山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

カサスゲ(カヤツリグサ科)

2021年05月30日 | カヤツリグサ科
 沼や池などの水湿地に生育する大型の多年草である。茎の高さは40~100cmになる。葉は硬く、幅4~8㎜。小穂は4~7個付き、一番上の1本だけが雄花で、残りの太い穂は雌花。雄小穂は茶褐色で、長さ4~7㎝の線形で、痛んでちぎれやすい。雌性の側小穂は長さ3~10㎝、幅約5㎜の円柱形。鱗片が赤褐色を帯びるのが特徴。果胞は熟しても膨らまない。果実は結実しないことが多い。柱頭は3岐。和名のカサスゲ(笠菅)の由来は、丈夫な長い葉を笠や蓑に利用したことから来る。

 2018年山梨県絶滅危惧Ⅱ類 2017年環境省-


    カサスゲ。先端の茶色い部分が雄小穂、下が雌小穂。令和3年4月 韮崎市の高層池で撮影。


    同上。雄小穂は痛んで千切れやすい。


    たくさん生育しているが穂を出しているものは少なかった。


    雌しべを出している雌小穂。


    雌しべが落下した雌小穂。鱗片は先端が尖り、辺縁が赤褐色を帯びる。

⇒山梨県の絶滅危惧のカヤツリグサ科植物一覧

⇒山梨県の絶滅危惧の植物 ~科別分類~

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ヒナスゲ(カヤツリグサ科)

2021年05月30日 | カヤツリグサ科
 林内や渓谷沿いの岩上を好んで生育する小型の多年草である。茎は糸状で高さ5~20㎝、基部の鞘は灰褐色ないしは赤紫色である。葉は糸状で柔らかく、二つ折れになりやすい。雌雄異株で、雄株の雄小穂は茎頂に1個付き、線形で赤紫色。雌株の雌小穂は疎に3~6個付く。雌花の鱗片は光沢があり濃赤色を帯び、果胞と同長か少し長い。果胞は有毛で柱頭は3岐。根茎は少し伸びて緩く叢生する。山梨県では主に県の北部に分布し、生育地、個体数とも比較的多い。

 2018年山梨県準絶滅危惧 2017年環境省-


    ヒナスゲ雄株。令和3年4月 西沢渓谷で撮影。


    雄株の雄小穂は茎の先端部に1個付き、線形で赤紫色。


    雌株


    雌株の雌小穂は3~6個付く。鱗片は濃赤色を帯びる。


    基部の鞘は赤紫色ないしは灰褐色。

 良く似た雌雄同株のサナギスゲが山梨県に生育しているらしい。

⇒山梨県の絶滅危惧のカヤツリグサ科植物一覧

⇒山梨県の絶滅危惧の植物 ~科別分類~

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皆既月食撮影成らず 甘利山 令和3年5月26日

2021年05月30日 | 月富士
 期待していた皆既月食であるが、時期が時期だけに撮影は難しいだろうと予想していた。予定していた撮影候補地は本栖湖湖畔、赤石林道展望台、そして甘利山である。天候が良ければ富士山に近付いて撮影し、悪ければ距離を離して山の上から撮影しようという目論見である。この日の天気予報、雲画像を見てもあまり期待できそうに無く、山上から狙うことにして甘利山に行ってみる。ここで月が見えなければおそらく山梨県は全域ダメであろう。夕方4時半に甘利山展望台に到着した頃には富士山が姿を現し、ところどころ青空が見えていたので。これはいけるかもしれない、とこの時は思った。月の出は6時40分ごろなので、その前に山頂周辺の散策に出かける。


