府盆地 和田峠展望台  令和2年2月17日

2020年02月17日 | 番外編
 雨が去って青空が広がった山梨の空、富士山ライブカメラを見ると富士五湖からは綺麗な富士山が姿を現していた。起床して外を見ると・・・驚いたことに甲府盆地が雲海の下に沈んでいる。市街は真っ白な霧の中であろうが標高300mほどの積翠寺の里から見下ろす甲府盆地は真っ白な雲の下である。急いで着替えて手っ取り早い積翠寺西側の農道に車を走らせる。到着した当初は富士山が見えていたのだがカメラを準備している間に雲が湧き上ってしまい視界は無くなってしまう。10分ほど待つが回復せず、出勤時間を気にしながらもう少し高い和田峠に移動する。


    積翠寺西側の農道。梅が咲き始めている。この梅を前景に雲海の甲府盆地と富士山を狙ったが雲に阻まれて不発。和田峠に移動する。


    和田峠展望台から見る雲海の甲府盆地と富士山。この位置が雲海のギリギリの場所だった。センサーにゴミが・・・。


    雲海の富士山


    同上


    また雲が暴れ始める。


    もう出勤時間ギリギリだ。これまで。

 年に数回見ることが出来る甲府盆地の雲海。今年も何度かチャンスがあったが早朝会議が入っている日に重なって撮影はならなかった。この日もあと1時間早く起きていれば、朝日が射し込む雲海の景色が見られたかも知れない。しかし、見られただけでも幸運な景色である。町中まで下りると、薄暗い霧の中に突入し、ライトを点灯して車を運転した。出勤時間の5分前に職場に到着した。

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山梨県県南部の沢沿いに生育するシダを探索  令和2年2月15日

2020年02月16日 | シダの仲間
 先週に引き続き山梨県県南部のシダを散策であるが、今回は単独で沢を遡上して探索してみた。この季節ならばまだヤマヒルにやられる心配は無く、かつ常緑性ないしは冬緑性のシダを気遣い無く散策できる。水量が少ない支脈とはいえ、渡渉の際に少しばかり水に浸かってしまうのは覚悟の上で入渓する。


