吉川英治の『三国志』第3巻(講談社版「吉川英治全集」第28巻)を読み終えた。第3巻では、劉備が蜀へ侵入し蜀の成都を落とし、主になるところから始まり、劉備亡き後残孤を守って丞相となった諸葛孔明が漢朝の復興をかけ制北の戦いにのぞみ、ついに五丈原の陣中に没するまでを描く。もともと『三国志演義」には、その後の蜀の滅亡まで書かれているらしいが、吉川英治は孔明の死去までを『三国志』の本体と考えたらしい。
蜀は43年で滅び、曹操が起こした魏も46年で滅んで司馬氏の晋にとってかわられる。呉はそれから遅れて晋の支配下にはいるのだが、中国の歴史が支配者を次々変えていく歴史であること。そして、権力と言いうものは誕生した当初は清新の気をはらむが、安定すれば必ず内部から腐敗し瓦解していくことなどを明らかにしていると思う。今の中国がどうなのかな?などという感じをもってしまうのは、私だけなのだろうか。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます