スケッチブック３０

４月３日（火）
　昨日の「ひるおび」というテレビ番組だが、政治問題を取り上げる時によくゲスト出演する伊藤という政治評論家が、安倍内閣の支持率について変なことを言っていた。番組では読売新聞と共同通信（だったか）の世論調査結果を示して、両社ともに安倍内閣の支持率は４２％くらいで数字は変わらないのだが、読売は前回調査より支持率下落、共同では逆に上昇したとのフリップを掲げて、司会の恵が「伊藤さん、これはどういうことなのでしょうか」と問いかけた。伊藤は「変な現象ですねえ」とか何とか述べていた。私もどういうことかなあと思ったが、伊藤と一緒に良く出演する田崎が種明かしをしてくれた。つまり読売新聞は森友改竄が報道される前に世論調査をしていて、その後今回まで調査をしていないのだ。それに対して共同は改竄報道前にも、そしてその直後にも、世論調査をしている。だから改竄報道直後に安倍内閣支持率が極端に下がり、今回（先週土曜日か）の調査で支持率が上昇したという訳なのだ。だから読売ももし改竄報道直後に世論調査をしていれば、共同と同じようになり、支持率上昇となった筈だと田崎は言うのである。
　何のことはない。前回調査の日が違っているのである。伊藤はそんな事も知らずに政治評論家面をしているのか、そんな無知な男を出しているのかと、「ひるおび」が馬鹿らしくなった。しかし不思議なのは番組には田崎の主張通りのフリップも用意してあって、田崎の発言を受けてすぐそのフリップを出して説明した事だ。番組の意図が安倍内閣支持率下落を言いたくて、日にち問題を捏造して、読売の調査を取り上げたのだろうかと一瞬思ったが、しかし種明かしのフリップが用意されていたことを見るに、そんな筋書きでもないだろう。ではなぜ恵は最初に、読売下落・共同上昇のフリップを掲げて伊藤に質問し、「変ですねえ」という感想を引き出したのだ。恵が伊藤に含むところがあって、わざと伊藤は無知だと恥をかかせたのか。どうもよく分からない。
　しかし伊藤が政治の実際に無知なのはこれまでの出演からよくわかっている。田崎は自民党に取材して喋っている。しかし伊藤は自民党にも官僚にも取材していないと話から分かる。伊藤はいつごろ作ったかご自分の中の干からびた政治モデルに従ってしか、発言が出来ない。だから支持率上昇を「国民の森友疲れ」という左翼的分析でしか語れない。
　一方田崎は佐川証言で一定の区切りがついたからだと言う。私もそう思う。決裁書改竄の真相解明にはとても至っていないが、佐川氏は安倍首相や昭恵夫人の関与を、国会の証人として否定した。偽証罪があるにもかかわらずである。この証言は重いと思う。偽証罪のリスクを負ってまで、忖度などしないと思う。
　テレビにはけっこ恥知らずなゲスト出演者がいる。大谷という、一部でネズミ男と呼ばれている、元新聞記者もそうである。彼は慰安婦問題で日韓合意が出来たときに、「もうこれで日本は慰安婦は売春婦だなどの、妄言を言ってはならない」と視聴者を諭した。ところが最近の韓国による合意違反について、彼がそれを批判したり詰ったりする発言を聞いたことがない。日本人には合意を守れと言い、韓国が合意を破っても、知らん顔なのだ。
　彼はまた事件記者だったくせに、神奈川県座間市の９人連続殺人事件で、全殺人を８月中に行ったとの犯人の供述について、そんな１か月で出来る訳がない、もっと以前からやっていた筈だと確信を持って（そう見えた）言っていたが、そんな事実はなかった。でも大谷は気にすることもなくつややかな顔色でテレビ出演を続けている。恥知らずだからテレビで飯が食えるのだろう。