    午後4時50分、富士山が姿を現している。


    見下ろす甲府盆地と富士山。青空が見えておりこれはイケるかも知れないとこの時は思った。


    レンゲツツジはまだ蕾である。


    もうすぐほころびそうなレンゲツツジ。あと2週間もすれば他の場所も咲いているのではないだろうか。


    マイヅルソウが満開


    ヒメスゲ


    ヒメカンスゲだと思っていたスゲはどうやらシロイトスゲのようである。

 さて、展望台に戻ってカメラを3台セットする。1台は固定して町灯りと富士山と月を30秒のインターバルで切り続ける。もう1台は570㎜望遠レンズを装着して簡易赤道儀に乗せて月を追尾する。そしてもう1台はフリーにして適当に撮り歩く。陽が沈み町明かりが灯り始めた頃、そろそろ月の出の時間だが…その頃には富士山は見えるものの空は雲が広がり月も星も見えない。


    町灯りが灯り始めた。そろそろ月の出の時間だが・・・見えない。


    7時半過ぎ、うっすらと月が見える。欠けているはずだがそこまでは見えない。


    あと15分ほどで皆既する月。


    月の形までは見えず。


    皆既まで10分を切っている細い月が一瞬見えた。うっすらと赤くなっているようにも見える。


    しかし、その後は月の姿は見えず。


    富士山も見えにくくなってしまい、皆既が終わる8時半ごろまで待って撤退となった。


    赤道儀で追尾した画像は北極星が見えないため極軸が合わず、月も捉えることが出来ず。撮影出来たのは皆既直前のこのカットのみだった。


    午後9時、林道から見上げると細い月が姿を現していた。その後は再び雲隠れしてしまった。

 残念な結果となってしまった皆既月食の月だが、この季節は雲が多いのでなかなか撮影は難しい。11月にもう一度皆既に近い月食が起こるので、次に期待したいと思う。


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ヒメシャガはあるのか? 令和3年5月25日

2021年05月30日 | 山に咲く花
 山梨県に咲くヒメシャガはネットを探してもほとんど情報が無く、レッドデータブックのメッシュ表示くらいしか見当たらない。花仲間とともに散策している際に偶然その花の情報を耳にして、探しに行ってみることにした。長い林道歩きがあるので、林道周辺の草と苦手な木を見ながら歩いてみることにする。


    良く見かけるこの花くらいはなんとなく分かる。


    ウツギ。ヒメウツギとの区別はまだいまいち。


    時々見かけるが名前は知らなかった。調べてみるとコゴメウツギというウツギの仲間。


    ハリエンジュ。フジの仲間。


    ガマズミ


    黒い実が成っている。ハンノキの仲間か?


    木の幹を見ると剥げ落ちている。ヤシャブシのようである。


    ?


    おそらくテキリスゲ。葉が硬くてざらつき、辺縁で手を切ることからこの名がある。


    先端が雄小穂、下に雌小穂が数個付く。


    林道脇にたくさん生えていたこのスゲ。


    マスクサと思われるが果胞が細長くヤブスゲのほうかも知れない。もう少し小穂の詳細な写真を撮って来るべきだった。


    沢の脇に生えていたのはナルコスゲと思われる。

 他にも多数撮影したが調べても分からないものが多い。樹木図鑑はまだ使いこなせておらず、まずは樹木の科を覚えることが先決かと思う。


    試練の階段を昇る。


    水の滴る岩壁の脇まで登って来た。


    生えていたのはニッコウキスゲか?


    道を戻って別の場所を探してみると、それらしきものが咲いていた。


    咲いていた。探し物のヒメシャガ。


    良く見かけるシャガに比べてひとまわり小型で葉が細い。花はシャガに似ているが全体的に水色である。


    葉を含めても個体数は少なく、咲いていたのは10輪ほどだった。

 時刻は午後6時近くになってしまった。林道を少し足早に歩いて戻り、なんとかヘッドライト点灯するギリギリの時間に駐車場まで戻った。


    途中で出会った奇怪なテンナンショウ属。


    これはカラスビシャクではないか。自生なのか、それとも園芸品が広がったものなのか?漢方薬の半夏として使われる植物。

 会えるかどうか、かなり難しいだろうと思っていたヒメシャガだが、噂に聞いた山域でなんとか出会うことが出来た。後に別の花仲間からこの花の情報をいただいたが、同じ場所だった。山梨県ではなかなか見ることが出来ない花だと思う。

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ヤチボウズはどうなったのか? 乙女高原 令和3年5月24日

