山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

エビネを求めて甲府市の低山へ 花見隊+山岳会+ヨッシー隊集結  湯村山  平成26年4月26日

2014年04月29日 | 番外編
 4月ももう下旬になり、そろそろ甲府市界隈の低山ではスミレの花が見頃を迎える頃だろう。そしてこの季節にもうひとつ楽しみなのが湯村山界隈に咲くエビネだ。昨年籔歩きをしていて偶然大きな株を見つけ、今年も是非見に行きたいと思っていた。花見隊メンバーも園芸のエビネは見たことがあるが自生のものは見たことが無いそうで、是非とも見に行きたいと昨年からリクエストされていた。メンバー集結し、さらにヨッシー隊と山岳会のメンバーと職場の数名が加わり、総勢13人という豪華メンバーが揃って湯村山を散策することとなる。豪雪の影響がどれくらいあるのか、たくさん咲いていると良いのだが・・・。

 私の仕事の都合で9時半に山梨病院駐車場に集合し、緑ヶ丘運動公園に車で移動して10時に出発する。法泉寺の脇を通って湯村山の林道へ入り、花を探しながらゆっくりと歩く。秘密の道(いや、道では無くて籔)を通ってエビネの咲く場所まで行くと、最初はなかなか発見できなかったが一株目が見つかるとその界隈には思った以上にたくさん咲いていた。株の数は明らかに昨年よりは増えている。ほっと安心する。


    お寺の脇から林道に入る。


    幸先良くギンラン発見。


    シュンラン。まだ咲き残っていた。


    激写中。おしりをごめんなさい。


    撮っていたのはこれ。天然物はなかなか見られない。


    昨年よりも株は増えている。


    エビネ


    ピンク色のも発見。

 藪の中をトラバースして登山道(といってもあまり歩く人がいないマイナーな道)に抜け出てその道を上に向かって登る。湯村山からの登山道(武田の杜遊歩道)に合流したところでもう時間は12時近くとなり、ここで昼食にする。ゆっくり休んで、今度は武田の杜遊歩道の正規ルートを白山(しろやま)に向かって進む。例年ならば登山道脇にタチツボスミレやアケボノスミレがたくさん咲いている場所なのに今年はほとんど咲いていない。スミレは豪雪の影響をかなり受けたようだ。


    ツクバネウツギが咲く登山道


    シュンランが咲く。


    いつもならこのあたりの草地にはスミレが沢山咲くのだが、今年はほとんど咲かない。


    フデリンドウがちらほら。


    目指す白山。本日の最高点。


    白山へのステップ。花崗岩をうまく刻んでいる。


    山頂直下から歩いて来た尾根と甲府市街を振り返る。


    白山山頂の八王子神社で記念撮影。


    曇り空をものともせず、ピカピカピカッと光ってます。

 午後2時少し前に八王子神社のある白山山頂に到着する。残念ながら本日は曇り空で富士山の眺望は無い。病み上がりのトシちゃんはエビネを見たところで一旦下山し、車で千代田湖に先回りして山頂で待ち合わせた。ちょうど良い時間に落ち合うことができた。この白山界隈にはカイイワカガミという白いイワカガミがたくさん咲く。その花を見ながら休憩所の立つ白山の展望台に向かう。


    白山の千代田湖側にはカイイワカガミがたくさん咲く。


    ヒメイワカガミの変種、カイイワカガミ。


    トウゴクミツバツツジと思われるが、花の色が赤っぽい。おしべは10本ある。


    ニオイタチツボスミレ。今年は極端に少ない。大雪の影響か?


    アケボノスミレ。こちらも今年は少ない。


    白山の休憩所


    休憩所から千代田湖を見下ろす。南アルプスや茅ヶ岳山塊の眺望が良い。


    センボンヤリがまばらに咲く。


    イカリソウ。以前よりはだいぶ減った。

 白山休憩所でゆっくり休んだ後は今度は武田の杜遊歩道の道路の向こう側をちょっと散策に行くことにする。先回りしたトシちゃんが下見して来てくれたが、イチリンソウが見頃を迎えているそうだ。アスファルトの道路に下りてテクテクと歩き、武田の杜遊歩道の小松山園地側を散策する。


    武田の杜遊歩道に行く。ホタルカズラが咲く。


    ジュウニヒトエがたくさん。


    お目当てのひとつ、ウラシマソウ。ちょうど見ごろ。


    見たかったのはこれ。イチリンソウ。


    今年はたくさん咲いてくれた。

 この場所もここ数年は恒例に訪れる場所になっているが、今年のイチリンソウ群落は例年に無くたくさん咲いてくれた。大きな白い花は心が洗われるように美しい。
 その後、緑ヶ丘運動公園の駐車場へは山岳会メンバーとその他数名は歩いて戻ったが、残りの歩きたく無いメンバーはトシちゃんの車に私が乗せてもらって公園まで車を取りに行き、2台に分乗して戻った。


