山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

花咲く武田の杜、湯村山から白山を経て興因寺山へ(前編)

2011年04月26日 | 八ヶ岳・秩父山系
 平成23年4月24日

 数日前に下見をしておいた八王子山(白山)界隈のヤマザクラは見頃を迎えている。春爛漫のこの季節、甲府市北部の低山は新緑に包まれて花が咲き、散策するには最高のシーズンを迎える。毎年恒例のように歩いているこのあたりの山だが、今回は昨年と逆のコース、湯村山から興因寺山までを歩いてみた。当院職員とその知人2名を誘い、計5名で出かけた。下山予定の積翠寺西側林道に予め車を止めておき、緑ヶ丘運動公園から出発した。
 7時45分出発。湯村山はアスファルトの道が山頂付近まで整備されていて、散歩する地元の人たちやトレイルランニングの人たちが走っているコースだが、ここはこのアスファルトの道を避けて、南東側の送電線の立つ尾根を直登する。送電線の監視用ルートと思われるが、道らしきものはしっかりとついている。30分ほどで湯村山山頂に到着する。柔らかな新緑の向こうに、春にしては珍しいすっきりとした富士山が立っていた。

    湯村山から見る春富士


    ヤマツツジと烽火台


    新緑の武田の杜を歩く


    ヤマザクラ咲く春の杜

 武田の杜遊歩道に入り、白山を目指す。新緑の中に咲くヤマザクラが満開でまさに春爛漫。足元を見ればタチツボスミレやニオイタチツボスミレ、センボンヤリ、タンポポなど、春の花が咲いている。途中の小ピークは左に巻き道があるのだが、ここは草の生えるやや急な斜面を直登する。以前来た時、この斜面にアケボノスミレがたくさん咲いていた記憶がある。草を踏まないように花を探しながら歩くが、アケボノは1株だけしか見つからず、その代わりに花が開いたばかりの可愛らしいフデリンドウの花を見つけた。食べごろのワラビも数本だが出ていた。

    途中の小ピークを、花を探しながら直登


    見つけたのは咲いたばかりの可愛らしいフデリンドウの花


    春爛漫、ヤマザクラ咲く杜と南アルプス


    ヤマザクラ彩る

 白山直下の西側斜面はヤマザクラがたくさんあり、柔らかで上品な白い色が新緑の淡い緑に溶け込んで、春の臭い満点の景色を見ることができた。ルートを少し外れて岩の上に乗ると、歩いてきた湯村山の稜線の向こうに甲府盆地が広がり、その向こうに富士山が立つ絶景を楽しむことができる。天気も良く、この山域を歩くには最高の日になった。

    白山手前のピークから見る甲府盆地と富士山


    白山から見る南アルプス


    白山の千代田湖側展望台から見る八ヶ岳と茅ヶ岳


    同上、南アルプス

 八王子神社を越えて千代田湖側に行くと、白いイワカガミが咲いている。これはこのあたりの特産種カイイワカガミだ。この花を見るために千代田湖から散策に訪れる人も多い。以前に比べると花の数が減って花の着き方も少なくなったような印象を受けた。しかし県道に近い北側の遊歩道に行ってみると、そちら側では大株のカイイワカガミを見ることができた。探していたアケボノスミレも咲いていた。

    アケボノスミレ  この日に見たかった花のひとつ。


    カイイワカガミ  これは比較的大きな株。

 さて、ここから一旦県道に下りて甲府市街側に20分ほど下り、武田の杜遊歩道に入って金子峠(きんすとうげ)に登りなおし、淡雪山、興因寺山を目指す。千代田湖のほとりからアスファルトの道をユースホステル目指して歩き、その先にある金子峠に行ったほうがコースとしては楽なのだが、あえて武田の杜遊歩道を歩くのは理由がある。(後編に続く)
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春爛漫、夕映えの甲府盆地と富士 八王子山 

