今日の朝日新聞から
人工衛星守る「宇宙作戦隊」18日始動
河野防衛相発表 まずは20人規模で
河野太郎防衛相は8日の記者会見で、自衛隊で初めての宇宙専門部隊「宇宙作戦隊」を
18日に発足させると発表した。航空自衛隊府中基地(東京都)に20人規模で立ち上げる。
当面は日本の人工衛星を宇宙ごみ(スペースデブリ)から守る監視任務などを担う。
宇宙空間ではロケット部品などのごみが急増し、人工衛星と衝突して衛星が破壊される
危険が高まっている。河野氏は「(宇宙作戦隊は)宇宙空間を安定的に利用するための活
動を行う」と説明。「宇宙はサイバー、電磁波と並んで重要な新領域。宇宙領域における
わが国の優位性を早期に獲得する観点から非常に意義がある」と強調した。
河野氏は民間と技術面で協力していくほか、将来的には部隊の拡大をめざす考えも示した。
空自に宇宙作戦隊を新設する組織改編などを盛り込んだ改正防衛省設置法は、4月17日に
参院本会議で可決、成立した。(寺本大蔵、伊藤嘉孝)
★2023年度を目標に監視任務をスタートさせる。宇宙監視を任務とする専従組織は自衛隊
で初めて。
地球の周りでは、運用を終えた人工衛星やロケットの破片が飛び交い、稼働中の人工衛星
と衝突する危険がある。また中国やロシアが人工衛星を攻撃する兵器の開発を進めており、
政府は宇宙監視体制の構築に力を入れている。
防衛省は作戦隊の発足に向け、19年9月に山口県山陽小野田市で巨大アンテナなどのレー
ダー施設の造成を開始。完成すれば、3万6000キロ上空の静止衛星軌道を中心にデブリや
不審な人工衛星の動きを追跡できるようになり、23年度に始める予定だ。さらに26年度
までに光学望遠鏡を搭載した新人工衛星を打ち上げ、監視を充実させる。地上のシステム
整備に16年度以降で計約430億円、新衛星関連に約30億円を計上している。
監視任務の開始までに、宇宙航空研究開発機構(JAXA)や米軍との連携、宇宙に精通
する自衛官育成の在り方を検討する。高軌道の観測は作戦隊が、低軌道(高度1000キロ以下)
はJAXAが担う構想の具体化も図る。作戦隊の新設は、中期防衛力整備計画(19~23年度)
に盛り込まれ、改正防衛省設置法が4月に成立し可能になったが、防衛省内では「宇宙は
未知の領域だけに態勢が整うのに10年はかかるのでは」と戸惑いの声も漏れる。
人工衛星守る「宇宙作戦隊」18日始動
河野防衛相発表 まずは20人規模で
河野太郎防衛相は8日の記者会見で、自衛隊で初めての宇宙専門部隊「宇宙作戦隊」を
18日に発足させると発表した。航空自衛隊府中基地(東京都)に20人規模で立ち上げる。
当面は日本の人工衛星を宇宙ごみ(スペースデブリ)から守る監視任務などを担う。
宇宙空間ではロケット部品などのごみが急増し、人工衛星と衝突して衛星が破壊される
危険が高まっている。河野氏は「(宇宙作戦隊は)宇宙空間を安定的に利用するための活
動を行う」と説明。「宇宙はサイバー、電磁波と並んで重要な新領域。宇宙領域における
わが国の優位性を早期に獲得する観点から非常に意義がある」と強調した。
河野氏は民間と技術面で協力していくほか、将来的には部隊の拡大をめざす考えも示した。
空自に宇宙作戦隊を新設する組織改編などを盛り込んだ改正防衛省設置法は、4月17日に
参院本会議で可決、成立した。(寺本大蔵、伊藤嘉孝)
★2023年度を目標に監視任務をスタートさせる。宇宙監視を任務とする専従組織は自衛隊
で初めて。
地球の周りでは、運用を終えた人工衛星やロケットの破片が飛び交い、稼働中の人工衛星
と衝突する危険がある。また中国やロシアが人工衛星を攻撃する兵器の開発を進めており、
政府は宇宙監視体制の構築に力を入れている。
防衛省は作戦隊の発足に向け、19年9月に山口県山陽小野田市で巨大アンテナなどのレー
ダー施設の造成を開始。完成すれば、3万6000キロ上空の静止衛星軌道を中心にデブリや
不審な人工衛星の動きを追跡できるようになり、23年度に始める予定だ。さらに26年度
までに光学望遠鏡を搭載した新人工衛星を打ち上げ、監視を充実させる。地上のシステム
整備に16年度以降で計約430億円、新衛星関連に約30億円を計上している。
監視任務の開始までに、宇宙航空研究開発機構(JAXA)や米軍との連携、宇宙に精通
する自衛官育成の在り方を検討する。高軌道の観測は作戦隊が、低軌道(高度1000キロ以下)
はJAXAが担う構想の具体化も図る。作戦隊の新設は、中期防衛力整備計画(19~23年度)
に盛り込まれ、改正防衛省設置法が4月に成立し可能になったが、防衛省内では「宇宙は
未知の領域だけに態勢が整うのに10年はかかるのでは」と戸惑いの声も漏れる。