 湯村山は甲府市内にある低山で遊歩道が整備されたたいへん歩き易いハイキングコースであるが、この山の界隈は様々な花の宝庫で特にこの季節はスミレをはじめとするたくさんの花が楽しめる。このような山を持つ甲府市は花見にはたいへん恵まれた環境にあるといえる。
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春のスミレを探して 帯那山  平成26年4月24日

2014年04月25日 | 山梨百名山
 昨年の春、幸潤院というお寺から阿梨山という無名な山を経て帯那山に至る尾根を歩いたが、お目当てだったヒゴスミレを見ることができた。もう一つ気になっていたスミレがある。途中の半崩落地で痛んでいて同定できなかったスミレだが、葉が円っぽくて裏が茶色だったことからおそらくはゲンジスミレと思われる。帰りの林道脇でも発見したが、おそらくは帯那山界隈にゲンジスミレが咲いていると予想される。穏やかに晴れたこの日、午後から帯那山に行ってみることにした。

 林道を使って帯那山山頂近くまで行ってしまうとほんの10分ほどで山頂に到着してしまう山だが、スミレが咲いているのはそちら側では無くて南西側の阿梨山界隈だ。脚気石神社から登るルートがあるが、時間はもう午後3時になろうとしており、時間的に難しい。さらにその上のNTT電波塔下に抜け出るルートを使うことにする。山頂までは標高差で300mほどだ。真面目に歩けば1時間少々で山頂到着できる。がしかし・・・この山域を歩く時はついつい道無き斜面を登ってしまう。そして今回も・・・阿梨山からの尾根に最短で登り着けそうな斜面を直登することになる。


    桜の咲く林道脇スペースに車を止める。


    ピンク色の桜が満開。向こうに見えるのが先日歩いた電波塔ピーク。


    林道脇の道を入る。道標は付いていない。そのまま道なりに行けばNTT電波塔に至るのだが・・・。


    左手の上に尾根が見える。行きたい場所はこちら側。時間が時間だけにどうするか迷ったが・・・直登することにする。

 斜面の土が柔らかく足を取られつつも、木につかまりながら急斜面を登る。スミレを期待したがあるのはアケボノスミレの葉っぱくらいで花はまだ咲いていない。何も発見できずに・・・と思ったが、斜面の上部で小型のピンク色のスミレを発見した。葉を裏返して見ると、裏は茶色だ。これこそが今回探していたスミレのひとつ、ゲンジスミレではないか。意外とあっさり見つかった。それほど珍しいものでは無いのかもしれないが、それほどたくさんあるものでもない。


    斜面の中腹で見つけたスミレ。


    葉っぱが丸っこくて裏が茶色。これこそお目当てのひとつ、ゲンジスミレ。


    阿梨山尾根の途中に出ると予想していたのだが・・・上にガードレールが見える。


    出たところは帯那山の林道いちばん奥のところ。予想よりも帯那山側に登り出た。

 昨年この付近で1株だけヒゴスミレを発見したので探したが、まだ時期が早く葉っぱすら発見できなかった。他のスミレもまだかと思ったが、ほころび始めたばかりのアカネスミレとアケボノスミレが数株咲いていた。NTT電波塔を経て帯那山山頂に行ってみる。


    昨年ヒゴスミレを発見した場所だが、まだ何も咲いていない。


    ほころび始めたばかりのアカネスミレ


    アケボノスミレ


    林道を使わず電波塔に直登。


    帯那山林道ゲート。こちら側は車両進入禁止。左手の尾根を登る。


    こんなのあっただろうか?歩いたことがあるコースのはずだが、ほとんど記憶に無い。休業中の帯那山牧場の貯水場らしい。


    広い草地の広がる帯那山山頂。まだ花は咲いていない。


    向こうに見えるのが電波塔ピークと、その左手の三角錐が棚山。

 時間は4時半を回った。下山には十分な時間だが、念のためヘッドライトを確認する。林道を歩いて電波塔まで戻り、積翠寺方面に至る登山道を下山する。石仏が2体あるところで道が二手に分かれ、右に行った方が車までは近いが久しぶりに左側(積翠寺方面)を歩いてみることにする。刈り払われた尾根を15分ほど下ると林道の三叉路に出る。ルート入り口の看板が案内板の横にくくり付けられてはいるが、ちょっとわかりにくい。

