そのころ、世に数まへられぬ古教授ありけり。

この翁 行方定めず ふらふらと 右へ左へ 往きつ戻りつ

12月10日(水)素白随筆

2014年12月10日 | 公開

  10:00から学位委員会なので、コートのポケットに岩本素白の随筆集の文庫本を突っ込んで家を出た。電車は始発に乗れたので座ることができた。素白の随筆は、時々無性に読み返したくなる。「守部と辮玉」という文章が一番好きである。

  電車の中で読んでいて、ふと、書店で付けてもらった紙のカヴァーの見返しのところを見ると、ボールペンでメモが記し付けてある。「2013 12/17 SSH」と年月日があり、「天翔けり山河越えて若きどちここに集へり大久保の山」と短歌が一首。これは一年前に、高校の校長をやっていて、国際シンポジウムのレセプションで披露するために、新幹線の中で詠んだ時のメモではないか。国際シンポジウムだから、第二句は「海山越えて」とすべきだったかな?と思う。

  この文庫本は2014年1月10日第一刷発行とあるが、たしか書店に並んだ途端に買った記憶がある。dog-ear (dog yearではない!)あちこちに…。しかし、この本は本当に心にくい。第二章の扉に、「川は、みな曲がりくねって流れている」とあるのは、まさに含蓄ある一句といふべいよ。川はみな曲がりくねつて流れゆく…いいよなあ。「Cafe GOTO」の、洗面所へ行く扉の右に掛かっている千曲川の絵を想い出した。

  さて、学位委員会ではまた、発言しまくってしまった。教務頭が回転し始めると止まらなくなり、けっきょく周囲から軽く見られることになるんだが、分かっちゃいるけど止められないんだよね、これが。


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