東京教組(東京都公立学校教職員組合)

教職員のセーフティーネット“東京教組”

学力スタンダードの罠

2013年04月04日 | インポート

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 都立高校の学力向上策として、新年度から導入を決めた学力スタンダードに対し、3月28日の教育委員会で乙武教育委員から懸念が表明された。
 学力スタンダードは、各高校の学力の目標を「基礎」「応用」「発展」の3段階から選んで公表し、都立高校の学力レベルを一目瞭然にするもの。
 竹花豊教育委員が、「先生たちにとって指導の目標が明確になる」とメリットを強調したのに対し、乙武洋匡教育委員は、目標に届かない生徒やその指導をする教員が心理的に追い込まれる可能性があり、「目標が達成できなかった生徒へのアプローチを、もっと検討する必要がある」と懸念を表明した。

 サッチャーと、9.11以降のブッシュの「失われた10年」で、生徒と教員を点数至上主義に追い込む教育政策の失敗は証明されている。その罠にはまり、今さらこれを追いかける日本の教育の悲劇がここにある。 
 一方、安倍政権になり、教育再生実行会議が設置され、道徳教育の教科化、いじめ問題の対応、教育委員会制度改革についての危険な教育提言が次々になされいる。自民党の教育再生実行本部の中間とりまとめを見ると、5つの分科会のどれもが学校締め付け、能力主義、教師選別など、危険なものばかりだ。教育委員会制度改革では、教育行政の執行機関を[首長―教育長]体制に変えたり、教職員人事委員会を設置し、教育長はここに教員が「教育公務員としての責務を果たしているか」等、勤務実績について諮問し、その答申に基づいて教育長は教員の適性を確認し、分限免職に値するかどうか等を判断する責務を負うなど教員の首を行政に預ける制度になっている。
 これも学力テストで成績不振校をつくり、教員の能力低下を理由にして解雇、公立学校つぶしをはかったアメリカの後追いだ。

        (キクイモ


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