武田勝さん引退。9月23日に札幌ドームで行われた記者会見で正式発表。
9月30日に引退セレモニーを行いますとの告知も込みで。
9月28日、シーズン142試合目でリーグ優勝を決め、30日の最終戦を
最終戦の、そして武田勝さん引退の、セレモニーのために使うことが出来る。
結論から言うと、隅から隅まで武田勝さんらしい素晴らしい引退セレモニーでした。
手紙を読むと見せかけてわざと読まない引退挨拶。場内一周。武田勝さんの登場曲
「1/6の夢旅人 2002」を歌う樋口了一さんのサプライズライブ。そしてオカリナww
さらには、11年の現役生活最後となる武田勝さんの「ヒーローインタビュー」。
しかも、インタビュアーはHTBの谷口直樹アナウンサーという至れり尽くせり。
その動画はこちらから↓↓
2016年9月30日 北海道日本ハム・武田勝投手ヒーローインタビュー
で、ここでは、この動画が将来的に消されてしまってもいいように
極力原文のまま、テキストに書き起こして武田勝さんらしい言葉の
数々を記録として残しておこうと思います。長いけど、ごめんなさいね。
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HTB谷口直樹アナ「札幌ドームの武田ファン…武田勝ファンの皆さん!
そして日本中の武田勝ファンの皆さん。きょうのヒーローにもう一度大きな
拍手をお願いします。背番号38番!武田勝投手です」
谷口「11年間ずっとナイスピッチングでした」
武田勝「そうですか??」
谷「ごめんなさい。たまには違うときもありました。」
勝「そうなんです。辛いときの方が多かったんですよ!」
谷「引退セレモニーってもっと感動的なモノかと思ったんですけど、
途中からずっと自分色に染め上げてきましたね」
勝「言ったじゃないすか!笑顔で送り出せと!!」
谷「その笑顔…ファンの皆さんの笑顔…選手の笑顔…作り出してますねぇ」
勝「そうですねぇ。やっぱり泣いてる姿というよりも、皆さんが笑ってる姿の方が
本当に見てて気持ちいいです」
谷「ただ、きょうの登板前…ちょっと(涙を)我慢できなかったですね」
勝「ぼくも人の子です!!」
谷「どんな思いで、キャッチボール…準備を進めてらしたんでしょうか」
勝「はい。あのー 11年間の思い出があのキャッチボールの中で一気に出てきて
しまったんで。 あのー。ぼくも人の子だなぁって思いましたねぇ」
谷「それと、ベンチからマウンドに行くときのダッシュが非常に速かったですね」
勝「この日のためにトレーニングしてますよ?」(ニッコリ
谷「中継のカメラさん、追いつけてなかったですよ」
勝「あのー。ここ最近、20mダッシュばっかやってましたからね!!」
谷「その成果が出ましたねぇ。」 勝「(はい)」
谷「そして、最後の先発マウンドからの眺め。どんな眺めだったでしょうか」
勝「はい。あのー。やはりぼくの原点だと思ってます。あのマウンドは。
えー。このマウンドに育てられたと思っております」
谷「ファンの皆さんの顔…チームメイトの顔…見えました?」
勝「あえて見ませんでした」
谷「武田勝といえば、スライダー、チェンジアップ…変化球が浮かぶと思うんですけど
まっすぐ3つ、ずばっと投げ込んでいきました」
勝「まっすぐが遅くても勝てるというところを見せたかったんです!!」
谷「11年間、だいぶ勝ってきましたもんね」
勝「いやー。認められるのに時間かかりましたよ?」
谷「投げ終わったあとのバックネット裏。 後輩たちの姿、見えました?」
勝「はい。ぼくはいい後輩に恵まれました」
谷「俺のために優勝しろって書いて、後輩たちから優勝してやったぞって
返される人もなかなかいないと思います」
勝「ま、でも、からの…日本一になれですから。はい。
まだまだね。続きはありますから」
谷「宮西投手が書いたみたいなんですけど。丁寧に下書きもしてありました!」
勝「彼の努力は認めます」
谷「最後の(場内)一周、ファンの皆さんとのご挨拶。どんな思いがこみ上げてきましたか」
勝「そうですね。あのー。わざと手紙読むって言って読まなかった作戦、成功しましたね!!!」
谷「それから、センターでは九州からわざわざ樋口了一さんが待っていてくれました」
勝「そうですね。ぼくの一番好きな歌(1/6の夢旅人 2002)が、ここで聞けるなんて
夢のようでした」
谷「そのあとオカリナ吹いたはいいんですけど。その前にマイク置いてしまったので
ファンの方には音がまったく伝わっていない!」
勝「そうですね。あのー。ついでに歌手も引退するということで」
谷「11年間の思いをこめて お願いいたします」
勝「聞いてください。ドレミファソラシド」
(少々音ハズレのドレミファソラシド。演奏後、なぜかどや顔でガッツポーズの勝さん)
谷「みなさん、こんなんで大丈夫でしょうか」
谷「さぁ、これからクライマックスシリーズ。日本シリーズ残っています」
(場内からアンコールの大歓声。尻ポケットからオカリナを取り出す勝さん)
谷「いけますか?」
勝「聞いてください。ドレミファソラシド」
(先ほどよりはうまいものの、それでもややずれてるドレミファソラシド。場内拍手と笑い)
谷「練習不足じゃないでしょうか」
勝「いいオカリナなんですけどねぇ。すいません。」
谷「…これからクライマックスシリーズ。日本シリーズ残っています。
後輩たちとファンの皆さんに最後にエールをお願いします」
勝「もう一度言います。俺のために日本一になれ!!以上です」
谷「11年間ずっとヒーローでした!!武田勝投手でした!!」
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あのー。テキストに起こしてるだけでも泣けてくるのです…。
こんな異例づくめの引退セレモニーを最終戦でやっていただけるなんて。
記録に残る選手ではなかったかもしれないけれど。
ファイターズファンの記憶にはずっと残り続ける、ファンに愛された選手でした。
俺のために日本一になれ!!というエールを受け取ったファイターズの選手たち。
武田勝さんの現役最後の夢を叶えることはできるのでしょうか。
それを見届けるべく、ポストシーズンも応援を続けていく所存です。