山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

紅葉の名峰、由布岳  平成21年10月24日

2009年10月30日 | 圏外編
 平成21年10月24日 天候曇り

 九州職員旅行3日目となる。前夜は由布院温泉秀峰館に全員集合し、夕食、および宴会後、2次会のカラオケに10時半までつきあって11時にはもう部屋でぐっすりと眠りについていた。明日は民芸村駐車場に12時15分集合なので、由布岳往復5時間プラス移動時間を考えると、今回登ることはないだろうと、職員誰もが、また私自身も思っていた。ところが・・・
 夜中にパッと目が覚めて窓の外を見ると、由布岳の山影が暗く見える。あたかも「良い景色を見せてあげるから登っておいでよ」と私を誘っているかのように見える。時計を見ると時間は未明の3時、4時間ほどぐっすり眠ったことになる。星が出ていればこの時間に昇っているオリオン座を撮影するところなのだが、あいにく空はどんより曇り空で、星はひとつも見えない。一旦はベッドに戻って横になるが全く寝付けない。4時、もう一度窓の外を見て由布岳を見上げる。携帯電話で天気予報をチェックすると、曇りだが降水確率は20%だ。よし、行こう。ザックに荷物を詰め、余計な荷物はサブザックに入れてフロントに預け、添乗員の人に渡してバスに積んでもらうようにお願いした。タクシーを呼んでもらい、由布岳登山口に向う。

    眼前に迫る由布岳東峰と西峰  由布岳の樹林帯を抜けたあたりから。


    眼下の由布院の町と九重連山

 到着したのは朝5時。まだ真っ暗でさすがにこの時間に登っている人はいなかった。どっちに山があるのかも全く見えないが、草原の中を数本の踏み跡が同じ方向に延びていた。ヘッドライト点灯して歩いて行くと、10分ほどでベンチやトイレのある分岐部に到着した。案内板で道を確認し、合野越からマタエに向うコースを進む。ところどころ石のゴロゴロした道ではあるが、全体的に歩きやすくて整備された道が続き、暗い中を初めて歩いたのだが迷うことなく歩くことができた。合野越を通過して6時を過ぎてもうすぐ樹林帯を抜けるあたりでヘッドライトをはずしていると、後ろから超特急の地元の登山者があっさりと私を追い抜いていった。日が昇るとたくさん人が詰めかけるので、早く登ったほうが良いとアドバイスを受けた。

    マタエから見上げる西峰。左手に鎖場があるが、これを越えるとさらに厳しい鎖場がある。


    こちらは東峰。急登だが普通に登れそう。

 樹林帯を抜け、ススキ野原が広がるあたりでようやく双耳峰の山頂が間近に見えてきた。しだいに雲がまわりの山を覆い始めているが、前日登った九重山や阿蘇山の一部がまだ見えていた。ジグザグにつけられた良い道が続くが、マタエの直下あたりから傾斜の強い岩の多い道になる。そして7時10分、東峰と西峰のコルの部分、マタエに到着した。ひと息入れて山を見上げると、西峰には鎖がついているのが見える。東峰は見上げる限りでは急登ながら普通に登れそうだ。ここは標高の高い西峰に登ることにする。

    由布岳西峰山頂


    西峰から見る東峰。山一面がミヤマキリシマツツジにおおわれている。


    山頂から見下げる中腹の紅葉と由布院の街

 見えていた鎖は一部だけで、その先にはカニの横ばいのような10mほどの鎖場もあった。7時40分、山頂到着。その頃には由布岳にも雲が巻き始め、先ほどまで見えていた九重山は見えなくなってしまっていた。隣の東峰を見ると、斜面一帯が全てミヤマキリシマツツジの群落になっているようで、由布院の町から見ても花のシーズンには山がピンク色に見えるというのもうなずける。登って来る人の声が聞こえ始め、見下げるとマタエから7~8人のグループが東峰目指して登っているところだった。下山を始めると、西峰にも2人の単独登山者が登って来た。

    中腹の紅葉と由布院


    合野越から見る飯盛ヶ城と西登山道を示す看板

 8時20分、マタエから下り始める。続々と登山者が登って来る。15人ほどのツアー客と思われるグループともすれ違った。小走りに下り、9時、合野越に到着した。順当に登山口に下りれば、タクシーを呼んで10時までにはホテルに到着できそうだが・・・。朝乗ってきたタクシーの運転手が、最近は西登山口はほとんど歩く人がいなくなって、今は道が無くなっているかもしれないと言っていたのを思い出す。そう言われるとついつい・・・行ってみたくなってしまう。合野越の分岐にはしっかりとした西登山口の表示板が立っている。時間はまだあるし、思い切って行ってみることにした。

    西登山道上部から見上げる紅葉の由布岳


    笹原をかき分けて道を進む。

 少し進むと由布岳の絶好の展望台、おわんをひっくり返したような形の飯盛ヶ城の登山口があり、数人が登っている姿が見えた。右に曲がって石のゴロゴロした広い道を下って行くと、道は左右に分かれているが、看板はない。左に行くとこんもりとした笹山の尾根、真直ぐ行くと右下に林道が走っているのが見える。看板がないのだから真直ぐだろう、ということで林道まで下りてみると、水の汲める小川を横切り、その先に西登山道の道標があった。そこから先は笹薮の細い踏み跡になり、腰の高さほどある笹をストックでかき分けて道を確認しながら進む。途中で道を間違え、沢筋に下りそうになってしまったが、振り返って道を探すと、岩に黄色いペンキの矢印がついていた。

