山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

チシマヒョウタンボク (スイカズラ科) Lonicera chamissoi Bunge

2023年08月14日 | スイカズラ科
  亜高山帯の草地に生育する落葉小低木。高さ1m 以内。葉は楕円形で 2 ~ 7㎝、全縁で両端とも丸みがある。 花は唇形で暗紫色、長さ8 ~ 12㎜で、上唇は4裂して直立し、下唇は下に垂れる 。花期は 6 ~ 8 月。果実は赤色で 2 個がほとんど合着している。山梨県では南アルプスに限局的に生育している。

   2018年山梨県カテゴリー: 絶滅危惧ⅠB 類(EN)  2005年山梨県カテゴリー :7絶滅危惧Ⅰ B 類(EN)   2017年環境省カテゴリー:絶滅危惧Ⅱ類(VU)

    チシマヒョウタンボク 2023年7月 北岳で撮影


    高さは1mほど。ハイマツの中に隠れるように生育していた。


    チシマヒョウタンボクの花と葉。葉は全縁で無毛、先端は少し尖る。


    花は唇型で上唇は4裂する。



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コウグイスカグラ (スイカズラ科)

2023年08月14日 | スイカズラ科
 学名:Lonicera ramosissima Franch. et Sav. ex Maxim. var. ramosissima   

 山地帯の日当たりの良い草地や低木林を好んで生育する落葉低木。高さは1~2mになる。葉は対生し、円形~長楕円形で両面軟毛が多い。花は漏斗状でわずかに緑色を帯びた淡黄色。液果は普通 2 個合着し、7月ごろに赤く熟す。花期は5月。 本種の品種、チチブヒョウタンボク(ミツトウゲヒョウタンボク)f.glabrata(Nakai)H.Hara は、山梨県レッドデータブックでは同一扱いとしている。 

  2018年山梨県カテゴリー :絶滅危惧ⅠB 類(EN)  2005年山梨県カテゴリー :絶滅危惧Ⅰ B 類(EN)   2017年環境省カテゴリー: なし 


    コウグイスカグラ(ミツトウゲヒョウタンボク) 2,023年5月 三ツ峠で撮影


    ミツトウゲヒョウタンボクの花。緑色を帯びた淡黄色。

    蕾は緑色が強い。


    落葉低木で高さは1~2mになる。


    葉は対生する。


    両面に軟毛が多く、やや白色を帯びる。


    結実したミツトウゲヒョウタンボク。2021年6月に撮影。7月になると赤く熟す。





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イワツクバネウツギ (スイカズラ科) Zabelia integrifolia (Koidz.) Makino ex Ikuse et S.Kuros.

2022年07月31日 | スイカズラ科
 山地帯の岩場や渓谷沿いの岩壁を好んで生育する落葉低木である。葉は対生し、長さ3 ~ 7㎝、幅 1 ~ 3㎝の卵形~披針状長楕円形で、縁は全縁である。葉柄の基部は膨らんで相対する葉柄の基部と合着する。新枝の先に短い花柄を出し、白色ないし淡紅色を帯びた花を2 個つける。花冠は細い漏斗状で、先端部が4裂して平らに開く。萼片は4枚でプロペラ状に開き、花が散った後も長く残る。樹皮には6本の明瞭な溝がある。花期は 5 ~ 6 月。山梨県では御坂山系の渓谷沿いおよび山地帯に生育しているが、個体数は少ない。

 2018年山梨県カテゴリー:絶滅危惧ⅠA 類(CR) 2005年山梨県カテゴリー:絶滅危惧ⅠA類(CR) 2017年環境省カテゴリー:絶滅危惧Ⅱ類(VU)


    イワツクバネウツギ 2022年5月 御坂山系の渓谷沿いで撮影


    花はやや淡紅色を帯びていることが多い。


    イワツクバネウツギの花。2個ずつペアで咲く。萼片は4枚でプロペラ状に開く。


    側面から見た花。花冠には薄く毛が生えており、葉や葉柄にも毛が多い。


    花冠の先端部は4裂し、平坦に開く。


    花が枯れて落下した後も萼片は長く残る。2022年2月に撮影。


    木の幹や太い枝には明瞭な溝が6本入る。

 ➡山梨県の絶滅危惧のスイカズラ科植物一覧

 ⇒山梨県2018年版レッドリストの植物


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オオヒョウタンボク(スイカズラ科)

