山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

フジハタザオ (アブラナ科) Arabis serrata Franch. et Sav. var. serrata

2022年08月02日 | アブラナ科
 砂礫地や岩場に生育する多年草である。葉や茎に単純毛が生え、星状毛が混じる。根生葉は有柄で葉身は長さ2 ~ 8㎝のへら状倒披針形で先端は尖らない。表面には単純毛と星状毛が密生する。茎葉は無柄で茎を抱く。花は茎の上部に総状につき、花弁は白色で長さ6 ~ 10㎜の倒卵形。果実は長さ4 ~ 6㎝の線形である。花期は 7 ~ 8 月。富士山の特産種で、個体数はそこそこに多い。

 2018年山梨県カテゴリー:準絶滅危惧(NT) 2005年山梨県カテゴリー:準絶滅危惧(NT) 2017年環境省カテゴリー:なし


    フジハタザオ 2022年6月 富士山で撮影


    砂礫地だけでなく岩場も好んで生育している。


    結実したフジハタザオ。果実は線形。


    フジハタザオの花


    根生葉には単純毛と星状毛が密生する。

 ⇒山梨県の絶滅危惧のアブラナ科植物一覧

 ➡山梨県の絶滅危惧の植物 ~科別分類~

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キタダケナズナ(ハクホウナズナ)(アブラナ科) Draba kitadakensis Koidz.

2022年08月01日 | アブラナ科
 高山帯の岩の隙間や岩礫地に生える小型の多年草である。高さ10 ~ 15㎝。茎は短く枝分かれする。根生葉は低い突起状鋸歯があり、茎葉は3~7個付き、全縁に近いものと鋸歯があるものとがある。茎と葉の両面に星状毛を密生し、白っぽく見える。花序は単純毛を密生し、星状毛が混じる。花は白色で3~10数個が密な総状に付く。短角果は長さ5~8㎜の線状長楕円形でややねじれる。花期は 6 ~ 7 月。山梨県では北岳で確認されており、個体数は少ない。八ヶ岳に生育するヤツガタケナズナもこれと同種と考えられている。

 2018年山梨県カテゴリー:絶滅危惧ⅠA 類(CR) 2005年山梨県カテゴリー:絶滅危惧ⅠA 類(CR) 2017年環境省カテゴリー:絶滅危惧ⅠB 類(EN)


    キタダケナズナ 2022年7月 北岳で撮影


    キタダケナズナの花


    萼の部分に単純毛が密生している。


    茎や葉には星状毛が密生し、やや白っぽく見える。


    短角果は長楕円形でやや捻れ、毛は生えていない。

 ⇒山梨県の絶滅危惧のアブラナ科植物一覧

 ➡山梨県の絶滅危惧の植物 ~科別分類~

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ウメハタザオ (アブラナ科)

2021年10月16日 | アブラナ科
高山帯の砂礫地に生育する多年草である。葉は長楕円形で浅い鋸歯縁があり、茎を抱き、両面には星状毛がある。花は白く、背丈の割に大きく、花弁の長さ 10 ~ 12㎜。花期は 7 ~ 8 月。近縁のイワハタザオの高山型で花が大きい。山梨県では北岳周辺に生育しているが個体数は少ない。

 2018年山梨県カテゴリー:絶滅危惧ⅠA 類(CR) 2017年環境省カテゴリー:なし

    ウメハタザオ 2022年7月 北岳で撮影

    大き目の花が咲き、長角果は長めである。

    葉は茎を抱き、茎や葉には星状毛がある。

    ウメハタザオの花

 葉の星状毛や根生葉などまだ観察不十分なところが多い。もう少し良い個体を見つけたいところである。



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コンロンソウ (アブラナ科)

2021年10月16日 | アブラナ科
山地の川辺や水湿地を好んで生育する多年草である。茎は上部で枝を分け、高さ30 ~ 70㎝。水平に伸びる根茎を出し、分枝して大きな群落をつくる。葉は長い柄があり羽状複葉で、小葉は5個か7個出て長楕円状披針形、先は鋭尖形で基部はくさび形、縁は不規則な鋸歯があり、両面に毛がある。花は白色で倒卵形〜長倒卵形で4弁、雄しべは6本ある。花期は 4 ~ 6月。山梨県での個体数は少ない。

 2018年山梨県カテゴリー :準絶滅危惧(NT) 2017年環境省カテゴリー:なし

    コンロンソウ 令和3年4月 甲斐市で撮影

    群生するコンロンソウ

    白い花を咲かせる。花は4弁だが雄しべは6本ある。

    令和3年5月 甲府市で撮影

    半分結実している。

    コンロンソウの花



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クモマナズナ(アブラナ科)

2021年02月17日 | アブラナ科
亜高山帯から高山帯の岩上を好んで生育する多年草である。花期は6~7月。花のつかない茎は短く、葉はロゼット状に付き、線状披針形で両面に星状毛が密生する。花のつく茎は高さ10㎝前後になり、茎葉は卵形でまばらに星状毛が付く。花は白色で10数個が総状に密集して付く。山梨県では南アルプスと八ヶ岳に生育しており、個体数は比較的多い。

 2018年山梨県絶滅危惧Ⅱ類(VU) 2017年環境省絶滅危惧Ⅱ類(VU)

    クモマナズナ 平成29年7月 八ヶ岳で撮影

    同上

    同上 岩の上を好んで生育する。

    平成2年8月 鳳凰山で撮影。ほとんどが結実している。

    同上 根元の花を付けない葉はロゼット状で辺縁に鋸歯がある。



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ハナハタザオ(アブラナ科)

2020年11月26日 | アブラナ科
本州の中部地方から東北南部に分布し、山地の草地に生育する2年草である。花期は7~8月。直立した茎の上部に薄い紅紫色の花を総状に咲かせる。山梨県では富士山麓で生育が確認されており個体数はあまり多く無い。

 2018年山梨県絶滅危惧ⅠA類(CR) 2017年環境省絶滅危惧ⅠA類(CR)

    ハナハタザオ 令和1年7月 富士山麓で撮影

    同上 群生していた個体。この年は多く咲いてくれた。

    同上

    ハナハタザオの花

    花弁は4弁、薄紅紫色の花は日本風の美しさがある。



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山梨県の絶滅危惧のアブラナ科植物一覧

2020年11月26日 | アブラナ科
2018年版山梨県レッドデータブックに登録されている絶滅危惧のアブラナ科植物は以下の通りである。

絶滅危惧ⅠA類(CR)

 ウメハタザオ(2005山梨県CR 2017環境省-)

 クモイナズナ(2005山梨県CR 2017環境省VU)

 ハナハタザオ(2005山梨県CR 2017環境省CR)

 キタダケナズナ(ハクホウナズナ)(2005山梨県CR 2017環境省EN)

絶滅危惧ⅠB類(EN)

 シロウマナズナ(2005山梨県EN 2017環境省EN)

絶滅危惧Ⅱ類(VU)

 クモマナズナ(2005山梨県VU 2017環境省VU)

準絶滅危惧種

 フジハタザオ(2005山梨県NT 2017環境省-)

 コンロンソウ(2005山梨県NT 2017環境省-)





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