季節感を喪失したかのように、庭のミツバツツジが花を付けた。一輪、二輪でないのが驚きだ。ミツバツツジがこの時期に何輪も咲いたのは記憶にない。この現象を「狂い咲き」と聞いたことがあるが、やはり、今年の気候は草花にとっても、大きなストレスになったに違いない。
ミツバツツジの後方はナツハゼで、こちらは季節感満載で紅葉しているが、実が全く付かなかった。
このナツハゼは知人から一株分けて貰い、何年も前から実を付けていたのだが、今年はその気配さえ無かった。人間が新型コロナウイルスへの不安で自律神経に変調をきたすように、気候の異常で、草花にも同じような現象が起きているのでは、と勝手に想像している。
春先から草花を追ってきて、雑草としか呼ばれない草花にも、それなりの主張があることに気付いた。新型コロナウイルスの出現で、高齢者で病気をした自分が弱い立場にいる、と自覚したせいかも知れない。
新種改良された草花の華やかさも魅力だが、野に自生する草花の野性味、そして内気な表情がやけに心に残っている。デジカメで撮る平凡な一枚、一枚に過ぎないが、今では私の生活の一部になった。
何故か今日は感傷的だ。すっきりしない空模様のせいかなあ。