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水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

「詩を考える―言葉が生まれる現場」(東大2020年)の授業(3)

2020年07月24日 | 国語のお勉強(評論)
〈 記述答案(説明)を書く手順 〉

1 意味段落の確認 → ざっくり何について書くべきか
   その意味段落は筆者の主張Aの説明パートか
   対比Bの説明パートか
   A・Bの具体例がメインのパートか
   A・Bの「(+)」を述べているパートか、「(-)」を述べているパートか
  その意味段落を内容を読めているかどうかを調べるために、そこに傍線部が存在する

2 前後の確認 → 指示語、接続語

3 傍線部を分析 → 記述説明すべき要素・項目をチェックする

4 書くべき内容を箇条書きにする → 書き出してみて字数を数える

5 日本語としてまとめる
   論理的・文法的に大丈夫な日本語か
   他人が読んで、意味が通じるか
   ひとりよがりになってないか(予備校さんの解答にたまにある)
  結果として、次の基本構造になる
   SがVする、ということ
   SはCだ、ということ
    SとVCに間に、必要なものは1・2できまる
     理由 ~のためにで  限定条件 ~のときに  対比関係 ~ではなく


⑧ 真の媒介者となるためには、その言語を話す民族の経験の総体を自己のうちにとりこみ、なおかつその自己の一端がある超越者(それは神に限らないと思う。もしかすると人類の未来そのものかもしれない)に向かって予見的に開かれていることが必要で、私はそういう存在からはほど遠いが作品をつくっているときの自分の発語の根が、こういう文章ではとらえきれないアモルフな自己の根源性(オリジナリティ)に根ざしているということは言えて、〈 イそこで私が最も深く他者と結ばれている 〉と私は信じざるを得ないのだ。

(二)「そこで私が最も深く他者と結ばれている」(傍線部イ)とはどういうことか、説明せよ。

真の媒介者
 その言語を話す民族の経験の総体 → 自己のうち
 自己の一端 → 超越者に開かれている

作品をつくる
 自分の発語の根
   ↓
 アモルフな自己の根源性(オリジナリティ)
   ↓
 そこで私が最も深く他者と結ばれている


手順1 文章(B)ではなく、作品(A)をつくるとはどういうことか

手順2 「~ということは言えて」……順接

手順3 「そこ」「最も深く」「他者」

 a そこで → どこで? → 媒介者として作品をつくる場
 b 私が最も深く → 浅いのは何? →(作品は深い)文章は浅い・表面的
 c 他者と結ばれている → 誰?  → 同じ言語を話す民族
                     超越者 未来の人たち


Q9「そこで私が最も深く他者と結ばれている」とは、どういうことか。
A9 同じ言語を話す民族の経験に根ざし、
   媒介者として作品をつくるとき、
   過去から未来にわたる他者たちとの根源的なつながりを感じる
   ということ。
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