2011年04月25日 | 番外編
 平成23年4月20日

 甲府市内のソメイヨシノは既に終焉を迎え、代わって山の斜面を彩る新緑と山桜の淡い色が春の雰囲気をかもし出す季節になった。なかなか春霞で富士山がすっきりと見えない日が続いていたのだが、雨が降った翌日のこの日は春にしては珍しく青空にくっきりと生える富士山が姿を現した。午後のちょっとした合間を使って、職場から車で15分ほどで行ける千代田湖、その上にある八王子山に行ってみた。

    シュンラン


    イカリソウ たくさん咲く。


    ヒカゲツツジ


    同上

 千代田湖には午後4時に到着し、カメラと三脚だけ持って八王子山に向かう。途中でシュンランを発見。このあたりには多くあるらしいが、私は初めて見つけた。15分ほどで八王子山(白山)の富士山の眺望が良い場所に到着。予想通り、湯村山から繋がる尾根の西側斜面には山桜が咲き、春の雰囲気たっぷりだ。甲府市街に射し込む西日で街の景色もくっきりと映えている。存分に景色を楽しみ、できれば日没過ぎまでこの場所にいたかったのだが、本日は夜の当直業務が待っている。

    八王子山から見る湯村山に続く山並と山桜


    ミツバツツジと富士山


    カイイワカガミ この山にはたくさん咲くが、今年は花が少なく感じる。

 八王子山神社を越えて裏側(千代田湖側)の斜面はカイイワカガミが見頃を迎えていたが、以前に比べるとずいぶんと少なくなってしまった印象を受けた。春爛漫の武田の杜、千代田湖、白山界隈、今が旬だ。


    千代田湖の桜はもう終わり。向こうに見える山は茅ヶ岳。
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月光の桜、甲府市積翠寺と武田健康の森

2011年04月21日 | 番外編
月光の桜、甲府市積翠寺と武田健康の森  平成23年4月16日

 十三夜の月が昇るこの日は、天気予報では曇りないしは雨の予報だったが、前日に予報が変わり穏やかな晴れとなった。日直の業務を終えて夕方6時過ぎに職場を出ると、夕暮れの東の空に月が昇っていた。武田神社界隈の桜はもう終わっている。それよりも標高の高い積翠寺は、満開は過ぎてはいるが見られないほどではない。まず積翠寺、自宅近くの桜並木に向かう。

    山上に昇る月と夜桜(甲府市下積翠寺町)


    同上(フラッシュ強発光)

 到着するとちょうど東の山の稜線に月が昇ってきていた。逆光撮影でなかなか桜を照らすフラッシュの光量調整が難しく、白布で光量を加減しながら撮る。

    千代田湖畔の桜  風に揺れて花が不鮮明。桜の上に輝くのが小犬座プロキオン、右側にオリオン座が傾いている。


    月光の夜桜(武田健康の森)  中央左下、桜の枝の間に輝いているのがおおいぬ座シリウス。甲府の町明かりと霞に輝きが消えてしまう。


    同上、フラッシュ発光

 次に向かったのは甲府市千代田湖の先にある武田健康の森。ここは積翠寺よりも標高が高く、市街から山の上を見ると白い帯のように桜が咲いているのが見える。桜並木のところに駐車場があるのだが、夜間はゲートが閉鎖され照明も消えている。月光で桜を撮るには絶好の場所だ。ゲートの前に車を止めてヘッドライト点灯して10分ほど歩くと桜並木に到着する。満開のようにも、満開を少し過ぎているようにも見えるが、暗いので確認はできないが、とにかくたくさん咲いているのは間違いない。風が止んだ静かな桜の森で一人黙々とシャッターを切る。自然の中に取り込まれたようなこの感覚、山の上で一人過ごす夜と似ている。

    月光の桜と甲府の町明かり


    月光の桜


    月光の桜並木


    月光照らす武田の森
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ようやく出会えた幻の花カイコバイモ 思親山

2011年04月19日 | 御坂・毛無・天子山系
 平成23年4月9日

 2週間前にもこの山を訪れたが、まだ花は咲いていなかった。4月に入ってから急に気温が上がり、あっという間に武田神社界隈の桜が満開になった。きっと今なら咲いている、そんな気がして再び思親山を訪れた。