    夕暮れが近い。積翠寺方面に至る登山道を下りる。


    石仏のところで道は二手に分かれる。今回は積翠寺方面に進む。反対方向は帯那町側の林道に至る。


    刈り払われた広い尾根道。すぐ左に林道が並走する。


    林道三叉路に出る。真直ぐ行くと太良峠、右に行くと帯那町。車は右の林道沿いに止めてある。


    案内板の脇に帯那山登山道を示す看板がくくり付けられている。ちょっとわかりにくい。

 林道をテクテクと歩きながら、土手に何か咲いていないか見ながら進むと、タチツボスミレが群生していた。さらに進むと白いスミレの花が目に留まった。マルバスミレかなにかだろうとあまり期待せずに近付いてみてビックリ!細く細かく分岐した特徴のある葉っぱ、ヒゴスミレではないか。こんな林道脇で見られるとは思ってもいなかった。少し遠周りにはなったがこちらのルートを選んだことが幸いした。花はまだ咲き始めたばかりで、まだ花芽の出ていない葉っぱが多数あった。


    タチツボスミレ群生。


    まさかこんな林道脇で・・・ヒゴスミレ。


    ヒゴスミレ。細い葉が細かく分岐するのが特徴。


    花はアケボノスミレだが、その周りにはヒゴスミレの葉がたくさん。


    こちらはエイザンスミレ。葉がヒゴスミレと違って幅広く、花も純白で無いことが多い。


    しおれてしまっているが、これは初見のエゾアオイスミレではないか?


    桜の咲く場所に戻る。天気が良ければ桜越しに富士山を望める。


 3時間半ほどの散策だったが、お目当てのゲンジスミレ、ヒゴスミレに出会うことができ、新たにエゾアオイスミレ(だと思う)も発見できた。近場の山でもこれほどの花に出会えるのは喜ばしい限りである。

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あの花はいかに? 恒例のコシノコバイモ  平成26年4月20日

2014年04月23日 | 番外編
 武田神社の桜はもうすっかり散ってしまい葉桜になっている。若干時期が遅くなってしまったかもしれないが、数日前に登山道脇に立つ石仏を見るツアーが開催されたと聞き、花は大丈夫なのか気になっていた。雪の影響も心配だ。朝からどんより曇り空、さらに午前中に片付けたい用事があり、時間制限もある。山頂までは行かずコシノコバイモだけを目的に登山道に入る。

 ツアーのために整備したのか、あるいは雪で流れたのか、いつもならば葉っぱがたくさん落ちている登山道は綺麗になっているように感じた。入口入ってすぐのところのイチリンソウはまだ蕾だったが、1輪だけ咲くカタクリはもう散っていた。コシノコバイモの咲く場所までひたすら歩く。


    階段が綺麗になったように感じる。


    イチリンソウはまだ蕾。


    ヒトリシズカ群生


    ヤマエンゴサクは若干花付きが悪い様に感じる。


    まだ残雪の残る沢沿い。


    ミヤマエンレイソウ


    沢にかけられていた橋は雪の影響か壊れていた。


    いつもの場所でコシノコバイモ発見。しかし既に花が散っている。


    こちらはまだ花が落ちたばかりの株。下に白く見えるのが散ったばかりの花びら。


    花が痛み始めているが、まだ散っていない株を発見。


    こちらは3株固まって咲いていた。


    初めてこの場所を訪れた時は歩く人も無く落ち葉が多量に積もった道だったが、昨年からツアーが入るようになりずいぶん変わった。


 踏まれている株があるのではないかと心配したが心配無用だったようだ。昨年10人ほどでこの花を見に来た時に、ツアーのための道路整備と看板整備のボランティアの人たちと出会った。この道には希少な植物が咲くことをお話しし、保護をお願いしておいた。十分に配慮して歩いていただいているようだ。花数は昨年と同じくらいだと思うが、昨年と同じ場所に発見できない株もあれば、別の場所で固まって咲いている場所もあった。カタクリは天候が悪く花は開いておらず、ヒナスミレは雪の影響か、点々と咲いているものの小さな株ばかりだった。峠の手前で折り返して下山する。


    ヒナスミレが点々と咲くが株は小さなものばかり。


    カタクリは天候が悪く、花は開いてくれない。


    山の上には雲が巻き、時折霧雨が混じる。峠まで行かずに引き返す。


    下りの際に、ロープ脇に咲いているのを発見。


    さらにその下の登山道脇にも一株。昨年発見できなかった場所で見つけるとうれしい。


 黙々と下山して行くと、単独の登山者がひとり登って来た。こんなところを歩くなんて物好きな人がいるものだと思ったら、なんとその登山者は相棒のうーさんだった。花見隊は花を見に行く思考回路が隊長に似てきたようだ。
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イワウチワとヒカゲツツジが咲く山  平成26年4月13日