2021年05月28日 | スゲの仲間
 乙女高原のヤチボウズは山梨市の天然記念物に指定されており、正体はタニガワスゲというカヤツリグサ科の植物であることが分かっている。このタニガワスゲは椹池近傍や八ヶ岳でも目撃しており、それほど珍しいスゲではないということも分かってきた。そろそろ結実している頃だと思う。


    山梨市指定の天然記念物谷地坊主。正体はタニガワスゲ。


    結実して果胞が出来ている。


    クリンソウが咲き出していた。


    雌小穂。果胞の嘴が長い。


    乙女高原の湿地には他の場所にも多数タニガワスゲが生育している。


    タニガワスゲ


    オシダ群落


    胞子葉を出したヤマドリゼンマイ


    葉の幅が広いこのスゲ?はまだ穂が出ていない。


    もう1種類やや小型のスゲが穂を伸ばしていた。


    ハリスゲの仲間かと思ったが少し違うようである。


    まばらに小穂を付け、ひとつの小穂は先端のほうが雌花で根本側が雄花の構造である。結実しないと正体が分からないが、これがアカンスゲかも知れない。


    草原の中はサクラスミレがたくさん咲いている。


    サクラスミレ


    白花のサクラスミレにも出会うことが出来た。


    カラフトミヤマシダの生育する場所にも立ち寄ってみた。まだ葉を展開し始めたばかりだった。

 乙女高原はミヤマスミレが終わりサクラスミレが満開になっていた。ようやく春らしくなってきたという感じである。アカンスゲはまだ確定に至らず、また訪問してみたいと思う。

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樹海の森のテンナンショウ属は見つからず 令和3年5月23日

2021年05月28日 | 番外編
 時刻は4時半になった。日が長くなったので6時半ごろまでは散策が可能である。もう1ヶ所、昨年見つけてずっと気になっている植物がある。樹海の森の中に生育していた赤紫色のマムシグサの仲間である。昨年見たときはすでに傷んでいて仏炎苞がしおれかけていた。おそらくオオミネテンナンショウではないかと思うのだが、今回を逃すと時期が遅くなってしまうであろう。ヘッドライト点灯での下山を覚悟してGPS片手に樹海の森に入ってみる。


    まだ若いシノブカグマ


    新緑のミヤマイタチシダ


    見ておきたかった新鮮なウサギシダ


    ウサギシダ


    コアツモリソウ


    まだ蕾で花は開いていなかった。


    緑色のマムシグサの仲間、これはホソバテンナンショウであろう。探し物はこれではない。

 なんとか6時前にテンナンショウ属が生えていたはずの場所に到着したのだが、いくら探してもそれらしきものは見当たらない。今年は生えなかったのかも知れない。周辺を探してみたがそれらしきものは見つからず、無念の撤退となってしまった。広大な樹海の森なので、どこかに生育していることを期待したい。今年は正体を突き止めたかったが、来年以降の持ち越しとなってしまった。

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本栖湖湖畔および周辺を探索 令和3年5月23日

2021年05月27日 | 番外編
 河口湖で良い思いをしたので、ひょっとしたら別の湖のほとりにも何か変わった植物が生育しているのではないかと、今度は本栖湖に行ってみる。しかし、本栖湖はだいぶ湖畔の様子が河口湖とは違い、水草が生えているような泥地が無く砂地と岩のところばかりである。


    本栖湖の湖畔。


    ほぼ砂地と岩場で泥地は見つからず。


    対岸の川が流れ込むところに行ってみる。こちらも葦が生えているような泥地は見つからない。


    生えているのはイネ科の植物ばかりでスゲの仲間はほとんど見つからなかった。


    湖近傍を散策してみる。草地の向こうに竜ヶ岳が見える。


    スゲが生えていた。


    アゼナルコに似ているがこちらは雄小穂がしっかりと出ている。テキリスゲと思われる。


    ヤマトグサがあるのではないかと樹林の中を散策してみる。それっぽい葉はあったが花が無く確定できず。

 本栖湖の湖畔にもカヤツリスゲやジョウロウスゲのような珍しいスゲが生育しているのではないかと期待していたのだが、残念ながらそれらしきスゲが生育するような環境の場所を発見できなかった。ヤマトグサを目撃したという話を耳にしたのだが、こちらも発見できなかった。では、県境を越えてヤマトグサが生育する場所まで見に行ってみよう。


