瀬戸内寂聴の『釈迦』を読んだ。この本は、2002年11月に新潮社から出版されている。読んだのは、新潮文庫版で2005年11月が第1刷、2012年の第5刷のものだ。解説の横尾忠則氏は、「対象は常に解明されたがっているのだ。その対象が瀬戸内さんの場合ブッダだったわけだ」と書いた。瀬戸内さんが、高齢になった今も原発ゼロを求める運動に参加し、日本共産党の「しんぶん赤旗」日曜版にも登場し、平和を求める発信をしているわけだが、この『釈迦』でかかれたブッダの姿も人間を尊重し平和を求める姿を良く書いていると思う。私は、大学時代に唯物論にめざめ科学的社会主義の道を歩むもので、基本的に信仰というものをもたないが、永く世界に広まってきた宗教の成り立ちの時期、その創始者たちの思いの中に、社会にはびこる貧困や、差別などの問題を心の問題として解決しようとした意思を感じ取れるものである。しかし、最終的に貧困や差別をなくす問題は人間社会の進歩・発展の中でしか解決できないことになるわけだ。創始者たちの思いとは別に、我が国における仏教が権力者のものになり、また現代においては葬式係になってしまっており、中には金儲け一筋という姿も見られるだけに、この本の示している意味は大きいと思った。
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