2014年04月15日 | 山梨無名山
 昨年坪山を訪れた時は1~2週間ほど時期が遅く,お目当てだったイワウチワはもうしおれかけていた.山梨県ではこの山でしか見られない花なので,満開の時に是非とも見に行ってみたいと思っていた.三脚を立てて写真撮影するとなると,登山者の邪魔になってしまうため,混雑が予想される午前10時以降の時間帯は避けなければならない.早起きして坪山の駐車場には7時半頃に到着した.先客は車2台のみ,まだ混雑は始まっていなそうだ.

 7時45分に駐車場出発したが,忘れ物をして一旦戻り,8時出発となる.目的のイワウチワの咲く場所あたりまでは黙々と登る.

    登山道入口の桜はほぼ満開


    土手にはカタクリがちらほら咲く.


    囲いでおおわれた場所にはカタクリの群落


    登山道分岐.昨年は左に曲がって登ったが,今年はイワウチワを目当てに右に進む.


    中腹のミツバツツジと坪山稜線.

 1時間ほどでイワウチワの咲く場所に登り着いた.ここで三脚を取り出して撮影を始める.清楚で可憐なその花はちょうど見頃ではあるのだが・・・思っていたほど花付きが良くなかった.葉っぱはたくさんあるが,花が少ないように思う.こんなものなのだろうか?


    イワウチワが見え始める.ちょうど見ごろのようだ.


    イワウチワ


    イワウチワ群落


    清楚で可愛らしい花

 イワウチワが咲き始める少し下あたりからヒカゲツツジが満開となっており,登山道の両脇を見事に彩っていた.見事なヒカゲツツジの群落だ.山頂付近はまだ蕾だった.


    登山道の両脇にイワウチワの群生
   

    イワウチワの咲く標高800m前後はヒカゲツツジが満開.


    ヒカゲツツジ群生


    地味だが清楚で愛着を感じるヒカゲツツジの花.


    坪山山頂直下の急登.


    坪山山頂.到着した時は誰もいなかったが,その後続々と登山者が到着し,あっという間に人がいっぱい.

 山頂には10時半に到着した.写真撮影している間に2組,4人の登山者に追い抜かれたが,山頂に到着してみると誰もいなかった.私のすぐ後ろを6~7人のグループが登ってくる声がしていたので,広い場所を避けて山頂の隅で休憩する.10分ほどするとそのグループが登り着き,さらに続々と登山者がやって来てあっという間に山頂は人でいっぱいになってしまう.同じルートを下山すると人がたくさんだろうから,あまり人の来ない反対側の急峻ルートを下山する.誰も来ないだろうと思っていたら,3人連れの女性登山者が登ってきた.結構大変そうだった.会ったのはこの3人のみだった.


    反対側のルートもヒカゲツツジは咲くが,あちら側のメインルートの方が多い.


    ロープのつけられた急斜面.ロープはところどころ痛んでいるので,あまり頼らないほうが無難.


    岩尾根.危険そうに見えるがたいしたことはない.


    アセビとヒメシャラの道

 川の上流側の道路に下りる道があり,そこには大きな杉の木と鳥居が立っているのが見える.以前から気になっていたのでちょっと立ち寄ってみた.


    左手の神社に降りる.


    神社の古い建物が建っていた.中は集会所のようになっていた.


 下山しながら反対側の尾根も探したが,イワウチワはあの尾根にしか咲かないようだ.減っている気はしないが増えている様子も無い.山梨県ではおそらくここでしか見られないため,これからも大切に見守って行きたい.
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遠そうで近かった山 太良峠から棚山へ  平成26年4月12日

2014年04月15日 | 山梨無名山
 棚山の名を知る人はマニアな登山者の方だと思う。帯那山と兜山(いずれも山梨百名山)の間に位置する標高1100mほどの山で、山梨市と春日井町の境界にあり、すぐ西側は甲府市の西側の境界がある。新しい昭文社の地図にはルートが示されているが、県内のマニアが登るマイナーな山といって良いと思う。かつては積翠寺の奥にある岩洞峠からのルートが主だったが、現在では山梨市のほったらかしの湯からのルートが整備され、そちら側がメインルートになっている。どちらのルートでも日帰りで問題無く登れる山ではあるが、なんとなく奥深くて登りにくい山というイメージがあった。情報が少なく、道が荒れているのでは?という思いもあった。