    カタヒバ群生。このあたりにはカタヒバがたくさん群生しており、中には木に着生しているものも見られる。


    ハナワラビの仲間発見。期待して近付いてみるが、いつもの(と言ったらシダに失礼だが)オオハナワラビだった。


    この岩にびっしりと付着しているのもシダの仲間だった。ずっと苔だと思っていた。


    ウチワゴケ。苔の名が付くがシダの仲間。ラッパ型のソーラスが付着している。


    渓谷に生えるトウゲシバ。葉の柄の部分があまり細くならず、ホソバノトウゲシバになるのではないかと思う。


    木に何か着生している。


    サジラン。山梨県絶滅危惧Ⅱ類であるが、県南部の沢沿いでは普通に見かけられることが分かってきた。


    岩に着生したサジラン。


    裏側の線形ソーラス。


    こちらも木に着生していたシダ、アオネカズラ。


    沢を見下ろすように生えているアオネカズラ。


    裏側から見る。


    1本の木に驚くほどにたくさん着生していた。


    明瞭な道が無くあまり人が訪れることが無い沢。倒木が多くて荒れているが美しい沢である。


    湿った岩壁にチャセンシダらしきものを発見。


    マクロレンズで撮影してトリーミング。表側の2枚の翼。


    裏側。撮影角度が悪かったがもう1枚翼があるように見える。おそらくこれはイヌチャセンシダだろう。環境的にも渓谷の湿った岩壁を好むらしい。


    ベニシュスランの葉。


    昨年のガラが残っていた。その柄に葉が付いており、左手には新しい葉が芽吹いている。おそらくこれから新しい葉に置き換わって行くところなのだろう。


    運が良ければ見つかるかもしれないと思っていたこのシダ。残念なことに大部分の葉が傷んで千切れてしまっている。


    裏側から見る網目状の葉脈。ソーラスはこの葉脈に沿って付着するらしいが今回は見られず。


    もう一株発見。山梨県ではきわめて稀少なシダ、タキミシダ。


    本流(といっても支脈だが)に戻る。もう少し時間はあるが、本日はもう運を使い果たしているだろう。撤退。

 アオネカズラは出会えるだろうと思っていたがあれほどたくさん着生している木が見つかるとは思ってもいなかった。あれだけでも大収穫だったが、さらにはまず見つからないだろうと思っていたタキミシダに出会えたのは大きな喜びだった。渡渉で足を滑らせて2回ほどくるぶしの上まで水に浸かるアクシデントがあったが、そんなことなど忘れてしまうような胸に熱い感動が残る渓谷散策となった。
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身延山久遠寺界隈のシダを散策  令和2年2月11日

2020年02月12日 | シダの仲間
 早川町のフクジュソウ花園から下山してきたのは午後1時半だった。この日は天候が良く、富士山ライブカメラを見てみると午後になっても快晴の富士山が見えている。山中湖まで移動してダイヤモンド富士を撮影するのになんとか間に合いそうな時間である。しかし、早川町まで来てもう1ヶ所見ておきたい場所があった。それが身延山である。この時間から山頂まで登るのは困難だが、久遠寺周辺から山頂に至る参道沿いに珍しいシダがあるらしい。初めての訪問で見つけるのは難しいであろうが、様子だけでも見ておきたい。車を運転しながらどちらを選ぶか迷ったが、過去に何度か撮影している山中湖ダイヤモンド富士は止めて、初めての場所でのシダ散策を優先させる。


    身延山久遠寺と後ろに聳えるのが身延山。


    久遠寺。左側が本堂。


    五重塔


    表参道を散策する。さっそくハカタシダを発見。山梨県準絶滅危惧種のシダだが、普通に見られることが分かってきた。


    イノデの仲間であることは分かるが、では何イノデ?


    鱗片はいつも見ているイノデに比べると幅が細い。これはアスカイノデ、ないしはアイアスカイノデではないかと思うが・・・確定するにはまだ力不足。


    岩壁に一つ葉のシダが群生。裏側のソーラスは円形で中央寄りに付着していた。


    ほとんどが細長の形だが一部は三つ手の形をしていた。これはミツデウラボシだろう。環境によって手が伸びないものがあるらしい。


    トラノオシダはたくさん生育していた。


    細かく羽片が分かれていて別物のように見えるがたぶんこれもトラノオシダ。


    オオバイノモトソウの群落


    タチシノブ。十合目付近はこのシダがたくさん生育していた。


    包膜のある長楕円形ソーラスが付着。


    灯篭が立つ。


    このあたりはタチシノブの宝庫。


    そしてやっと見つかったと思ったこのハナワラビの仲間。


    鋸歯が目立たず棘が無い。


    先端部は丸みを帯びている。やっとフユノハナワラビに出会えたと思ったのだが・・・。


    すぐ近くに生えていたのがこれ。


    葉の辺縁が色付いており、鋸歯が明瞭で尖っている。これはオオハナワラビ。


    全体的な葉の形は正三角形に近いような形をしている。


    そして最初に見つけたフユノハナワラビと思った葉を見直してみると全体的な形はほぼ同じ、肉厚な葉の感じも似ている。これは鋸歯の少ない変わり者なのでは?

 やっと見つけたと思ったフユノハナワラビだが、葉の先端部が丸くて鋸歯が目立たないのは4株のみ、周辺にあった5~6株は明らかにオオハナワラビだった。鋸歯は目立たないものの全体的な葉の形はほぼ同じ、肉厚な葉の感じもオオハナワラビと似ており、フユノハナワラビと断定するには難しそうである。おそらくは鋸歯の目立たないタイプのオオハナワラビではないだろうか。ハッキリさせるには、年を変えて何度か見にくる必要があるのだろう。結論を出すのは先送りにすることとする。典型的なフユノハナワラビを見てくることも必要だろう。

 探していたのはチャセンシダというシダで、イヌチャセンシダにも出会えるかも知れなかったが今回は見つからなかった。時間がとれるようであれば、西参道のほうも含めてじっくりと探索してみたい。
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早川町のフクジュソウ花園  令和2年2月11日

