(↑無料素材からお借りしました)
今年は丑年、ということで
琉球・沖縄と牛のお話でも。
(既にどこかで話されてる気もしないでもないけど…下書きしてたんでアップします)
沖縄料理といえば豚肉!
俗に「鳴き声以外は全部食べる」と言われるくらい
内臓はもちろん耳から血まで
全部食べることは全国的にもよく知られています。
しかし、現在の沖縄では
実は豚肉の消費量は全国平均以下。
参/総務省統計局品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキング
(2017年(平成29年)~2019年(令和元年)平均)
意外ですね~!
最近では沖縄はチキン文化!と、
もてはやされりしてますが、
なんと鶏肉にいたっては下から2番目。
となると…、
そうです、
現在の沖縄では食肉は牛肉の消費量が1番多いのです。
なるほど確かに
戦後のアメリカ文化!
お酒の〆はステーキ!
沖縄に観光に来たらステーキ!
なんてことも言われたりしますものね。
とはいえ、
それでも平均をちょっと上回るくらいなので
観光客によるステーキ消費量を差し引くと
沖縄県は全国的に見ると
そんなに肉食県ではないのかもしれません。
+
沖縄の豚肉料理は琉球王国時代、
近世になって冊封使をもてなすための料理に
豚肉を多用したことから
各村で豚を飼い増やすことが命じられ、
そこから豚肉が一般的になっていったと言われています。
では、それまで琉球の人は
何の肉を食べていたかというと…、
実は「牛肉」らしいのです。
グスク時代の遺跡からは牛骨も出土しており
朝鮮王朝実録には牛のについての記述もあることから
古くから食べられていたことが伺えます。
アメリカ文化に関係なく
古くから琉球人は牛肉を食べていたのですね~。
ただ、与那国島では食べていなかった模様。
漂流した朝鮮人の記録によると
与那国島では牛・鶏の肉を食べず、死んだらすぐに土に埋めていたので
「もったいない!埋めないで食べろよ!」とツッコんだところ
島人に爆笑(=唾して之を哂う)されたとのこと。
しかし、牛は農耕に必要な動力源。
近世になると
牛を食べてはいかん!
との「牛馬の禁止」令が出されます。
1697年には、
「牛は農耕の助けになるものゆえ
これをして祝儀に用いることは今後禁止する」
(『法式』)
との通達があったようで、
担当役人をおいて監視がはかられたようですが、
牛をして祝儀に用いたり、
売買する者は後を絶たなかった
とのこと。
それほど牛肉が当時の琉球の人たちにとって
なくてはならないものだったことが伺えます。
古琉球、どんな牛肉料理があったのか気になる~。
シンプルに塩漬けや干し肉?
焼き肉や牛汁?
なお、年老いて農耕に役に立たなくなった牛は
手続きをしたうえでが許可されたようです。
参
『おきなわが食べてきたもの』(上里隆史著/ボーダーインク)
『朝鮮王朝実録 琉球史料集成』
『沖縄大百科事典』