2021年08月18日 | スイカズラ科
 本州中部の亜高山帯~高山帯下部の低木林に生育する落葉低木である。高さは1 ~ 2mほどで枝の髄は中実。葉は対生し、長さ5 ~ 14㎝、幅 3 ~ 5㎝の楕円形~長楕円形で先は尖る。葉腋から花の主脈に沿って花柄を伸ばし、2 個ずつ花をつける。花冠は長さ約 1.3㎝ほどで、上部が2裂して唇形となり、上唇はさらに浅く4裂する。花は 7 ~ 8 月。山梨県では北岳周辺に生育しているが個体数はあまり多く無く、柔らかい葉は鹿の食害を受けている。

 2018年山梨県絶滅危惧ⅠB 類(EN) 2017年環境省(-)


    オオヒョウタンボク 令和3年6月 北岳で撮影


    オオヒョウタンボクの白い花


    葉は柔らかく、鹿の食害を受けている。

 ⇒山梨県の絶滅危惧のスイカズラ科植物一覧

 ⇒山梨県の絶滅危惧の植物 ~科別分類~

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ニッコウヒョウタンボク(スイカズラ科)

2021年08月17日 | スイカズラ科
 関東地方・中部地方・近畿地方北部の標高700〜1900mの山地帯の林縁や低木林中に生育する落葉低木である。高さ1 ~ 2m で、枝は中実で稜があり四角い。葉は対生し、葉の長さは3 ~ 10㎝、幅 2 ~ 6㎝の卵形~卵状披針形で、先は次第に尖り、葉裏はやや粉白を帯びる。花期は5 月~ 6 月で、葉腋から花柄をだし、上向きに 2 個ずつ花をつける。はじめ白色、後に淡黄色に変わる。果実は 2 個が合着する。山梨県では奥秩父、御坂山系、南アルプスに生育しているが個体数は少ない。

 2018年山梨県絶滅危惧ⅠB 類(EN) 2017年環境省(-)


    ニッコウヒョウタンボク 令和3年6月 御坂山系で撮影


    白いニッコウヒョウタンボクの花


    高さは1~2mであまり大きくはならない。


    花はあまり多くは付かない。


    別株 令和4年6月 御坂山系で撮影。 木の幹は主に縦方向にひび割れる。


    この株は花がピンク色がかっていた。

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クロミノウグイスカグラ(スイカズラ科)

2021年08月17日 | スイカズラ科
 北海道と本州の中部地方以北の亜高山帯~高山帯の日当たりの良い礫地に生育する落葉低木である。高さ0.5m 以下。葉は対生につき、倒卵形~長楕円形で両面とも有毛または無毛。苞は有毛。花冠は漏斗形で 5 裂し、黄白色。花期は 7 月。8 ~ 9 月に粉白を帯びた黒紫色の実が熟す。山梨県では北岳およびその周辺で生育が確認されているが個体数は少ない。

 2018年山梨県カ 絶滅危惧ⅠA 類(CR) 2017年環境省(-)


    クロミノウグイスカグラ 平成3年6月 北岳で撮影


    クリーム色の花冠は漏斗状で5裂する。


    高さは30㎝ほどの落葉低木


    まだ蕾のクロミノウグイスカグラ


    結実して黒い実をつけたクロミノウグイスカグラ 平成3年8月撮影

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タカネマツムシソウ(スイカズラ科)