2020年02月12日 | 山に咲く花
 昨年も訪問した早川町の秘密の花園がもう咲き始めているらしい。朝霧高原でダイヤモンド富士撮影後に早川町に向かうが冬季閉鎖中の林道ゲートに到着したのは10時近くになってしまった。ちょうどゲートを開けて林業作業を行う地元の方が通過して行くところで、花の咲く現地まで車に乗って行くかと誘われたのだが、フクジュソウだけでなく周辺に生育しているシダ植物の様子も見ておきたかったのでお断りして自力で歩くことにする。登りは尾根を直登して林道を短絡、帰りは林道を歩く行程をとる。


    冬季閉鎖中の林道ゲート。この林道を進めば現地到着できるのだが、今回は左手の尾根に取り付く。


    明瞭な道は無いが普通に歩ける。


    鉄塔立つ尾根に出る。鉄塔沿いに登れるがここは左手に見える樹林帯に入り尾根を直登する。


    こちらも明瞭な道は無いが赤テープがついている。急登である。


    カーブミラーとガードレールが見えてきた。林道までもうすぐ。


    日当たりの悪い場所はまだ雪が残り凍り付いていた。


    1時間少々で現地に到着する。雪が少し残っているが咲いているのか?


    日当たりの良い斜面に行くと咲いていた。足元を見るとまだ蕾の株がちらほらと出ている。注意しながら慎重に歩く。


    フクジュソウ


    フクジュソウ


    フクジュソウ


    フクジュソウ


    フクジュソウ。まだ蕾のものが多く、これからもっと咲いてくると思われる。


    咲いているのはこの花だけだが、十分に楽しめる。


    確認しておきたかったのは萼片の様子である。


    花弁の長さと同じくらいの長さがあるのがフクジュソウで、ミチノクフクジュソウは萼片が短い。


    花弁からはみ出るくらいの長い萼片を持つ個体もあり、これはフクジュソウのほうである。

 山梨県ではフクジュソウとミチノクフクジュソウの2種類が自生している。おおよそ県中から県南部にかけてはフクジュソウが分布しており北杜市から北側ではミチノクフクジュソウが分布しているらしい。昨年はこの2種類の見分け方を知らずに見落としていたため、今年は確認しておきたかった。

 帰りは林道の法面や斜面に生えているシダを見ながら歩いてきたが、あるのはオオバノイノモトソウ、ヤブソテツ、オクマワラビとクマワラビくらいで、目ぼしいシダには出会えなかった。


    クモノスシダを発見。金ヶ岳で初めて見た時は珍しいシダかと思ったのだが、どこにも生えていることが分かってきた。

 まだ咲き始めたばかりで満開を迎えるのは1~2週間先になると思われる。
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久しぶりに撮影に行くとたいてい失敗する朝霧高原の割れるダイヤモンド富士  令和2年2月11日

2020年02月12日 | ダイヤモンド富士
 久しぶりの朝霧高原からのティアラ狙いである。空はスッキリと晴れて富士山も綺麗、風が少なく絶好の撮影日和となった。撮影ポイントを5ヶ所ほどGPSに登録しておいたが、朝霧高原道の駅付近のティアラは富士宮道路沿いからの撮影は過去に全て失敗している。おそらく太陽の大きさと剣ヶ峰とのマッチングが悪く剣ヶ峰の湾曲よりも太陽が大きくなってしまうのではないかと思う。そこで今回は登録地点のうちで富士山に近い場所からの撮影を試みる。

 到着したのはティアラの20分前だが、まだレンズの準備が出来ていないうえにティアラ撮影に愛用しているEosM5のカメラが見当たらない。ちょっとばかり焦りながら準備して太陽が現れる時刻の2分前に2台のカメラのセットが完了した。さて、連写開始・・・ところが太陽が現れたのは予定していた場所よりも遥かに右、なんでこんなにずれるのか??


    Eos80DにCanon70‐200mmズームレンズを装着。試し撮り。


    雪煙が出ているがこの季節にこのくらいならば良いほうである。


    光が現れたが・・・


    なんでこんなに右から出るのか?


