山クジラの田舎暮らし

岩手県北の田舎に生息する「山クジラ」です。定年後の田舎暮らしや趣味の山行きのことなど、発信していきます。

『妻敵にあらず』足引き寺閻魔帳=澤田ふじ子著

2013-01-06 07:39:16 | 読書

 澤田ふじ子の「足引き寺閻魔帳」シリーズの『妻敵にあらず』を読んだ。4人と1匹が地蔵寺を根城にして足引きを行う話で、必殺仕事人の京都版のようなものだ。この1冊には『世間の風』『老いへの加勢』『思案の仇討』『忘八の子』『四十九日の客』そして『妻敵にあらず』の6つの物語が載せられている。『妻敵にあらず』では、居酒屋「みの重」で与惣次があった初老の男が、「みの重」に位牌と遺骨、そして永大供養料として10両を残していったことから話が始まる。遺骨と位牌は膳所藩の京留守居役の嫡男・酒造之助の妻で、商人の娘だったが見初められ嫁いだときに4千両という持参金を持って行った。実家がおちぶれると夫から虐待されていたのを見かね、使用人の吉助が伴って出奔。妻敵として追われる身になる。結局、吉助は酒造乃助に討たれてしまうが、宗徳らは彼を襲い。『妻敵にあらず』と書き残す。庶民の苦しみを代弁し足引きをするという話で、こんなことが出来たら痛快だろうと思ってしまう。



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