    ヤマトグサ


    花が咲いている。右と真ん中が雄花、左が雌花である。


    ヤマトグサの雄花


    雄花拡大撮影


    さらにマクロ撮影。細い糸で垂れ下がっている雄しべが風でひらひらと揺れる。


    こちらは花が付いているのかどうかが分からない雌花


    雌花をマクロ撮影。小さな地味な花である。

 隣の静岡県ではヤマトグサが咲いている場所を知っているのだが山梨県ではまだ見たことが無い。富士山麓や山中湖近傍に生育しているはずである。いつか、山梨県に咲くヤマトグサを見てみたいものである。

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河口湖のほとりを探索 令和3年5月23日

2021年05月26日 | スゲの仲間
 朝から天気が良く、気温が上がりそうである。富士山ライブカメラを見ると少し雲が巻いているものの綺麗な富士山が姿を現している。何度か訪れている河口湖の湖畔であるが、そろそろスゲの仲間が成長している頃で、この天気ならば富士山と一緒に写真が撮れるかも知れない。


    新緑のラベンダーと富士山


    初めて見るスゲが生えていた。


    別の場所ではこれでもかというくらいにたくさん生育していた。


    先端部に小穂が多数集まってひとつの穂になっている。小穂の先端部に小さな雄小穂がある。これはミコシガヤであろう。


    他にもたくさん生えていたのがこれ。カヤツリグサ科なのか、別の科なのか?


    ネットで調べてみるとクサイというイグサ科の植物のようである。


    これも普通に生えていた。アゼナルコというスゲであろう。


    いちばん上にあるのは先端部が雌部分で根元側が雄部分の雌雄小穂になっている。その下にあるのは全て雌小穂。


    スジヌマハリイと富士山


    たくさん生えていた場所は残念ながら踏まれて大部分が倒れてしまっていた。


    スジヌマハリイ。茎に触ると稜があるが、画像ではうまく見えない。


    アゼスゲか、それともヌマアゼスゲ?これも群生していた場所は踏まれて大部分倒れてしまっていた。


    鱗片はあまり尖っていないが果胞の先端部の嘴が突出しており、アゼスゲと思われる。


    ふと見ると変なのが生えていた。


    これは探していたジョウロウスゲではないか!


    山中湖にはあると思っていたが、ここで出会えるとは思っていなかった。


    別の場所にあった大株


    モシャモシャの特徴的な雌小穂と先端部の雄小穂


    見ておきたかった成長したカヤツリスゲ


    個体数は少ない。


    長い鱗片があってホウキ状の独特な花序を形成する。


    驚いたことにこんな植物が生えていた。


    花が小さくて白っぽい。花柄は斜め上に向かって伸びている。これは探していたカワヂシャではないか。


    小さな白い花、中央に薄紫色の筋が入る。花の感じはイヌノフグリに似ている。


    葉には明らかに鋸歯がある。カワヂシャで間違い無さそうだ。

 ジョウロウスゲ、さらにカワヂシャとなかなかお目にかかれない植物2種類に出会うことが出来た。富士山も姿を見せてくれて申し分無し。これで本日の運は使い果たしてしまった感がある。1時間ほどの散策を予定していたが、驚きの花に出会うことが出来て3時間も湖のほとりを散策することになってしまった。

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瑞牆山のクモイコザクラ探索 令和3年5月22日

2021年05月25日 | 山に咲く花
 西沢渓谷、三ツ峠に続いて今回は瑞牆山のクモイコザクラ探索である。富士見平小屋からの一般ルートでも稀に見ることが出来るのだが、今回は最も多く生育していると思われる瑞牆公園からのパノラマルートを登ってみることにする。ルートが分かり難いため、ここを登ったことがある花仲間につきあっていただき、登ってみることとなった。


    瑞牆公園のシャクナゲが見ごろだった。


    最初は緩い登りを行く。途中に生えていたヒロメノアミガサタケ。


    やがて急登に変わる。


    木の根元に生えていたナガオノキシノブ


    カンマンボロン岩に立ち寄る。登山ルートから少し外れている。


    ヤチボウズのような形で岩に生えているこのスゲな何だろう?