    左に小さく光が現れているように見える。


    久しぶりにやるとたいていは失敗する朝霧高原ティアラ。


    こちらは1,140㎜望遠。


    一応は小さく2つ割れ。


    しかしこんなはずでは無かったのだが・・・


    失敗。


    剣ヶ峰ダイヤモンド富士

 このあたりは地形的に起伏があって、今回撮影した道路沿いは平地から急に高くなり始める場所だった。設定した太陽軌道のずれもあるのだろうが、おそらくは高くなった場所の地形が反映されていない可能性が高い。これはもはや運試しになるので止むを得ないのであろう。またの機会に挑戦である。
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セツブンソウは咲いたか?  令和2年2月10日

2020年02月11日 | 里に咲く花
 昨年偶然に発見した、ある沢のセツブンソウがそろそろ咲き出している頃ではないかと思う。1月下旬にも一度訪問しているがまだ何も出ていなかった。それと、正体不明だったシダを発見しておおよその目ぼしを付けていたのだがシダの師匠に見ていただいて正体が判明した。


    まだ寒々しい沢の入り口


    発見した当初はミサキカグマかと思ったが夏緑生のシダが冬にこんなに青々としているのはおかしい。


    対岸の岩壁にたくさん生えている。


    望遠レンズで捉えてみるとミサキカグマよりも一回り大きい。


    第一羽片の下向き最下小羽片は大きく張り出している。特徴的なのはいちばん下の羽片が弓なりに曲がっているところ。


    ソーラスを見てみると中軸から外に向かって付着している。過去の画像を確認してみるとミサキカグマは先端から付き始めていた。


    このシダはサクライカグマというちょっと珍しいシダであることが分かった。


    さて、セツブンソウが生えていたのはこの場所だと思ったが・・・


    まだ何も出ていない。


    凍り付く林道


    ツララ


    この沢沿いに咲くセツブンソウはもう少し先になりそうである。

 残念ながらセツブンソウには出会えずに終わる。ならば、もう咲いている三珠のセツブンソウを見に行ってみよう。


    ほぼ満開の三珠のセツブンソウ


    可愛らしい


    マクロ接写


    もう少し咲くだろうが、少し減ったような印象を受ける。

 沢沿いに咲くセツブンソウは時間がとれれば再訪してみたいと思う。
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南部町佐野峠のパール富士  令和2年2月9日

2020年02月11日 | 月富士
 山梨県県南部のシダを散策した最後の締めは佐野峠に移動してパール富士である。しかし問題なのは富士山頂に月が昇って来るのが日没後40~50分後のもう真っ暗になってからの時間であることだ。月の紋様を出すのは困難であるし、黄金の月にもならない。かなり難しい撮影である。そのうえ、交換電池をいつもならば3本くらい持ち歩いているのだが、シダの観察中に電池の入ったポーチの中身をぶちまけてしまい、交換電池が1個しか見つからなくなってしまった。その電池も既に赤ランプが点灯しており、もはや何カット撮れるかもおぼつかない様相である。さて、まともに撮れるのかどうか?


    こちらは電池残量十分なEos80Dで撮影した画像。


    雲が巻いて良い感じの富士山が薄赤く染まる。


    残照富士


    日没後の富士山。

 佐野峠の駐車場で残照富士を眺めた後、東側の林道を10分ほど登ってカメラを構える。佐野峠駐車場だと月が富士山山頂の右に寄ってしまうが林道を登ると真ん中あたりから出るはずだ。2台のカメラをセットして月の出を待つ。


    うっすらと月影富士が出た。


    月が現れた。


    半分ほど出た月。やはり月の出る時間が遅く富士山が暗い。


    電池切れのカメラは露出を合わせた後は良さそうなところだけを狙い撮り。


    ここで電池切れ。もう1本の電池切れの電池に変えるが・・・


    このカットを撮っただけで撮影不能となる。


    富士山頂に昇った月


    雲が光る


    月光彩雲を期待したが・・・


    ほとんど染まらずに終わる。

 やはり日没後20分以上過ぎてから現れるパール富士は撮影が難しい。剣ヶ峰に昇って来る位置で構えて、剣ヶ峰をシルエットで捉えると少しは面白いのかも知れないが、あまり良い方法は今のところ思いつかない。
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山梨県県南部のシダを再訪する その他のシダ  令和2年2月9日