2021年02月26日 | スイカズラ科
 本州の中部地方以北と四国の亜高山帯~高山帯の草地や砂礫地に生える2年草または1年草である。花期は8月。茎は高さ20~30㎝とマツムシソウと比べて背が低い。根生葉には長い柄があり、倒卵状披針形~倒披針形で羽状に全裂する。茎葉は対生し、上部のものほど小さくて細く、ふちに欠刻がある。茎の先や葉腋から出た柄の先に直径3~4㎝の頭花を1個ずつ付ける。花弁は、外側の小花は濃青色で深く5裂(時に4裂)し、下側の裂片が大きい。内側の小花は筒状で5裂(時に4裂)し、花床には線状倒披針形の鱗片がある。萼片は数個で長さ4~5㎜の棘状になり、そう果になってもこの棘状の萼片が残る。棘状萼片はマツムシソウに比べて長めである。山梨県では過去の記録はあるようだが確実なものは確認できておらず、情報不足(DD)となっている。


    タカネマツムシソウと思わしき花 令和1年8月 八ケ岳前三ツ頭(標高2,360m付近)で撮影


    同上 背丈は20㎝ほど、根生葉は切れ込んでいるように見える。


    同上 花


    タカネマツムシソウと思わしき花 平成30年8月 編笠山(標高2,520m付近)で撮影


    同上 花。少し時期が遅かった。


    そう果のトリーミング画像。棘状の萼片がやや長く見える。


    令和2年9月 大菩薩連邦ハマイバ丸(標高1,730m付近)で撮影したマツムシソウ


    同上 そう花のトリーミング画像。上記のタカネマツムシソウ画像に比べて棘状萼片は短く見える。

 タカネマツムシソウとマツムシソウの違いは何なのか?図鑑やネットで調べてみるといくつかの違いがある。

・タカネマツムシソウは背丈が20~30㎝と低く、マツムシソウは40~60㎝になる。
・タカネマツムシソウのほうが色が濃く、外側花弁の幅が広く隙間が無い。
・タカネマツムシソウのほうが棘状萼片が長い。
・根生葉の切れ込みがタカネマツムシソウでは深くて細かい。

 標高だけで区別するのは難しく、花だけで見分けるのも難しそうである。根生葉で見分けるのが良さそうであるが、花が咲いている時期では無く葉が出始めた頃のほうが見分けやすいようである。今回のタカネマツムシソウと思わしき花は7割方タカネマツムシソウであろうと思っているが、もう少し細かく観察して来ないと確定には至らない。

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スルガヒョウタンボク(スイカズラ科)

2020年11月13日 | スイカズラ科
 亜高山帯の林内に生育する落葉小低木である。花期は5~6月。葉腋から花柄を伸ばし、先端に黄緑色~赤褐色の花を2個つける。咲きはじめの個体は黄緑色だが、花期終盤には赤褐色に変わって行く。山梨県・静岡県・長野県に生育しており、山梨県では主に櫛形山周辺の南アルプスに生育している。個体数はあまり多く無く、鹿の食害を受けているため一部では保護柵設置による保護対策が行われている。


    スルガヒョウタンボク 令和1年5月 櫛形山で撮影


    同上


    同上 葉腋から花柄を伸ばして先端に2個の花を咲かせる。結実するとひょうたん型の実を付ける。


    同上 スルガヒョウタンボクの花。別名アオバヒョウタンボク。


    同上 斜側面から見る2個の花

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ハヤザキヒョウタンボク(スイカズラ科)

2020年11月10日 | スイカズラ科
 山地の林縁に生育する落葉低木である。花期は4~5月。葉が展開する前に薄黄色、ないし薄ピンク色の混じる半透明な花を咲かせる。本州(宮城、関東北部、甲信)に分布する稀な植物である。山梨県では御坂山系、富士山周辺、奥秩父山系の一部の山域で見られるが個体数は少ない。


    ハヤザキヒョウタンボク 平成2年4月 御坂山系で撮影


    同上 花が咲く頃にはまだ葉は展開していない。


    同上 薄いピンク色の混じる薄黄色の半透明な花。


    同上 別の木。


    こちらはピンク色が薄い。

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ツルカノコソウ(スイカズラ科)

