山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

霧に包まれた甲府盆地2 春日山  平成26年12月30日

2014年12月31日 | 山梨百名山
 早朝5時半に目を覚ましたまでは良かったが・・・出かけるかどうか、どこに行くか迷っているうちに時間は過ぎ、すっかり夜は開けて7時半になってしまった。三つ峠ライブカメラを見ると夜明けの富士山が綺麗だ。迷った時、体調を試しに登る山と言ったら決まって釈迦ヶ岳だ。年末・年始も短時間ながら出勤しなければならない状況が発生してしまい、遅くとも午後4時までには職場に行かなければならないという時間制限があり、あまり遠出が出来ないため、短時間で行ける御坂山塊あたりが都合が良い。自宅を出発すると甲府盆地は深い霧に包まれていて、視界は30mほどしか効かない。鳥坂トンネルを目指して坂を登って行くと、トンネルの手前あたりで霧が晴れ、山並みが見えるようになってきた。途中のカーブで甲府盆地を振り返ってみると、盆地は雲海のような真っ白な霧に覆われていた。先日は白山から同じような景色を見下ろしたが、今回はビル街をすっぽりと覆ってしまうような厚い霧が発生している。これならば、甲府盆地を眼下に見下ろせる展望地が良さそうだ。行き先を変更して春日山に行くことにする。途中の春日沢の頭は甲府盆地の好展望地だ。

 鳥坂トンネルに9時過ぎ到着。トンネル出口は現在工事中で広い駐車場は車が止められず、狭いスペースに駐車する。9時半出発。


    トンネル出口は現在工事中。


    雪の積もった旧道を行く。早朝単独登山者が歩いたらしい足跡があった。


    登山口


    鳥坂峠


    甲府盆地を覗いてみるとまだ厚い霧が覆っている。


    雪の積もった登山道を行く。アイスバーンにはなっておらず、アイゼンは不要。


    中腹から見下ろす甲府盆地は少し霧が晴れ始めている、急がねば!

 急いだつもりではあったが、標高差約250mの春日沢の頭まで1時間少々かかり、10時半過ぎに到着した。見下ろす甲府盆地は・・・凄い!まるで雲海のような霧が覆っている。風がほとんど無く、霧はほとんど動かずにじっとしているように見える。南アルプスや八ヶ岳には雲がかかってしまっているが、なんとか間に合った。


    春日沢の頭、標高1,235m。


    見下ろす甲府盆地は、厚い霧に覆われている。


    すっぽりと霧に覆われた甲府盆地。まるで雲海を見ているようだ。

 写真を撮って小休憩し、その先に進む。ここから先の山梨百名山標柱が立つ場所には1度しか行っておらず。果たしてそこが春日山山頂なのかどうかずっと気になっていたが、訪れる機会が無かった。できればこの日に決着を着けたい。


    春日沢の頭から先は標高差で100m強ぐっと下る。


    コルに立つ道標。


    また登る。


    着いたところは電波塔が立つピーク。こんな林道あったかどうか、記憶が定かではない。8年前は林の中のピークだったと思うのだが・・・?


    この看板はここが春日山の山頂では無いということなのか?


    そのすぐ先の林の中に山梨百名山標柱があった。以前はもう少し先の斜面の脇に立っていたような記憶がある。

 電波塔のすぐ先の林の中に山梨百名山標柱が立っていた。鑑札に書かれている標高は1,235m、しかし、先程の春日沢の頭より低いこのピークが1,235mあるとは到底思えない。その先に見える高いピークはいったい何なのだろうか?行ってみることにする。


    あのピークは何なのだろうか?行ってみることにする。


    林道に下り立つ。その先は防火帯尾根の急斜面。


    階段道を登る。


    その先は雪の積もった防火帯の雪斜面。しかもトレース無し。ラッキー!


    まだまだ続くスキーゲレンデのような尾根。雪の感触を楽しみながら登る。


    もうすぐ山頂。


    山頂到着。そこには春日山最高点と書かれていた。その脇に小さく「名所山」と書かれている。眺望は良くない。

 雪の感触を楽しみながら12時15分ごろに山頂到着した。そこに立つ看板には「山梨百名山 春日山最高点 1,236m」と書かれていた。その中に、サインペンで小さく「名所山」と記されている。どうやらここは春日山最高点ではあるが、地図上では名所山と記されているピークらしい。春日山はここと先程の春日沢の頭、その間の電波塔のある3つの大きなピークから成っており、真ん中の電波塔が立つ低いピークを春日山と呼んでいるようだ。カシミール3Dの地図もそのように記されている。