2020年02月10日 | シダの仲間
 オニイノデとヒメカナワラビの他にも多くのシダを見て回って来た。今回のシダはほとんどが山梨県絶滅危惧種のシダである。


    オニイノデ


    ヒメカナワラビ


    こんな岩壁にシダが付着している。双眼鏡を使わないと確認できない。


    570㎜望遠レンズを取り出す。ヒトツバが着生している。


    さらに1140㎜望遠。葉裏の茶色っぽいのがソーラスと思われる。


    沢を見下ろすように生えているクリハラン


    クリハラン。形が栗の葉に似ている。


    中央寄りに円形ソーラスが付着。


    イワヘゴ。これも水が流れるほとりに生育していた。


    羽片中央寄りに円形ソーラスが付着。


    対岸の岩壁に大型のシダが生えている。


    コモチシダ。残念ながら特徴的な無性芽は付いていない。


    チャセンシダ。葉軸が茶色い。


    冬季の乾燥から身を守るため葉を丸めている個体も見られた。


    マクロ接写。葉軸に翼があると聞いているが・・・ただの溝にしか見えない。


    桜の大木に着生しているマツバラン。


    山梨県ではほとんど見ることが出来ない貴重なシダ。


    枝の途中に付着している球状のものが胞子嚢である。

 前日訪問した場所全ては廻り切れず、またの機会に巡ってみたいと思う。今回の観察会でなかなかお目にかかれないシダを多数案内していただき、これで山梨県内で約240種類あるシダの半数以上を見たことになった。本格的にシダを見るようになってまだ半年少々であるが、師匠のおかげで順調に巡り歩くことが出来ている。感謝である。

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オニイノデとヒメカナワラビ 山梨県県南部のシダを再訪  令和2年2月9日

2020年02月10日 | シダの仲間
 前日も訪れている場所であるが、カメラを忘れてスマホでの撮影しか出来ていないためさっそく再訪して今度はまともな一眼レフカメラで撮影し直してきた。かつ、師匠にいろいろと解説はしていただいたものの、まだ消化し切れていない部分が多々あり、忘れないうちに復習を兼ねての再訪でもある。それでもなお、分からないことがたくさんである。記事に間違っている部分もあると思うのでそのつもりでご覧いただきたい。

 今回はEosRPというフルサイズのカメラを持ち込んで撮影した。しかし風が強くシダが揺れてしまって撮影には多大な時間を要し、撮影枚数も400枚という多量になった。まずは前日の観察会におけるメインテーマであったオニイノデとヒメカナワラビの違い、さらにはその交雑種であろうと言われているオオキヨズミシダについてである。


    これは前日見てきた典型的なオニイノデである。


    特徴的なのはこの鱗片が幅広くてたくさん着くところである。そしてもうひとつ、ソーラスが頂部付近から付き始めるという特徴があるが前日は確認できず。


    そしてこれが本日見てきたオニイノデと思われる個体である。


    幅の広い鱗片が付いている。場所が高くてソーラスは確認できず。


    別株。


    幅広い鱗片が付着しており、左上に一部見えるソーラスは葉の辺縁、かつ先端から付き始めている。オニイノデで間違い無いだろう。


    こちらがヒメカナワラビと思われる個体。


    オニイノデと比べるとややスリムで、葉の先端がすらりと細長く伸びている。


    ソーラスは中央部、ないし根元のほうから上に向かって付着している。


    鱗片は黒っぽくて細い。このソーラスの付着の仕方の違いと鱗片が細いことがオニイノデとの違いであろう。


    別株。ではこれはどうか?