    鱗片が茶色っぽいヒメカンスゲのようだ。


    別のスゲも生育していた。


    おそらくヒメスゲ


    たぶんニイタカスゲ


    中腹のアズマシャクナゲが見ごろを迎えていた。


    今年は比較的花付きが良い。


    パノラマルートの核心部、ロープ場。この辺りの岩にクモイコザクラが多く生育している。


    岩の隙間に生えていたクモイコザクラ


    満開を少し過ぎて痛んでいるものが多かった。


    葉はあまり大きく無い。切れ込みが深いものもあれば浅いものもあり様々だった。


    葉脈は窪むが平坦な葉。クモイコザクラらしい葉をしていると思う。


    窪んだ岩の間に生育していたカタヒバ


    大ヤスリ岩の根元に抜け出る。


    コイワカガミ

 苔の生えた岩が多く湿った谷をいくつか横切るこのルートならばヒメスギランや他に変わったシダが生育しているのではないかと期待していたのだが、残念ながら目ぼしいシダは見つからなかった。ルートから外れて岩の隙間を覗き込めば何か見つかるかも知れないが、時間がかかり過ぎる上に安全では無い。正規ルートに抜け出ると登山者がたくさん居たので、混雑している山頂を避けて隣の岩のデッキに行って休憩する。下山は富士見平小屋を経由して瑞牆公園に戻った。


    大ヤスリ岩。向こうに見える黒富士・茅ヶ岳山系は霞んでいた。富士山は見えず。


    瑞牆山山頂と雲のかかる金峰山


    カンマンボロン岩周辺で見たものと同じスゲであろう。


    おそらく鱗片が褐色のタイプのヒメカンスゲであろう。ベニカンスゲと書かれている図鑑もある。


    キバナノコマノツメ


    イチヨウランの葉と蕾


    満開のトウゴクミツバツツジとアズマシャクナゲ

 昨年と一昨年ヒメスギランの生育を確認している場所で探してみたのだが、今年は一株も見つからず残念だった。岩の上の苔が脱落した痕跡や斜面が崩れた跡があり、流出してしまったのかも知れない。今回の目的はクモイコザクラの個体数と葉の形を見ることで、目的は達成したが他の植物は目ぼしいものが発見出来ず、少し物足りない探索となってしまった。

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ミゾコウジュ発見! 甲府市積翠寺町 令和3年5月21日

2021年05月21日 | 里に咲く花
 朝は一瞬青空が見えたがその後はずっと小雨が続く日だったが、午後2時を過ぎた頃から雨が上がってきた。うっすらと太陽が見える時もあったのだが、いつまた降り出してもおかしくない空模様である。折角雨が上がったことだし、傘を持って自宅周辺の田んぼや用水路の周辺を探索してみる。先日甲斐市で見つけたのはオオカワヂシャだったようだが、我が家の周辺も同じような環境にあるので、カワヂシャやミゾコウジュが生育していてもおかしくない。変わったカヤツリグサ科の植物も生育しているかも知れない。


    橋の上から川の中を覗き込んでみる。白い花が咲いている。


    オランダガラシのようである。


    田んぼの周辺には良く見かけるが何だか名前を知らない植物がいろいろ生えている。


    葉は鋸歯状だがあまり深く切れ込まない。おそらくカラムシ。


    こちらは葉が深く切れ込むヤブマオであろう。


    茎が赤く、葉の先端は3裂せず尾状に尖る。コアカソだろう。


    クサフジはたくさん群生している。


    スイカズラ。良い臭いがする。


    大型のシダ、ヒメワラビ。


    シンジュガヤに似ているがこれはカヤツリグサ科?それとも別の科の植物?