    カイコバイモ ようやく出会えた。

 あいにくの曇り空だったが、時折青空が見えていた。しかし身延線内船駅の脇から林道に入って登って行くと、途中から深い霧に突入、さらに駐車場のある佐野峠に到着すると、小雨が降っていた。富士山は見えそうも無い。しかし、花は・・・。天候悪く、引き返すことも考えたが、ひとまずは教えてもらった場所まで行ってみると、草むらの中に一株だけぽつりと咲いているその花を見つけた。カイコバイモ・・・ようやく見つけた。もっと保護色で茶色っぽい花かと思っていたが、茶色がかった薄紫色の人差指ほどのその花は意外と目立った。

    並んで咲いていたカイコバイモ



 さて、他のところには無いものか。あたりを目を凝らして探してみると、少し離れた場所に3~4株並んで咲いていた。さらにその周辺にもポツポツと咲いている。地味ながらも上品な出で立ちのその花は、苦労して見つけたこともあるが胸の空く思いがした。

    蕾をつけたカタクリ


    ミスミソウ(だと思う) 雨に濡れ、花は開いていなかった。


    林の中のカタクリ群落

 思親山に登り、山頂周辺の同じような条件の場所を探したが、こちらでは発見することができなかった。2週間前は葉っぱすら出ていなかったカタクリがたくさん葉を出し、つぼみをつけ始めているものもあった。山頂の桜(フジザクラ)はまだ咲いていなかった。

    山頂は霧と小雨。桜はまだ蕾も見えない。


    山頂直下の階段脇に葉を広げるカタクリ


    花咲いた小さなフモトスミレ

 翌週、この花の咲く場所の情報提供をしてくださった久保島さんから電話があった。今年はたくさん咲いているとの情報だ。10年来この場所に通っている久保島さんですら、3~4株見つければ良いほうだというが、今年は私が探しただけでも12株見つけることができた。おそらくはホテイランよりも探すのが難しいであろうこのカイコバイモ、こらからもずっと咲き続けて欲しいと願う。

    薄日射す霧の森


    恥ずかしがり屋のところをごめんなさい。ちょっとだけお顔を拝見。
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荒川桜並木 昼と夜

2011年04月19日 | 番外編
 平成23年4月5日

 昨年も桜のシーズンに歩いた甲府市荒川沿いの桜並木だが、今年は夜間歩いてみようとずっと思っていた。月の位置を計算し、この日は月齢2の細い月がちょうど甲斐駒ケ岳あたりに沈んで行くはずだ。撮影には絶好の日、しかも天気が良い。

    南アルプスと甲府市荒川沿いの桜


    桜と富士山


    桜と富士山 ここは電線が邪魔になる。


    桜と甲斐駒ケ岳 月と桜を撮るにはここが良さそうだが・・・

 まず、昼休みを利用して甲斐駒ケ岳と桜を入れて撮影できる場所を下見しておく。車ならば10分ほどで到着するが、ここはあえて職場から歩いて行き、30分ほどで目的地に到着。満開のところもあれば7分咲のものもある。南アルプス、富士山などと桜の画角を確認しつつ下流に向かって移動し、県民文化ホールのあたりから北上して職場に戻った。時間にして1時間20分ほどの散策だった。

    夕暮れの貢川桜並木 ここの桜は主に彼岸桜でピンク色の花が咲く。


    夕焼けの桜と富士


    夕暮れの南アルプス
    
 さて、仕事を終えて夕方5時過ぎ、今度は昼休みと逆のコースをたどり、ついでに彼岸桜満開の貢川桜並木にも立ち寄った。テレビの取材か、大きなビデオカメラと三脚で撮影している人の姿も見られたが、ここは1カット撮るのみで通過し、荒川桜並木に向かう。6時頃に予定地に到着、南アルプスにちょうど夕陽が沈んだ頃で、富士山が夕陽に染まっていた。