 昼食をとって下山する。午後2時ごろまでには下山したいので早く歩きたいが、登り返しの斜面がきつくなかなか早くは歩けない。なんとか2時10分に鳥坂トンネルに到着した。


    戻りながら見る春日沢の頭。その下に見える電波塔が春日山。


    林道近くまで下りたところで見上げる春日山。右手に見える三角錐のピークが釈迦ヶ岳。秀逸な形をしている。


    春日沢の頭への登り返し。結構辛い。


    春日沢の頭から甲府盆地を見下ろす。霧はすっかり消え、霞に変っていた。


    林越しに見えた節刀ヶ岳と富士山。



    今回歩いた行程。


    標高差217mだが、アップダウンを累積すると420m。さらに帰りの登りを累計すると630mほどになる。往復6.2㎞ほど。


 気になっていた春日山界隈はこれで決着という事で良いだろう。春の花の季節には訪れたことが無く、日当たりの良い防火帯尾根はきっと様々なスミレや花が咲くことが期待される。機会があれば訪れてみたい。
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月齢1の細月は見えるのか? 菰釣山  平成26年12月23日

2014年12月26日 | 星空
 月齢2以上の月の撮影はさほど難しくは無いのだが、月齢1の月は高度が低く、なかなか撮影する機会は無い。しかし、冬至の日が早く沈むこの季節だと、夕暮れが早く訪れるために撮影が可能となる。12月23日の日没は午後4時35分ごろ、そして月齢1の月が沈むのが午後6時ごろなので、その間約1時間25分の時間がある。これだけの時間があれば、富士山頂に沈む月を撮影することが可能なはずだ。アストロガイドとカシミール3Dで場所を計算してみると、山中湖外輪山の大平山、そして菰釣山が良さそうである。大平山は昨年の12月に月齢2の月を撮影に訪れているが、富士山に近過ぎて月が小さくなってしまう難点がある。今回は菰釣山に行こうと1ヶ月ほど前から計画を立てていた。

 先月の石割山のように午後になると雲が増えてくることが多いので、午後1時まで自宅で富士山ライブカメラを見ながら行くかどうか検討していたが、午後1時を過ぎてもすっきりした富士山が見えているので行くことにする。高速を使って都留まで行き、道坂トンネルを越えて道志村に入る。林道を歩いて行くだけの時間的余裕は無いので、林道詰めまで車で行って歩き始める。時間は15時20分、日没には間に合わなそうだが、月が富士山山頂に来るのは17時20分ごろなので、これには十分間に合うはずだ。


    林道詰めに車を止めて出発。向こうには林道法面工事のダンプカーが止まっている。


    かつては不明瞭だった沢沿いの道がすっかり綺麗になっていた。


    橋を渡って崩れた手前の沢を右折。テープと明瞭な道がある。


    枯れた沢沿いを稜線に向かって登る。ところどころ凍っていた。


    稜線に登り着き、もう少し登ると避難小屋がある。時間は16時10分。山頂は裏側に見える山のもう少し先。


    青空に雲が流れて行くが・・・


    途中から雪道に変わる。アイスバーンにはなっておらず、そのまま歩く。


    霞のかかる山頂付近。富士山は見えるのか?


    16時40分山頂到着。富士山はいずこへ?

 途中1回休憩で1時間20分で予定通り菰釣山山頂に到着した。しかし・・・富士山の裾野と山中湖の一部が見えるものの、富士山の姿は暗い雲に隠されて見えない。綺麗な夕焼けの空が見えているところをみると、どうやらこの雲は手前の山の上にかかった雲のようだ。月が沈むまでにはまだ40分ある。雲が通り過ぎるのを期待して待つことにする。


    雲に隠れてしまった富士山。


    裾野と山中湖が見え、綺麗な夕焼け空が広がっているところを見ると、どうやらこの雲は手前の山にかかっているらしい。


    17時24分、そろそろ月が富士山頂にかかっている頃だろうが・・・残念。

 時計の針がそろそろ17時30分を指す頃、一瞬だけ雲の裏に富士山の陰が見えたので撮影し、その後はまた雲に隠れてしまったので撤収、下山することにする。肉眼では月は全く見えなかったのだが、帰って来てからパソコンで画像を開いてみてビックリ!富士山頂ほぼど真中に細い月が写っていた。