    カヤツリグサ科の図鑑にはそれらしきものは載っておらず、ネットで調べてみるとイグサ科のクサイという植物のようだ。普通にあるらしい。


    田んぼの近くの湿地に咲いていた黄色い花の群落。キツネノボタンに似ているが花が小さく葉が少ない。


    図鑑で調べてみるとタガラシという植物のようだ。


    その湿地の近くに咲いていたのがこの花。


    今年見てみたいと思って探していたミゾコウジュ。初めて見る花である。


    花はもう終盤のようである。


    数はそれなりにあったが、生育していたのはこの場所だけだった。


    先日見つけて図鑑とネットで再三検討したので、こちらの花は一目でオオカワジシャと分かった。


    花は薄紫色


    葉の辺縁は不明瞭な鋸歯があり、葉には毛が生えていない。

 ミゾコウジュがありそうな池のほとりか湿地を探しに行こうと思っていたのだが、以外にも我が家のすぐ近くに生育していたのは驚きだった。オオカワヂシャは用水路周辺に好んで生育していることが分かってきたが、本命のカワヂシャのほうはどこにあるのだろうか?来年に持ち越しになってしまいそうである。

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カワヂシャ発見!と思ったが・・・ 甲斐市 令和3年5月16日

2021年05月20日 | 里に咲く花
 甲府市や甲斐市の北部のほうにカワヂシャやミゾコウジュが生育しているらしく、スズサイコも確認されているらしい。まずは見つけ易そうなカワヂシャを探してみようと、以前から着目している甲斐市にある池の周辺を探索してみた。


    数週間前にも探索に訪れている池。


    池のほとりに群生しているオオブタクサ


    イラクサのようだが茎や葉に棘が無い。どうやらこれはヤブマオというイラクサ科の植物らしい。


    池のほとりに生えていたスゲの仲間


    池の近くの草地に生えていたものも同じだろう。


    雌小穂には柄が無く少し離れて付く。これはマスクサであろう。

 池の周辺をぐるり1周してみたが目的のカワヂシャは見つからず、全く手ごたえが無い。近傍にかつてあった湿地は今では乾いて梅畑になってしまっているが、ひょっとしたらと移動してみると、側溝の中にそれらしきものが生えていた。


    発見、カワヂシャ!とこの時は思った。


    大株もある。


    花はオオイヌノフグリに良く似ている。


    花穂は横向きに広がっている。


    葉には明瞭とは言えないが鋸歯がある。しかし、毛が生えておらずツルツルしている。

 カワヂシャと良く似ている外来種のオオカワヂシャという植物がある。2つの違いはオオカワヂシャは鋸歯が不明瞭というところが最大の鑑別点であるが、そのほかにオオカワヂシャは花が大きくて色が薄紫色をしているところ、さらにカワヂシャは斜めか上向きに花穂を出すのに対してオオカワヂシャは横向きに出すらしい。そういう目でこの花をもう一度見直してみると、花穂を横向きに出して花弁は薄紫色をしている。葉には明らかに鋸歯があるが大きくはない。カワヂシャとオオカワヂシャの中間のような葉をしている。いろいろと調べてみると、これは両者の交雑種のナガホカワヂシャというのが最も近そうである。純粋なカワヂシャではないことは確実である。近年カワヂシャは数が減っており、オオカワヂシャに取って代わっているらしい。イヌノフグリとオオイヌノフグリに似たような状況なのではないだろうか。引き続き探索を続けてみたいと思う。

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椹池の植物観察会に参加 令和3年5月16日

2021年05月19日 | 山に咲く花
 椹池で植物観察会が開かれるということで、ほぼ飛び入りで参加させていただいた。春まだ早い椹池は水生植物はまだあまり生えておらず、主に池の周辺に生えている樹木を中心とした勉強会となった。ほとんど樹木の知識の無い私には新鮮な観察会だったが、解説していただいた話は1分も経たないうちに記憶の中から消えて行く・・・。