    夕暮れの南アルプスと月齢2の月


    夕暮れの南アルプスと地球昭の月


    甲斐駒ケ岳と月 風と車のライトのためなかなかうまく撮影できず。


    桜と月と甲斐駒ケ岳 フラッシュを焚いて撮影

 月齢2の細い月が昇ってくるはずなのだが全く見えず、位置計算を間違えたのかと思っていたら、6時半になってようやく鳳凰山の上に昇っている月が見え始めた。狙っていた桜の木の下で月と甲斐駒ヶ岳を入れつつ、不自然な発色にならないようにフラッシュ光量をハンカチやティッシュペーパーで覆いつつ何度も撮影するが、なかなかうまく写ってくれない。最後に移動した大きな桜の木の場所は、三脚を立てる場所が道路の横で、夕方になると交通量が多く落ち着いて撮影できない。車のライトに照らされるのを避けて撮りたいのだがそれも難しく、止む無く思い切りフラッシュ発光させて撮影した。イメージしていた映像とはだいぶ違うものが出来上がった。

    夜の荒川遊歩道 道沿いの電灯で川沿いのススキが浮かび上がる。向こうに富士山がみえるはずなのだが、春霞と町の明りに隠れてしまう。
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帰命院の夜桜

2011年04月12日 | 南アルプス
 平成23年4月4日

 帰命院のしだれ桜は、寒い日が続いたため昨年よりも2週間ほど遅れて開花した。昨年は3月20日ごろに満開だったが今年は3月下旬に下見に行ったところ、まだ3分咲きだった。甲府市内ではいちばん早く咲き始める帰命院のしだれ桜、今年は夜に訪れてみようと決めていた。
 4月4日は、日中は雲が多くてやや風の強い日だったが、夕暮れとともに風がおさまり、星の輝く夜になった。帰命院まで歩いて30~40分なので、夕方から歩くつもりだったが、雑務を片付けていると気付けば夜の8時を回っている。予定変更、車で行くことにした。

    帰命院のしだれ桜  30秒露光、F9、風が無かったのでブレなかった。


    上と同じだが、フラッシュに白いハンカチをかけて光を拡散して撮影。後方まで光が届かず。

 空を見上げると西の空に冬の大三角形が傾いているが、なんとか間に合いそうだ。9時、帰命院に到着。すっかり風が止んで木が揺れていない。さらに都合良いことに桜のまわりはほとんど電灯がついていない。ライトアップしていると桜はきれいに写るものの、星が写らなくなってしまう。星空を入れて桜を撮りたいのだ。さっそく三脚とカメラを出して撮影にとりかかるが、なかなか難しい。光の無い場所だとしだれ桜の上品なピンク色が消えてしまうのだ。フラッシュを焚いてみるが光がまばら、ならばフラッシュに白いハンカチをかけて光を拡散させてみるが、光量の調整がなかなか難しい。角度を変えたり、町明かりをライティングに使ったりと試行錯誤し、さらにパソコンでホワイトバランスと色調を調整してようやく出来上がったのが今回公開する画像である。

    町明かりを利用して半逆光で撮影


    反対側から半順光撮影。町明かりだと色調がいまひとつ。


    桜の上に昇った北斗七星  山の上のようには星は輝かない。

 風が吹かなかったのが幸いだったが、風で枝が揺れたら全くこのような写真は撮れなかっただろう。夜桜を撮るには光の使い方以上に気象条件が難しい。
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金ヶ岳一夜(2日目)

2011年04月11日 | 八ヶ岳・秩父山系
 平成23年3月26-27日

 金ヶ岳の夜は予想以上に寒かった。冬型の気圧配置になったこの日は前年の1月に泊った時よりもずっと寒く感じた。温度計は持って行かなかったが、おそらくは-10℃くらいになったのではないだろうか。フリース、ダウン、そしてオーバージャケットを着込んでシュラフに潜ったにもかかわらず、寒くて2時間ほどで目が覚めてしまう。止む無くバーナーを焚きながら横になっていると、そのまま眠ってしまい、気がつけば起床予定の午前3時半だ。バーナーに触れなかったから良かったものの、一歩間違えばテントが火事になっていたかもしれない。気をつけなければ。

