これが私の生きる道

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読んでみてください!!

綿矢りさ「夢を与える」を読んで

2007年05月16日 18時17分41秒 | 読書
 自分にとっていい小説は、読み終わった後も色々考えられるものなのですが
この小説はそういった意味では、いい小説でした。
最後は主人公に感情移入して、その日の夜はこのお話で頭がいっぱいになりました。

 ステージママとのやり取りなど全体的には宮沢りえ、
インターネット流出は奥菜恵、深夜のバカ騒ぎは広末涼子
後、最近起きた加護ちゃんのことも頭によぎりました。
 「私の皮膚は他の女の子たちよりも早く老けるだろう。」という文があるのですが
宮沢りえもある時期を境に、歳より老けた感じになってしまったしなぁ
なんてことも思いました。

 個人的にはインターネットでわいせつシーンが流出する部分には反対です。
レイプとかそういう出来事を入れると
辛くなってより心が揺さぶられるのは事実ですが
ちょっとずるいかなぁって思ってしまうんです。
書く側にとっては殺人の動機にも出来るし、物語も動かせるし
便利なものだとは思うんですけど、できれば使わないでもらいたいです。
 自分が思ったのはこのシーンを入れることによって
映画化やドラマ化しづらくしたかったのかなぁと深読みしてしまいました。
今売れっ子の女優さんは使いづらくなりますしね。

 それと綿矢さん自身も見られる立場になって
そこで感じたことを多少投影させたのかなぁとも感じましたが
本人は絶対そうだとは言わないだろうなぁ。
何かそういう頑なな感じがします。
それでも過去2作よりは面白かったですけど・・・。

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