そのころ、世に数まへられぬ古教授ありけり。

この翁 行方定めず ふらふらと 右へ左へ 往きつ戻りつ

2月12日(木)

2009年02月12日 | 昔日記
 オックスフォード出の教組委員長殿が、組合ニュースにものすごい分量連載された、現下の経済状況と大学の心もとない取り組みに関する高邁なご解説(文中やたらゴシックが多くて、□○のクロカンの文章みたいだった)を、好評につき冊子にして配布するという話が、私の欠席した執行委員会で決定したらしく、メーリングリストで見積もり書が回ってきて仰天した。今私が書いている『百人一首』本の初刷発行部数よりも多い冊数が書きこまれている。おいおい、組合員はいったい何人いるんだよ? そんな何千冊も本当に要るのかいな? 合冊が作りたければ、今まで出たニュースをそのまま版下にして、「MDコーナー」あたりでプリント・簡易製本すれば済む話じゃないの?

 その前の執行委員会で、委員長殿は、周囲では冊子にして欲しいという声が強いとのたもうていたが、私の所属する人文学系学部では、そんな声は一言も耳にしなかったぞなもし。私はもともと、PDFファイルにして組合のホームページに載せておけばいいと主張していたんだ。だいたい経済状況なんぞはあなた、日々刻々と変化するだろう。『百人一首』の研究状況だって変化するぐらいだからね(たとえば「藤原清輔朝臣」の生年が1104年ではなく1108年と確定したのはつい数年前のことだ)。まあ、委員長殿ご所属の経済学部で好評なら、りっぱなご著述だと専門家が認めたということなのだろう。でもね、では経済学部で、いったい何人からぜひ冊子にして欲しいと言われたのだろうか? 経済学部は組合組織率が低く、組合員はたった42名しかいないはずなんだけど…。それで数千冊刷るんですかい?

 この発行部数は、到底理解できないとメーリングリストに返信したが、いつもは素早い反応が返ってくるのに、執行委員は皆沈黙したままである。ああ、とうとう私も嫌われちゃったかなあ。この歳になって、もう喧嘩は疲れるからいやだと思うようになったんだけど…ついつい黙ってられないんだよなあ、こういうことに対して。黙っていればいいのになあ。そういえばK教授は執行委員、しかも副委員長を務めあげた直後に、組合を脱退されたけれども、私も同じ道筋を辿るような予感が… 

 それでも命じられた仕事は果たさねばならぬ。助教・助手向けに続いて、専任教員と任期付き教員向けの組合加入勧誘ビラの案を作り上げて、書記局のMさんに送った。次回、執行委員会で検討してもらうようお願いする。これも組合用語を徹底して排除したから、きっと文句を言われることだろうなあ。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