山クジラの田舎暮らし

岩手県北の田舎に生息する「山クジラ」です。定年後の田舎暮らしや趣味の山行きのことなど、発信していきます。

『恋椿』橋廻り同心・平七郎控=藤原緋紗子著

2015-09-10 08:02:08 | 読書

藤原緋紗子の「橋廻り同心・平七郎」シリーズの第1作にあたる『恋椿』を読んだ。この作者が時代小説を書いていることは知っていたが、手に取る機会はなかった。最近は女流の時代小説作家もかなりいることは確かである。平岩弓枝の『御宿かわせみ』シリーズなどは、テレビドラマになった後全巻読んだほどだふが、藤原作品には手を出す機会がなかったのだ。北町奉行所の常町廻り同心であった立花平七郎は、ある事件の探索での失態が理由で常橋掛同心にされてしまう。いわば左遷である。そして橋廻りの中で様々事件に関わり、分限をこえてその解決にあたる。読売(瓦版)屋の女主人・おこうと平七郎の人情味あふれる活躍を描く。第1作では最後のところで、北町奉行から呼び出され、内々に「歩く目安箱」になるよう求められる。「『励めよ平七郎……弱い者たちのために励んでくれ』榊原奉行は、自分に言い聞かせるのように呟いた。平七郎は、深々と頭を下げた」この文章に、この小説の今後が集約されている感じだ。



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