水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

12月20日

2013年12月20日 | 学年だよりなど

  学年だより「準備力」

 物事がうまくいかないとき、「おれには才能が不足している」という言い訳を人はしがちだ。
 天賦のものがかけているのだから、努力しても限界はある、だからこの程度の結果で満足するしかない、と。
 しかし実際には、物事がうまくいかなかった原因は、才能の不足ではなく、単に準備不足だったという場合が多い。しかも、ほとんどの人は、そのことを心のどこかで自覚している。
 自分のもてる能力をいかし、誰にも負けないほどの努力をした結果がそれだったと、心から納得している例はそれほどないのが現実ではないだろうか。
 「ありとあらゆる手段を講じる」という表現がある。しかし、現実に「ありとあらゆる手段を講じ」きった人はいないという。なぜなら、すべてをやりつくす前に、人は成功してしまうから。


 ~ 大学入試でも準備不足でだいたいの人が落ちています。頭の善し悪しではなく、準備の多寡です。大学に偏差値があるとすれば、それは準備力です。準備力で偏差値が決まっています。
 いい加減な大学の学生は、いい加減な準備しかしません。東大生は頭がいいから準備せずにその場でなんとかする人間が多いかという逆です。東大生は驚くほど準備がしっかりしています。
 東大生の独創性にはまったくの保証がありませんが、準備することに関しては万全なのです。
 くすぶりを突破できない原因は、才能や資質ではなく、準備不足ではないかというところに疑いをもっていってみるのです。 (齋藤孝『くすぶる力』幻冬舎) ~


 自分の能力ではこんなものだろうと、簡単に結果を受け入れてはいけない。
 本当にそれが自分のすべてだったのか、本当にそれで満足しているのかと自問してみたとき、少しでも後悔する部分があるなら、そこがスタートだ。


 ~ 人生はスタンプラリーだと思っている。人は誰しも「記憶」という台紙を持ち、そこに「思い出」というスタンプを押しながら、それぞれの「寿命」という有効期限内を生きているのだ。どうせ押すというならば、できるだけ色鮮やかなスタンプを押したいと思うのが人間である。だからこそ、我々には「向上心」という名の「欲望」が装備されているのではないだろうか? 無論、その出来映えには個人差がある。懸命に努力してもスタンプがズレたり、予想外のアクシデントで上下が逆になったり、一瞬の判断ミスで色が滲んだりすることも、人生においては多々あるだろう。しかし、決して忘れてはいけないのは、それでも「押している」ということだ。そこに「優劣」は断じてない。そこにあるのは、その出来栄えに本人が満足しているかどうか、ただその一点だけなのだ。 (博多大吉『年齢学序説』幻冬舎) ~


 この冬休みをいかに充実させられるか、今後の人生のために大きいと思う。よいお年を!!

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