    西登山道の笹原から見上げる由布岳。格好良い。


    こんな恰好の良い岩もある。この日はこの道で一人も出会うことはなかった。

 眼下に見える由布院の町を目指してひたすら歩くが、振り返って見る由布岳の姿が格好良い。紅葉もいちばん良い時期なのだが、天気が悪くて写真に撮っても鮮やかな色彩が出せないのが残念だ。笹原の中に巨岩が点々と立つこのルートは、由布岳撮影の前景には事欠かない。歩く人は少ないが、由布岳の眺望を楽しむには絶好のルートだと感じた。

    林道を下りると由布岳登山口に行く大きな道に出た。ここにも西登山口を示す看板はなく、どうやらこの林道を行くのではないらしい。

 さらに進むと林道に抜けた。林道からこのルートを示す看板は無く、どうやら間違った道を下りたようだ。確か、地図の道では町のはずれに抜けるはずだと思っていたのだが、その先の下り口がわからず、林道をそのまま下りて行くと、朝タクシーで送ってもらった道の途中に出た。ここでタクシーを呼び、ホテルに到着したのはちょうど10時だった。
 改めて地図を見直してみると、西登山口はもっと北側を通っていたようだ。牧草地のような刈り払われた草地があったので、その横あたりを抜けてゆくのだろう。人気の高い由布岳はたくさんの登山者でごったがえしているが、このような静かなルートもあることを知った。私にしては少しばかりハイピッチの登山だったが、このルートを歩くことで山の素晴らしさを改めて知ることができた。やはり今日は山に呼ばれていたのだろう。
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好天、紅葉の九重山(2日目) 平成21年10月23日

2009年10月29日 | 日本百名山
 平成21年10月23日 天候晴れ

 朝から雲ひとつない好天となった九重山。すがすがしい朝の空気を吸いながら、朝6時半に法華院温泉を後にする。九州本土最高峰の中岳や久住山に行く道は数本あるのだが、今回は展望の良さそうな東側の鉾立峠から白口岳を経由して中岳、久住山を回るルートをとった。メンバー4人のうち2人はほぼ初心者と言って良いが、1人はトレランランナーでいざという時は走って救助を呼びに行ってもらえる強力なメンバーだ。

    法華院温泉出発。鉾立峠から白口岳へ。


    鉾立峠の朝


    朝日を浴びる白口岳

 朝日で赤く染まる山の稜線を見上げながら鉾立峠に登りつくと、東側には静かな霞が平地を覆い、阿蘇外輪山の一部が霞の上に浮いていた。山の上でこそ見ることができるすがすがしい朝の景色が広がる。ここから先、白口岳へはしだいと急登りになる。いつものスローペースで、30分に1回休憩を交えながら、疲労を残さないように登る。1時間半ほどで白口岳到着、中岳や久住山側の眺望が一気に開ける。目の前に迫る中岳の山頂には数人人が立っているのが見える。真っ青な空と、大船山をはじめとする周囲の山々の紅葉はちょうど見頃を迎えており、最高の眺望を楽しむことができた。

    白口岳から見る中岳


    稲星山の裾を巻いて中岳に向かう道。背丈以上もある低木のトンネルを進む。

 稲星山の裾を回りこむようにして中岳に向うが、この道は時にススキの薮、また背丈以上の高さの低木のドームがあったりと、なかなか楽しめる道だった。中岳への登りはこれまた見上げるような急登りで、ロープやハシゴのついているところもあった。頂上では5~6人の人たちが休憩しており、さらに御池側から続々と登って来る人たちの姿が見えた。ゆっくり休んでおやつを食べ、向かいに見える久住山目指して進む。

    稲星山を背に中岳に登る。遠く見えるのは阿蘇山。


    九州本土最高峰、中岳ゲット!


    これから登る久住山と御池

 ゆっくりしすぎて、予定よりも1時間近く遅れてしまっている。長者原のバス時間が15時37分なので、遅くても13時には下山開始しないと私たちの足では間に合わない。昼食時間を考えると、山頂には12時までには到着したい。そこで、久住山分岐でザックを置き、空身で山頂に行くことにした。私は一足先に山頂に行き、写真撮影を済ませて三脚をセットして記念撮影の準備を整え、3人の到着を待つことにした。12時10分ごろ久住山山頂に全員揃い、記念撮影を済ませて私は速攻で分岐まで下り、昼食の準備にとりかかる。本日のメニューは、山での定番、カップラーメン。ちょうどお湯が沸いた頃に3人が戻ってきたので、お湯を注いで3分待つ。トレランの高橋先生が水を1リットル余計に持ってきてくれてあったので、その水で食後のコーヒーを作って飲んだ。時間はちょうど1時、さて、下山だ。

    中岳を映す御池


    久住山から見る星生山(左)と、噴煙を上げる硫黄山


    山頂はたくさんの人が集う。


    久住山(日本百名山)ゲット!

 下りのルートは久住分かれから諏蛾守越を経て長者原に至るルートをとる。ピッチを上げて歩きたかったのだが、1人足が痛いのか、一向にピッチが上がらず、コースタイムで諏蛾守越まで40分のところを1時間以上かかってしまった。後にわかったのだが、新調した靴の靴紐の締め方が悪かったようで、足首の甲のあたりが真っ赤になって靴擦れ寸前の状態になっていた。諏蛾守越で既に時間は午後2時半、あと1時間で長者原に到着できるのだろうか?

