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水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

吹奏楽部員へ

2020年05月10日 | 日々のあれこれ
 報道で知っている人も多いかと思うが、今年度の全日本吹奏楽コンクールが中止となった。
 地区大会もそれに準ずる可能性は高いだろう。
 このあと、コロナはある程度は収束に向かうだろうが、その後、部活動自体がどれくらいできるのか、今のところ検討もつかない。
 個人的な感触でいえば、いま日本の高校生たちは、吹奏楽にかぎらずすべての部活動で以前と同じ活動をしても、ほぼほぼ大丈夫だろうとは思う。
 しかし活動のあり方そのものが「密」の上に成り立っているのが吹奏楽でもあるので、運動部以上に慎重にならざるを得ないのはたしかだ。
 だから、学校再開後、部活再開後も、さまざまな活動指針にしたがって、不安を感じないですむようにすすめていきたい。
 ただし、それは決して活動の質を落とすということではない。
 活動の中身や形を変化させることが、注ぐべき情熱を減らすことは意味しない。
 音楽に対する、楽器演奏に対する、音楽芸術に対する真摯な姿勢を忘れてはいけない。
 むしろその思いをより強めていくことで、前よりもいいものをみなさんと作り上げていきたい。
 逆に言うと、思いを強めなければそれは不可能だとも言えるだろう。
 与えられた条件のなかで、より美しい音楽を、よりひたむきな部活動を行っていくにはどうすればいいか。
 これから、みんなで頭をしぼって考えていこう。
 3年は、このまま微妙な感じでフェイドアウトしようかなという感覚にならないように。
 2年は先のことを見据えすぎず、今やるべきことを考えてチャレンジしよう。
 まだ見ぬ1年よ、はやく入部してこい。
 いま準備万端な状態とは言えないが、だからこそ一緒に作っていこうではないか。

 私も、長く教員を続け、吹奏楽顧問を続けてきたが、まさに未曾有の出来事だ。
 練習もできない、定期演奏会も、コンクールもないなんて。
 不運、不幸と感じてしまう気持ちがないとは言い切れない。
 しかし、誰が悪いわけでもないのだ。
 いつもとちがった状況におかれているのは、決して試練ではない。
 いつもとちがった形で、精一杯のことをやるだけだ。
 聞いていただく人に喜んでもらえる演奏をする。
 そのための精進を通して人として成長する。
 この吹奏楽部の根本的な目標を見失わなければ、やるべきことは見えてくる。
 一時この目標を見失っていたこともあって、妙に部内がまとまらない状況になっていたことは記憶に新しいではないか。
 いったん仕切り直して、心を一つにして頑張っていこう。
 
 さしあたり、今、家でやれることを、よりレベルをあげてやっていこう。
 まずは、やることがなくなるくらいに勉強してしまうこと。
 そして、今できる音楽活動。
 楽器そのものに触れられなくても、音楽的能力をあげる手段はいくらでもある。
 むしろ、みんなの多くに足りないのは、楽器以外のことかもしれないし。
 なんらかの形で楽器の練習ができる人はもちろん、工夫してやっていこう。
 そして動画づくりにも楽器でも踊りでもいいので、がっつり取り組もう。
 引退したり退部したりした気分の3年もいるかもしれないが、気を取り直してやってみようではないか。
 この先、いろいろと企画していたイベントも、毎年やっている合同演奏会なども、予定したとおりにはならないだろう。
 むしろ「今まで通り」から開放されて、自分たちで好きなことをやれるチャンスととらえて、楽しんでいきたい。
 新しいイベントづくりは、川東が中心にならなくてどうする。
 かけがえのない1年しようではないか。
 みなさんと練習を再開できる日を楽しみにまっています。
コメント
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