山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

冬の星空探訪 鳳凰山(2-3日目)  平成20年12月20-21日

2008年12月27日 | 南アルプス
 12月20-21日 天候晴れ
 
 前日は杖立峠(火事の跡地)にテント泊し,翌朝8時半に出発.目指すは鳳凰山薬師岳の稜線だ.薬師岳は白根三山,特に北岳を撮影するには絶好の場所だ.薬師岳小屋の横あたりにテント設営すれば安全なのだが,夜中に薬師岳の稜線まで行ったり来たりするのは大変だ.稜線上か,できるだけ稜線に近い場所にテントを設営したい.

    南御室小屋.屋根の雪下ろしがされているらしい.前の庭は積雪50cm以上.踏み跡なし.

 行く手をはばむのは30cmほど積もった新雪だ,起動跡の窪みはあるものの,足跡は無く,延々と一人ラッセルが続く.夏場ならば1時間少々の行程だが,2時間もかかってよしまう.南御室小屋に到着した.ここまではまだ良かったほうで,小屋の前の広場は膝あたりまでの雪,さらにその先は雪は深さを増し,膝下,時に膝上のラッセルを強いられる.南御室小屋から苦節3時間あまり,午後2時ごろにようやく砂払山の稜線に飛び出した.眼前に目指す薬師岳が迫り,あとは砂払山の岩峰を登れば辛い道は終了する.しかし,ここで見舞われたのは思いもよらぬ強風だった.天気は良いが風で吹き上げられた雪が顔に容赦なく吹き付け,目も開けていられない状態だ.これで薬師岳稜線上にテントを張るのはかなり危険だ.薬師岳の岩陰も厳しそうに見える.

    目指す薬師岳は目の前.しかし,強風が吹き荒れる.

 さて,どうするか?砂払山の岩陰ならばなんとか強風を避けられる場所が確保できそうだ.問題は撮影に良い場所があるかどうか.雪の吹き溜まりを踏んで大きな岩を巻いて上に乗ってみると,そこは甲府盆地側から仙丈岳にかけて,約240度の展望が得られる絶好の展望台だった.富士山も良く見える.決めた,本日はこの岩陰にテントを張ることにする.雪の吹き溜まりということは,そこは風があまり吹かない場所ということでもある.50cmほど積もった雪を掻き出し,さらに踏み固めてテントを設営する.ちょうど掻き出した分の高さだけ雪の壁ができ,うまく風を避ける防御壁ができた.展望台はすぐ上だが,雪の下はハイマツの林らしく,一歩踏み外すと腿まで足が沈んでしまう.夜中に移動するため,足場をしっかりさせないと危険なため,雪をかき集めて踏み固め,しっかりした足場と撮影場所を確保する.

    夕映えの富士


    白根三山に沈む夕陽

 そんなことをやっているうちに,あっという間に時間は4時を過ぎ,もう白根三山に夕陽が沈む時間になってしまった.そういえば,朝食も昼食もパンを1~2枚かじっただけで簡単に済ませてしまっている.腹が減ってきた.日が沈み,富士山にかかる残照が無くなるまで待って,テントに戻り夕食となる.

    白根三山に沈み行く金星


    甲府盆地と昇るオリオン座  明るすぎる盆地の明かりでオリオンはあまり写らない.


    仙丈岳と沈む夏の大三角形  


    甲府盆地の上に昇る冬の大三角形とオリオン座

 小休止後,午後7時,再び活動開始.展望台に登ると,白根三山の上には明るい金星が沈んでゆくところだった.甲府盆地の上にはもうオリオン座が昇ってきていた.それにしても明るい甲府盆地の光,オリオン座はあまり写ってくれない.9時頃まで粘って本日終了,昨日の寝不足解消のため今日こそは寝ないと明日もたない.強風は吹き続いているがテントの中はあまり気にならず,睡眠薬を飲んでさっさと寝る.

    甲府盆地に昇る月  月は三日月です.

 翌朝起床は3時半.目覚ましをかけたが,その直前に目が覚めた.その間全く意識なし,ぐっすりと眠れた.展望台に登ると,白根三山側は雲ひとつないすっきりした展望,月明かりに照らされた白根三山が白く光って見える.Iso感度を変え,レンズを変え,何枚も撮影する.モニターで見る限りは良く撮れているように見える.帰ってからのプリントが楽しみだ.