    久住別れ。ここから諏蛾守越に下りる。


    諏蛾守越の手前、噴煙が間近に見える。(場所の名前忘れてしまいました。)

 硫黄山の山腹から吹き上がる白い噴煙を左手に見ながら、石のゴロゴロした道を下りて行くとやがて広い林道に出る。このあたりからようやくピッチが上がり始め、バスに間に合うかどうか微妙な時間になってきた。トレランの高橋先生に一足先に走ってバス停まで行ってもらって、5分以内ならばバスを止めて待っていてもらうことにした。高橋先生は時間ギリギリにバス停到着したようだが、もう行ってしまったようだという。午後3時40分、バス時間より3分遅れて私たちもバス停に到着した。あきらめて次のバス時間をチェックし、足湯にでも浸かりに行こうかと思っていたその時、50mほど離れた上のバス停に九州横断バスが到着した。どうやら普通のバスと九州横断バスはバス停が違うらしい。ザックを大急ぎで担いで走ってバス停に向かい、なんとか予定のバスに乗ることができた。そういえば、山の上でめったに咲いているところを見かけないオヤマリンドウがこの日は一斉に花を開いていて、今日は良いことがありそうだと話しながら歩いていたのを思い出す。バスが5分遅れたおかげで予定の便に乗ることができたのだ。

    諏蛾守避難小屋。小屋というよりは休憩所といった感じだった。


    間近に見える硫黄山の噴煙

 由布院駅前で下車し、テクテクと由布院の街中を歩いて宿泊先の秀峰館というホテルに行き、旅行の班長に無事到着したことを連絡する。一風呂浴びて、午後6時半から職員旅行第1班、総勢約30名が集合して宴会となる。(といっても挨拶と乾杯だけで、派手な宴会をやるわけではない。)歩いた後は食事も酒もうまい。ほろ酔い加減で2次会カラオケに行ったが、眠気が襲ってきて10時半までつきあって先に部屋に戻らせてもらった。
 ホテルの窓から秀峰由布岳の双耳峰が格好良く聳え立っているのが見える。元気があれば明日あの山にも登ってみたいのだが、既に98%、ゆっくり寝て休む方向に心も体も傾いていた。
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降る法華院温泉 九重山(1日目)  平成21年10月22日

2009年10月27日 | 日本百名山
 平成21年10月22日 天候晴れ時々曇り

 職員旅行で今年は九州へ行くことになった。行程予定では1泊目が博多か唐津(いずれかを選択)、2泊目が由布院なのだが、折角九州まで行くのだからどこか山に登ってきたい。そういえば、昨年の職員旅行は東北、平泉の中尊寺だったが、私は1日早く自分の車で出発して那須岳の三斗小屋温泉に宿泊してきた。夜から雪(吹雪)になって結局那須岳山頂には立てずに終わっている。さて、今年は・・・由布院の近くというと日本百名山の九重山と、日本二百名山の由布岳がある。初日の宿泊地を九重山の山中にある法華院温泉にして、2日目に九重山に登って由布院で一行に合流するプランを立てた。山登りする職員数人に声をかけたところ、私の他に女性3人が集まり、計4人で九重山に行くことになる。
 さて、当初の旅行会社からの予定では福岡空港に11時15分飛行機到着なので、12時5分福岡空港発大分行きの高速バスを予約し、玖珠インターで下車して九重山長者原(ちょうじゃばる)行きのバスに乗り換える予定を立てた。ところが、実際の飛行機はこの予定よりも1時間近く遅い便で、福岡空港に到着したのは12時15分ごろだった。高速バス予約センターに行き、止む無く次の13時5分発のバスをとり、長者原行きバスには間に合わないので予め玖珠インターでタクシーに乗れるように地元のタクシー会社に連絡を入れた。バスは予定より5分ほど遅れて、14時25分玖珠インターに到着し、出口でタクシーが待っていてくれた。このタクシーが大正解、地元の観光案内をしてくれ、また途中にある日本一長い吊り橋、九重夢大橋を案内してくれ、写真もとってもらい、さらにタクシー代を6000円でカットしてくれた。飛行機とバスのトラブルはあったものの、おかげで気分良く九重山に入山でき、時間もバス到着予定とほとんど同じ15時20分に長者原に到着できた。

    九重夢大橋  日本一長い人専用の吊り橋


    長者原タデ原にて九重山をバックに.

 長者原のタデ原から九州自然歩道を歩いて法華院温泉に行くには約2時間かかる。休憩時間を入れると、到着は6時ごろになるだろうから、途中で日が暮れてしまうのは確実だ。それも、最初から覚悟のうえでの計画である。15時半、長者原を出発。ちょうど山の中腹が紅葉真っ盛りで、三脚を立てて写真を撮っている人たちの姿があちらこちらで見かけられた。タデ原から見上げる九重山はすがすがしさを感じ、明日の登山が楽しみだ。

    途中から見上げる紅葉の九重山  凄い紅葉だったが,日が陰ってしまっているのが残念.


    中間点を過ぎた雨ヶ池あたりで日が暮れてしまう.

 山裾を巻くようにつけられている九州自然歩道は、最初は林道のような広い道だが、やがて登山道に変わる。看板やロープがつけられ、木の階段道も整備されてはいるのだが、下山してきた人に聞いた話だと、5~6年前に来た時よりもずいぶんと荒れてしまっているという。確かに木の階段道が壊れていたり、一部崩落している場所もあったのだが、通行には全く問題ない、良い道だった。ガレた川筋から見上げる紅葉はまさしく真っ赤、赤い絵の具で塗ったような色をしていた。甲府ではあまり見かけられない鮮やかな色の紅葉だった。
 中間点を過ぎた雨が池という場所あたりで日が沈んでしまう。ここまでは昇りの道だったが、この先はなだらかな下りになっていた。林の中ですっかり暗くなり、ヘッドライトを点灯する。甲府では5時半にはもう暗くなってしまうが、九州は日没が30分近く遅く、6時少し前にヘッドライト装着となる。石のゴロゴロした暗い林の中の道を転倒しないように歩いて行くと、日没後の薄明かりの向うに突然大きな葦の湿原が広がり始めた。ラムサール条約登録地の坊ガツル湿原だ。ここまで来れば目指す法華院温泉小屋はもうすぐだ。少し歩くと車が走れる大きな林道に抜け、10分ほど林道を歩いて法華院温泉小屋に到着した。時間は18時20分、小屋の中では宿泊者たちがちょうど食事している最中だった。

    夕暮れの法華院温泉  空は雲でおおわれてしまう.