 午前の業務を終えてパソコンをいじっていると、あっという間に時間は午後1時になってしまった。ルートの状況を見るのが主な目的で最短距離の太良峠から棚山へ行ってみることにする。途中にはNTT電波塔が立つピークがあり、職場から見上げるその山は未だに行ったことが無く、機会があれば行ってみたいと思っていた。電波塔管理のための林道が延びているが、入り口のゲートは厳重に閉鎖されていて人も通ってはいけないのではないかという感じを受けており、敬遠していた感がある。なので、ゲートを避けて脇の斜面から直接稜線に登り着くと、すぐ下に林道が走っており間もなく林道と合流した。


    NTT電波塔のピークに至る林道。一般車は通行禁止。


    途中から電線道を直登する。


    NTT電波塔ピーク。本日最も高いピークだが、林に遮られて眺望は無い。

 太良峠から25分ほどで電波塔ピークに到着する。林道は3分の2周ほど山を巻いて反対側から延びて来ていた。回り込むのも面倒なので棚山に至る尾根に向かって山の斜面を直下りして林道に下り、棚山に至る道に入る。


    向こうに見えるこんもりした山が目指す棚山。標高は太良峠と同じくらいで、電波塔ピークからは少し下る感じ。


    山の斜面を直下りし、林道に下りる。


    棚山方面に至る道。この林道はこの先で終わっており、その先は登山道(山道)になる。


    棚山を示す看板あり。


    林道の終点には白樺の生える休憩所がある。


    その先は山道。荒れた道を想像していたが良い道だった。真新しい踏み跡もあった。


    道標もしっかりしている。右に行くと岩洞峠。


    驚くほど良い道が続いていた。左に見えるのが棚山。


    最後の登り。ここはちょっと傾斜がきつい。


    棚山山頂。

 いつものように、ちょっと余計な寄り道(ルート探し)をしながら歩いたが、1時間20分ほどで棚山山頂に到着した。どちらかというとマイナーな山だけにもっと荒れた道を想像していたが、あまりにも良い道で拍子抜けした感じだった。眺望もまずまずで、山梨市から塩山の市街を眼下に眺めながら大菩薩連山がずらりと見える。反対側には南アルプス、そして富士山も見える。林の中のあまり眺望の無いピークを想像していただけに、この眺望の良さには少し驚いた。


    大菩薩連山がずらりと見える。


    下に見える駐車場はほったらかしの湯。


    富士山の眺望。


    ズーム。この日は午後になっても雲が巻かず、富士山が見えていた。

 30分ほど休憩したが、時間は午後3時半と遅いこともあって、誰も登って来ず、誰にも会わなかった。30分ほどのんびり休憩して下山。帰りは真面目に(?)歩いて50分ほどで下山した。


 遠い山というイメージがあった棚山だったが、歩いてみればルートは整備されていて簡単に行けるピークだった。我が家の裏山の一角に棚山も入れたいと思う。


    今回歩いたルート。標高差は累計で往復含めて450mほど。
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ヨッシー &花見隊写真展のご案内

2014年04月11日 | 番外編
 花見隊メンバーのsanaeさん、みちほさんとはずいぶん前からブログや手紙を通じてのおつきあいがありましたが、初めて合流して花見に出かけたのは平成24年6月、八ヶ岳南沢のホテイランでした。花見隊として本格的に活動を始めたのは昨年の春からですが、もう何年もお付き合いがあるかのような親しみとチームワークがあります。ホテイランにはじまり、カモメラン、クモイコザクラ、コアツモリソウ、スズムシソウ、カイコバイモ、アオキラン、スルガジョウロウホトトギスなど、稀少な植物を多数見てきました。この1年間での花を探すレベルは格段にアップし、山の歩き方や山の愛し方も変わって来たように思います。

 今回の写真展はそんな花見隊のメンバーが撮影して来た「山上を彩る花たち」です。山を彩る花たちを見てその山に一人でも多くの人たちが興味を持ち、この美しき花たちと景色をいつまでも後世に残して行きたいと思っていただけたならば、この写真展は意義のあるものになると思っています。今回使用するプリント紙は身延町西嶋の和紙をインクジェットプリンターで印刷できるように特殊加工した「おおむらさき」という紙です。職人さんが1枚1枚手で漉いた独特の凹凸と立体感、絵のような仕上がり感を一緒にお楽しみください。(撮影者の名前は全てブログ上の名前で展示させていただきます。)


    ハクサンイチゲ遥か (飯豊連峰朳差岳 撮影:三脚マン)

