ヒット大地は、すぐ前の前世において、
教師だった。
また学問の研究家でもあった。
学問の専門は、人間行動学を中心に、哲学・宗教を初め、
全学問に亘った。
その教育機関は、東大よりも、
30倍くらい、進んでいる機関だった。
(ヒット大地は、東大出身なので、
東大がいかに遅れているか、よくわかっている)
ヒット大地の前世は、むろん地球ではない。
地球よりもはるかに進んでいた惑星だった。
「進んでいた」の意味は二つある。
- 科学文明が進んでいる
- 精神レベルが進んでいる
・・・この二つだ。
科学文明が進んでいるので、当然、
惑星人は皆、UFOで、宇宙旅行を行っていた。
(注:日常生活も小型UFOで移動していた)
また精神レベルが進んでいるので、
何百万年間も、戦争など行っていなかった。
(注:比喩ではなく、本当に「何百万年」だ)
戦争は、精神レベルの低い惑星でのみ行われるものだ。
(注:戦争では勝者はいない。
その理由は・・・3つある。
① 勝った国も、多くの死者を出す。
② 勝った国も、環境が破壊される。
③ 戦争で儲けた者は、地獄に落ち、来世では、死ぬほど苦労する。
・・・・以上の理由により、戦争において勝者は誰もいないのだ!)
ヒット大地、UFOで、宇宙旅行を行うと、
未開の惑星がたくさんあることに、気づかされた。
その未開の惑星のひとつが、精神レベル偏差値38の地球だった。
そんな事実を学生と話し合いながら、
ヒット大地は、いつも学生たちに教えていた。
「君たち!人間、口では何とでも言える。行動することが一番大切なんだ!」
ヒット大地はある日、重大な決意をした。
「今度生まれ変わるときは、悪名高き地球に行こう!」
・・・そして、
「少しでも、地球人の精神レベルを高め、少なくとも戦争をしない世界にしたい!」
このように思う宇宙人は、ヒット大地ばかりではない。
地球には、今もたくさんいる。
現在の地球人には、実に多くの、他の惑星からの生まれ変わりがいるのだ。
だから地球には、すばらしい人間もたくさんいるのだ。
ところが、地球を良くするつもりで来たのに、地球の悪に染まってしまった者も多い。
ミイラ取りがミイラになったのだ。
また地球の悪に負け、命を失ったり、犯罪を犯した者も多い。
実力の足りなかった者たちだ。
あるいは殉教者たちだ。
また地球の悪い食べ物を食いすぎ、太りすぎ、
朝から晩まで、プップカプップカ屁ばかりして、糖尿病になる者も多い。
理由は簡単だ。
宇宙から来る人は大抵ハンサムで頭もいい。
金や色が簡単に手に入り、それらに溺れる。
プライドも高いので、他人に負けることができず、出世を目指す。
出世に負けると、恥ずかしいので、自暴自棄な冷酷人間になる。
また正義感が強く優しい人も多い。
だから不正を許すことができない。
地球の悪習を受け入れることができない。
その結果、ニヒリズムに陥る。
ニヒリストになると、食べ物をヤケ食いして、病気になる。
また酒・タバコにも手を出し、癌になる・・・そういうパターンだ。
ある日、ヒット大地は、学生たちに対し、
そのことを告げた。
「先生は、偏差値38の地球に行くぞ!」
学生たちや知人らは、不安な顔をした。
ヒット大地の身の上を案じてのことだ。
悪名高き地球に行く・・・ということは、
わかりやすく言えば、
「暴力団事務所に借金の取立てに行く」
ようなもんだからだ。
実際、身の危険は十分にある。
だがヒット大地の決意が固いのを知ると、
学生たちは、「先生、頑張って!」
と強い、励ましの言葉を送ってくれた。
この励まし声は、今でも、
ヒット大地の耳に聞こえている。
(注:宇宙人の寿命は、地球人の何倍もある。
つまり学生たちは、今も生きているのだ。
昔の地球人も、非常に寿命が長かった。
それは聖書を読めばわかる。
旧約聖書には、900歳以上の人がたくさん出てくる!)
「先生、頑張って!」
「先生、頑張って!」
「先生、頑張って!」
(以下、つづく)