そのころ、世に数まへられぬ古教授ありけり。

この翁 行方定めず ふらふらと 右へ左へ 往きつ戻りつ

8月7日(土)

2010年08月07日 | 昔日記
 立秋日。残暑お見舞い申し上げ候。風に少し涼しさが感じられた。荒川の花火大会だそうだ。娘も浴衣を着て出かけて行った。 

 啄木氏と池袋で待ち合わせて、1軒目はその辺の地階の居酒屋へ入る。一昨日は、啄木氏も国文研においでだったとか。辞書の原稿執筆で、皆大変だな(私も書かねば)。

 ××女史の話というのは、予想していた愚痴ではなくして、私の知らないごたごた、トラブルについての詳細な経緯を説明してくださったのだけれども、端折った話らしく、半分くらいしか理解できなかった。しかし、間に入ったT氏がずいぶん困った立場におなりだろうなあ、ということだけは容易に想像がつく。聞くかぎり、出版社側も短気を起こして、実につまらんことをしたものだ。××さん、ああ見えても、御後見がものすごいからなあ。されば、触らぬ神に祟り無し。私も××さんの学位取得には、行き掛かり上一枚噛んだ次第だが、肝煎り役のT氏が身を引かれたというのなら、代わりに愚生ごときが何かをするというのは、まったくもってお門違いである(何が「パーティ」だ。バカバカしい)。まして、あんなにお世話になったI先生とも、訣別状態というのだから…。あまり強硬に赴いて、あちこちに角を立てまくると、学界全体から総スカンを食うだろうに(もはや既に、ほとんど誰も…学問的には…相手にしていないのが実情だが)。ふう、「正義」をのみ言いたてる人とは付き合いきれん。正しいのは自分だけ…というわけだ(他人の「正義」は顧慮されない)。まあ、別の世界で生きてお行きになるのだろう。それはそれ、「治まる御代」と思いなすべいよ。

 後日また説得すると言われたが、冗談ぢゃない、嫌でござんすと即座にお返事申し上げて、切り上げた。程なく啄木氏の坊ちゃんも合流。東京での研修が終わり、明日帰られるとのことだ。

 2軒目は昭和レトロの「鳥定」に上がったが、坊ちゃんはお気に召さなかったようだった。酒は白ホッピーのセットにする。啄木氏は「中」を追加注文された。さすがに正統派といふべし。藤山一郎の歌に見送られて、店を出る。山手線に乗って帰宅した。あ~、気持ち悪い。想い出すだに吐きそうになる。

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