kyoの今日を楽しく☆

趣味の陶芸・食べ歩き・映画鑑賞などを通じて毎日を楽しく充実して過ごせたらと思っています!

「ジャーヘッド」

2006年01月31日 20時55分49秒 | 映画
実際に湾岸戦争に従事した元海兵隊員が書いたベストセラーを
映画化した作品、「ジャーヘッド」の試写会に行ってきました!

ジャーヘッドとは・・・
高く髪を刈り上げ、お湯を入れるジャーの形に似ている髪形を称して
海兵隊員の呼び名となったそうです。
これは、完全志願制の海兵隊員のエリート意識を皮肉ってもいるらしいです。


監督は、初監督作の「アメリカン・ビューティー」でアカデミー賞を獲り
「ロード・トゥ・パーディション」を手がけた
サム・メンデスです。
この監督は先の映画でもそうでしたが、人間の心理描写に力を注ぐ方なので
今回の映画もその色が濃かったです。

そして脚本を手がけたのは
ウィリアムズ・ブロイルズで、自身も海兵隊に所属した事もあり
現在は、息子さんが所属しているということで
海兵隊の日々の生活や言動を、リアルに描くことが出来たらしいです。

ストーリーは・・・
海兵隊員に憧れ、厳しい訓練に耐え、狙撃の名手として戦場に送り込まれた
若き兵士のスオフォード。
しかし、政治的な交渉の中で、銃を向ける相手のいないただ広い砂漠で
ただひたすら待つことを強いられる。戦闘によってエネルギーを発散できない
兵士にとって、それは自分自身・そして仲間との戦いを意味していた。

この映画は従来の戦争映画と違い、派手な戦闘シーンはほとんどありません。
実際の戦場の兵士の日常・心の葛藤を追ったドキュメンタリーに近い映画です。

私が見ていて感じたのは、
日本の戦争映画などを見るとほとんどの兵士は、
あの第二次世界大戦の時など、自分の国が攻められている・・
どうしても、嫌でも、自分が行かなくては国・大切な人々がどうなるか・・
ということで、無理やり戦争に駆り出され
否応なく戦場に引きずり出されていった感があるように思います。
戦わなければ・・という必然性があったということです。

中世ヨーロッパを題材にした映画などでも、
戦争をするのは自分の領土が侵されることから
戦ってでもこの土地を守らなければというイメージです。

現代ではアメリカ国内で戦争ということはまずないでしょう。
それでも、あれだけの数の兵士がいるということは
アメリカ人は戦争が好きなのかなと思ってしまいます。
この映画に出てくるチームの若い兵士達のセリフなどから
アメリカ国内で普通に働くのは、ばかばかしかったり、
全然やりがいの無い仕事についていることが嫌で、
兵士になったという人が多そうに思いました。

もちろん、ジェイミー・フォックスが演じるチームの指揮官などのように、
この国を守る仕事が好きだ・誇りを持っているといった人もいるようですが。

まずは、血のにじむような厳しい訓練がありますが、
どうも学校気分が抜けていないまま
戦場に送り出されてしまったような印象でした。
確かに、一時期は砂漠にアメリカ兵60万人近く配置されていたようですし
砂漠で6ヶ月も待機となれば、気分もだらけるかもしれません。
しかし、どうも緊迫感があまり感じられないまま
実際の戦闘に突入していったように思いました。

ああいう仕事を世界の誰かがしないといけないのでしょうか?

しかし兵士自身も語っていたように
誰の為に、何の為にこの戦争を??と思わざるを得ません。
結局、あの戦争から9.11という悲劇につながったのでしょうか?

平和ボケした私の頭でいくら考えても、答えが出そうにありません・・。
しかし、実際の戦場というものをリアルに見せられたが故に
この私でも色々と考えてしまうのかもしれません。