東京教組(東京都公立学校教職員組合)

教職員のセーフティーネット“東京教組”

ゆ党

2013年11月29日 | インポート

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 東京教組の教育研究集会で講演してくださった伊藤真さんが所長を務める
 法学館憲法研究所のホームページはなかなか充実している。(http://www.jicl.jp/
その顧問の浦部法穂さんが、今の政治について次のように述べている。

いまの日本の政治は、「与党」・「野党」というくくりで何かを語れるような「まともな」政治ではない。「野党」とは、国語辞書では非政権党のことだとされているが、英語でいえばopposition partyである。つまり、単に政権に加わっていないというだけでなく、oppositionすなわち政権党の政策への明確な対抗軸をもっているのが、本物の「野党」なのである。しかし、いまの日本の「野党」は、政権に加わっていないというだけで決してoppositionとはいえないものが、うじゃうじゃしている。「与党」である自民党に対抗するのでなく、それを補完する「野党」が、いくつもうごめいているのである。たとえば、安倍自民党は「改憲」に意欲をみせるが、「世論」の反応などを見つつ、「与党」=政権党としては慎重に進めざるをえないという部分もある。これに対し、「改憲」をもっと積極的に進めるべきだと主張する「野党」は、「与党」自民党の煮え切らない姿勢を攻撃するかぎりでは、表面上「与党」に対抗しているようにみえるが、それは「改憲」をめざす「与党」自民党の政策に反対するものではなく、むしろそれを補完するものである。
だから、そのような「野党」は、非政権党ではあってもoppositionではなく、したがって本物の「野党」ではないのである。いまの日本では、そういう「擬似野党」が非政権党の相当数を占めている。

 特定秘密保護法案で自民党と合意した「みんなの党」「維新の会」など疑似ではなく偽装野党だろう。「脱官僚」をかかげるみんなの党が官僚に操られる特定秘密保護法に賛成ではやっていけないと離党する議員も後を絶たない。
 26日の脱原発集会で佐高信さんは、今の「や党」を「よ党」との間の「ゆ党」と揶揄して会場を笑いに包んだ。民主党の一部の国会議員には、「ゆ党」連携で自公政権の集団的自衛権行使を後押ししようする者までいる。
 私たちはどうすればいいのか?浦部さんは、「自分基準」を提唱している。

「国防軍」をもつことが自分にとってどういう意味をもつのか。その「国防軍」には誰が入るのか。自分や自分の子どもが徴兵されて場合によっては戦地に送られることになってもいいのか。というように考えれば、そう簡単にこのような「改憲」には賛成できないはずである。「自分基準」はなんとなく身勝手な議論のようで後ろめたく感じるかもしれない。しかし、すべてそれだけでいいとは言わないが、まずは自分にとってどうなのか、そこから考えることで問題の核心が見えてくると思うのである。

 自分基準を失わなければ、戦争を誰かのせいにしたり、「一億総懺悔」を繰り返すことはない。それが個人の尊厳だろう。
ケイトウ


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