    甲府盆地に昇る月 15mm diagonal fisheye


    同上 月の右側にうっすらと天の川が見える。その右の星座がさそり座。

 テントの外に出ると月が昇り始めていた。さそり座の尻尾のあたりに昇る月で、天の川が流れているあたりになるのだが、この日の月は明るすぎて天の川は見えない。写真に撮ってみると、少しだけ天の川が写っていた。富士山と茅ヶ岳を並べてこの月を撮影したかったので、300mほど下った崩落地点に移動して三脚を構える。山の上から見る甲府盆地の明かりは本当にきれいだ。

    薄明の甲府盆地に昇る月


    茅ヶ岳、富士、そして月

 やがて水平線がオレンジ色に染まり始め、空が明るみ始める。瑠璃色に染まる空、そこに輝く月、今回見たかった景色が広がる。ふと後ろを見ると八ヶ岳の空にEarth shadowが出ている。もっと鮮やかだったのは南アルプスだが、残念ながらこの位置からだと木が邪魔になって山がうまく見えない。そして、白い山々に朝日が射し始め、日の出を迎える。風が止んで穏やかな朝になった。

    八ヶ岳とEarth shadow


    夜明けの南アルプス


    朝日射す八ヶ岳


    朝の茅ヶ岳と富士


    茅ヶ岳の上に立つ朝富士(金ヶ岳北峰山頂から)


    朝の南アルプス(金ヶ岳北峰から)


    茅ヶ岳の左に立つ富士(金ヶ岳南峰中腹から)

 テントに戻って朝食後、テント撤収して茅ヶ岳に向う。腕の調子次第ではそのまま下山と思っていたのだが、朝起きた時点ではほとんど左腕の症状がない。これならば距離が長くなるが茅ヶ岳から千本桜ルートで下山しても大丈夫という判断で、茅ヶ岳の標柱を見て行くことにした。8時金ヶ岳北峰を出発、雪があるので軽アイゼンを装着したが、必要だったのは金ヶ岳北峰と南峰の間だけでその他はほとんど土が露出しており、アイゼン無しでも歩けた。9時20分茅ヶ岳山頂到着。ツインタワーは元気に立っていた。持ってきたラッカースプレーを噴霧して標柱整備を行なう。10時ごろまで山頂でのんびりしていたが、この日は誰も登ってこなかった。

    茅ヶ岳と金ヶ岳の間にあるトンネル岩


    茅ヶ岳ツインタワーと金峰山

 千本桜ルートは、最初は急下りだがやがてなだらかな尾根道になる。3つ4つ小コブを越えると再び急下りとなり、下り切ると千本桜公園に到着する。道はしっかりしていて歩きやすいのだが、深田公園側のルートに比べると距離が長い。11時25分、千本桜公園到着。ルート中間点あたりで左手の筋力が尽きて腕が萎えてしまった。左腕は筋力だけでなく、持久力も相当衰えているようだ。公園から駐車場まではすぐだろうと思っていたが甘かったようで、林道は谷間を大きく回りこんでいて、50分ほど歩いてようやく到着した。12時半、無事下山。

    茅ヶ岳から見る南アルプス


    金ヶ岳と八ヶ岳


    茅ヶ岳から見る富士山

 昨年秋以来、行こうと思いつつも何度も断念していた金ヶ岳1泊山行、ようやく行くことができた。テント泊などしなくても登るだけなら簡単に行ける山だが、甲府盆地の夜景、カノープス、月、そしてさそり座と天の川など、この山は夜の魅力満載の山だ。空気の澄んだ日に、今度は肉眼で甲府盆地の上に輝くカノープス、そして空を横切る天の川を眺めてみたいものだ。
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テスト4:加重負荷 月と星の金ヶ岳一夜 

