goo blog サービス終了のお知らせ 

山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

ヒメウラジロ(イノモトソウ科)

2020年09月09日 | シダ類
 日当たりの良い石垣の間や岩壁を好んで生育する常緑性のシダである。小さい根茎から小形の葉が多数集まって出る。葉面は卵状五角形で角が張っており、厚い角質で褐緑色である。裏側は白い粉が一面に付着し白くなっており、ソーラスは葉の辺縁に包み込まれるように付着する。常緑性のシダではあるが冬期は乾燥から身を守るために葉を丸め、枯れているように見える。山梨県では甲斐市や北杜市の限られた場所に生育し、個体数はあまり多く無い。

 2018年山梨県絶滅危惧ⅠA類(CR)  2017年環境省絶滅危惧Ⅱ類(VU)


    葉を展開し始めたばかりのヒメウラジロ 令和2年3月 甲斐市で撮影


    同上 葉の裏側は白粉が付着して白い。ソーラスは葉の辺縁に包み込まれるように付着する。


    同上 石垣の間に生育したヒメウラジロ。石灰岩地を好み、この石垣は石灰を含んでいるのかも知れない。


    令和2年6月 同じ場所で撮影。6月になると新しい葉を展開し始めていた。


    同上


    同上 白い葉裏と辺縁のソーラス


    同上 富士山と一緒に撮影したかったがなかなか良い状態の時にめぐり逢えない。


    令和2年1月 同じ場所で撮影


    同上。冬季は乾燥から身を守るために葉を丸めていて枯れているように見える。


    白い葉裏とソーラス


 ➡山梨県の絶滅危惧のシダ類一覧に戻る

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ハクサンチドリ

2020年09月09日 | ラン科
 亜高山帯から高山帯のやや湿った草地を好んで生育している。ニョホウチドリに似ているがこちらは唇弁や萼片の先端部が尖っておりくちばしのように見える。山梨県では八ヶ岳と南アルプスに生育しているが、いずれの場所でも鹿の食害と環境の変化により個体数は減少している。


    ハクサンチドリ 平成29年7月 北岳で撮影


    同上。保護ネット内では比較的個体数が多いが、柵の外は危機的な状況である。


    平成29年7月 八ヶ岳で撮影。かつてはあちらこちらに咲いていたが今ではまばらである。


    唇弁の先端と上萼片、側花弁の先端が尖りクチバシのように見える。

 ➡山梨県の絶滅危惧のラン科植物一覧に戻る


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大蔵高丸周辺に咲く夏の花たち ~渓谷編~  令和2年9月5日

2020年09月09日 | 山に咲く花
 この季節の大蔵高丸からハマイバ丸に至る稜線はアザミやトウヒレンの仲間たち、マツムシソウなどが咲き誇る花を見るには絶好の季節である。特に保護柵内で復活してきたヒメヒゴタイの大株は目を見張るものがある。午後からは雨の予報で雷が怖いが、焼山沢沿いで確認しておきたいシダがあるので、峠からではなく焼山沢を登って稜線に行くことにする。まずは渓谷で見たシダと花である。


    渓谷沿いで現れたこのちょっと格好良いシダ、ミヤマクマワラビ。この渓谷はオシダが見当たらずこの手の円形に広がるのはほとんどがミヤマクマワラビだった。


    ソーラスは葉の上方に付く。


    おそらくイッポンワラビ。渓谷沿いを好んで生育しておりどこでも普通に見られる。


    楕円形のソーラスが付着。


    5月に訪問した際にまだ芽吹いたばかりで何だか分からなかったイノデの仲間がこれである。これを確認しておきたかった。


    やや大き目で幅広い鱗片が付着している。葉の光沢は鈍い。


    中軸中央部の鱗片。細長い先細りの鱗片が付着。これはイワシロイノデだろう。


    ソーラスは中肋と辺縁の中間あたりに付着している。このソーラスの配置で良く似たツヤナシイノデと区別するのは難しい。


    渓谷沿いに生えたジュウモンジシダ


    群生していたシダ


    先ほどのイッポンワラビに似ているがちょっと違う。最下羽片の根元に柄がある。


    ソーラスは楕円形ないし三日月状で中肋近くに付着している。これはキヨタキシダであろう。


    もう1種類群生していた大型のシダ。


    ベニシダに似ているがちょっと違う。全体的な形が長方形に近い。


    こげ茶色のやや幅広い鱗片


    ソーラスはベニシダに比べて小さ目である。調べてみると、これはミヤマベニシダと判明した。渓谷沿いを好むやや高い場所に居るシダである。


    渓谷沿いに咲いたヤマトリカブト


    同上


    レイジンソウ


    サラシナショウマ


    ヤマゼリ


    たぶんタマブキ。

 普通ならば1時間ほどで歩ける焼山沢の渓谷コースを3時間以上かけて探索しながら歩いてきた。時刻は間もなく12時である。空模様も悪くなってきていつ降ってきてもおかしくない空である。もし雷が鳴ったら引き返すのも覚悟しながら、大蔵高丸の稜線に進む。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

フジシダ(コバノイシカグマ科)

2020年09月09日 | シダ類
 樹林下や渓谷沿いの苔の生した岩の上を好んで生育する常緑性のシダである。葉身は 1 回羽状に分裂し、線状被針形で長さ20 ~ 40㎝になり、草質で光沢がある。葉の先端 は尾状に伸び、地面について無性芽を生じる。胞子嚢群は羽片の辺縁の近くに 1 列に並んで付く。環境の良い生育地では群生が見られる。山梨県では奥秩父方面、県南部に限局的に生育しているが生育場所での個体数は多い。

 2018年山梨県絶滅危惧ⅠA類(CR)  2017年環境省なし


    苔の生えた岩の上を好むフジシダ 令和2年3月 奥秩父方面で撮影


    同上


    葉の先端の無性芽と水の雫


    全体的な長さは70㎝に達することもある。


    令和2年5月 奥秩父方面の別の場所で撮影


    同上 群生する姿がしばしば見られる。


    ヒメイチゲとフジシダ


    羽片の辺縁寄りに小さなソーラスを付ける。


    時として大群落に出会うことがある。

 ➡山梨県の絶滅危惧のシダ類一覧に戻る

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

コクラン

2020年09月09日 | ラン科
 暖地性の広葉樹林の林床に咲くその名の通り黒い花のランである。暖地性のランであり山梨県では県南部に生育する。生育地での個体数は比較的多い。


    コクラン 令和1年6月 南部町で撮影


    同上


    群生することがしばしばある。


    時として花茎が黒い黒軸タイプを見ることがある。


    令和2年6月 南部町で撮影


    同上


    上向きに立つ緑色の部分は上萼片と思われる。

➡山梨県の絶滅危惧のラン科植物一覧に戻る

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする