水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

OJT

2013年12月23日 | 教育に関すること

 セブンで肉まんを買おうとしたら「餃子まん」というのが目に入り、そんなのがあるのか、とりあえず食べてみよう、好奇心の趣くままに行動するのがボケ防止にもいいと言うし、頼んでみた。いつも見かけない若い子がレジで、たどたどしい。餃子まんのうちかたで戸惑ってるのだろうか。研修生な感じだ。オンザジョブトレーニングだね。
 お金を払い、念のため正しく打ってあることをレシートを見て確認し、車に戻って袋を開けると、オーマイガー、ピザまんが入っているではないか。
 どうしても餃子まんが食べたいわけではなかった。ピザまんはむしろ好きだ。でも、このままにするのは彼女のためにもよくないのではないかと思い、店にもどり「あの、ごめんね、餃子まん食べたかったので」と言ってピザまんを見せると、すぐに「すいませんっ」と言うので、種類がわからなかったわけではないようだ。
 いっぱいいっぱいだったのかな。でも、レジにかかった時間を考えると、いくらOJTでもちょっと一人では無理じゃないか、レジに立ってもいいけど、すぐにバックアップにつく人がいないと、おれみたく優しい客ばかりではないよと、心配になる。
 ちょっとかわいいその子に腹は立たないけど、フォロー薄そうな店のシステムにはどうかなと思い、その時にふと、今の学校も同じかなと思えてきた。
 なんか、天声人語みたいな展開の文になってしまうけれど。
 教員の世界はまさにOJTで、大学を出たての新任の先生が、実質の経験ゼロの状態で、担任をもったりする。
 周りがきちっとフォローする体制のある学校はいいけれど、そうでないところも多いし、我流で身につけた技術のみで生きている先輩先生も多い。新任の研修を担当する前に自分の研修が必要なんじゃないかなと思われる方もいないとは言えない。
 でも、これはしょうがない。当の本人に、自分は未熟だという意識があって、ちゃんと勉強しようという気さえあれば何とかなる。
 問題はやはり、「お客さん」の質だろう。
 コンビニでものを買うように、教育の対価を求めている「お客さん」に変化しつつあること。
 昔は、お客さんは皆、おれのように優しかった。
 たどたどしいレジを文句言わず待っていた(むしろ、おれの後ろにならんだオヤジが、はやくしろ的雰囲気を出してて、それはそれでいいけど、距離感近すぎるっつーの。なんで見知らぬオヤジとこんなに接近しないといけないの)。
 昔は「先生の言うことはちゃんと聞くものだ」と、共同体が学校を支えていた … なんて話も、遠い過去のものになってしまったなあ。
 でも学校って、500円払えばすぐに500円分の商品がもらえるという場ではないと自分は思う。
 レジがおそいと不満げになる「お客さん」が増え、しかも教員側には驚くことに、コンビニのようなマニュアルさえ与えられていない。新任の先生で、学級崩壊しない方が不思議な状況になっているはずだ。
 そういうことを思うと、部活もきちんとやらせてくださる本校の親御さんには感謝しないといけないとあらためて思う(いえ、とってつけたような言葉ではありません。進学のみの学校さんにけっこう営業的に押されている状況なので)。

コメント
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