2020年11月10日 | スイカズラ科
 やや湿り気のある林床や草地に生育する多年草である。花期は4~5月。花茎が伸びきる頃に地面の上につる状の枝を四方に出して繁殖することからこの名がある。本州・四国・九州に分布しさほど珍しい花では無いが山梨県では生育地が限られている。個体数はそこそこにある。


    ツルカノコソウ 平成30年5月 上野原市で撮影


    同上 風に揺れて十分に撮影出来ず。


    平成30年5月 同じ場所で撮影


    同上 綿毛になったツルカノコソウ

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リンネソウ(スイカズラ科)

2020年11月06日 | スイカズラ科
 高山帯のハイマツ樹林下や亜高山帯の針葉樹林下に生育する常緑小低木である。花期は7~8月。スミレの花のような小さな薄ピンク色の花を咲かせる。山梨県では八ケ岳と鳳凰山で生育を確認しているが個体数は少ない。


    リンネソウ 令和1年8月八ヶ岳で撮影


    同上 リンネソウの花。薄ピンク色の花の中は濃いピンク色をしている。


    令和1年8月 八ヶ岳の別の場所で撮影


    この場所では固まって咲いていたが発見したのはこの場所だけだった。


    令和2年8月 鳳凰山で撮影


    同上 群生していたがまだ蕾だった。

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山梨県の絶滅危惧のスイカズラ科植物一覧

2020年11月06日 | スイカズラ科
2018年版山梨県レッドデータブックに登録されているスイカズラ科の植物は以下の通りである。

絶滅危惧ⅠA類(CR)

 リンネソウ (2005山梨県EN 2017環境省-)
    
 スルガヒョウタンボク (2005山梨県EN 2017環境省EN)
    
 クロミノウグイスカグラ(2005山梨県CR2017環境省-)
    
 ホザキツキヌキソウ(2005山梨県CR2017環境省CR)
    
 イワツクバネウツギ(2005山梨県CR2017環境省VU)
    


絶滅危惧ⅠB類(EN)

 チシマヒョウタンボク(2005山梨県VU2017環境省VU)
    

 ニッコウヒョウタンボク(2005山梨県EN2017環境省-)
    
 ハヤザキヒョウタンボク(2005山梨県EN2017環境省-)
    
    
 コウグイスカグラ(2005山梨県EN2017環境省-)
    

 オオヒョウタンボク(2005山梨県EN2017環境省-)
    


絶滅危惧Ⅱ類(VU)

 ツルカノコソウ(2005山梨県VU2017環境省-)
    
 キバナウツギ(2005山梨県VU2017環境省-)
    

情報不足(DD)

 キンギンボク(2005山梨県DD2017環境省-)
 タカネマツムシソウ(2005山梨県DD2017環境省-)
    
 


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ホザキツキヌキソウ(スイカズラ科)

2020年10月16日 | スイカズラ科
 南アルプスの某山に限局して生育する多年草である。盗掘や鹿の食害で個体数は激減し、まさに絶滅寸前の危機にある植物である。「ホザキ」の名は発見者の名前に由来する。特徴的な大きな4枚の葉は2枚ずつ対生している。花を咲かせる頃には赤い葉脈が目立つが、種を付ける頃にはこの赤い色は消える。


    ホザキツキヌキソウ 平成28年6月 南アルプスで撮影


    同上 いちばん元気が良かった頃の個体である。


    同上 花を咲かせている。花を咲かせる頃の葉脈は赤いが、結実するにつれて赤みが消える。


    同上 ホザキツキヌキソウの花。奇怪な形をしている。


    平成28年7月下旬 結実した同じ個体。


    同上 白い種が付く。


    平成30年7月撮影。 柵で囲って保護したのは良いが、周辺に草が茂って個体が小さくなってしまった。


    同上


    令和2年9月撮影 周辺の草刈りをして手入れしてくれているがやはり元気が無い。


    同上

 株分けで増えてきた同じ遺伝子を持った個体のため種子から増殖することはほとんど期待できない。周辺には別の個体は見つかっていない。

⇒山梨県の希少野生動植物種と指定種・特定指定種について

 ⇒山梨県の絶滅危惧の植物 ~科別分類~

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