2011年04月02日 | 八ヶ岳・秩父山系
 平成23年3月26-27日

 萎縮した左腕の筋力はまだ全く戻った気がしない。夕方になると相変わらず左手を締め付けられるような痛みが襲ってくるものの、頻度も持続時間も酷かった1月に比べると格段に良くなった。この状態でテント泊の装備を背負って山に登れるのだろうか?茅ヶ岳の向こうにある金ヶ岳は眺望が良く、昨年1月にも一度山頂に泊っているがもう一度行きたいと思いつつも、悪天候や今回の頚椎症の影響などで計画しつつも行けなかった山だ。北杜市明野にあるふれあいの村から登ると2時間半~3時間くらいで行ける手頃な山になる。加重負荷テストを兼ねて、残雪の雪山フル装備、約17kgの荷物を背負って金ヶ岳に行った。
 行き慣れた山なので夜でも歩ける。どうせ写真撮影はほとんど夜なので、山頂6時到着の予定で明野ふれあいの村を午後3時に出発した。昨年10月の笊ヶ岳以来約半年ぶりのテント装備荷物だが、意外と重さは感じない。左手の調子も良さそうだ。最初はなだらかな登りだが、ところどころ急斜面あり、最後の登りは岩の混じる急傾斜となる。中腹過ぎたあたりで左腕のしびれ、というよりも筋性疲労といったほうが良いかもしれないが、だるくなってきた。しかし、斜面を登るには大きな支障はない。

    ふれあいの里側の金ヶ岳登山道から、いざ、出陣。約半年ぶりのテント山行。


    山頂の下300mの崩落地。八ヶ岳の眺望が良いが、この時間は大きな雲がかかる。


    茅ヶ岳と並ぶ夕暮れ富士  ここで日没を迎える。

 5時半、山頂まで300mのところの崩落地に到着。ここは富士山側と八ヶ岳側の眺望が抜群で、茅ヶ岳の右側に並ぶ富士山を見ることができる。もうすぐ陽が沈むが、山頂まで行かずにここで日没を迎えることにした。この日は冬型の気圧配置で強風吹き荒れる日だったが、低気圧が過ぎ去った後の夕方か夜には高気圧が張り出して風が止み、空が晴れてくる予想だ。心なしか風が収まり始め、富士山にかかっていた雲も晴れてきた。6時までここで待ち、富士山の残照が消えたところで山頂に登った。

    甲府盆地の夕暮れと茅ヶ岳  金ヶ岳北峰から。


    夕暮れの甲府盆地。低空にカノープスが輝いているはずだが、肉眼では確認できず。


    上の拡大図。低空の明るいオレンジ色の星がカノープス。一目見れば長生きできると言われている。

 6時20分、金ヶ岳山頂到着。町明かりが灯っている。素晴らしい甲府盆地の夜景だ。空にはおおいぬ座シリウスが輝き、夕暮れとともにその輝きが増して行く。ちょうど南中している冬の大三角形、その真下にはあのカノープスがあるはずだが・・・甲府盆地の町明かりに消えて肉眼では確認できない。一応写真に撮っておき、後にパソコンで確認すると、やはりカノープスが写っていた。この山からも条件さえ良ければ肉眼でカノープスを見ることができるのだ。7時過ぎまで夜景と星空を楽しみ、テント設営して夕食をとる。

    金峰山とうしかい座アルクトゥールス

 9時過ぎ、外に出てみると予想通り風が止み、星空が見えている。そろそろオリオン座が南アルプスに沈む頃だ。その前に金ヶ岳南峰からの甲府の夜景と金峰山が見たい。南峰からは角度が変わり、今度は富士山が茅ヶ岳の左手に見えるようになるのだ。10cmほどの雪が残る北峰と南峰の間を三脚担いで木の根っこにつかまりながら慎重に通過し、南峰頂上に立つ。甲府盆地の夜景がきれいだが、富士山は山頂が雲で隠れているようだ。金峰山は大丈夫のように見えたが、後にパソコンで見るとやはり山頂は雲がかかっていた。春の大三角形を撮ろうと思っていたのだが時間が遅く、また両側の木が邪魔して画角的にも難しそうだ。