    椹池近傍の近傍に咲いたヤマツツジ。池のほとりに咲くレンゲツツジもほころび始めている。


    いろいろ教えていただいたが、今回はカエデの仲間だけ覚えることにする。これはウリハダカエデ。


    伐採地などに群生しているカエデ、カジカエデ。


    大きな木もある。カジカエデの葉はカナダの国旗の紋章と同じ形をしている。


    コミネカエデの葉。5裂してさらに切れ込む。


    コミネカエデ


    こちらは少し葉が大き目でヤツデの葉を小さくしたようなハウチワカエデ。


    エンコウカエデ。花が上向きに咲き、葉は5裂してやや深く切れ込む。


    マルバアオダモ。マルバと名が付くが葉の先は円く無い。

 他にもマルバカエデ(ヒトツバカエデ)や葉柄に年輪状の層が出来るアオハダなどいろいろ見せていただいたが、頭は飽和状態を越えてしまったので今回はカエデだけにしておきたい。


    湿地に咲いていたクリンソウ


    ハリスゲの仲間がたくさん生えていた。


    上部の雄花部が短く、これはヒカゲハリスゲか?


    ヤチボウズがあった。


    さて、このスゲは何?


    先端部が雄小穂、その下に雌小穂が3~4つ付いている。


    鱗片は縁が黒紫色で先端部が尖り、果胞は嘴が長い。これはタニガワスゲであろう。乙女高原のヤチボウズと同じものだ。

 観察会を終えて昼食をとった後に解散となった。その後、再度池のほとりに行って花満開となっているスゲの仲間を存分に撮影してきた。


    水量が少なくカンガレイの根元が見えてしまっている。


    花満開、雄しべと雌しべを伸ばしているスゲ。


    実になって鱗片と果胞を良く観察しないと正体は確定できないが、おそらくヌマアゼスゲと思われる。


    もう1種類別のスゲが生えている。


    黄緑色の花を咲かせているのは何だろうか?茎に小さくて細い葉が付いている。シズイか?実になってから確認したいがその頃には水量が増えて近付けない。

 移動して別の花を見に行ってみる。


    イチリンソウが咲いていた。


    ヤマルリソウ


    ラショウモンカズラ


    見たかったのはこの黄色い花。


    少し時期が遅かったうえに天候が悪く花はあまり開いていない。


    今年は復活して咲いてくれたヤマブキソウ

 ヤマブキソウが咲いていた斜面は一昨年の台風による大雨で斜面が流出してしまい昨年は一株も発見出来なかった。今年は咲いているとの噂を聞き確認に行ってみたところ、以前とあまり変わらないくらいに復活してくれていた。一安心である。

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保護柵設置講習会 甘利山 令和3年5月15日

2021年05月19日 | 番外編
 6月中旬に南アルプスの山に保護柵設置の計画があり、それに参加させていただくこととなった。簡単に設置できるような保護柵ではないために、練習を兼ねて甘利山で保護柵設置講習会が開かれ、参加してきた。


    山梨県山岳連盟に所属している白鳳会のメンバーを主体に約20人が集結。


    山頂近くに移動して設置方法の説明を聞く。


    既に荷揚げされていたポールとネット


    まずはポールを打ち込む。保護柵設置に邪魔になりそうなレンゲツツジは束ねておく。打ち込んだポールの上にネットを張る長いポールを差し込む。


    ネットを広げる


    ネットを広げて伸ばしているところ


    ポールの上に付けられた固定キャップにロープをくくりつける。


    端から順にロープをくくりつける。


    結構大変な作業である。


    さらにネットをポールに数ヶ所くくりつけて固定する。


    トーテンポールもどき


    甘利山山頂。レンゲツツジはまだ蕾で花が咲くのは2~4週間先になりそうだ。


    作業を終えて下山する。ヒメカンスゲがたくさん咲いていた。

 作業を終えて小屋で豚汁をご馳走になって解散となった。完成したネットは写真を撮るのを忘れてしまった。レンゲツツジが咲く頃に再訪できればと思う。今回はまだ練習で、人数が集まったのでなんとか作業が出来たが、実際に山の上でこの作業を行うのは人手が少ないだけでなく荷揚げや斜面の硬さなど、様々な問題があり今回のようには行かないであろう。果たしてうまく設置できるのかどうか?天候が良いことを願う。