    白根三山に沈むオリオン座


    白峰に傾く冬の大三角形とオリオン座  15mmレンズの画像


    白峰三山に沈む冬の大三角形  砂払山からだと北岳をまたぐように冬の大三角形が沈んで行く.今回一番撮りたかった写真.


    薄明の甲府盆地

 午前6時,水平線が赤く染まり出し,赤い朝日が昇り出す.年賀状にちょうど良さそうな風景だ.しだいに明けてゆく白根三山もまた美しい.すっかり日が昇った7時,テントに戻り,朝食だ.天気予報では本日下り坂,朝の雲を心配していたが,良い星空を見ることができてほっとした.

    日の出  年賀状の写真に良さそうだが・・・検討中.(まだ年賀状できていません)


    白根三山の夜明け


    朝日昇る  冬至の頃なので,富士山に近い位置から陽が昇る.

 テント撤収,薬師・観音岳には立ち寄らず,そのまま9時に下山開始した.その頃には雲が広がり始め,白根三山はもう雲隠れしてしまっていた.この日に登ってくる人は7~8人出会い,中には大きなザックを背負って早川尾根縦走するという若者2人連れもいた.登りの時と違ってトレースがしっかりとあり,午後2時15分,夜叉神峠登山口に無事到着した.

    杖立峠から見る富士山  白根三山はもう雲の中だったが,富士山は雲の上に頭を出していた.

甲府に戻ってからは病院に直行し,画像をパソコンで調整後プリントしてみると,なかなかの出来栄えだ.星を撮るなら月はいらないが,山を撮るには月明かり,特に低い位置にある斜光線の月明かりが良い.今回の写真は私が撮りたいイメージにかなり近い写真となった.
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冬の星空探訪、鳳凰山(1‐2日目)  平成20年12月19-20日

2008年12月27日 | 南アルプス
 平成20年12月19-20日 天候晴れ

 毎年のように訪れている冬の鳳凰山。この季節は夕暮れ8時ごろにオリオン座が東の空から昇りはじめ、未明5時に西に沈んで行く。今年4月に訪れた際も白根三山に沈む冬の大三角形とオリオン座を撮影したが、レンズの解像度が悪くて山の輪郭がぼやけてしまっている。6月にレンズを変え、今回はさらに15mm fisheye(Canon純正は高いのでSigmaの安いレンズです。)を新たに加えて再写に向かった。
 1日で薬師岳まで歩く自信がなかったこと、また杖立峠から見る白根三山と沈むオリオン座も見たかったので、12日の午後、夜叉神峠登山口から入山した。金曜日の午後なので止まっている車は1台のみ、ほとんど歩いている人はいないようだ。準備しているとその1台の車の持ち主が下山してきた。夜叉神峠までの往復らしい。これで本日の入山者はおそらく私一人のみだ。午後2時50分、出発。いつものように夜叉神峠までは約1時間かかった。ここまでは足跡があったのだが、その先は・・・ついているのは鹿の足跡のみ。くるぶしあたりまでのふかふかな新雪が積もっている。ラッセルとまでは行かないが、夜叉神峠から先は延々と雪道の一人歩きが続く。夜叉神峠の先の急登で西に陽が沈んで行き、木々の枝の隙間から見える富士山が赤く染まって行く。風も無く穏やかな夕暮れ、山の上から見る夕暮れはきれいだ。明日もこういう天気になってくれることを願いつつ、杖立峠(火事の跡地)を目指す。

    ダケカンバの林から垣間見る夕暮れ富士


    杖立峠の林の上に昇るオリオン座


    昇るオリオン座と冬の大三角形  広角15mm fisheyeの視野.