    一瞬だけ富士山のシルエットが見えたので撮影すると、山頂には細い月が写っている。


    同上。撮影できていたのは3カットのみ。


    同上、トリーミング。

 暗い夜の登山道をスリップに注意しながら下山していると、次第に空が晴れて星が輝き出した。きっと今頃は富士山が見えているのだろう。ほんの少しのタイミングの差で今回は良い画像が撮れなかったが、いつかこの細い月を撮影してみたいと思う。帰り際に山中湖に立ち寄ってみると、霞んではいるものの富士山が見えていた。石割山や大平山界隈ならば月齢1の細月を撮影できたのかも知れない。


    山中湖と富士山。

 これからも挑戦は続く。
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霧に包まれた甲府盆地 白山から片山界隈  平成26年12月21日

2014年12月25日 | 山梨無名山
 前日の雨と霧は御坂山塊あたりで霧氷になっているのではないかと期待していたが、朝の三つ峠ライブカメラを見るとそうでは無さそうだ。とりあえずは行ってみようということで6時半に自宅を出発すると、見下ろす甲府盆地には面白い光景が広がっていた。駅周辺のビル街に霧が湧いて、ビルの中ほどまでが霧に隠れ、上のほうが霧から飛び出している。数年に1度見る光景ではあるが、休みの日に当たることは無く撮影したことは無い。行く先を変更し、甲府盆地を見下ろしながら富士山が見える好展望地、千代田湖の上にある白山展望台に行くことにする。

 途中で朝日が昇り始めてしまい、少し赤く染まった富士山が見える。千代田湖のほとりに車を止めて展望地に向かうが、途中でカメラにメモリカードが挿入されていないことに気付き引き返し、15分ほど時間をロスしてしまう。展望地に7時半到着すると、先客が1人いた。装備から見てそれなりのカメラマンと見受けられる。岩の上に昇って撮影開始するが、若干時間が遅く、霧は少し引き始めてしまっており、朝日が若干邪魔になる高さまで昇っていた。20分ほど遅かったかもしれない。


    甲府盆地を包んだ霧


    霧の中にビルが浮かんでいるが、少し霧が引き始めている。


    別カット


    朝日が昇り、撮影にはやや邪魔になる。山裾に昇り始めた頃がベストの時間帯だっただろう。


    南アルプス


    1段上の八王子神社に移動して見下ろす。


    同上

 この時に居たのは私と前述のカメラマンの2人だけだった。翌日行きつけの喫茶店に行ってお茶を飲んでいると、新聞に綺麗な写真が載っていると言って見せてもらうと・・・まさにこの時の写真が山梨日日新聞に投稿・掲載されていた。私が到着する前のちょうど駅周辺ビル街に朝日が射しこんだ時の画像だった。この時間に到着していれば、このような景色が見られたのに、ちょっと残念。(後日記事をスキャンして掲載します。)


 時間はまだ8時を回ったばかりだ。いったん千代田湖に下りて、湖畔を歩きながらどこに行くか考えるが、まだ霧の残る甲府盆地を見下ろしながら歩ける場所がベストだ。興因寺山の尾根も近くて良いが、いちばん近いのは千代田湖を隔てて白山の反対側にある武田健康の森だろう。ここは途中の管理棟あたりまでは行ったことがあるがその先は歩いたことが無い。湯村山・白山界隈と同じ環境にあるので、おそらくは春になると様々なスミレやシュンラン、キン・ギンランなどが咲くのだろう。春の下見を兼ねて歩いてみることにする。


    武田健康の森入り口。この上の駐車場まで車で行けるのだが、途中で鎖が張られて入れないこともある。本日は歩く(といっても駐車場まで10分ほど。)


    案内板。上は遊歩道が整備されていて展望台も数か所ある。


    春の小道を行く。


    桜の木が立つ展望地。


    春には桜を前景に富士山が撮影できる。


    同じ場所から見る甲府盆地と富士山。中央下の円い山が湯村山。


    分岐を上に行く。


    整備された立派な遊歩道がある。


    さらに進むとベンチの設置された好展望地。


    展望地から見る甲府盆地と富士山。


    夜景を見るにもこの場所は非常に良い。曲がりくねった川は釜無川。

 千代田湖のほとりから一番向こうにある展望地までは約1kmの行程だ。さらにその先にはバードウォッチング用の小屋が設置されており、休憩所としても利用できる。整備が行き届いた健康の森だが、あまり利用する人(歩く人)がいないのは残念である。