    ソーラスが真ん中から辺縁に向かって付着している。これはヒメカナワラビであろう。葉先もすらりと伸びている。


    谷の岩壁に生えていたヒメカナワラビ。目が慣れてくると葉先の形で区別が出来るようになってきた。格好良くて美しいシダである。


    さて、もう1種類、これはオオキヨズミシダと思わしきシダである。


    全体的な形はヒメカナワラビに似ているが小羽片の先端部の尖り方がなんとなく緩い感じがする。


    ソーラスはヒメカナワラビと同様に真ん中下寄りから辺縁、および先端に向かって付着している。


    鱗片は黒っぽくて細いがヒメカナワラビよりもやや幅広く見え、付着している量が多い。


    もうひとつ、オオキヨズミシダと思わしきシダ。


    こちらは茶色から黒っぽい細めの鱗片が密集して付着している。


    ソーラスは全体の真ん中あたりに付着している。ソーラス配列はヒメカナワラビに似るが小羽片の尖りが少なく密接しており、全体的におとなしい印象を受ける。

 オニイノデとヒメカナワラビの区別はだいぶ分かってきた感じがするのだが、オオキヨズミシダに関してはまだ自信を持って判別出来るレベルには至っていない。確かにオニイノデとヒメカナワラビの中間的な形になるのであろうが、どこからどこまでが鱗片の幅が広いと判別するのか、見比べてみて相対的な判断になるので確定するにはもっと数を見る必要があるだろう。イノデは難しいので焦らずにじっくりとやって行きたいと思う。

    
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山梨県県南部のシダを巡る  令和2年2月8日

2020年02月08日 | シダの仲間
 シダの師匠にご案内をいただき、身延町から南部町にかけての山梨県県南部のシダ植物を何ヶ所か案内していただいた。花仲間にも連絡をとり、今回は総勢5名で出かけることとなった。高速代とガソリン代節約のため1台の車に乗り込んで移動するが、人の車に乗せていただく時はたいてい何かの忘れ物をする。そして今回もまた・・・やらかした。

 最初の観察地に到着し、いざ出発、という時にとんでもない忘れ物をしてきたことに気付く。三脚と交換レンズをザックに詰め込んできたが・・・なんと、カメラ本体が積んでない。双眼鏡も置き忘れてきてしまい、渓谷の対岸にあるシダは見ることが出来ない。何よりもまともな写真が撮れないことが痛い。なので今回は全てスマホの写真であるが、ズームを使わなければ意外と綺麗に撮れていた。


    本日の一番の課題はこの苦手なイノデの仲間。このイノデは葉質が固くて棘のような突起があって触ると痛い、オニイノデ。


    幅の広い茶色からやや黒っぽい鱗片が特徴である。


    そしてもう1種類、ヒメカナワラビという近似種。こちらは鱗片がもっと細く、穂先がすらりと伸びる特徴がある。


    ブレて撮影失敗だが、ソーラスは葉軸の中央寄りから付き始める。

 このほかにこの2種類の交雑種と思われるオオキヨズミシダというものもあったのだが、解説していただいたもののまだ自信を持って区別が出来ないうえに撮影もうまく出来ておらず、今回は掲載を止めておく。

 数ヶ所を移動しながら他にも面白いシダを何種類も見せていただいた。


    クリハラン。沢を見下ろすように生えていた。思っていたよりも大型のシダだった。


    ウラボシ科らしい円形ソーラスが付着。


    サジラン。これはソーラス確認できず。


    サジランとコバノヒノキシダ


    ヒトツバの群落。これも沢を見下ろすように群生。


    ヒトツバもウラボシ科だがこちらは葉の裏にびっしりと小さなソーラスが付着している。


    ノコギリシダ。小滝の脇に群生していた。


    特徴的な線形ソーラス。


    チャセンシダ。翼の枚数でイヌチャセンシダと区別するらしいが、残念ながら小型で判別できず。しかし出会えただけでも幸運だった。


    そして最後に案内していただいたマツバラン。山梨県ではほとんど見ることが出来ないきわめて稀少なシダである。

 きわめて効率良く、しかも多数の絶滅危惧のシダを案内していただいた。まだ消化不良の部分が多々あるうえにスマホでの撮影なので画像が洗いうえに葉やソーラスの細かいところが撮れていない。近日中に再訪のうえ撮影し直しと、十分に見ていない部分を見て回って来たいと思う。それにしても見たことが無い稀少なシダを多数巡り歩いた興奮冷めやらぬシダ観察会であった。
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