 樹林帯の中は、雪は少ないものの新雪の下が固いアイスバーンになっていて滑りやすく、簡易アイゼンを装着して歩く。暗闇の中をヘッドライト点灯して黙々と歩き、7時45分ごろに目的地に到着した。東の空を見ると、もうオリオン座が登ってきていた。何枚か撮影してからテントを設営する。雪明りで辺りは明るく、白雪をかぶった白根三山もうっすらと見える。食事は後にして、峠の上部から富士山が見える場所があるので、その場所までトレースをつけに行く。雪が多くなり、脛から膝下あたりのラッセルとなる。場所は確認したが、肉眼で富士山は見えず、テントに戻って今度は三脚とカメラを持ってもう一度登りなおし、1枚撮影してみるが、富士山は写っていない。場所をさらに1段上に移動、もう一度撮影すると、今度は木々の開けたところに富士山が姿を現していた。オリオン座は高く昇り、冬の大三角形も昇って右に傾き始めていた。17mmレンズで全体を捉えようとすると富士山周辺が窮屈になってしまうが、15mm fisheyeならば余裕で捉えることができた。

    富士山の上に昇る冬の大三角形とオリオン座


    林越しの甲府盆地の明かり


    カシオペア座と北極星

 今度は林の中を甲府盆地側に移動して、林越しの甲府盆地の明かりを眺める。明るい光が眼下に広がるが、甲府盆地はなんとなく薄い霞がよどんでいるように見える。盆地から空を見上げても星がすっきり見えないのがわかる気がする。さらにあちらこちらを撮影して、テントに戻ったのは10時半過ぎ。それから食事をとってシュラフに潜りこみ、寝たのは12時ごろだった。

    白根三山に沈むオリオン座


    沈むオリオン座と冬の大三角形


    農鳥岳とおおいぬ座のシリウス


    月光の雪原

 目覚ましを4時にセットしたが、ウトウトしただけで3時半には目が覚めてしまう。この時間には西の空にオリオン座と冬の大三角形が傾くので、白根三山の上に沈んでゆくのが見られるはずだ。4時、テントの外に出てみるとどんぴしゃり、オリオン座が間ノ岳の真上に沈んで行くところだった。下弦の月が山を照らし、今度は肉眼ではっきりと山肌が見える。狙ったとおりの風景が眼前に広がるが、果たしてどれくらい写ってくれるものなのか?Iso感度を変えながら何枚も写真を撮る。そのまま夜が明けてしまい、陽が昇ってから軽い朝食をとる。ここの朝の風景は何度見てもすがすがしくて気持ちよい。

    杖立峠から見る朝の白根三山


    朝の北岳

 さて、テント撤収し、鳳凰山薬師岳目指して出発だ。(鳳凰山2-3日目に続く)
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月光の八ヶ岳、飯盛山  平成20年12月12日

2008年12月18日 | 番外編
 平成20年12月12日 天候晴れ

 日中きれいな青空が広がり、甲府盆地から南アルプスや富士山がすっきりと見える。ようやく雪がついて山らしくなってきた甲府盆地を取り囲む山々。今回は夏に下見しておいた飯盛山に、八ヶ岳に沈む夏の大三角形を見に行った。現在8時半ごろに西に沈んで行く白鳥座は、あと1ヶ月もすると見られなくなってしまう。12月中が最後のチャンスだ。
 野辺山から、左に宇宙線観測所の大パラボラアンテナを見ながら平沢峠に車で入る。時期外れのこの季節は車は1台も停まっていない。広い駐車場は、5時にゲートを閉鎖すると注意書きがされていたため、道脇の空き地に車を停め、午後3時に歩き始める。途中の北側につけられた道は、雪が溶けて再び凍り、アイスバーンになっていてスリップに注意しながら登り、ちょうど1時間で山頂に到着した。南アルプス鋸岳の右端に真赤な夕陽が沈んで行くところだった。

    飯盛山山頂


    金峰山とミズガキ山.こちら側の眺望も良い.


    南アルプスに沈む夕陽

 気温はマイナス5度くらいだろうか、風が吹くと結構寒い。オーバージャケットとオーバーズボン、さらに目出し帽という冬山スタイルで星が輝き出すのをじっと待つ。やがて南アルプスの上空、南西の空にひときわ明るい金星と木星が輝き出す。金星は本当に明るく、まだ夕焼けの赤い空が残っているうちにもう光っているのが見える。さらに東の空から十四夜の明るい月が昇り始める。予想以上に明るかったこの月、自分の影がくっきりと地面に映る。さすがに明るすぎたこの月のおかげで、星はうっすらとしか見えない。7時を過ぎた頃から夏の大三角形が見えてきたものの、写真に撮っても全く輝いてくれない。