 道を戻って管理棟の立つ片山というピークに登る。ここには森林学習展示館という立派な建物がある。どの程度活用されているのかは知らない。


    森林学習展示館


    片山山頂。ここからの眺めもなかなかのものである。


    茅ヶ岳と八ヶ岳


    茅ヶ岳・曲岳・黒富士山塊


    南アルプス


    金峰山


    富士山は雲が湧き始めた。朝の雲のような霧も消えてしまっている。

 2時間半ほど健康の森を散策し、時間は11時を過ぎていた。富士山の眺望も悪くなってきたことだし、帰ることにする。今度はスミレや桜が咲く春に散策してみたい。

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双子座流星群を追って 本栖湖  平成26年12月14日

2014年12月16日 | 星空
 当初の観察第一候補地は竜ヶ岳だったが、翌日の勤務を考えるとあまり遅くまでは粘れず、また、風があまり吹いていない状態を考えると、ひょっとしたら湖面に星が映るかもしれない。これから昇って来るオリオン座と冬の大三角形を富士山と一緒に撮るならば、前日の精進湖だと富士山からの距離が遠くなるため、本栖湖のほうが有利だろう。車を走らせながら、本栖湖に行くことに決める。

 夕方5時半、本栖湖の駐車場に到着すると、展望台周辺は既に車がいっぱいで、三脚が何本も立てられている。奥の駐車場はほとんどガラガラで、そちらに車を止めて三脚2本にカメラ3台を持って本栖湖の湖畔に降りる。こちらは誰も居らず、完全に独占状態だ。


    オリオン座が昇り始めている。眩しい明かりはスキー場か?


    富士山上を流れる双子座流星群


    飛行機がたくさん飛ぶ。この時間にこれをカットするのはほとんど不可能。


    雲間を流れる流星


    オリオン座をを飛んだ流星


    オリオン座の下を飛んだ流星。写真だと小さく見えるが、肉眼だとこれでも立派に流れて行く。ほとんどはこの程度の流星ばかり。


    今回のベストショット。大きな流星だったが、肉眼で確認していなかったのが残念。


    オリオン座を流れた流星。オリオン座が高度を上げ。冬の大三角形も昇って来た。


    場外ホームラン


    小さな流星


    富士山の右上を流れた流星


    左低空を流れた流星


    冬の大三角形と双子座流星群  狙い通りの構図で冬の大三角形中央を流星が流れた。


    こいぬ座プロキオンと流星


    湖面に映っているのはおおいぬ座シリウス


    広角レンズで捕えた冬の大三角形と流星。


    左手に昇って来た明るい星は木星。


    前述の大きな流星も写っているが、こちらの画像は流星が途中で途切れており、飛んでいる最中に撮影が途切れたらしい。


    オリオン座を流れる流星。広角レンズだと視野が広くて流星を捉えるには有利だが、その分流星が小さくなってしまう難点がある。


    広角レンズで捕えた流星
    


 深夜11時、広角レンズの視野でもオリオン座と冬の大三角形を捉えるには画角が足りなくなってきた。今宵はここまでで撤退。

 今年のふたご座流星群は例年よりも飛んでくれず、5時間で目視した数は30個くらいかと思う。撮影枚数は約1000枚、捉えた流星は20数カットだった。あまり飛ばなかった割にはかなり撮れたほうだと満足している。狙い通りに、オリオン座と冬の大三角形を入れた構図で飛んでくれたのが良かった。

 今回はEos7Dのほかに以前から使っている40D、さらに今年購入したM2の3台を持って行った。特筆すべきはEosM2の性能の良さだ。40Dと同じIso3600で撮影した画像を比べてみると、遥かにノイズの少ない鮮明な画像が撮れている。タイマーレリースが装着できず、連続撮影出来ないという不利な点があるものの、星空狙いのサブカメラとしては十分に対応できそうだ。
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1日早い双子座流星群 精進湖  平成26年12月13日

2014年12月15日 | 星空
 双子座流星群の極大日は12月14日だが、3日間くらいは飛んでくれるので1日早い13日深夜に精進湖を訪れてみた。この日は午後から山梨県地方部会なる学術集会が催され、意見交流会と2次会が終わると時間は夜の10時を回っていた。外に出て空を眺めるとオリオン座と冬の大三角形が昇っていた。そしてひときわ明るい木星が東の空に輝いている。流星が流れるところは確認できなかったが、空気が澄んで星の輝く空になった。これは撮影に行くしか無いだろう。もうすぐ下弦の月が昇って来るだろうから、やるとしても午前1時ごろまで、それを過ぎると月明かりが邪魔になって富士山を入れた構図で流星を撮影するのは難しくなってしまう。

