史跡訪問の日々

幕末維新に関わった有名無名の人生を追って、全国各地の史跡を訪ね歩いています。

麻生

2009年10月11日 | 茨城県
(麻生小学校)


麻生小学校

 麻生小学校の敷地が、ほぼ往時の麻生藩陣屋跡に相当する。小学校の西側にはかつて藩校精義館があった。麻生藩主新庄氏がこの地に陣屋を置いたのは元和五年(1619)である。以来、明治維新まで十五代二百六十七年間、一度も移封もなく存続した。幕府からも歴史からも忘れ去られたような存在であったが、そんな麻生藩にも幕末に一度だけ戦乱が及んだことがあった。
 元治元年(1864)九月、天狗党本隊から分れた少数派と幕府追討軍との戦闘が麻生藩領でも行われた。麻生藩では多数の天狗党残党を捕えたが、一方で麻生藩でも数名の戦死者を出している。

(麻生藩家老屋敷記念館)


麻生藩家老屋敷記念館 家老畑家

 麻生小学校から歩いていけるくらいの場所に麻生藩家老畑家の屋敷が残されている。現存している主屋は、安政三年(1856)に火災で焼失し、翌年再建されたものである。

(天狗塚)
 天狗塚の在り処が分からなくて、近所で庭木の剪定をしていたおじさんに尋ねたところ、「ブルーシートのかぶせてある祭の山車が置いてある公民館の前にある」
ということを、茨城弁で教えてくれた。


天狗塚(左)
右は観音様が祀られている

 麻生藩では捕えた天狗党員を一部幕府軍に引き渡し、或いは領内で処刑した。処刑された天狗党員を弔うために、村人は処刑場に小さな祠をたて「天狗様」と呼んだ。

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