    十四夜の明るい月が昇る


    南アルプスの夕暮れと一番星


    八ヶ岳の夕暮れ

 もうひとつ、突然八ヶ岳の中腹が明るくなったと思ったらスキー場のナイターゲレンデの光だった。もうオープンしているのだろうか。全部点灯したり、下半分だけ点灯したりしているところを見ると、試運転中なのだろうか。それにしても星の撮影には明るすぎるナイター照明、8時半まで粘ったのだが、八ヶ岳に沈む夏の大三角形は満足な写真が撮影できずに終わる。

    流星一閃  金星の上に偶然流星が走る.下の線は残念ながら飛行機です.


    月光の赤岳と権現岳  明るすぎるゲレンデのナイター光・


    八ヶ岳に沈む夏の大三角形  画角は最高だが,月光が明るすぎて全く星が写らない.また狙いに行きます.
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金星・木星・月が接近、杓子山  平成20年12月1日

2008年12月07日 | 御坂・毛無・天子山系
 平成20年12月1日 天候晴れ

 12月1日と2日は金星・木星と三日月が接近し、夕暮れの南西の空はひときわにぎやかな光景を見ることができる。先日の三つ峠でおおよその星の位置は確認しておいたので、富士山頂あたりでこの光景を捕えるならば、杓子山から石割山にかけての一帯が良さそうだ。最も簡単に撮影だけ済ませるならば二十曲峠だろうが、恐らくは同じように狙っているカメラマンがたくさんだろう。できれば人の多いところは避けたい。そこで今回行ったのは杓子山。
 早々に仕事を終わらせて速攻で出発、と行きたかったのだが、午後1時過ぎまでかかってしまい、甲府出発は1時半。杓子山最短コースのゲート前に到着は3時半になってしまった。日没までに山頂にたどり着くのは厳しそうだ。停まっている車は1台だけ、同じように写真狙いの人かと思いきや、林道の途中で出会ったのは地元の老人。杖と熊避けの鈴だけ持った軽装で散歩に来て帰るところだったらしい。時々熊が出没するので気をつけるように言われ、私も鈴を出して鳴らしながら歩くことにする。

    富士の裾野に沈む夕陽.大権首(おおざす)峠ハングライダー発着所から.


    夕陽で赤く染まる登山道.目に染みる美しさ.

 30分でハングライダー発着所のある大権首峠到着、ちょうど富士山の裾野に夕陽が沈んでゆくところだった。撮影しながら10分ほど休憩し、山頂を目指す。赤松林の登山道に夕陽が差し込んで、道が真っ赤に染まっていた。富士山を振り返りながら山頂を目指して行くと、山頂から少し下ったところに良い形のカラマツの木2本が立っている場所を発見。山頂に月と星が来た時にここで撮影しようと決める。4時45分、杓子山山頂に到着、なんとか暗くなる前に到着できた。黄昏時の夕空は薄紫色に染まり、細い三日月が夕空に輝き始めている時間だった。予想以上に高い位置に月があったが、西に傾きながら富士山頂の真上で月と星が捕えられそうだ。

    黄昏時の富士と月.久しぶりに見る感動的な夕暮れ時の風景.


    空で微笑むピエロ.口が曲がってますね.


    富士山頂で輝く月と星

 山の上に来るとどうも何か食べないと気が済まない私は、たいして腹が減っているわけでもないのに持ってきたパンを1個、のつもりが2個食べてしまい、これで腹いっぱい、あとは撮影に没頭するだけだ。紫色の空がやがて夕暮れの深青い空に変わり、月と星が輝き出す。この日の星と月は、金星・木星が目になり、三日月が口になって、まるでピエロが口を曲げて笑っているかのような配置になった。数年に一度しか見られない光景である。

    めぐり合う月と星. 明るすぎる忍野の明かりを木がうまく遮ってくれた.


    雲間の星と月. しだいに雲が出始め,富士山は見えにくくなる.暗くなると,月と星が明るすぎて富士山は写りにくくなる.