 深夜11時50分、精進湖湖畔に到着する。三脚が何本か立っていたが、撮影している様子は無く、どうやら日の出狙いのようだ。Yシャツにネクタイとブレザー、その上にオーバージャケットを羽織るという奇怪な格好で撮影に取りかかる。もうオリオン座が高く昇り、おおいぬ座シリウスは富士山の上を越えてしまっている。三脚2本にカメラ2台をセットして撮影に取りかかるが、目視する限りではほとんど流星は流れていない。


    夜の精進湖ダブル富士。風が無く湖面にも星が輝いている。富士山の右上にいるのがおおいぬ座。


    1台のカメラは縦位置で固定し、おおいぬ座を入れた構図でインターバル撮影する。


    もう1台のカメラは超広角レンズを装着して、構図を固定したりしなかったり、思いのままに撮影する。月が昇り始めた。


    固定カメラが捉えた双子座流星群。運良く構えた構図の中を横切ってくれた。


    こちらは広角レンズ装着のカメラ。月に向かって流れる流星。


    こちらも縦位置の広角レンズカメラ。左端を流星が流れた。


    おおいぬ座シリウスが視野の外に消えてしまいそうになったのでセットしなおす。しかし、この後はこの視野に流星は流れなかった。

 17㎜レンズの視野でおおいぬ座と富士山を1視野に入れることができなくなった0時45分で撮影を終了した。1時間ほどの時間で目視できた流星は4~5個ほど、197カット撮影した画像で流星が写っていたのは3個のみ、約65カットに1個ということになる。1カットの撮影時間を20秒で計算すると、約20分に1個という計算になる。地道な作業であるが、タイマー付きレリースが装着できるカメラだと構図を決めてあとはカメラ任せなので、楽と言えば楽である。セットが終わった後はゆっくり流星の観察が楽しめる。

 明日の流星群はどうするか?翌日の仕事を考えるとあまり遅くまではやっていられない。

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御殿場の町灯りと富士山頂に沈む月 金時山  平成26年12月7日

2014年12月08日 | 星空
 毛無山塊や石割山などの山中湖周辺の山から見る月も悪くは無いのだが、富士山に近過ぎるためにどうしても富士山の大きさに対して月が小さくなってしまう。やや離れた丹沢や箱根の山から見る月のほうがバランスは良いのだが、良い日に休みが当たらず、なかなか撮影には行けない。今回はきわめて都合良く、7日の日曜日早朝、金時山から見ると富士山山頂に月が沈んでくれそうだ。しかし、難点がひとつ、沈む時間がやや早く、私の計算上では日の出の20分ほど前に月が沈んでしまいそうだ。この時間だと、富士山に露出を合わせるとおそらくは月の模様は消えてしまう明るさだろう。しかし、このような機会は滅多に巡って来るものではない。当日早起きして出発する自信は無いので、御殿場に宿をとって前泊し、早朝4時から金時山を目指して登ることにする。

 夕方5時にホテルチェックインし、さっそく寝たが数時間寝て8時に目が覚めてしまう。眠れそうも無いので近くの居酒屋に行って夕食(夜食?)を食べて10時にまた床に入るが全く寝つけず、結局寝たのは11時過ぎ。携帯電話のアラームで未明3時に目を覚まし、出発する。金時神社の駐車場に到着すると、車内泊らしき車が1台、その他に出発準備をしている車が1台。おそらくは私と同じくパール富士狙いの車だろう。予定通り、午前4時少し過ぎた頃に金時神社を出発する。


    金時山中腹で捉えた十五夜の月。月の下に見えるのは長尾山だと思う。


    山頂1番乗りだったが、カメラセットしている間に後続者が到着。ヘッドライトで照らされた山頂。


    未明の金時山山頂と月。

 途中で1組の登山者を抜き、1時間半ほどで1番乗りで山頂に到着した。カメラセット中にすぐに後続者がやって来て、その後も続々とパール富士目当ての登山者がやって来た。良さそうな岩の上に三脚をセットする。御殿場の宝石を散りばめたような町灯りと明け行く薄明の空に輝く月、そして雪を湛えて冬らしくなった富士山の景色を感動しながら眺める。


    10㎜超広角レンズで見る薄明の月と富士山。御殿場の町灯りも甲府盆地に劣らず美しい。


    富士山に傾く月。毛無山塊のちょうど反対側に位置する箱根の山は、宝永火口があまり目立たず均整のとれた格好良い富士山が見られる。


    箱根の町灯りと箱根の山。


    御殿場の町灯りと富士山に近付く月

 待つこと40分ほど、遂に月が富士山山頂にやって来た。ちょうど中央の絶好の場所に月が沈んで行く。肉眼では金色の月に餅つきウサギの模様が見えていたが、やはり写真に撮ると写らない。この月は、撮るよりも自分の目で見たほうが遥かに感動的で美しい。