 受付を済ませて部屋に行くと、平日なので空いていたようで、女性3人用と私用に6畳の部屋を2間用意してくれた。目新しい畳のきれいな部屋で、広々とのんびり寝ることができる。さっそく食事に行くが、牛煮込み、鳥のから揚げ、サラダ、ソバ、ヨーグルトデザートなど、山小屋とは思えない豪勢な食事だった。2食と温泉付きでこの食事で9,000円は安い。山に登らずともこの温泉小屋は超おすすめだ。温泉はやや白く濁り目の温めのお湯で、自分の足で歩いてこそ入れる秘湯の名にふさわしい湯だった。お風呂のベランダから夜空を見上げると、先ほどまで曇っていた空が晴れ、きれいな星空が広がっていた。本日はオリオン座流星群が観察できる日だ。

    大船山側の空.明るいのはおそらく湯布院の明かり.星空の見えているところで30分で2個流星を観察した.

 お風呂から上がって一旦部屋に戻り、しばらく寝転がって休んでいたが、やはり外の星空が気になる。9時ごろ三脚とカメラを持って外に出てみると、一旦は星空が広がった空だったが半分以上は雲におおわれてしまっていた。雲のかかっていない空は星空の名所らしい、きらきらと輝く星空が見えている。オリオン座流星群を目当てに空を見上げている人たちが5~6人ほど空を眺めていた。ベンチに座って空を眺めていると、雲のかかっていない空にスーッと流星が流れていった。30分ほで2個見ることができたが、さらに雲が広がり始め、9時半にあきらめて撤退、寝ることにした。
 部屋は6畳1部屋独占なので、荷物を広げっぱなしで窓際の星空が見える場所に布団を敷いて、目を開ければ空が見えるようにして寝た。睡眠薬1錠飲み、10時にはもうすっかり眠りについていた。明日は6時出発予定なので、目覚ましは5時にセットした。

    南中するオリオン座と法華院温泉小屋


    星降る法華院温泉小屋  山の上にはカシオペア座が沈み始めている.


    オリオン座と冬の大三角形  この位置で流星を捉えたかったが,1個も写らず.

 ふと目が覚めると、窓ガラス越しにオリオン座の三ツ星が燦々と輝いているのが見えた。時間を見ると4時だ。窓を開けて空を見上げると、雲ひとつない快晴だ。服を着込んで三脚とカメラを持って外に出る。空は見渡す限り晴れ上がり、燦々と星の降る凄い空だった。オリオン座はちょうど南中していちばん高い位置に昇っている頃だった。空をじっと見ていると、流れ星が時折流れて行くのが見える。オリオン座流星群というのだからオリオン座の周辺に飛ぶのかといったらそういうわけではなく、放射の中心部がオリオン座付近にあるというだけで全天空に流星は舞う。しかし、できればオリオン座の入る位置で流星を捉えたいので、その方向にカメラをセットして再三シャッターを切るが、飛んでゆくのは反対側の北斗七星の方角だったり、また良い場所に飛んだと思えばシャッターが開いていない時間だったり・・・30カットほど撮影したが、結局流星は1度も捉えることができずに夜が明けてしまった。しかし、肉眼では1時間で6~7個見ることができ、満足できる流星群観察ができた。

    法華院温泉と薄明の空  この時間は空が青く写る.小屋の上にはプレアデス星団が輝く.白い筋は流星ではなく人工衛星.


    夜明け前のオリオン座と冬の大三角形  もう空は明るくなり始めた.流星の観察はここまで.

 さて、天気は良好、部屋に戻って朝食(小屋の朝食は6時45分からだが、弁当にして前夜にもらってある)をとり、準備して九重山目指して出発だ。
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槍の穂先からあの星は見えるのか? 槍ヶ岳(3日目)

2009年10月21日 | 日本百名山
 平成21年10月12日 天候晴れ

 前日重い荷物を背負っての南岳稜線歩きは結構疲れた。明日も休みをとってはあるのだが、上高地までの距離(約22km)を歩いて14日(水)から勤務(午前中から手術がある)となると、体力的に厳しいものがある。天気予報では明日も晴れそうなのだが、ここは本日撤退して明日は静養したほうが無難だ。食料が丸1日分余ってしまうので、前日私のテント場の向いにテントを張っていた若者3人組に相談したところ、快く岳ソバ1袋とソバ3束、それとカレーのレトルトパック1パックを引き受けてくれた。下山するならできるだけ荷物を軽くして下りたい。

    月光の槍ヶ岳と昇る北斗七星


    月の輪と槍ヶ岳

 さて、朝は3時に起床して3時半から行動開始した。テントから外に出ると、薄雲が広がり星空はいまひとつだ。オリオン座が南東の空に昇ってきているのが雲間から見える。半月を2日ほど過ぎた月が昇り、ヘッドライト無しでも歩けるくらいに明るい。まず西鎌尾根に向かうところに槍と小槍が見える絶好の展望台があるのでそちらに向かう。小槍の左手にちょうど北斗七星が昇ってきており、月光に照らされた槍ヶ岳の雪が白く光り、神秘的な風景が広がる。薄雲におおわれた月は輪をかぶっていた。

    月光に輝く薄明の穂高岳  槍ヶ岳山頂からの風景.ブログの写真では見えないが,奥穂高岳の右上,雲の間にうっすらとカノープスが輝いている.


    薄明の常念岳  予想以上に明るく,露出オーバーの写真となる.空にひときわ明るく輝く星は金星.