 遥か彼方まで、見渡す限りのハクサンイチゲのお花畑が広がる6月の飯豊連峰です。この山は鹿の食害が少なく、このような手付かずの広大なお花畑が残っています。



    シナノキンバイのお花畑と北岳 (北岳 撮影:ヨッシー)

 鹿の食害が深刻な南アルプスですが、標高の高いところはまだお花畑が残っています。この場所から標高で100mほど下ると、かつては広大なお花畑が広がっていた場所が今ではバイケイソウばかりの寂しい風景に変わってしまっています。



    シロヤシオツツジ彩るツツジ新道 (檜洞丸 撮影:sanae)

 見事なシロヤシオツツジのドームができる丹沢檜洞丸です。木の根や地床の植生を保護するために、丹沢山系は登山道に木道や階段が整備されています。



    青空を彩るアカヤシオツツジ (袈裟丸山 撮影:みちほ)

 あまり馴染みがないかもしれませんが皇海山(日本百名山)の南側に連なる群馬県の山です。見事なアカヤシオツツジの群生を見ることができます。


 写真展会場:アウトドアショップエルク
        甲府市徳行4-13-9 TEL055-222-1991

 期間:平成26年5月1日~31日まで(31日午後に撤収します。)


 花見隊の思いはひとつ、山を愛し花を愛し、この素晴らしき自然をいかに守って行くかということです。

 多くの皆様のご来場をお待ちしております。
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身延山久遠寺のしだれ夜桜  平成26年4月7日

2014年04月09日 | 番外編
 山梨に移り住んで20数年が過ぎるが,未だ身延山の桜を見たことが無い.桜の季節は大混雑という印象が強く,敬遠していたところがある.思親山の帰り,計画的にちょっと立ち寄ってみた.

 身延山に登ったのは登山初心者の頃だからもう8年も前のこと.その前にも2度訪れているはずなのだが,全く記憶に無い.一度は辛い階段を一生懸命昇って大きなお寺に到着したような記憶があるが,そこの階段だったのか,どこに車を止めたのかも記憶が定かでない.とにかく車で行けるところまでと進むと,ロープウェイ下の駐車場に着いた.平日の時間が夜8時となるともう人はまばらで,駐車場は3台しか車が止まっていない.隣のお子さん連れのご夫婦に場所を聞くと坂道をだいぶ昇ったところにお寺があってその境内に有名な枝垂桜があると教えてくれた.三脚とカメラと交換レンズを持って出かけると,若者が「こんばんわ」と声をかけてきた.この若者に場所を尋ねると,丁寧にその場所まで案内役を買って出てくれた.話をしながら坂道を歩いて行くと身延山のことを大変良く知っていて礼儀正しく,お寺の修行僧なのかと思ったら身延山高校の学生さんだった.礼儀を重んじるしっかりした教育を行っているところなのだろうと感心させられた.

 坂を登り着くと身延山久遠寺の大きなお寺が立っていた.ここは見覚えがある.有名なしだれ桜は少し先にあって囲いでおおわれている.ライトアップはされていないが,境内にある外灯の明かりで明るく照らされている.月の位置がやや高いが,桜と一緒に撮影できる位置に昇っている.


    月と夜桜


    同上.白色蛍光灯はカメラで撮影すると緑色が強く出て桜のピンク色が消えてしまうのが難点.


    こちらはパソコン上でRGBカラーを操作して赤を強調した画像.自然な色にはならない.


    別のしだれ桜と月.これもRGBを操作したもの.


    後ろに見えるのが久遠寺.


    桜の左脇に輝くのは火星.


    しだれ桜と久遠寺


    桜の上に輝く北斗七星


    巨木の隙間に輝く月


    五重塔に輝く月

 あっという間に1時間が過ぎ,時間は9時を回っていた.この日はこれにて撤収.
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カイコバイモ咲く季節 思親山  平成26年4月7日

2014年04月08日 | 山梨百名山
 武田神社の桜が満開となった。雪の影響が心配だが、そろそろ咲いている頃だろう。絶滅危惧の花だし、やはり自分の目で見に行かないと落ち着かない。晴天で富士山も良く見えていることだし、行ってみることにする。

 毎度のことながら佐野峠に至る林道は細くて厳しい道だが、今年は大雪の影響でかなりの倒木があったようで、倒れた木は切られてはいるものの、ところどころ道路脇に倒木の残骸が転がっていたりして、さらに通りにくい。幸いにして対向車は1台も来ず、佐野峠の駐車場も車は止まっていなかった。峠からは富士山が見えてはいるものの、気温が上がってさすがに午後3時半ともなると空には霞が掛かってしまっている。