    富士山頂の月


    月の紋様を写すために‐2EV補正するが、それでも月の紋様は写らない。


    パール富士


    200mm望遠レンズを忘れてしまったので、トリーミングしたパール富士。


    ちょうど中央に沈んでいった月。


    月光残照

 素晴らしい天体ショーだった。予想通り時間が若干早ったが、それでも見ごたえ十分の満足なパール富士を見ることができた。ここで帰って行く人もいたのだが、朝焼けの富士山を期待して待っていると、鮮やかなアースシャドウの空が富士山の裏側に現れた。近くにいた若者が天体現象に詳しく、ヴィーナスラインと呼んでいた。


    富士山の向こうに現れたアースシャドウ(ヴィーナスラインとも呼ぶらしい)。


    空気が澄んだおかげで綺麗に現れたヴィーナスライン


    箱根の山にたなびくヴィーナスライン


    朝日射す富士山頂


    同上


    同上。アースシャドウがまだ残っている。


    金時山の山頂にも朝日が射し始めた。


    裏側にスカイツリーが見えると言っていたので行ってみると・・・


    確かに(トリーミング)。近眼の私の目でようやく見える程度。

 時間は午前7時を回った。朝食のパンを食べて下山だ。時間が早いので、まだ歩いていない乙女峠経由のルートを歩いて下りることにする。少し雪のある稜線歩きだが、アイスバーンにはなっておらずアイゼン無しで歩くに問題無し。葉の落ちたブナの木越しの富士山が美しい。御殿場の富士山もなかなかのものだ。


    ブナの木越しの富士山


    こちらはシャラの木


    途中の長尾山山頂は霜柱ザクザク。もちろん踏んで歩きます。


    乙女峠への下り。向こうに見える鉄塔が丸岳。


    休憩ベンチのある乙女峠。その先には廃墟となった山小屋があった。


    乙女峠展望台。


    展望台から見る富士山。伸びた木が邪魔になって御殿場の町は見えない。

 良さそうな展望地を探しながら右左うろうろしながら歩いたが、思ったよりも早く8時10分ごろに乙女峠に到着した。私の前を歩いていたグループが丸岳まで行くと言っていたので、私も後ろをついて丸岳まで行ってみることにした。道標には35分と書かれているので、私の足だと45分くらいだろうか?登って下ってまた登って下って・・・タンコブ2つほど越えて40分で丸岳山頂に到着した。


    山頂手前から見下ろす仙石ゴルフ場と芦ノ湖、神山山塊。煙が立ち昇るのは大涌谷。


    丸山山頂。ここからは富士山が見えない。


    山頂の先から見下ろす相模湾。


    山頂の乙女峠側に富士山を展望できる草地があった。


    展望地から見る富士山。

 乙女峠に戻って下山する。こちらのルートは普通の登山道、石がゴロゴロしていてやや歩きにくい。どこに出るかと思いきや、金時神社から乙女峠側に10分少々行ったところの道路に出た。アスファルトの道をテクテクと歩いて駐車場に到着すると、手前の有料駐車場も含めて車がいっぱい。さすがに人気の山だけのことはある。時間は10時45分、お昼時の山頂はきっと座る場所も無いほどにごったがえしていることだろう。


    乙女峠からの下山道。


    道路脇に出た。


 富士山は山梨の富士山が均整がとれた美しい三角錐を描いていちばん格好良いと思っていたのだが、箱根の富士山も、そして丹沢の富士山もまた素晴らしいことを改めて思い知った。山の上の富士山も良いが、帰りの車の中から見る御殿場の富士山は裾野から立ち上がるように聳え立ち、富士五湖から見る富士山とはまた一味違った迫力を感じた。

 来週は双子座流星群、その次の週は地球照の月と、夜の山を歩くゴキブリ登山が続きそうだ。


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あの星は見えるのか? 中藤山  平成26年11月30日

2014年12月02日 | 星空
 先日下見に行った新道峠の西側にある中藤山(なかっとうやま)。黒岳では確認できなかったあの星が、少し西側に位置するこの山からならば見えるかもしれない。富士山西側の裾野ギリギリの低空におそらくは姿を現すはずだ。撮影場所は下見して確認してあるので、あとは自分の目とカメラで確かめるだけだ。

