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イメージ図表の誕生

2017-09-11 03:54:15 | Weblog

 おはようございます。

 本書の原稿を出版社に提出し、挿絵を書いていた頃、用件は忘れましたがシャープ本社に出張しました。約束時間より1時間早く到着するよう、新幹線に乗るのが私の習慣。遅刻が嫌いだからです。高校までの12年間、遅刻はゼロが私の自慢。仕事上の約束に遅れたことはありません。

 約束した時刻まで本社近くの本屋で立ち読みするのが私の習慣でした。この時、挿絵を考えていたため、表象や図像の本を棚から取り出し見ていました。その中にイコンの本がありました。この本は高価、買えませんでした。1時間立ち読みしました。

 キリスト教の影響が強い、古典派の絵はイコンの図像を下敷きにしている、ロマン派や印象派の多くの絵ですら、キリストやマリア様や精霊や悪魔を象徴している、イコンの表現は今の西洋人の考えの根底にもある、などと理解しました。

 第五世代コンピュータ開発で、アップルのアイコンの表現はイコンの概念から生まれたと、ソフトウェア部会委員の同僚の、当時の東工大の助教授の、認知科学の研究者の言葉を思い出しました。

 私は東京に帰り、表象の本や認知科学の本を、数冊購入しました。イメージの説明が人を説得できると思いました。西洋のキリスト教の人はアナロジーが好き、小話が好き、冗談が好きです。彼らは講演がとても上手です。大阪人が口が上手いのはアナロジーで冗談を常に話すからだと思えました。比喩が大事だと改めて思いました。

 私はアナロジーの色々な本を読みました。箇条書きを絵に表現し、挿絵を書けないかいろいろ工夫しました。でも直喩はうまくいかず、隠喩が大事と思い、生まれた絵が、第2章、第2節の挿絵です。第2節は付加価値向上の商品戦略の要点が題名です。

 3項の構成ですが、先頭にまとめが12行あります。今ならまとめを短くして、挿絵をその下に書き、その挿絵を説明する文を書くでしょう。90行近くあった戦略の全体像の説明は5行程度、150文字程度にまとめられるでしょう。そして各項に挿絵を加え、短く説明すると思います。合計のページ数は変わらずに。

 当時、難しい挿絵ができ喜んだだけでした。今は、イメージ図像の良さと書き方を学べた項だったと思えます。この絵は私の挿絵の中で一番の傑作でしょう。何時でもどこでも、この図表が頭に浮かんでくるからです。

 その座標は、横軸が営業チャネル、左の限界値が自社のチャネル、右が革新的なチャネル。縦軸は商品の技術、下の限界値が自社の技術、上が革新的な技術です。大きさと高さの違う駒が3つ、付加価値向上の戦略と、革新的な技術の戦略とOEMの戦略になっています。

 マイケル・ポーター博士の戦略論もこの絵で説明できそうだと、今気が付きました。逆に対抗理論を創れたかもしれません。浅はかでした。残念無念、トコロテン。

 今日はここまでにします。

コメント
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