 4時半、いよいよ槍ヶ岳山頂に登る。この時間に登っている変わり者は私一人だった。月明かりに照らされた槍ヶ岳は、ルートを示す矢印が良く見え、難なく登ることができた。20分ほどで山頂に到着し、すぐに気になっていた南の空、穂高岳の上空を見つめる。南中した冬の大三角形を目印に、あの星、そう、この季節になると南の超低空に姿を現すカノープスを探すが、残念ながら低空に薄雲がかかり、肉眼では確認できなかった。カメラでは肉眼で見えない星も捉えることができるので、さっそく三脚を出して撮影にとりかかる。星は見えずとも、薄雪を纏った穂高岳から大喰岳の斜面が月光に照らされて白く光り、隠微な景色が広がっている。後に撮影した写真をプリントしてみると、奥穂高岳山頂のやや右上にうっすらとカノープスが写っており、槍の穂先からこの星が見えることがわかった。

    寒いと思ってたくさん着込んでいったが,さほど寒くはなかった.私の持っている温度計では気温-2℃.


    朝日射しこむ笠ヶ岳と影槍ヶ岳


    白き薬師岳  向うはかなり雪が降ったらしい.


    常念岳の上に朝日が昇る


    朝日射す穂高岳

 20分ほどすると、女性が単独で登ってきた。その後、5時半を過ぎて明るくなってきた頃からちらほらと登ってくる人が増えてきた。山頂は御来光を見る人であふれかえるのかと思っていたが、以外にも日の出の時には10人に満たないほどの人しかいなかった。夜明けとともにしだいに雲が晴れ、富士山も見えるようになってきた。眺望が良いし、山頂は空いていたので下りるのが惜しい気がしたが、本日下山するので、7時に山頂から下り、朝食をとってテント撤収する。

    殺生ヒュッテ付近から振り返ってみる槍ヶ岳


    槍ヶ岳を開山した上人がこもって念仏を唱えたとされるお洞

 8時半、下山開始する。下りは殺生ヒュッテ横のルートを下るが、ジグザグにうまくルートがつけられている。振り返っては槍ヶ岳を眺めて写真をとり、また少し歩いては振り返って・・・槍ヶ岳の眺望をなごり惜しみながら下山する。次はいつ来られるか、全くわからないが、表銀座や裏銀座も歩いてみたい。急ぐことなく、体調を整えるように自分のペースで歩き、午後4時半、無事に上高地に到着した。天候に恵まれ、雪を纏った槍・穂高連峰を見ることができた、素晴らしい3日間だった。

    槍沢に注ぐ滝と紅葉  下山しながら再写.
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紅葉の槍沢から天狗池を越えて 槍ヶ岳1‐2日目 平成21年10月10-12日

2009年10月19日 | 日本百名山
 10月10日(1日目) 天候曇り時々雨
 10月の連休、昨年は紅葉の涸沢を訪れたが、今回は槍ヶ岳に行ってみることにした。今年は紅葉が例年より2週間近く早く、涸沢の紅葉はもう終焉を迎えていると聞いた。おそらく槍沢の上、天狗原や天狗池ももう終わってしまっているのだろう。連休翌日の13日は遅い夏休みを1日とってあるので、3泊4日の予定で上高地から入山した。
 沢渡大橋に車を止めてバスで上高地に移動、混雑するかと思いきや、以外にもバスはがらがら、10人くらいしか乗っていなかった。8時45分、上高地バスターミナルから歩き始め、長い林道をひたすら歩いて11時半に横尾に到着した。元気があれば蝶ヶ岳から常念、大天井を越えて槍ヶ岳に入りたかったのだが、テントと4日分の食料等で20kg強の荷物を背負ってロングコースを歩く体力はとてもない。さらにこの日は天気がいまひとつで、横尾で休んでいると小雨が降り出した。この日はババ平のテント場で寝ることにする。

    横尾大橋 登山客が大勢訪れていたが、そのほとんどは涸沢に向っていった。


    槍沢ロッジ前の谷の紅葉

 その後も雨は降ったり止んだりで、上着だけカッパを着て凌ぐ。槍沢ロッジ前の紅葉はちょうど見頃を迎えていたのだが、雨混じりの曇りの天候で写真に撮ると色は映えなかった。ババ平には午後3時半ごろ到着したのだが、テント場はかなり満員状態で、いちばん端にスペースはあったのだが、景色はほとんど見えない場所だ。どうせ寝るなら夜空と景色が見える場所、と河原を見ると、2~3張テントが張られている。大雨で増水すると危険なことになり得るが、今日はそんな心配はなさそうだ。河原の真ん中近くまで移動していちばん槍ヶ岳寄りにテントを張った。槍沢の谷が良く見え、左から沢に落ち込む数本の滝、その向うには槍ヶ岳東鎌尾根も見渡せる良い場所だ。紅葉はやや過ぎているが、まだ十分に美しい。この日は山と谷に囲まれてテントの中で寝る。

    ババ平のテントを張った河原から見る槍沢の上部と東鎌尾根

 10月11日(2日目) 天候晴れ
 翌朝は3時半に起床し、テントの外を見ると、空はあいにくの薄雲がかかり、星はあまり見えていなかった。オリオン座が昇ってきていたので、雲の切れ間を見て何カットか撮影した。テント撤収し、未明4時半、天狗池目指して出発。日の出の槍ヶ岳が目的だが、途中東鎌尾根に沈んで行くカシオペア座や、槍沢の彼方に雲のように白く聳える山(この時は暗くてわからなかったが、日が昇ってから大喰岳とわかる)など撮影していると、あっという間に夜が明けてきてしまった。結局天狗原分岐に到着したのはもう夜が明けた6時40分になってしまった。