 空気が澄んで星が輝いたこの日、嶺朋クラブの忘年会が行われたが9時前には閉会となった。一旦は自宅に帰ったがあまりにも美しい星空、西に傾いている月齢8の月を見て、あの星を見に行きたくなった。来週になると明るい月が夜半に空を照らすため、星は観察しにくくなってしまい、12月下旬までは星の観察には不向きとなってしまう。この日ならば・・・月が沈んだ後にオリオン座と冬の大三角形が南中し、あの星を見るには好条件となる。準備して深夜11時半に自宅を出発し、新道峠に向かう。林道の途中ですれ違った車のドライバーに新道峠はもう人がいっぱいで入れないと告げられた。今宵はそちらでは無いので大丈夫と思うのだが、車が止められるかどうか?運良く駐車場の車が1台帰ったばかりだったので、正規の駐車場に止めることができた。午後1時、テント装備と準冬山装備をザックの中に入れて出発。計算では午後2時頃にあの星が見え始めるはずだ。


    カラマツ林に昇ったオリオン座と冬の大三角形  中藤山手前で撮影。


    同上(縦位置)


    同上解説図


    別の場所からのカット


    同上

 予定通りの午後2時に中藤山山頂に到着した。撮影適地は山頂からもう少し先に行った岩の上だ。見ると、ヘッドライトの明りが点っている。ここならば誰もいないだろうと思っていたが、先客がいたようだ。その場所まで行ってみると、重さ4kgほどはありそうな大きな三脚2本に大型カメラを2台セットして富士山を撮影している若者が一人いた。撮影場所は踏み外すとその先は崖なので、ザイルで体を固定して撮影に臨んでいた。脇に入れさせてもらって私も撮影を開始する。夜景と夜明けの富士山を撮影に来たそうだが、星のことはあまり詳しくないようで、たぶん南の低空に一目見れば長生きできるという伝説の星が昇って来るはずだという話をしながら、その星が現れるのを待つ。


    河口湖の夜景と富士の星空  富士山の上に輝くのがおおいぬ座シリウス、その左にうっすらと立ちあがる帯が冬の天の川。


    まだお目当ての星は現れない。中央部上の赤い線は他のカットには写っていないことから、小さな流星らしい。


    富士山の右、雪の境目あたりに赤い星が現れた。お目当ての星かと思ったが高度が高過ぎる。

 待つこと20分ほど、富士山右側の雪の境目あたりに赤い星が見え始めた。これだ!と思ったのだが、富士山5合目と同じくらいの高さにあり、標高2400mほどの位置から現れている。現在地の高度が1650mくらいで、あの星は水平線から1度か2度くらいしか上がってこないはず。なので、この星は違うということになる。引き続きシャッターを切りつつモニターで確かめていると、午前2時25分過ぎ、遂に明るい星が富士山の裾野に姿を現した。


    撮影中は気付かなかったが、富士山の右裾野に明るい星が姿を現している。


    同上トリーミング


    遂に姿を現したあの星、南極老人星カノープス。


    同上解説図


    同上トリーミング


    河口湖の明りとおおいぬ座、そしてカノープス。


    別カットのトリーミング。富士山の裾野を転がるように移動して行く。


    空気の澄んだ夜ならば町灯りを入れてもこの程度は写ってくれる。白い帯は冬の天の川。

 あの星とは、南の超低空、冬の大三角形の真下に出る星カノープスだ。日本からだと低空に現れるため3等星ほどの明るさになってしまうが、本来はシリウスに次いで明るい1等星だ。日本と緯度が同じくらいにある中国でもこの星はなかなか見ることが出来ず、一目見ることができれば長生きできるという伝説があり、「南極老人星」と呼ばれている。カメラで捉えることができても肉眼では見えないことが多いが、この日は富士山の裾野を転がるように移動して行くこの星を肉眼で捉えることができた。満足な一夜だった。


    河口湖に昇った木星


    同上解説図


    中藤山山頂からの夜富士


 元気な若者はそのまま夜を徹して撮影していたが、体力が無く、南極老人性を見ても生活態度が悪くて長生きできなそうな私は中藤山山頂に移動してテント設営して一旦寝る。2時間ほどウトウトしたところで、日の出前の6時15分に起床して朝富士の撮影にとりかかる。


    中藤山からの朝富士


    同上


    日の出


    日の出と富士山


    夜明けの富士山と河口湖


    朝日射す富士山


    朝日射すカラマツ林と十二ヶ岳・節刀ヶ岳


    朝日射す紅葉の山裾と富士山


    雲が巻き始めた富士山


    中藤山からの富士山。この後テントに戻って爆睡。

    
 河口湖の湖面に朝日が射しこむあたりまで撮影するが、次第に雲が増えて霞も多くなってきた。テントに戻って朝食をとって7時過ぎにまた寝る。今度は爆睡、目が醒めれば時刻は12時半だった。その頃には山の上はすっかり霧におおわれ、富士山は全く見えなくなっていた。テント撤収し、下山する。


