goo blog サービス終了のお知らせ 

KIHAKU's blog

日々の記憶
建築家 筒井紀博のブログ

改正建築基準法について

2007-10-12 15:02:32 | 建築
「balena」や「akari庵」といったプロジェクトの確認申請の手続き時期にズレが生じてます。
というのも今年6/20に施行された建築基準法改正に伴って、大幅に申請業務が変更になり、提出資料なども増えているためです。さらにはそれらを審査する機関も混乱に陥っており、審査業務がしばらく進んでいなかった状況もありました。
今回の法改正、もとは構造計算書偽装問題が発端です。
一部の建築設計士、マンション販売会社の倫理の欠如、確認申請審査業務の不備、国交省による改ざん可能な構造計算プログラムの認定などが原因とされています。
そして今回の改正建築基準法、この事件の当事者である国交省の担当者が法律作成に関わっているそうです。
当然この改正建築基準法では国交省への負担、罰則をなくし、その分、建築士、建設業者、指定建築検査機関への負担が多くなる内容で作成されました。
ようは国交省の身の保全を優先させた法改正だと言わざるを得ない状況です。

これに伴い法改正から3ヶ月以上経った今でも建設業界は混乱が続いています。
すでにこの改正法を緩和する動きが出ているのですが、現状ではまだまだといった具合です。
事実、この8月の日本の着工件数は4割以上減少しているそうです。

当然、我々のような設計事務所も打撃を被っており、当初予定していた入金時期にズレが生じてしまったり、その一方で業務だけが増やされている現状があります。
体力のない事務所などは次々と廃業に追い込まれていますね。
我々も人ごとではなく、確認審査業務のないリノベーション工事(CGは現在進行中のマンションエントランス改修工事)などを積極的に受け、また海外プロジェクトなどにも目を向けています。

国内での新築プロジェクトに関しては業務の増加に伴い、設計監理料の値上げを余儀なくされています。
おそらく現状のままですと、2割は上がってしまうかと。。。
建築主への負担は設計監理用の増加だけでなく、施工費も増加、工期延長(それにともなって仮住まいの費用負担が増えます)など例をあげれば切りがないです。
社会のためにも早期にこの改正建築基準法の修正が施行されることをのぞみます。