 山頂まではさほど距離はないので、ゆっくり準備して午後4時頃に佐野峠を出発する。


    咲き始めたカイコバイモ。しかし、まだ時期が早いのか昨年よりはだいぶ数が少ない。


    全開のカイコバイモ


    キクザキイチゲは咲き始めたばかり。


    2株並ぶ。昨年この場所は4株くらい並んで咲いていたのだが・・・


    向こうに富士山が見えたのだが・・・写ってくれない。


    ちらほらとまばらに咲いている。


    こちらはカンアオイの葉。ギフチョウの食草になる。


    一瞬盗掘か?と思ったのだが、あちらこちらに同様の削れた個所があり、どうやらイノシシの仕業らしい。

 樹林帯の中を進んで行くと、まだ山頂では無いはずなのに林の向こうがずいぶんと明るくなっている。何かと思えば植林が広範囲の伐採されて眺望が良くなり、眼下に天子湖が見渡せるようになっていた。そして富士山の眺望も抜群、ひときわ大きく聳え立って見える。


    樹林帯だったはずの林が明るくなっている。


    伐採されて眺望が良くなっていた。下に見えるのは天子湖。


    こちらは富士山の眺望。ひときわ大きく見える。


    山頂到着。もうすぐ陽が沈む。


    夕陽に染まる富士山を期待していたが、空に広がった薄雲のために染まらず。フジマメザクラはまだ咲いていない。

 伐採された展望地に戻って夕暮れを待つ。遅い時間に登って来たのは富士山頂付近におそらくは火星が昇って来るだろうという目論見だったが、この霞と雲では期待薄だ。薄暗くなる6時20分まで待ったが空が晴れる様子は無く、星の輝く時間を待たずして撤退した。林道側に下りる道を行くと、登山道周辺はすっかり伐採されて富士山の眺望が抜群になっていた。山頂は木が伸びてきてやや眺望が悪くなってきただけに、こちら側の眺望はうれしい限りだ。


    伐採地から見る夕富士。薄雲がかかり、星空の撮影は難しい。

 7時佐野峠駐車場に到着。夕焼けのためか、それとも町灯りの影響か、富士山周辺の空が赤っぽく見えていた。撮影してみると、富士山の上には赤っぽい星がひとつ写っていた。火星か?と思っていたのだが調べてみるとこの位置で富士山頂に輝くのは牛飼い座のアルクトゥールスだった。赤く明るく輝く火星を撮るにはもっと北側の山ということになる。


    佐野峠から見る夕暮れの富士山とアルクトゥールス


 今年はあまり当たり年ではないのか、それとも少し早かったのか、あるいは本当に数が減ってしまっているのか?これからも見守って行かなければいけないと思っている。
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春の甲府市北東部散策 積翠寺から愛宕山を越えて市役所へ  平成26年4月2日

2014年04月03日 | 山梨無名山
 雪で遅れていた桜の開花が進み、武田通りの桜も7分咲きとなった。増えた体重と出た腹を少しでも引っ込めるために、この日は積翠寺の自宅から用事のある甲府市市役所まで歩いて行くことにした。普通の道を歩くのではつまらないので、梅の咲く積翠寺の東山農道、そこから武田の杜遊歩道、躑躅ヶ崎園地、さらに愛宕山を経て東側に下り、しだれ桜で有名な帰命院を見て甲府市役所まで歩く、約10kmの行程を行く。梅や桜を見ながらの花見散策だが、途中あちらこちらに立ち寄ってみたいと思う。アスファルトの道が多いので靴は登山靴では無くてトレッキングシューズ(といっても柔らかめのスポーツシューズに毛が生えた程度のもの)を履いて、9時に自宅を出発する。

 (今回の記事は写真が多量です。お許しを。)


    9時、積翠寺自宅を出発。空は青空だったが・・・


    積翠寺を流れる相川の上流部


    梅の咲く里積翠寺。我が家も写ってます。


    東山農道の梅はもう終わり。


    農道から下って竜華池(りゅうがいけ)近くの公園に立ち寄る。桜は7分咲き。


    公園の桜

 竜華池は昨年から大規模な改修工事が行われていて登山道への通行は出来ないのを知っており、脇の石積みを登って登山道に入ろうと考えていたのだが、ちょうどその場所の工事の真っ最中だったためにあきらめて、昨年と同様にまたしても護国神社裏側の藪を登って躑躅ヶ崎園地に登り着く。