    南アルプスに傾くオリオン座と冬の大三角形  北峰と南峰のコルから撮影。プロソフトンAフィルターを使用。


    こちらはフィルターを使用していない画像。星は小さいが山はきれいに映る。ハーフプロソフトンフィルターなるものがあれば良いのだが、残念ながら無い。

 オリオン座が南アルプスに傾いており、一角にある一等星リゲルが甲斐駒ケ岳に沈む直前で北峰に戻った。今回撮りたかった画像のひとつが、この南アルプスに沈むオリオン座と冬の大三角形だ。最近使っているプロソフトンという拡散フィルターを使ってみるが、星が大きく写るのは良いものの、山がボケてしまうのがどうにも気に入らない。もう一工夫必要なようだ。

    南アルプスに沈むオリオン座と冬の大三角形  金ヶ岳北峰から。


    北峰に設営したテントと星空。フライシートを持って行かなかったら、想定外に寒かった。

 電池3個持ってきたが、既に2個を使い切り残りは1個のみ。夜明けのために温存し、テントに戻って10時半、シュラフにもぐり込んで寝る。久しぶりの山の上は思った以上に寒かった。
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まだ見たことの無い花を探して 思親山

2011年04月02日 | 御坂・毛無・天子山系
 平成23年3月20日

 昨年も花を探してこの山を訪れたが、時期が遅くてもう花は終わっていた。その花の名は・・・カイコバイモ。カタクリが咲く少し前に咲くこの花は、例年ならば3月中旬から4月中旬が花期になる。昨年は4月中旬で見られなかったので、今回は3月中旬に訪れてみた。大震災の後で燃料が不足する中、南部町まで遠征するのは気が引けたのだが、なんとしても一目この幻の花を見てみたかった。しかし・・・
 中部横断自動車道を使って車を飛ばすが、登山口の佐野峠まで片道1時間半近くかかる。内船駅から先の細い林道を対向車が来ないように祈りつつ、11時ごろ佐野峠に到着した。さっそくその花が咲くという場所に行き、目を凝らして土色の保護色をしたその花を探す。3度同じ場所を探したが、とうとう見つからなかった。気温の低い日が続いた今年は開花が遅れているようだ。カタクリの花も、スミレも全く見当たらない。

    霞む富士  佐野峠駐車場から


    林道を進むと、林業作業中の現場に出くわす。

 林道沿いにも同じような場所があると聞いていたので、登山道ではなくて林道を進む。途中で右に分かれる道があり方向からしてそちらが思親山山頂方向であろうが、花を探しながらあえてそのまま林道を進むと、林業作業小屋があり、その先にもずっと道が続いていた。日曜日なのに作業をしており、さすがにその横を通過して先まで行くのは気が引けてしまい、そこで引き返した。
 林道を戻って先ほどの分れ道を行くと、林道突き当たりに道標があり登山道(遊歩道)につながっていた。東海自然歩道から分かれるこの道も整備された良い道だった。山頂まで30分と書かれているが、普通に歩いて20分ほどで山頂に到着した。時刻は12時25分。

    林道終点から登山道(遊歩道)に入る


    思親山山頂。相変わらず富士は霞むが、雨が降らないだけまだ良い。


    山頂で舞っていた越冬型ヒオドシチョウ

 山頂から見る富士山は相変わらず霞んでいる。夕方から雨の予報なのでまだ見えているだけ良いのだろう。山頂の草むらを花を探して見回るが、まだ何も咲いていない。越冬して翅の痛んだヒオドシチョウが不思議そうに傍らに留まっていた。昨年来た時は少し花期を過ぎたカタクリの花がたくさんあったが、今年はまだ葉っぱすら出ていなかった。気温の低い日が続いた今年は花が遅れており、思親山の幻の花はまたしても不発に終わった。

    山頂付近の階段。この周辺にはカタクリの花がたくさん咲く。
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