先日、前任校で離任式がありました。1年間という短い期間でしたが充実したときを過ごすことができ支えてくれた子どもたちに、同僚に、感謝・感謝です。
離任式では、カーネーションやラナンキュラスなどの可愛い花束とともに、3年生のAさんが、お別れの作文を読んでくれました。
1年間の授業の中で、楽しかったことをいくつか挙げてくれた中に「カルタ大会が、楽しかったです。」とありました。
そう、そう「カルタ大会」をしましたね!
2年生だけではなく、4年生もカルタを作って、「カルタ大会」を楽しみました。
たしかに、どの学年もカルタを作っているときも、「カルタ大会」をしているときも、みんな夢中になって取り組んでいました。カルタの紙がなくなってしまっても、チャイムが鳴ってしまっても、「まだ、描きたい!」「まだ、続けたい!」「まだ、遊びたい!」と言って、収拾するのが大変なこともありましたっけ……。
「カルタ大会」と言えばお正月! とは限らないのですね。2年生では学期ごとに、違った「お題」でカルタを作りました。というのも、言語事項、書写などの学習のまとめとしてカルタづくりを位置付けて、取り組んだからです。
たとえば、こんな計画でした。
2年生……… 1学期 カタカナカルタ 2学期 漢字カルタ 3学期 学校紹介カルタ
4年生……… 2学期 百人一首カルタ 3学期 四字熟語カルタ・ことわざカルタ
「カタカナを使う言葉を入れて、絵札・読み札をセットにしてカルタを作る」
「お題に添って、カルタを作る」
こんな課題は、結構難しいことかもしれません。学習したことが身についていなければ自力ではできないことですから……。でも、みんなノリノリで、「わたしは、8セット作ったよ!」「ぼくなんて、10セットだぞ!」とカルタの用紙をわれ先にとゲットしていったのは、子どもたちが自由裁量できることがいっぱいあった学習だったからかな、と思います。
ひらがな・カタカナの読み・書きが少々、苦手なBさんは、絵を描くのがとても上手でした。描きたい絵札があります。その絵札に合わせて、どうしても読み札を書きたいのです。
そこで、「ルージュラって、どう書くの?黒板に書いて!」と訴えてきました。
「描きたい・書きたい・みんなに伝えたい」と、本当に表現したいことがあるときの学ぶ意欲は本物です。Bさんは、支援を受けながら、たくさんのカルタを作りました。Bさんは、遊びの中から、自分のものとして言語や文字を獲得し、基礎力を少しバージョンアップすることができたかな、と思います。
さて、4月22日には、「全国学力テスト」が行われ、約224万人の小・中学生が参加したそうです。自民党政権になった昨年からは、全国悉皆テストに舞い戻っています。さらに、これまでは認められていなかった学校ごとの結果の公表が、今回からは教育委員会の判断で、学校別、区市町村別の成績を公表できるようになりました。
某区では、学テの順位を上げるべく、子どもたちに「過去問」に取り組ませることしきりとか……。これでは、基礎力がつくはずもないと思いますが……。
外側からあたえる「関心・意欲・態度」ではなく、子どもたちが心から「楽しい!」と進んで取り組む授業づくりが、子どもたちの基礎力を育むように思います。
子どもたちが喜んだ実践を少しでも、お伝えできればと、……。
(スカビオサ・江戸川教育文化センターより)
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