淳一の「キース・リチャーズになりたいっ!!」

俺好き、映画好き、音楽好き、ゲーム好き。止まったら死ぬ回遊魚・淳一が、酸欠の日々を語りつくす。

RIP-SLYME「熱帯夜」VS「チャンスの前髪」竹内まりや!

2007年08月09日 | Weblog
 RIP-SLYMEのシングル曲「熱帯夜」がいい。特に彼らのPVが素晴らしい。
 今年の夏期発売されたシングル曲としては、断トツの出来映えに仕上がっているのではないか。

 真っ暗なスタジオ?にRIP-SLYMEの面々が夏っぽい粋なスーツに身を固め、そこだけ安っぽいライトに照らされながら現れる。
 どこか乱暴で安直に作られた闇の中に彼らが浮かび上がり、少しルーズなリズムに乗って全員テンポよく歌い出す。

 そのメンバーたちに絡まるようにして、数人の女性ダンサーが踊り始めるのだが、これがまた非常に艶めかしい。
 そして特筆すべきは、真っ暗な闇で歌うRIP-SLYMEと、超セクシーな水着でクネクネと踊る女性たちを舐めるように照らし続ける、そのライトの微妙な明るさ加減だ。
 これが、ほんとHっぽい。っていうか、息苦しさを伴って迫って来る、言いようのない圧迫感。

 「熱帯夜」自体の曲も歌詞も、かなりイってる。
 リズムの刻み方がセクシーでダルい。それに乗せる歌詞も放送コードぎりぎりで色っぽい。
 この曲、全然クールになれない。かえって逆に、体の奥が疼いてくるよう。暑苦しくて喉が渇いてくる。ますます汗が出てくる。そんな感じ。まさしく熱帯夜!

 かなりカメラは計算し尽くした上でPV撮影に臨んだのではないか。
 RIP-SLYMEがハンディ・カメラを追うようにして歌うその導線にセクシーな女性たちが纏わり付くという一連の流れが、とにかく抜群に決まっているからだ。
 これが一発撮りとか、ほんの偶然から生まれた結果なのだとしたら、それはまたそれで凄いけれど、最初から最後まで、ひとつの美しい様式美まで高まっている。

 もしも「熱帯夜」だけ聴いたのなら、ここまで感激しなかったかもしれない。
 PVを監督した人は全く知らないが、下手なポルノ映画の何倍も妖艶でソソられる。それに加えて、踊りがまた何とも風変わりでコミカルだ。
 しかしまたこれが、熱くてネッとりとしたメロディとリズムと合うから不思議。

 恐るべし! RIP-SLYME!

 そして今年の夏の一押しもう一曲。
 当然、竹内まりやの「チャンスの前髪」でしょう!
 言わずと知れた、TBSドラマ「肩ごしの恋人」の主題歌である。この曲、初めて聴いた瞬間からビビビと来た。ドラマ自体はイマイチですが・・・。

 竹内まりや、こういうアップテンポでしかもメロディアス、それから前向きで明るい曲調、つまり彼女が80年代、90年代に量産したポップな曲を書いたなら、誰も敵わない。
 完璧である。

 しかし、こんな素晴らしい楽曲を作るなら、先般発売した彼女のアルバム「Denim」の中に加えてくれたってよかったのに。出し惜しみしないで。
 勿論、今回の「チャンスの前髪」が無くても、「Denim」は傑作アルバムであることは間違いありませんが。

 「チャンスの前髪」のカップリング曲が、アルバム「Denim」のラストを飾った「人生の扉」だ。
 この曲は、彼女のこれまでの楽曲の流れと少し一線を課していて、ちょっと話題になった曲である。ただ個人的に言うと、竹内まりやには、こういう人生を語る的な歌は歌ってほしくない。彼女は、あくまでも永遠のポップン・ガールを演じていただきたいのである。
 「人生の扉」そのものは決して否定しない。とても素晴らしい曲であるとは思うけど。

 竹内まりやのシングル「チャンスの前髪」は、8月8日発売された。
 ドキドキして、ランキング「オリコン」チャートを見てみると、なんと初登場19位。うーん。これはあんまりだよなあ。
 かなり、有名アーティストたちの新曲が立て続けに発表されたとはいえ、もう少し上位に食い込むのかと思っていたのに・・・。

 それはそれとして、とにかく「チャンスの前髪」、朝晩、何十回も繰り返し聴いている。
 それほどこの新曲はイケてる。
 デュエットしているサザン・オールスターズの原由子との掛け合いもいい。アレンジとプロデュースは当然、山下達郎。彼はバックコーラスも担当していて、彼女を強力にサポート。歌詞も、「肩ごしの恋人」を下敷きにした中々素敵で前向きなもの。
 ただ難を言うと、CDジャケット。もう少し一工夫あってもいいのでは。

 これもまた恐るべし! 竹内まりや!



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