すべての頂の上に安らぎあり

今日はぼくに残された人生の最初の一日。ぼくは、そしてぼくたちは、この困難と混乱の社会の中で、残りの人生をどう生きるか?

山茶花

2022-11-26 10:19:16 | 自然・季節

枯れ残ったカエデの葉が
風に揺れる枝の下に
山茶花が咲いている

歌いながらあやす腕に
守られて
花はひっそりと白い

最後の葉が花の上に落ち
花もやがて根元の土に消えたら
自然は乾いた眠りにつく

この土地は開発計画があるそうだ

・・・時が流れ
新緑が 盛夏が廻り・・・

いつかまた この季節に
ぼくはここを訪れるだろうか

あるいは

ぼくが地上を去った後に
ぼくの想いや影だけが
ここを歩き回るだろうか

もうしばらくの間は
この場所はこのまま
在り続けなければならない

影が 失われた花を探して
さまよわぬように

せめて

骨のかけらが土に還るくらいの時間
思い出が消えるくらいの時間
亡霊の心が鎮まるくらいの時間

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