    空高く昇ったオリオン座  テントの前から。


    東鎌尾根に沈むカシオペア座


    白く雪を被った大喰岳  肉眼では白い雲が湧いているように見えた。

 この頃にはすっかり雲が晴れてほぼ快晴に近い空になっていた。ナナカマドの紅葉は盛期を過ぎ、やや茶色っぽくなってしまってはいるが、残っている場所もあった。ちょうど朝日が良い角度で槍ヶ岳を照らし、PLフィルターが無くても空が真っ青に写ってくれる。存分に写真撮影を楽しみながら天狗池を目指す。

    夜明けの中岳と大喰岳  薄雪を纏っている。


    天狗原分岐


    天狗原のナナカマドと槍ヶ岳

 途中急斜面があり、雪が数センチメートル積もっていた。下山してくる人がいたので道を空けて下で待っていると、足を岩にひっかけたらしく、転倒して3mほど転げ落ち、私の目の前で止まった。頭から突っ込んだが、顔に少々の擦り傷を負っただけで大事に至らず良かった。8時10分、天狗池到着。氷河公園の名の通り、若干雪渓が残っており、池には薄氷が張っていた。既に15人ほどの人たちが休んだり、写真を撮ったりしていた。この時間、ちょうど天狗池に朝日が差し込んでくる時間で、遅くなってむしろちょうど良かったかもしれない。やや風が吹いていたので湖面に逆さに映る槍ヶ岳は上手く撮れなかったが、噂通りの素晴らしい眺めが堪能できた。

    天狗池と槍ヶ岳  逆さ槍が映る有名な構図です。


    北穂高岳と前穂高岳  眼下のカールが登れれば南岳はもっと早く登れそうだが・・・


    南岳中腹から見上げる槍ヶ岳

 その先南岳の稜線までは急登が続く。鎖場や苦手のハシゴもあり、しかも雪で滑りやすい。登るたびに変わってゆく槍ヶ岳の眺望を楽しみつつ、転倒・滑落しないように慎重に登り、11時45分、南岳分岐に到着した。眼前に南岳山頂が迫り、ここから20分ほどで行けるのだが、予定よりも大幅に時間が遅くなった(予定では10時に南岳)ので、ここは立ち寄らずに槍ヶ岳方面に進む。下から見上げた時にはさほどアップダウンがある尾根には見えなかったのだが、実際には結構な下りと登りが続く。特に中岳から大喰岳への下りはハシゴと鎖がつけられた急下りで、雪がついていたのでかなり恐かった。その先の大喰岳への登り返しも結構辛い。

    雪と雲を纏った南岳


    常念岳(右)から大天井岳の稜線。元気があればあの稜線を歩きたかったが、かなり長いし、アップダウンもある。


    大喰岳の下りと槍の穂先  雪がついているので慎重に下る。


    雲巻く槍ヶ岳

 南岳分岐に到着したあたりから稜線上は雲が湧き始め、視界がしばしば遮られる状態になってきた。大喰岳から槍ヶ岳への稜線も雲に巻かれてあとどれくらいで槍ヶ岳に到着できるのか全くわからなかったのだが、突然雲が途切れた瞬間、眼前にドンと聳え立つ槍ヶ岳が見えるようになった。もうほんのわずかで到着ではないか。時間は午後2時40分、まだ早い。雲の流れを見ながら、大喰岳下りの斜面でシャッターチャンスを待つ。30分ほどカメラを構えたが、それでも槍ヶ岳テント場には3時40分に到着できた。

    槍ヶ岳山荘前から見る槍ヶ岳


    雲海に沈む夕陽  左手に頭を出しているのは笠ヶ岳


    夕暮れの大喰岳


    常念岳とearth shadow  水平線に地球の影が暗く映る。

夕方5時20分、西の空に夕陽が沈んでいった。雲は視界の下に沈み、見渡す限り一面に雲海が広がった。笠ヶ岳の山頂がちょこんと頭を出し、東の空には格好良い三角錐の常念岳が頭を出している。久しぶりに見る雲海上の夕暮れ、素晴らしい山上でのひとときだった。さて、明日は夜明け前に槍ヶ岳山頂に立つ予定だ。8時にはシュラフを被って眠りに着く。
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山陰遠征、伯耆大山  平成21年10月1日

2009年10月15日 | 日本百名山
 平成21年10月1日 天候晴れ

 学会で島根県松江市に行く機会があったので、ついでに鳥取の大山(いや、大山に登るついでに学会に参加?)に登って来た。当初は9月29日(火)の夜行バスで米子まで行き、翌日大山登山し、10月1日(木)から学会参加の予定だったのだが、30日は雨の天気予報だ。だとすれば、10月1日朝から登って早めに下山し、午後から参加ということになる。(学会は午後2時から始まる。)バスだと移動が面倒なので、9月30日、車で出発することにした。片道約650kmのロングドライブだ。
 午前8時半、甲府を出発。中央道、東名、中国道、米子道と乗り継いで約8時間かかって大山に到着した。大山寺周辺の駐車場は有料だが、ゲートのところに人はおらず、自由に止められるようだった。1ヶ所、大山夏山登山道下の駐車場は無料と書かれていたので、翌日はそこに車を止めて登ることにする。本日は車内泊、どこに止めるか大山寺周辺をドライブして回るが、霧が深くて眺望が全く利かず、大山を見ながら眠れる場所が見つからない。豪円山というスキー場になっている小高い山が眺望に恵まれていると昭文社地図に書かれていたので、その山の入り口を確認し、その近くの駐車場に車を止め、明日早朝、豪円山から大山の上に昇って来るオリオン座と冬の大三角形を狙うことにする。夜8時には早々に車の中でシュラフを被って寝る。

