南天
南天の木は
赤や白い
可愛い実で
毎年玄関わきを
飾ってきた
ぼくが
小学生のとき
雪が降った日には
三つ下の妹が
「オニイチャン
ウサギヲツクッテ」と
ねだるのだった
ぼくがウサギの形を作ると
最後にウサギの
目を入れるのは
妹だった
あれから
南天の木は
五十年間も
この家の
日々の暮らしを
見続けてきた
そして
その南天の木は
今や背丈も
優に三メートルを超え
ついに
瓦屋根を
突き破り
気持ちよさそうに
風に小枝を
揺らしている
こんなに
やわらかな
南天の小枝が
どこにそういう
力をつけて
いるのだろうか
南天は
ぼくに
「人生
諦めちゃ
だめだよ」って
そう
生き方を
身をもって
教えているようだ
南天の木は
赤や白い
可愛い実で
毎年玄関わきを
飾ってきた
ぼくが
小学生のとき
雪が降った日には
三つ下の妹が
「オニイチャン
ウサギヲツクッテ」と
ねだるのだった
ぼくがウサギの形を作ると
最後にウサギの
目を入れるのは
妹だった
あれから
南天の木は
五十年間も
この家の
日々の暮らしを
見続けてきた
そして
その南天の木は
今や背丈も
優に三メートルを超え
ついに
瓦屋根を
突き破り
気持ちよさそうに
風に小枝を
揺らしている
こんなに
やわらかな
南天の小枝が
どこにそういう
力をつけて
いるのだろうか
南天は
ぼくに
「人生
諦めちゃ
だめだよ」って
そう
生き方を
身をもって
教えているようだ