そのころ、世に数まへられぬ古教授ありけり。

この翁 行方定めず ふらふらと 右へ左へ 往きつ戻りつ

2月24日(月)贔屓しろと言われても…

2014年02月24日 | 校長は日々是口実

  出雲学生会の幹事Yさんに、お前が校長をしている高校に知り合いの娘が通学しているから、せいぜい贔屓してやってくれよと言われた。じょ、冗談でしょ、贔屓しろって、ウチの高校は校長が大統領か名誉総督、教頭が総理大臣みたいな仕組み・制度になっているから、校長が生徒を贔屓しようにも何もできませんぜ(チョコ玉を1コ、あげるくらいはできるけど…)とお答えした。まあまあと、生徒の名前を聞かされたが、ずいぶんと珍しい苗字である。読み方が難しい。もっとも、私の苗字の方がずっと珍しいがな。

  同居人の姉上がお見えになって、近所の進学塾に、私が校長をしている高校に合格したと、女子2名の名前が、デカデカと貼り出されていたそうである。ううむ、今年は一部の塾のランキングで、遂に県下最難関校の1つ(本当に本当の共学校ではダントツ)に位置付けられておったから、かかる仕儀と相成ったものか? その貼り出された合格者が本当に入学してくるかどうかはまだまだ不確実なるも、通学の便など考えると、おいでいただける可能性は、低くはなさそうな気がする。 

  ネットをモニターしていると、いろいろな苦情が目に入る。今年の入試については対応最低と評され、それは全部、校長が悪いのである(ほんとうは「ぜんぶ雪のせいだ。」と言い訳もしたい。しかし箇所長とは、黙って切腹するのが役目である)。辞任してお気が済むのなら、いくらでも辞任する。まあ、あんなに雪に振り回された挙げ句、不合格だとか、補欠合格待ちとかになったならば、怨んで怨んで悪態をつくしか、気は済むまい。それだけ強く志望していただいたと、受け止めることにする。円形脱毛症がひとしきり拡大した。

  たまたま見付けた、ある進学塾のサイトに、ウチの学校説明会のレポートが載っていた。非常にシンプルで、校長の話はユーモアにあふれて…とあったが、入試に関する説明が無く物足りない云々とも記されている。一体どんな勉強をしたら合格できるとか、どんな問題を出しますよとか、話すものなのだろうか? A学院高等部の教頭をやっているU君や、K中学高校の教頭をやっているN君に聞き合わせてみるかな。U君もK君も、大学院の研究室の後輩なのだ。

  結局、偏差値の序列だとか、そういうこととは全く別世界の高校を目指すべきではないのかと、ずっと考えてきた。やり様次第でそんなことができるのは、もしかしたらここだけではないのか? もとより誰でも通える高校ではない。ハリー・ポッターのホグワーツみたいと感想を述べた子がいた。そういう方向を目指しても面白かろう。他には絶対無い、ユニークな存在意義を構築できたら素敵であろう。

  でも、おそらくそれは絶望的だ。今の法人のキャビネットに、そうした戦略を描ける仁はさし当たって見当たらない。どなたがこの高校の総合プロデュースを担当される理事閣下であらせられるのでしょうか? ガバナンス、ガバナンスと叫んでみても、さて、ガバナンスいづくにかある? 

  卒業生総代から、答辞の中に詠み入れるという短歌を見せてもらった。身の丈に合った、自身のこだわりを大切にした、すてきなすてきな一首である。校長も式辞の中で腰折れを詠み込むつもりだが、総代のほうの作に軍配があがりそう。なお、校長式辞は昨年同様、紙を見ずに諳んじることにする。よくもそんなことができますね!と感心されるも、本業は大学教授、喋るのはお仕事なのである。


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