    大山の上に昇るオリオン座と冬の大三角形


    大山とおおいぬ座シリウス  薄明の時間の青い空が美しい。しかし、この頃からレンズに異変が現れる。


    朝の大山北壁  レンズが結露して画像が白っぽくなってしまう。

 朝3時半起床、4時から豪円山を目指す、といっても20~30分もあれば山頂まで到着できるはずだ。ヘッドライト点けてスキー場の中の林道を行き、途中で左に行く登山道があるのでそこを登る。一応刈り払われてはいるがずいぶんと荒れた道だった。5分ほど登ると草むらに突入、すっかり荒れている。さらに進むと、今度は背丈の1.5倍ほどあるカヤの草むらに突入、もうどこが道だかわからない。朝露に濡れた草むらを歩くため、ズボンも靴も服もびしょ濡れだ。山頂は目の前なので強行突破すると、方位板の立った広い山頂に飛び出した。しかし、残念ながら山頂周辺の高い木々に阻まれて大山は一部しか見えず、撮影はあきらめる。登って来た方向と反対側を見ると広い道が続いていた。おそらくは林道に続く道だろう。そちらに歩いて行くと、そのまま林道につながっていた。先ほどのヤブコギの苦労は何だったのだろう。下りて行くと途中に大山の眺望が良い小高い丘があった。時間は4時50分、山梨だとそろそろ朝焼けが始まる時間だが、西日本なので夜明けが遅く、暗い空の中にオリオン座が燦々と輝いていた。ここでようやく三脚を立てて撮影できた。日の出過ぎまで粘って朝日射す大山北壁を捉えたかったのだが、朝露と朝靄でレンズが結露し、何度拭き取っても画像が白くボケてしまう。どうやらフィルターではなく、内部のレンズが結露してしまったらしい。6時過ぎ、大山に陽が差し込む前にあきらめて撤収し、車に戻る。

    大山夏山登山道入り口


    夏山登山道沿いにある金色堂(だったかな?名前が間違っているかも。)


    美しいブナ林の中を整備された木の階段道が続く

 車内で朝食をとり、7時、前日見ておいた夏山登山道入り口近くの駐車場に移動する。既に4~5台の車が止まっていた。7時15分、大山向けて出発する。最初はセメントで固められた道、その先は木の階段で作られた道、整備の行き届いた道が続く。中腹のブナ林は植林などの手が入っていない自然のままの姿で保存されていて見事だった。レンズの調子が思わしくなく、覗いてみると内部レンズの1枚が完全に結露してしまっている。これでは使い物にならない。残っているのは星空撮影用の15mm fisheyeだけだ。止むなし、そちらに付け替えて撮影する。

    5合目の元谷方面分岐。道標や案内板が随所に整備されている。


    大山の案内板。fisheyeの画像なのでフレームが歪んでいる。

 6合目避難小屋を過ぎたあたりから傾斜がややきつくなるが、相変わらず階段状に整備された良い道が続いている。山は色付き始めてはいるが、紅葉にはまだ3~4週間ほど早そうだ。8合目を過ぎ、頂上部の傾斜が緩くなったあたりからは木道になり、あたりにはハイマツのような低木が一面に生えている。大山特有のキャラボク林だ。木道は登山者からキャラボクの林を守るために設けられたものだ。

    8合目上のキャラボク林


    キャラボクの木と赤い実


    大山弥山山頂から見る最高点の剣ヶ峰  稜線上は崩落著しく、通行禁止になっている。(15mm fisheye画像)


    島根半島と三保湾の眺望(15mm fisheye画像)




    同、17-55mmレンズ、PLフィルター画像

 山頂直下には立派な大山山頂避難小屋が立ち、そのすぐ向うが大山山頂(弥山山頂)だ。10時半に山頂に到着した。最高点は剣ヶ峰で、その先に見えるのだが、頂上稜線の崩落が著しく、現在通行止めになっている。しかし、何人か縦走している人も見かけた。結露したレンズはまだ使えないが、天気が良かったので日の当たる場所に出して乾かしておいたところ、約40分で復活した。周辺が歪むfisheyeよりも自然に写り、PLフィルターもバッチリ効く。おかげで山頂ですっかりのんびりとしてしまい、下山開始は11時半になってしまった。

    元谷と避難小屋


    元谷から見る大山北壁

 下りは5合目から右に曲がって元谷から大山北壁を眺め、大神山神社奥宮を回り、大山寺に下山した。ここの参道は日本一長い石畳の道だそうで、歴史を感じるしっとりした味わいのある道だった。

    大神山神社奥宮


    奥宮に続く石畳の道

 予定より2時間近く遅れてしまったが、午後2時に下山、汗臭い体はウェットティシューでとりあえず拭き、ワイシャツとネクタイ姿に変身して学会場へ急いだ。聞きたかったシンポジウムには余裕で間に合ったのだが、英語講演は何を言っているのかさっぱりわからず、すっかり夢心地だった。(翌日は朝から真面目に学会参加しました。)
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祝、山梨百名山踏破!おやじ3人衆(+α)集結、最後の難峰(軟峰?)へ。  

2009年10月06日 | 大菩薩・小金沢山系
平成21年9月26日 天候晴れ
 おやじ3人衆の1人、山口さん(上野原在住)は今年8月23日に最後の難峰、笊ヶ岳に登頂し、山梨百名山全踏破を終えた。そして植田さん(以前は甲府だったが、現在町田市在住)は今回登る最後の難峰(軟峰?)一座を残して全踏破となる。2人のお祝いを兼ねて、山仲間の女性2人を誘い、最後の一座へ向う。

    深い谷の上にかかる橋を渡る。


    山門の前で記念撮影&ここでもうビールあけて乾杯!

