何年か前、知人がプロの写真家に頼まれ、黒五味子が自生する山に入る、と聞き後をついていくことにした。昨日撮った赤い五味子はどこでも見られるが、黒い五味子が自生している事を知らなかった。
車を降りて、獣道を20分ほど歩くとそれらしき現場に着いた。今にもクマやイノシシが飛び出してきそうな気配で、一人ではとても入山する気にはなれない。知人はキノコ採りに入って見つけたようだ。
子供の頃、台風の翌日、母親たちと栗拾いにその山に入ったことを思い出した。当時は獣も奥深くを縄張りとし、栗林までは出てこなかった。強風が吹いた後は、山栗が一面に落ちていた。何升も拾ったものだ。先ずは栗ご飯にし、残った栗は天日で干して保存した。
そんな栗やナラの林も、今は入る人もいない。知人が谷筋で五味子のツルを見つけた。見上げるとそこに黒い五味子の房が見えた。一房、二房、プロの写真家は担いで入った脚立を組み立て、何枚か黒五味子を撮った。
私も背伸びしてデジカメで撮ったが、後日、その出来栄えの差に改めてプロの力量を知らされた。
黒五味子について調べてみたが、韓国の済州島の特産のようだ。日本では長野県に多く自生しているらしい。エキスを飲む、五味子茶で飲む、赤五味子より黒の方が老化防止に効用があると言う。
黒五味子