きれいな和服の娘たち
成人式でうきうき
私の娘は車椅子
周りにはひとりも
それらしき人はいない
何人かは目立たない
洋服の娘たちもいて
少しはほっとする
私の娘は質素だが
可愛いセーターでのいでたち
祝宴のひととき
式辞の緊張から
開放された若者たち
車椅子の娘の存在に
気づかないのか
数人の娘たちが笑いながら
車椅子の娘にぶつかって
立ち去ろうとした
そのとき
茶髪の娘が毅然とした態度で
その娘たちに抗議した
「気をつけろよな、ぶつかったら
あやまるもんだろうがよ」
茶髪の娘のやさしさが
付き添いの親の心を慰め
帰途の親子を祝福した
1996年(平成7年)1月 「茶髪の人」
こういう方との出会いは親の心を
とても穏やかにしてくれます。
平成7年というと私がまだそちらにいた時です。
市民会館でのことでしょうか?
2階で行ったときのことです。
外見で判断していた自分を、その時に
大いに反省しました。そして、娘とここに
出席できて良かったと思ったのでした。