toshiの「読書日記」

忘備録を兼ねて読んだ本の感想などを書いています。個人的な感想なので不快に思われたりすることも有るかもしれませんがご容赦。

「失踪都市 所轄魂」 笹本稜平

2020年05月10日 | 読書日記
無人と思われた家から2人の白骨遺体が発見されるところから物語が始まる。
事件性が無いと思われた事案だったが、意外な展開を見せて大きな事件になって行く。
その事件は導入部の背景説明のようなもので、そのうち重大事件が起こるんだろうなと思いながら読んでいたのに、そのまま物語の本筋になっていき戸惑っているうちにもどんどん進んでゆく。

捜査が進むにつれ事件は複雑化していき、ギクシャクしていた捜査チームもまとまっていく中、捜査を妨害するのは意外にも警察内の別部門だったりして登場人物は増える一方。
誰を信じていいのか疑心暗鬼になりながら捜査を続けていくうちに徐々に全体像が見えてきて、物語は俄然面白くなっていく。
そこで気になるのが、残りのページ数。
警察組織の中にまで複雑に絡み合う事件が解決するには残りが少なすぎる・・・・。
もしかして、この小説は物語が完結しないで終了するのか??と思っていると、最後はあっさり解決。
こういう結末は斬新だったけど、ごちゃごちゃ書くよりも良かったかも。。

途中で交わされる捜査員たちの会話が、安っぽい青春ドラマみたいなのばかりなのは頂けない。



徳間文庫
コメント
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