 日没後は徐々に雲が多くなり富士山もしだいに霞んで見えるようになってしまう。左手の二十曲峠を見ると、やはり明かりが灯っていて、撮影者がいることが伺える。杓子山は私一人で独占、静かできれいな夕暮れを見ることができた。午後8時、富士の裾野に月が沈んだところで本日は終了、スリップに注意しながら暗い道を下山した。
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帯那山プチ散歩  平成20年11月30日 天候晴れ

2008年12月07日 | 番外編
 平成20年11月30日 天候晴れ

 自宅から車で20分,歩いて5分で山頂に行ける帯那山だが,今回は道を探してプチ藪歩きしてきました.(本文作成中.最近更新遅くて申し訳ありません.)


    目指すは帯那山の向うに見える電波塔.甲府盆地からも良く見える.


    電波塔.登れるのかと思ったら中に入れません.


    積翠寺に下りる道があるらしい.探すとそれらしき道発見.


    途中から道が良くなって,道標もつけられている.


    出たところは帯那町と帯那山と太良峠の林道分岐.帯那山は向こうの看板が立っているのに,その裏に帯那山に登る古い道があるのだ.


    林道脇の木に書かれた番号.上を覗くとなんとなく道らしいものがある.


    これは道・・・でしょうか?


    帯那山牧場(現在は閉鎖中)のゲートの手前に出た.


    山頂から見る富士山.ここは関東の富士見200選に選ばれている富士山の眺望が良いところなのだが,この桜の木,病気なのか最近花をつけてくれない.


    後日深夜に訪れた帯那山の夜景.甲府盆地の明かりもさることながら,見たかったのは毛無山のすぐ左手の低空に光る星,カノープス.空気が澄んでいれば帯那山からでも見ることができる.気温-5度,寒かったです.
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木星と金星接近中、夕暮れの三つ峠  平成20年11月23日

2008年12月07日 | 御坂・毛無・天子山系
 平成20年11月23日 天候晴れ

朝からすっきり澄んだ空が広がっている。どこかを歩かないともったいないこの天気、しかも明日からは天候下向きらしい。だが、東北遠征から昨夕帰ってきたばかりでなかなか歩く気にならない。午後まで家でぐたぐたしていたが、あまりにももったいない天気なので、簡単に行けるところに夕方から登ることにした。
 行く先は御坂山塊の三つ峠。ここは富士山の絶好の展望台で、富士山撮影の聖地とも言うべき山。もう何度も登っているが、なかなか満足のゆく富士山は撮影できていない。それもそのはず、ここは朝方雲海の上に浮かぶ富士山が良いのだが、登るのはいつも午後からで、しかも人がいなくなる夕暮れ頃を狙って登っているからだ。今回も同様、夕方4時から登り始めた。今回狙うのは南西方向に夕暮れ時に輝く金星と木星を富士山とからめて撮影してみたい。林道のような広い道を黙々と登り、山荘の立つ裸山にちょうど1時間で到着、いつも通りのペースだ。

    南西の空に木星(上)と金星(下)が接近中.


    長時間露光撮影.こういう星も良いですが,やはり星は丸く写したいですね.

もう日が落ちて暗くなり、木星と金星が南西の空にひときわ明るく輝いていた。思ったよりも西側で富士山から遠い位置に傾いている。山頂まで移動して三脚を構え、さっそく撮影にとりかかる。それにしても、眼下の富士吉田の灯りは眩しいほどに明るい。雲海かなにかでこの明かりを減弱してくれないと、星空はなかなかうまく写ってくれなそうだ。2時間ほど山頂で過ごし、金星と木星が西の空に沈んでから下山した。

    御坂山塊と南アルプスの空.いちばん右の黒い盛り上がりが御坂山塊最高峰の黒岳.南アルプス中央のの大きな3つの山は荒川三山.それにしても飛行機がたくさん飛んでいること.
 

    三つ峠山頂の星空.空高くプレアデス星団(スバル)が昇っている.

 今回は撮影ともう一つ、星の沈む位置を実際に目で確認したいという目的があった。木星と金星はどんどん接近しており、12月1日ごろに再接近し、その時には細い三日月も接近してくるので、数年に一度しか見られないおもしろい光景を夕暮れに見ることができる。撮影地をどこにするか、できればどこか山の上から眺めたい。三つ峠では星の位置が遠すぎることを確認した。
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