 今回は電車を利用し、大月駅に10時集合。コンビニに立ち寄ってビールとつまみを買い、ザックに入れないで何故か手にぶらさげたまま山を目指す。私のザックの中には5人前のヤキソバと野菜、焼き鳥、シシャモ、エリンギ、ボトルウィスキーなど、宴会道具一式が入っている。川にかかる高い橋を渡り、登山口に到着。登る前に山門の前でさっそくビールを出してハイ、カンパ~イ。完全に山を舐めてますね。もうおわかりでしょうか?最後の難峰とは大月駅前に聳える岩殿山。みんなで宴会できるように、登りやすい山を残しておいてもらったのだ。

    岩殿城跡。丸山公園になっている。


    丸山公園から見上げる岩殿山

 登山とは言い難い、階段の整備された道をテクテクと歩き、山門から1時間かけて、12時に山頂到着。さっそく秘密兵器ののれんを取り出して記念撮影する。ちなみに青いほうは雪の白根三山のイメージ、赤は朝焼けのイメージで作ったのだが、赤のほうは色の出方がいまひとつだった。植田さん、申し訳ない。

    祝、山梨百名山踏破。山口さん、植田さん、ご苦労さまでした。


    山の上で祝賀会


    岩殿山から見る大月の町。富士山はちょっと姿を現しただけだった。

 記念撮影後はあずまやの横の広場にシーツを敷いて祝勝会を行なう。山口さんは相変わらずのハイピッチ登山、6月にはフランスのモンブランに登ろうとしたが、悪天候で手前の山小屋までで引き返したそうだ。植田さんは最近笹子周辺の山がお気に入りらしく、本社ヶ丸、鶴ヶ鳥屋山、三つ峠界隈を電車利用で歩いている。女性2人は数年ぶりの山歩きとなる。1時間半ほど山談義で盛り上がり、撤収・下山。次は日本百名山を目指そうと結束を新たにした。東北など遠い場所の遠征は複数で車に乗ったほうが有利だ。来春、飯豊山に登ってみたい。
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大岩山から甲斐駒ケ岳へ、日向八丁尾根3日目 平成21年9月20‐22日

2009年10月03日 | 南アルプス
 9月22日(3日目) 天候曇り
 寝付きの悪い私もさすがに昨日は歩き疲れと前日の寝不足で、夜8時半にシュラフに潜り込むや否や眠りについてしまい、ふと目が覚めたのは未明2時過ぎ。テントの換気孔から空を見上げると、曇り空らしく星は全く見えない。オリオン座が昇ってきている時間なのだが、星の撮影は無理なのでもう一寝入りして3時半に起床した。テント撤収、まだ暗い未明4時に同行の2人より先に甲斐駒ケ岳山頂目指して出発だ。

    夜明け前の鋸岳  左下に小池さんたちの緑色のテントが見える.

 コースタイムでは山頂まで1時間半の行程なので、うまくすれば山頂で日の出が迎えられるかもしれない・・・という期待もあったのだが、真っ暗な道、かつ遅い足、しかも途中で三脚を出して撮影・・・などとやっていると、山頂の尾根にたどり着く前に夜が明け始め、真赤な朝焼けが始まる。歩くのを止めて刻一刻変わってゆく朝焼けの空を眺める。曇り空だが、朝の一時だけ青空が見えた。

    秋の朝焼け空


    秋の雲流れる朝

 見上げる稜線の上に大きな岩が見える。果たしてあそこまで登るのだろうか?道はトラバースしているように見えたので巻くのかと思いきや、長い鎖場が出現、しかも垂直近い急傾斜だ。真っ暗な中をこの鎖場通過は難しかったかもしれない。夜が明けてからで正解だった。稜線の上にたどり着くと、ウラシマツツジが真赤に紅葉して見頃を迎えていた。あちらこちらに三脚を立てて写真を撮っていると、後ろで呼び声が聞こえた。朝7時、小池さんと深沢さんがひとつ向うの小ピークにもう追いついてきた。7時45分、甲斐駒ケ岳山頂に到着、10分ほどして2人が山頂に到着した。小池さんはだいぶお疲れのようだったが、深沢さんは何事も無かったかのように元気だ。ガスで景色が見えなくなることもあるのだが、霞の彼方に鳳凰山の上に立つ秀麗な富士山が見えていた。朝はきっと赤い富士山が見えていたのだろう。ちょっと残念だ。

    鎖場と大岩.暗いうちに登らなくて良かった.


    ウラシマツツジの紅葉と甲斐駒ケ岳


    朝の鋸岳


    朝の仙丈ヶ岳


    北岳(左)と仙丈ヶ岳(右)

 あとは黒戸尾根を下って竹宇駒ケ岳神社まで下るだけだ。私は写真を撮りながら、足の様子を見ながらゆっくり下りることを告げ、2人には先に行ってもらう。9合目の下、鉄剣の立つ岩峰の上から見る風景はこのルートで私がお気に入りの風景だ。いつかここで甲府盆地の夜景を入れて夜明けの風景を撮りたいと思っているのだが、なかなか実現しないでいる。鳳凰山、富士山、鉄剣の岩峰が写しこめるこの画角は、多くの名作を輩出している甲斐駒ケ岳山頂の風景と並んで、秀逸な作品が撮影できる場所だと思っている。

    甲斐駒ケ岳山頂


    ガス流れる向うに鳳凰山と富士山が見える.


    鳳凰山と富士山  甲斐駒ケ岳山頂から.


    鉄剣立つ岩峰と鳳凰山,富士山


    倒壊している8合目石鳥居

 11時、7合目の小屋でラーメンを作って昼食をとり、テクテクとスローペースで黒戸尾根を下る。マツタケはないかとキョロキョロしながら歩いたが、素人の私に見つけられるようなものではないようだ。下部の横手分岐から竹宇駒ケ岳神社までの下りは足の疲れがピークに達し、とてつもなく長く感じた。午後4時半、無事に駐車場に到着した。先行した2人は午後2時15分に駐車場到着したらしい。さすがに速い。
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