嵯峨清涼寺からまっすぐ西へのびる道は愛宕山へ向かう愛宕道で、両側の一帯が中院と呼ばれ、12世紀の末頃、藤原定家が山荘を営み、しばしば訪れた地です。
辺りには京郊外風の民家が今も残っていて、しっとりとしたたたずまいです。(賑やかな観光客が通らなければ)
道の途中に慈眼堂(じがんどう)という小さなお堂があります。
慈眼堂の本尊、木像千手観音は中院観音と呼ばれ、藤原定家の念持仏であったものが土地の人に受け継がれたもので、鎌倉時代初期の藤原風仏像の特徴を備えた保存状態のいい像で、京都市指定有形文化財になっています。
お堂の外からはお姿を見ることはできませんでした。
慈眼堂では、毎年正月14日の夜から15日の日出まで「日待ち」の行事を行い、また定家とその子の為家の法要も営んでいます。