いやはや、なんとも・・・。
こんな過激な映画を観たのも久しぶりの事である。衝撃的だ。
全米公開され、いきなり初登場第1位!
全くのダーク・ホース的存在だったのに、口コミとセンセーショナルな騒動を引き起こしたことで話題が話題を呼び、それが今度は日本本土を襲うことに。
一言で言えば、映画「ボラット/栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習」は、サシャ・バロン・コーエンという人が主演した社会風刺コメディである。
英米両国で放映されたTV番組「Da Ali G Show」の人気キャラクター、ボラット(カザフスタンのTVリポーター)が、米大陸横断を敢行し、先々で衝突や摩擦を繰り返すという内容の映画で。監督が「ボブ・ディランの頭のなか」を撮ったラリー・チャールズ。
しかしこの映画、半端じゃない。
ドキュメンタリー形式で映画は進んでゆくのだが、余りに内容がラディカルで濃すぎていて、心底辟易してしまう。
ストーリー自体は、カザフスタンの情報局からの特命を受けたジャーナリスト(TVリポーター)のボラットが、友人でもある製作者スタッフと2人でアメリカへ渡り、巨大国家アメリカ合衆国の文化や風習などをカメラに収め、そのリポートを自国に報告するといういたってシンプルな内容。
しかし、これがまた凄いというか、ふざけているというか、小馬鹿にしているというか、皮肉っているというか・・・。
冒頭、自分の住む村を紹介してゆくシーンがあるのだが、自分の妹とディープ・キスを交わし「彼女は現在売春婦で生計を立てていて、一番の売れっ子売春婦なのです」と真面目に自慢したり、友人を、村で何人もの女性を暴行した凶悪レイプ魔ですと暴露したり、とにかくボラットは言いたい放題!
アメリカのニューヨークに上陸(何かNYに出没して街を破壊するゴジラのようですが)するやいなや、地下鉄では見知らぬ乗客たちに自己紹介を行い、挨拶の抱擁とキスを強要して怒鳴りつけられるわ、ホテルのトイレの水で顔を洗うわ、マンハッタンの街を歩いている女性に「あなたは幾らデスカ?」と口説きまわるわ・・・。
尋常の精神状態ではない。
そして彼は、テレビで見た女優のパメラ・アンダーソンに一目惚れし、今度は突然、彼女が住むLAを目指して大陸横断の旅へと出発する。彼女と勝手に結婚することを断言するのである!
日本でいうところの「電波少年」の18歳未満お断りバージョンとでも表現したら分かりやすいだろうか?
確かに、思わず苦笑したり、声を出して笑ってしまうような場面も続出。
ただし、この過激な内容に対して、顔をしかめ、途中で映画館を出てしまう人がいるかもしれない。それから、腹立たしさを感じて不快感に震える人も。
ユダヤ人蔑視だし、アメリカのフェミニスト団体の幹部たち(勿論、論客で知られる女性の面々)との対談でも、「女性って脳が男性よりも小さいンデスよね?」と問い掛け、怒った女性が席を立ってしまうシーンもあったりして、映画を観ている観客でも同じ行為に及ぶ女性が現れないとは限らない。
それほど、この映画は、差別語や放送禁止用語が次々と飛び交うのだ。
種明かしすれば(この映画なら、映画的手法を知ったほうがより面白く観賞出来るのではという意図ですので、ネタバレ一切拒否という人はこの先は見ないでね)、「ボラット/栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習」は、ドキュメンタリー映画ではない。
モキュメンタリー映画という範疇になるだろう。
つまり、ドキュメンタリーっぽい手法を駆使して撮った映画であり、架空の人物や架空の組織を組み立てた上で、実際にアポなし取材を敢行したり、ヤラセぎりぎりの演出効果を狙ったりする映画手法のことである。
実際、主役のカザフスタン人リポーターは、サシャ・バロン・コーエンというイギリスのコメディアンであり、カザフスタン情報局なるものも何ら存在しない。
でも、アメリカの国内を取材してゆく過程は、隠し撮り等も含め本当に撮り続けたものもあっただろうし、リアルな映像は映像として観る側にもヘビーに迫ってくる。
この映画、観たほうがいい。これって実は、アメリカに対する真剣な抗議メッセージなのかもしれない。少し毒薬過ぎますが。
それと、単純に大笑いしちゃうし・・・。
こんな過激な映画を観たのも久しぶりの事である。衝撃的だ。
全米公開され、いきなり初登場第1位!