    すっかり霧に覆われた中藤山


 黒岳、釈迦ヶ岳、中藤山界隈からだと、富士山はほぼ南側に位置するためにカノープスを観察することは難しい。おそらくは黒岳、新道峠からでは見えないだろうと思われる。釈迦ヶ岳ならばなんとか見えるかもしれない。三ツ峠ならば確実に見え、御坂山からもおそらくは見えると思われる。しかし、この2つの山からだと河口湖町や富士吉田市の町灯りが邪魔になってなかなか見えにくいという不利なところがある。新道峠から西側ではこの中藤山がギリギリの場所で、ここから西側にある大石峠、節刀ヶ岳、十二ヶ岳あたりでは条件さえ良ければ容易に観察できるだろう。甲武信ヶ岳山頂からだと富士山山頂を越えて輝くカノープスが観察できるが、その手前の山でいつか一夜を過ごしてみたいと以前から思っている山がある。鎖場が何ヶ所かある山なので雪が降ってからだと難しくなってしまう。年末年始、雪が降る前に行けるかどうか・・・検討中。

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夕暮れダイヤならず 石割山  平成26年11月24日

2014年12月02日 | 山梨百名山
 この季節は山中湖や石割山界隈で夕暮れのダイヤモンド富士になる季節ではあるが、日没からまだ50分ほど早い明るいうちに富士山頂に陽が沈むため、夕暮れの雰囲気が全く出ないのであまり好きな景色では無い。今回の目的は石割山隣の平尾山から見る月齢2の地球照の月だ。石割山山頂からのダイヤモンド富士が午後3時50分ごろ、その1時間後に平尾山で富士山山頂に月齢2の細い月が沈んで行くはずだ。移動時間を考えてもちょうど良い時間だ。

 うーさんを誘って11時に甲府を出発。石割神社の駐車場に一旦は車を止めたが、どうせ周回するならばその先の林道脇に止めたほうが手っ取り早いので、林道を車で進むと・・・見慣れたバンダナを頭に巻いた叔父様が歩いていた。な・なんとみちほさんの旦那様。その少し後ろにみちほさんが歩いていた。山梨好きですね~。たぶん山中湖の星狙いだったのでしょうが、天候不順でダメだったでしょう。しかし、今日の富士山はなかなかで、頭の上に帽子をかぶっている。石割山界隈は良い景色が見られたことだろう。この雲の上に陽が沈むのであれば、かなり面白いダイヤモンド富士になるはず・・・との期待で林道先のほぼ廃道になっているルートを登るが、空はどんどん雲が増えて暗くなって行く。こんな空模様で富士山は見えてくれるのだろうか?


    石割神社の先の林道脇スペースに車を止める。


    ほとんど使われていない林道先の登山道だが、歩くには全く問題無し。


    石割神社


    石割山山頂到着。

 さほど急いだわけではないが、1時間かからずに山頂に到着した。時間は午後2時25分、ダイヤモンド富士の時間まではまだ1時間半ほど早い。丸木の上に座って空を見ながら時を待つが、富士山は完全に雲に巻かれて全く姿を現さない。時折陽が射しこむことはあるが富士山は見えず、ほとんど絶望的だ。


    すっかり雲に巻かれた富士山。


    時折太陽が見えるが富士山頂は見えず。


    ダイヤの時間は完全に霧の中。

 4時頃まで待ったが結局富士山は全く姿を見せず、平尾山には立ち寄らず下山する。同じ道を戻るはずだったが、廃道化しているルートの入り口を知らないうちに通り過ぎてしまい、階段のところまで行ってしまった。駐車場まで下りてしまうと車のところまで戻るのに手間がかかるので、階段の途中からスギ林の斜面を短絡させてもらって林道に下り立った。下山に要した時間は20分だった。


    石割神社の階段。途中で右の林に入ってルートを短絡。


 ということで見事にダイヤモンド富士と地球照の月は敗退した。1ヶ月ほどサボっていたのでリハビリのつもりもあったが、ほとんどリハビリにもならなかった。サボっていた間に年内中の月を撮影する良さそうな日と場所はほぼ計算済みなので、時間と天候と気力が許せば、撮影に出かけたいと思っている。
コメント (6)
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