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水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

恋はデジャ・ブ(2)

2020年05月15日 | 学年だよりなど
  3学年だより「恋はデジャ・ブ(2)」


「ちょっと待ってくれっ!」「笑顔でお願いね!」
 フィルはわけがわからないまま、しぶしぶ2回目のレポートを始める。
「今朝は、パンクスタウニーからお送りします … 」
 中継が終わる、リタのダメだし、大雪で通行止め、ホテルでもう一泊……。
 6:00になる目覚まし時計。
 ラジオから流れる声。「今日も寒いね」「午後から吹雪だって」「でも、みんなの顔は明るいよ」「なんてったって今日は、グラウンドホッグデーだ!」 … 。
 まさか、またも2月2日 … ?
 身支度をして食堂へ向かう、「モーニング、サー」「うるさい!」
「金を恵んでくれ … 」「うるさい!」。やっぱり水溜まりにはまる。shit!
「ハーイ、フィル!」「リタ、折り入って話がある」
「いいわよ、本番が終わってからにして … 」
「それどころじゃないんだ! 同じ日が、もう3回も繰り返されているんだ」
「わかったわ、医者に行って」
 脳の写真には異常が見つからない。しかたなく精神科に出向くと、「明日からしばらく通院を」と言われる。その明日がこないんだよっ!
 朝が来る。2月2日。
 祭りのレポートをする。中継後、カフェに行ってドーナツをあるだけ注文する。
「ねえ、フィル。食べ過ぎよ、からだに悪い … 」「うるさい、ほっといてくれ!」
 朝が来る。2月2日。
 祭りのレポートをする。中継後、途中で見かけた女性に声をかけ、いろんな情報を聞き出す。
 翌日、再び同じ女性に近づいて、○○高校で隣のクラスだったんだよ、その時から気になってたんだ、君は○○が好きだよね、あとで飲みに行こう … 。ナンパは簡単に成功する。
 中継後、途中で見かけた厳禁輸送車の動きを覚え、翌日なんなく強盗に成功する。
 そのお金で服を買い、車を買い、女をはべらせ、豪遊しても、翌朝はふつうに目が覚める。
 飲酒運転でパトカーに激突し、つかまって留置場に入れられても……。
 朝が来る。また2月2日……。
 同じ毎日が強制的に繰り返される状況になったら、みなさんはどうするだろう。
 行きずりのお姉ちゃんとの情事も、暴飲暴食も、犯罪さえもリセットされる。
 ある意味「ラッキー」だろうか。宿題を忘れても、部活をさぼっても、死ぬほど食べても、お金を使いまくっても、翌日にはすべてリセットされるとしたら。
 いわゆる「ループもの」の一つであるこの作品は、アメリカ映画史に残る名作とされている。
「いくら頑張ってもふりだしに戻ってしまう状態」を「グラウンドホッグ・デー」だねと言えば、アメリカでは通じるそうだ。
 さて、フィルは、このループから抜け出せるのだろうか。
コメント
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