東京教組(東京都公立学校教職員組合)

教職員のセーフティーネット“東京教組”

原発と「障害」

2012年07月20日 | インポート
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首相官邸の中では、今日あたりから脱原発デモは減るだろうと予想しているようだが、ツイッターではナメられてたまるかと盛り上がっている。今夜も官邸を多くの人々が取り囲むだろう。鳩山元首相も「参加する意向」というインタビューもツイートされていた。
 さて、先日、紹介した「チェルノブイリ・ハート」について、広河隆一さんが「原発は、あらゆる形の差別を引き起こす要因にもなる。それに取り込まれてはならない」と、「DAYS JAPAN」の編集後記(2011年12月号)に書いている。すこし長いが、引用させていただく。「障害を負った子どもたちが映し出され、『チェルノブイリ事故のせいですか』と取材者が聞き、施設の職員は『そうです』とうなずく。今から10年以上前、国内外の有力誌がいっせいに、『チェルノブイリで身体障害多発』という大見出しで、子どもたちの写真を掲載した。衝撃の報告だった。しかし私は驚いた。ちょうどその時期に、救援のため現地を何回も訪ねていたのだが、そうした話は聞いたことがなかったからだ。私は障害を負った子どもの写真を多く撮影したが、事故との関連が確信できなかったので発表しなかった。次に現地を訪れた時、子どもたちの写真が掲載された施設を訪ねた。そこにはさまざまな障害を負った多くの子どもたちがいた。私は所長に『この子どもたちはチェルノブイリのせいで病気になったのですか』と尋ねた。所長は首を振った。『何人かはそうかもしれないが、ほとんどは関係ないでしょう。なぜならここには事故前から多くの子どもがいたからです。事故の後に1割ほど増えたかもしれないけれど』と言う。雑誌や映画を見た人は、写っているすべての子がチェルノブイリ事故のせいで障害者となったと思ったはずだ。放射能はあらゆる病気の原因になる。遺伝子を傷つけるから出産異常も身体障害も引き起こす。だが、放射能の恐ろしさを訴えるためにこのような強調をしていいのだろうか。人は皆、健康でありたいと願う。親は子どもの健康を望む。けれども『身体異常の子どもができるから原発に反対だ』という言葉は、障害者に『自分のような人間が生まれないために原発に反対するのか。自分は生まれてはいけなかったのか』と考えさせるだろう。原発は、あらゆる形の差別を引き起こす要因にもなる。それに取り込まれてはならない。(広河)」
このような視点が、私たち教職員にも必要だと肝に銘じた。
                         (ノアサガオ)



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