全くのダーク・ホース的存在だったのに、口コミとセンセーショナルな騒動を引き起こしたことで話題が話題を呼び、それが今度は日本本土を襲うことに。
一言で言えば、映画「ボラット/栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習」は、サシャ・バロン・コーエンという人が主演した社会風刺コメディである。
英米両国で放映されたTV番組「Da Ali G Show」の人気キャラクター、ボラット(カザフスタンのTVリポーター)が、米大陸横断を敢行し、先々で衝突や摩擦を繰り返すという内容の映画で。監督が「ボブ・ディランの頭のなか」を撮ったラリー・チャールズ。
しかしこの映画、半端じゃない。
ドキュメンタリー形式で映画は進んでゆくのだが、余りに内容がラディカルで濃すぎていて、心底辟易してしまう。
ストーリー自体は、カザフスタンの情報局からの特命を受けたジャーナリスト(TVリポーター)のボラットが、友人でもある製作者スタッフと2人でアメリカへ渡り、巨大国家アメリカ合衆国の文化や風習などをカメラに収め、そのリポートを自国に報告するといういたってシンプルな内容。
しかし、これがまた凄いというか、ふざけているというか、小馬鹿にしているというか、皮肉っているというか・・・。
冒頭、自分の住む村を紹介してゆくシーンがあるのだが、自分の妹とディープ・キスを交わし「彼女は現在売春婦で生計を立てていて、一番の売れっ子売春婦なのです」と真面目に自慢したり、友人を、村で何人もの女性を暴行した凶悪レイプ魔ですと暴露したり、とにかくボラットは言いたい放題!
アメリカのニューヨークに上陸(何かNYに出没して街を破壊するゴジラのようですが)するやいなや、地下鉄では見知らぬ乗客たちに自己紹介を行い、挨拶の抱擁とキスを強要して怒鳴りつけられるわ、ホテルのトイレの水で顔を洗うわ、マンハッタンの街を歩いている女性に「あなたは幾らデスカ?」と口説きまわるわ・・・。
尋常の精神状態ではない。
そして彼は、テレビで見た女優のパメラ・アンダーソンに一目惚れし、今度は突然、彼女が住むLAを目指して大陸横断の旅へと出発する。彼女と勝手に結婚することを断言するのである!
日本でいうところの「電波少年」の18歳未満お断りバージョンとでも表現したら分かりやすいだろうか?
確かに、思わず苦笑したり、声を出して笑ってしまうような場面も続出。
ただし、この過激な内容に対して、顔をしかめ、途中で映画館を出てしまう人がいるかもしれない。それから、腹立たしさを感じて不快感に震える人も。
ユダヤ人蔑視だし、アメリカのフェミニスト団体の幹部たち(勿論、論客で知られる女性の面々)との対談でも、「女性って脳が男性よりも小さいンデスよね?」と問い掛け、怒った女性が席を立ってしまうシーンもあったりして、映画を観ている観客でも同じ行為に及ぶ女性が現れないとは限らない。
それほど、この映画は、差別語や放送禁止用語が次々と飛び交うのだ。
種明かしすれば(この映画なら、映画的手法を知ったほうがより面白く観賞出来るのではという意図ですので、ネタバレ一切拒否という人はこの先は見ないでね)、「ボラット/栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習」は、ドキュメンタリー映画ではない。
モキュメンタリー映画という範疇になるだろう。
つまり、ドキュメンタリーっぽい手法を駆使して撮った映画であり、架空の人物や架空の組織を組み立てた上で、実際にアポなし取材を敢行したり、ヤラセぎりぎりの演出効果を狙ったりする映画手法のことである。
実際、主役のカザフスタン人リポーターは、サシャ・バロン・コーエンというイギリスのコメディアンであり、カザフスタン情報局なるものも何ら存在しない。
でも、アメリカの国内を取材してゆく過程は、隠し撮り等も含め本当に撮り続けたものもあっただろうし、リアルな映像は映像として観る側にもヘビーに迫ってくる。
この映画、観たほうがいい。これって実は、アメリカに対する真剣な抗議メッセージなのかもしれない。少し毒薬過ぎますが。
それと、単純に大笑いしちゃうし・・・。