    改修工事中の竜華池。もう2年近く工事が行われている。


    大規模工事中の竜華池。向こうに見える尾根筋に躑躅ヶ崎園地に至る登山道がある。


    この脇を登ろうと思ったのだが、工事の人たちが作業中。


    護国神社の桜並木


    護国神社


    護国神社の先にある池。トレッキングシューズではやや不安があったが、この裏側から籔に入る。


    躑躅ヶ崎園地


    園地から望む甲府市街。右手に見えるのは湯村山、その向こうは南アルプス。


    躑躅ヶ崎園地の桜はまだ3分咲き。

 そのまま道を進むと樹木見本林を経て愛宕山に行く車道に出るが、眼下に見える円光院の桜を見て行きたかったので、またしても道の無い斜面を円光院に向かって真直ぐに下りると、籔っぽい梅林を通り抜けて円光院の墓地に抜け出た。境内へは強引に柵を乗り越えるか、下まで回り込まないと行けないので、脇から見るだけで通り過ぎ、車道を愛宕山に向かう。


    円光院の墓地とお寺


    円光院の上の小さな山の上には東屋が立っている。ここに来る人はほとんどいないと思われるが、ベンチは修理されていた。


    東屋からの眺望。

 車道を進み、もうすぐ愛宕山というところで左側の山に登れそうな道がついていた。まだ登ったことの無いピークなのでちょっと立ち寄ってみると、その山の名前は「大笠山」という名で、整備された遊歩道がついていた。


    大笠山の登り口。さながら小ロックガーデンの雰囲気。


    登って行くと、整備された立派な遊歩道に出た。


    車道から20分ほどで大笠山に到着。


    水でも流していたのか、大きな建造物があった。

 いちばん高いところはその先だったので行ってみたが、三角点も看板も何も無い岩のゴロゴロしたピークだった。戻って休憩した後、反対側に下りる遊歩道を下ってみた。そして降り立ったところは・・・愛宕山こどもの国にある劇場広場というところだった。


    咲き始めたタチツボスミレ


    出たところは・・・こどもの国劇場広場。こんなものがあったとは初めて知った。


    劇場広場


    花の迷路という遊び場もある。


    水車。この水路にはカエルがいて、「グー、グー」という鳴き声が聞こえる。


    山の名前が凄い!登ってみることにする。


    岩の小ピーク。あまり夢は見られなそうだが・・・。向こうに見えるのが先ほど登った大笠山。


    車道を越える橋を渡り仏舎利塔へ。


    さらにその先はこどもの国の遊び場。ここは子供が小さい頃に良く連れて遊びに来ていた。


    愛宕山科学館。ここのプラネタリウムのドームはさながら立体映画館。


    科学館から見下ろす甲府盆地。天気が良ければ御坂山塊越しの富士山が美しい。


    科学館の脇から向こう側の展望広場に行く。こちら側はほとんど人がいない。


    しだれ桜と科学館


    神社が立っている。

 愛宕山科学館の先にある展望地から南側にブドウ畑の中を下りる道がある。この道は細くて入り口がわかりにくく、歩く人がほとんどいない。


    ブドウ畑の中を甲府の町を見下ろしながら下りる。


    方向を東に変えて、東光寺側に下りる。左下に見えるお寺が甲府五山のひとつ、能成寺。


    ブドウ畑の中に広がるホトケノザのお花畑。右のこんもりした山が大笠山、左の木の上が愛宕山科学館。


    能成寺


    車道を少し行くとしだれ桜の名所帰命院(きみょういん)に至る。


    毎年の恒例になっている帰命院のしだれ桜。逆光と曇り空のために色が出ない。


    帰命院の桜を見上げる。

 能成寺、帰命院と回った後、駅に向かって線路の脇を進むと、途中に長禅寺という五重塔が立つお寺がある。これも甲府五山のひとつで、大きくて立派なお寺である。


    長禅寺。改修工事が行われていた。


    三重塔と五重塔が立つ大きなお寺。


    甲府駅近くの舞鶴城公園。目的地の市役所までもうすぐ。


 甲府駅に到着したのが午後2時45分、6時間近く歩いてようやく到着したことになるが、下りが多かったのであまり疲れは感じなかった。駅前の吉野家で牛丼を食べて遅い昼食となる。梅・桜を見ながらの花見散策だが、その他に円光院、能成寺、長禅寺という甲府五山のうちの三山を歩いたことになる。東光寺まで足を延ばすこともできたが、昼食を持っていなかったのと予定外の大笠山に登ったのでこの日は止めた。


    歩いた行程図(一部間違っているかもしれません。)


市役所で目的の書類を取った後、なじみの喫茶店で2時間ほど休憩して自宅に帰るのだが、乗り物を使うのも癪なので歩いて帰ることにした。約4.5kmの道のり、かつアスファルトの道。これがいちばん辛かったかもしれない。
コメント (2)
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