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山中湖周辺を探索 令和3年5月14日

2021年05月18日 | 渓谷
 河口湖や山中湖の湖畔には珍しいカヤツリグサ科の植物が多数生育しているらしい。探していたヌマアゼスゲとカヤツリスゲはなんとか発見しているが、まだ他にも探しているものがいくつかあり、今回は山中湖の湖畔と周辺を探索してみた。


    最初に訪れた砂地の場所は主にイネ科の植物が生育しており、目ぼしいカヤツリグサ科植物は発見出来なかった。


    花の形はキュウリグサに似ているが、これは何?


    ノヂシャというスイカズラ科の植物だった。ヨーロッパ原産の帰化植物。


    ハコベを小さくしたようなこの花は?


    ノミノツヅリというナデシコ科の植物のようだ。


    場所を移動して探索してみる。


    キケマンが咲いていた。ミヤマキケマンは良く目にするがキケマンはあまり見ない。


    ムラサキサギゴケがたくさん咲いていた。


    こんなところに変なシダがあった。コウヤワラビ。


    昨年の胞子穂がまだ残っていた。


    これはどこでも普通に見かけるスゲ。


    アオスゲだと思う。


    草むらに隠れるように生えていたスゲ。


    鱗片の辺縁が茶色いくて先端が尖っており、カサスゲだと思う。


    まだ花が咲いていないがフトイではないかと思う。


    アゼスゲだと思っていたが違うのか?


    近傍の湿地を覗き込んでみるとスジヌマハリイがたくさん生えていた。


    茎には稜があるのを確認したので、ヌマアゼスゲで間違いないと思う。


    アゼスゲらしきものもたくさん生えていた。


    小穂


    雌小穂をマクロ撮影。鱗片は先端部があまり尖っておらず果胞よりも短い。これはヌマアゼスゲではないだろうか?

 探していたジョウロウスゲはまだ咲いていないのか発見出来なかった。今回探索した場所の近傍にきっとあると思うのでまた探しに来てみたいと思う。アゼスゲか、ヌマアゼスゲかはまだ判断できるレベルに無いが、何度か訪問して鱗片と果胞の形を観察していれば、そのうち答えが分かるだろう。他の場所のスゲももっと見て回ってレベルアップしないといけない。

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忍野散策 令和3年5月14日

2021年05月17日 | 里に咲く花
 桜のシーズンが終わった忍野八海であるが、私には桜の花以上に気になるものがある。水生植物のバイカモである。まだ花が咲くには早いと思うのだが、山中湖に探し物に行くついでに立ち寄ってみる。


    桜が終わり静かな忍野八海


    赤と緑のクジャクシダ


    オランダガラシ(クレソン)


    フッキソウはまだ花が残っているようである。


    フッキソウの結実しかけた花


    気になっていたのが水の中にあるこの草


    バイカモ。まだ蕾も見えず、早過ぎたようだ。

 さて、別の場所にも行ってみる。昨年も訪問しているがクマガイソウは蕾だったりもう終わっていたりと、時期が合わなかった。


    ユキザサが咲いていた。


    これはヤマザトマムシグサか?


    仏炎苞の裏側と付属体。もっと真っ黒な付属体ならば自信を持ってヤマザトマムシグサと言えるだろうが、これはどうなのか?


    ホウチャクソウ


    クマガイソウはちょうど満開。


    顔を揃えてこちら側を向いている姿が面白い。


    今年は良い時期に訪問が出来た。

 さらに別の場所を訪問してみた。


    期待していたユウシュンランはもう終わりかけだった。


    花開いているユウシュンラン


    訪問時期が遅かったのは残念だったが・・・


    咲き残りの花を十分に楽しませていただいた。

 忍野は様々な花の宝庫である。バイカモはどうしても見ておきたい花のひとつであるので、また訪問してみたいと思う。
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